冷蔵庫の中には複数種類の保管場所があり、それぞれ適正温度が存在します。
冷蔵庫の中に野菜や肉類などを保存する時も、食材に合った温度の室に保存することで、食材をより良い状態で長持ちさせることができます。
本記事では、冷蔵庫の各室の適正温度や食材ごとの保管場所、季節ごとの温度設定、冷蔵庫の電気代を節約するコツをご紹介します。
冷蔵庫の適正温度の基準
日本国内で販売されている冷蔵庫は、日本産業規格(JIS)が定めた国家規格に適している必要があり、間違いなく認定された証としてJISマークがつきます。
JISマーク付きの国内冷蔵庫については、各室に適正温度が定められており、まずは冷蔵庫内の各室がどの程度の温度設定で作られているのかを確認することが大切です。
冷蔵室(2~5℃)

冷蔵庫のメイン部分とも言える「冷蔵室」の適正温度は2~5℃です。
また、冷蔵室の温度は下記の特徴があります。
- 上段から下段にかけて温度が低くなる
- 冷蔵室に冷気を送る「吹き出し口」周辺は最も冷える
この特性を理解しておき、どの場所に保存するかを考えることが大切です。
冷凍室(-20~-18℃)
冷凍室の適正温度は「-20~-18℃」です。
-20℃という冷たさは微生物が増えない温度でもあり、長期間食材を冷凍することを考慮に入れた設計となっています。
ただし、業務用冷凍庫とは異なり、家庭用冷蔵庫の冷凍室の温度では、食材の賞味期限を無視して長期保管することは適切ではないため、「冷凍庫で凍らしておけば大丈夫」と必ずしも認識しないことも必要です。
また、冷凍庫の場合は、隙間を与えずに保管しておくと周囲が凍らせ合って、より効率的に冷凍することが可能です。
チルド室(0℃)
チルド室の適正温度は0℃です。
食材を凍る寸前で保存することが目的の場所であり、長持ちさせながらも鮮度を保ちたい時などに活用するのがおすすめです。
ただ、賞味期限内に余裕をもって使用するのであれば、冷蔵室の方が適している場合もあります。
野菜室(3~7℃)
野菜室の適正温度は「3~7℃」です。
この温度は、大部分の種類の野菜を、鮮度を保ったまま保存しておくのに適した温度です。
しかしながら、必ずしも全ての野菜にとって適正温度である訳ではないので、各野菜の鮮度を保つ最適温度を調べながら、保存する場所や方法を決めるのが良いでしょう。
パーシャル室(-3℃)
パーシャル室の適正温度は「-3℃」です。
パーシャルの目的は、半冷凍状態で食材の鮮度を保ちながら長持ちさせることです。冷凍室で完全に凍らせるよりも、ある程度新鮮さを保った状態で食材を保存し、取り出して比較的すぐ使用することができます。
冷蔵庫の適正温度から考える食材ごとの保管するべき場所
食材の鮮度を保ちながら長持ちさせるためには、冷蔵庫の適切な場所に保存することがとても大切です。
冷たすぎたり、温かすぎたりすると、食材の最も良い状態が早く失われてしまうので注意しましょう。
野菜
一般的な野菜に関しては、野菜室で保存するのがおすすめです。
野菜室の温度は冷蔵室と比較して少し高めにできており、冷蔵室で保管するよりも鮮度を保ちながら長持ちさせることができます。
もちろん野菜の種類によって最適な保存温度は異なり、例えば葉野菜では野菜室よりも冷蔵室の方が適切である場合があります。ただし、冷蔵室のどの段に保存するのか、吹き出す口から離れた場所に保存するかなどは野菜ごとに慎重に決めることが必要です。
肉類・魚介類
肉類や魚介類を保存する時は、チルド室を活用するのがおすすめです。
チルド室は0℃で設定されているため、凍る直前の温度で保存することができるので、肉類や魚介類をできるだけ長持ちさせることができます。
ただし、購入してその日にすぐ使用するという場合は、チルド室に入れる必要はなく、冷蔵室での保存で十分です。
加工食品・乳製品
スーパー等で購入することの多い加工食品や乳製品は、冷蔵室での保管が向いています。
特に利用頻度の高いものは冷蔵室の中でも最も温度の高い上段に設置するのがおすすめです。
寒いほど長持ちはしますが鮮度が落ちてしまうので、利用頻度順で冷蔵室内のどこに保存するかを決めると良いでしょう。
調味料・飲料
調味料・飲料は、冷蔵庫で保管するものの中において、最も温度変化に大きな影響を受けないものになります。
そのため、ドアの開閉などでの温度変化が多いドアポケットのスペースには、調味料や飲料をおくと良いでしょう。
夏や冬など季節ごとに冷蔵庫の温度設定は変えるべきか
冷蔵庫の温度設定は、季節ごとに若干の微調整をするのがおすすめです。
理由は、冷蔵庫は外気温度によって影響を受け、同じ温度設定であっても夏は高く、冬は低くなりがちだからです。
よって、夏は温度設定を低くし、冬は温度設定を高くすることで、実際の冷蔵庫内の温度設定を均一に調整することができ、食材をどの季節においても適切に保管することができるようになります。
冷蔵庫の温度設定を変えるタイミング
冷蔵庫内の温度測定ができる機能があれば、基準の数値を定めて変動が合った時に温度設定を変更するのが良いでしょう。
温度測定がない場合は外気の気温を参考にして、夏であれば最高気温が30℃を超えたら、冬であれば最低気温が0℃付近になったらなどの基準を定め、そのタイミングで温度設定を変更すると良いでしょう。
冷蔵庫の温度設定を変更する方法

冷蔵庫の温度設定方法は、冷蔵庫の種類によって異なります。
- 最新タイプ:冷蔵庫の操作パネル部分から操作
- 従来タイプ:冷蔵庫内の温度調節箇所で操作
必ずしも冷たいことが最強という訳ではないので、常時「強」状態で保存するのは控えましょう。
冷蔵庫の実際の温度を確認する方法
冷蔵庫内の実際の温度を測定する方法は次のとおりです。
- 最新タイプ:冷蔵庫の操作パネルから確認
- 従来タイプ:冷蔵庫専用の温度計を使用する
通常の温度計でも計測することは可能ですが、正しく温度を把握したい場合には冷蔵庫用の温度計を用いるのがおすすめです。
冷蔵庫の電気代を節約するコツ
ここからは、冷蔵庫の消費電力を抑えて電気代を節約するコツをご紹介します。
冷蔵庫は特に電気代がかかる家電になりますので注意しましょう。
ドアの開け閉めの回数を減らす
冷蔵庫の消費電力は、冷蔵庫内の温度を一定にするための「冷やす」行為で発生します。
そのため、冷蔵庫内の温度が変化する機会を減らすことが、消費電力の抑制、つまり電気代の節約に繋がります。
冷蔵庫のドアの開け閉めを頻繁に行う、長時間開けっ放しにすることは、冷蔵庫内の温度を高くする結果に繋がるため、消費電力を増やしてしまいます。
そのため、冷蔵庫を開ける機会はできるだけ少なくし、さらには短時間で閉めることが重要です。
熱いものは冷ましてから冷蔵庫に入れる
調理したものを冷蔵庫で保存する場合、アツアツの状態で冷蔵庫に入れてしまうのも消費電力を消費する原因です。
調理した後はキッチンやリビングで一定期間置いておき、常温に変化してから冷蔵庫に入れるのが望ましいです。
冷蔵庫に食材を詰め込みすぎない
冷蔵室に食材を詰め込みすぎてしまうと、冷蔵機能が十分に働かずに消費電力を多く消費してしまう結果となります。
そのため、食材同士はギュウギュウ詰めにはせず、一定程度間隔を空けながら保存することが大切です。
ただし、冷凍室に関しては反対で、互いの距離をあまり空けずに保存しておくことで、冷凍室に入っているもの同士が凍らせ合ってくれるので、より効率的に冷凍されます。
壁から少し離した場所に冷蔵庫を設置する
冷蔵庫は、内部に冷気を送る代わりに周囲に熱気を発散します。
そのため、冷蔵庫と壁の間に一定程度のスペースがないと熱気を放つ場所がなくなり、冷蔵が正常に機能しにくくなってしまいます。
家電を設置する時に、少なくとも10cm程度は距離を空けて設置してもらうようにしてください。
冷気が逃げないようにグッズを使用する
冷蔵室のドアの開け閉めの際に冷気を逃さないようにするためには、冷蔵庫用のビニールカーテンを中に設置するのも一つの手段です。
ビニールカーテンを設置することで、ドアを開けてもビニールカーテンで冷気が外に出るのを防いでくれるので、冷蔵室内の温度が温かくなるのを防ぎやすくなります。
省エネモードを使用する
冷蔵庫の中には「節電モード」や「省エネモード」機能が付いている場合もあります。
これは、冷蔵庫に対する消費電力を一定にするのではなく、ドアの開閉など温度変化が合った時だけ消費電力を強めて内部の温度を一定にしようと動いてくれるものです。
この機能を活用することで、冷蔵庫を使用していない時の消費電力を抑えることができ電気代の節約に繋がります。
AI&温度センサーで最適な温度設定ができる冷蔵庫メーカー
Panasonic
Panasonicの最新冷蔵庫には次のような機能がついています。
- はやうま冷凍:業務用レベルの急速冷凍で鮮度抜群!!
- はやうま冷却:調理後のお弁当を一気に冷やせる急速冷蔵
- 微凍結パーシャル:肉類・魚介類を新鮮に保存
- Wシャキシャキ野菜室:野菜を新鮮に保存
- AIエコナビ:センサーとスマホGPSで温度調整を自動で最適化
- 専用アプリ「Cool Pantry」
- ナノイーX:冷蔵庫全室にナノイー浸透で常に清潔!
最先端の冷蔵庫が欲しい方は、Panasonicの冷蔵庫をまずチェックしてみるのがおすすめです!
ワイン好きにおすすめの専用クーラー付き冷蔵庫
A-Stage
一人暮らしをしているワイン付きの方は、A-Stage社から発売されているワインクーラー一体型の冷蔵庫のおすすめです。
ワインクーラーと冷蔵庫はどちらも手動で温度設定することができ、ワインに合った最適な温度で保存することが可能となっています。
最大8本まで保管することができるので、自分の厳選コレクションを集めても良いかもしれないですね!
まとめ
本記事では、冷蔵庫の最適温度と温度設定のコツをご紹介してきました。
冷蔵庫の各室には最適温度があり、食材に合った場所で保存することでより長く新鮮な状態を保ちやすくなります。
美味しいご飯には新鮮な食材が欠かせませんので、上手に冷蔵庫を活用して美味しいご飯を食べましょう!
