『黒執事』シリウス様のまとめページです。シリウス様は、双子の兄である本物のシエル・ファントムハイヴで、スフィア・ミュージックホールの「シリウス様」として登場します。シエル兄とアンダーテイカーとの関係、ファントムハイヴ邸襲撃との関与など、黒執事のシリウス様について解説していきます。
『黒執事』シリウス様(シエル兄)の基本プロフィール
名前 | シエル・ファントムハイヴ |
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立場 | ・ファントムハイヴ伯爵を継承する予定だった後継者 ・双子の兄弟の兄 ・ヴィンセント、レイチェルの息子 |
特徴 | ・シエル(弟)が大好き ・弟の知らないリジーとの思い出を経験 |
『黒執事』シリウス様(シエル兄)とは?双子の兄
ファントムハイヴ家の長男
シエル兄は、ファントムハイヴ家の双子の長男であり、本物のシエル・ファントムハイヴです。
10歳の誕生日にファントムハイヴ邸の襲撃があり、そこで弟と共に連れ去られ、儀式の間でセバスチャンを呼び出す「渡り賃」として捧げられてしまいました。
シリウス様
燃え盛る建物の中からアンダーテイカーが肉体が持ち出され、シリウス様として復活を果たします。
シエル兄の血液型は希少なAB型であり、供給量が十分でないことからまだ活動時間は短いです。
現在は、シエル兄への供給拠点と目される四箇所に対して、シエル兄弟の陣営同士で争っています。
『黒執事』シリウス様(シエル兄)の性格・人物像
弟が何より大好き
シエル兄は、弟のことが何よりも大好きな性格をしています。ファントムハイヴ邸襲撃の前には、下記のように弟への愛情深い一面を見せています。
- 弟が体調を崩すと体に良い食事を運んできて食べさせる
- 咳が止まらない夜には弟の好物の「蜂蜜入りホットミルク」を秘密で持ってくる
- 外に出られない弟とチェスなどで遊び、それが一番楽しいと答える
- 弟が送り出してくれたボート遊びの際には、お土産で大量の花を持ってくる
- 弟が将来オモチャ屋さんになると話すと、自分もなると駄々をこねる
シエル兄は誰よりも、何よりも弟のことが大好きで、弟とずっと一緒に生きていくことを望んでいました。
アンダーテイカーに「エピソードが充実している」と言われていますが、これは「弟との未来」を渇望していたものと思われます。
シリウスになった後は冷酷
アンダーテイカーによってシリウスになった後は、生前と比較して冷酷となっている一面があります。
- ファントムハイヴ邸で「使用人の分際で主人の許可なく口を開くな」と発言
- 弟のファントム社のぬいぐるみを「適当に処分しておいてくれ」とポイ捨てする
この行動は生前のシエル兄とは異なった一面となっており、側に控えるタナカが様子を見るかのような視線を送っています。
10歳の誕生日の際には、調理場を覗き込もうとしたシエル兄弟に対して、本番まで見ちゃダメだとメイドが楽しそうにブロックしていることから、「許可なく口を開くな」といった厳格な関係性ではなかったことは明らかです。
また、弟を大切に思うシエル兄であれば、弟が大切にしているオモチャ屋のぬいぐるみに対して、「適当に処分しておいてくれ」と話すこともないでしょう。
上記のことから、シリウス様となったシエル兄は、生前のシエル兄とは若干のズレがあり、それは「シエル兄ではない」と周囲に思われてしまう原因にもなってしまいそうです。
『黒執事』シリウス様(シエル兄)のセリフ・口癖
僕も伯爵じゃなくてオモチャ屋になるぅ〜〜
やっぱり僕はファントムハイヴ伯爵になるしかないんだね
聞いたか?葬儀屋、僕の弟は本当に賢い!
『黒執事』シリウス様(シエル兄)の過去は?
10歳の誕生日にファントムハイヴ邸の襲撃に遭う
シエル兄は、10歳の誕生日にファントムハイヴ邸の襲撃に遭遇します。
タナカが18時に部屋に迎えにくると言ったため、シエル兄は弟と一緒に部屋で待ちますが、どれだけ待っても誰も迎えにきません。異変を感じたシエル兄は、弟を部屋に残し、これは長男の役目だと言って自分が様子を見にいきます。
作中での描写はここで途絶え、次に弟と出会ったのは二人とも捕まってしまった後でした。
ヴィンセントの指輪を持っていたことから、シエル兄は父親の私室で両親が倒れているのを発見しており、そこから代々当主が受け継ぐ指輪をもらったものと思われます。
「儀式の間」で生贄に捧げられセバスチャンの「渡り賃」とされている
弟と一緒に、教会らしき建物に連れてこられたシエル兄は、地獄のような一ヶ月間を過ごします。
そして、建物に来て30日間が経過した満月の夜に、怪しい組織の手によって生贄に捧げられ、セバスチャンが顕現するための「渡り賃」として接収されることとなりました。
セバスチャンは、悪魔に食べられ魂は「審判を前にただ消える」と話していたことから、シエル兄の魂は消滅したものと思われます。
その後、セバスチャンと弟によってその場は一掃され、シエル兄が食べて隠したファントムハイヴ家の指輪は、二人によって抽出されます。建物には火を放たれ、弟が兄の名前で兄の願いを叶える人生を歩き出します。
アンダーテイカーによって肉体を運び出される
魂を失ったシエル兄の肉体は、燃え盛る建物の中で灰に変わる前に、アンダーテイカーによって持ち出されます。
アンダーテイカーはこの時のことについて「だいぶ邪魔が入った」と発言していたことから、シエル兄の魂を回収しにきた死神と戦闘になったか、アンダーテイカーと恐らく敵対関係にある英国王室に仕える人外と戦闘になったものと思われます。
少しずつ時間をかけて動ける状態に調整される
持ち出されたシエル兄の肉体は、アンダーテイカーによって少しずつ時間をかけて調整されていきます。
ファントムハイヴ伯爵として動き出した弟の側に常に一緒にいて、青の教団編でようやく、自分で考え、自分で話し、自分で動ける状態にまで完成しました。
- 赤執事編では、アンダーテイカーの建物でシエル弟が座った棺桶の中
- サーカス編では、燃え盛るケルヴィン男爵の屋敷を見守る
- 豪華客船編では、他のビザールドールと同様に棺桶に入っており、アンダーテイカーに噛み付く
- 寄宿学校編では、副校長アガレスに匿われながらクリケット大会での弟の活躍を見守る
英国が舞台となっている章では、「黄執事編」と「幽鬼城事件編」でのみ登場が描かれていません。
黄執事編ではカリー品評会に女王陛下とジョン・ブラウン、幽鬼城事件編ではチャールズ・グレイが登場していたことから、英国王室との関与を避けていた可能性があります。
『黒執事』シリウス様(シエル兄)の主な活躍
ファントムハイヴ伯爵家長男として愛されて育つ
シエル兄は、ファントムハイヴ伯爵家に双子の長男として生まれ、周囲に愛されながら幸せに生きてきました。弟をこよなく愛しており、ずっと一緒に生きていきたいと考えています。
- シエル弟が体調の悪い日には料理を作って運んできてくれる
- シエル弟と一緒に遊ぶのが一番楽しい、だから一緒にいるのだと話す
- シエル弟が夜に咳き込んでいると蜂蜜たっぷりのホットミルクを持ってくる
- 弟が体調が悪く外遊びに行けないと、お土産に大量の花を摘んでくる
屋敷にはヴィンセントの協力者達が時折遊びにきており、ディーデリヒやピット、クラウス、アンダーテイカーとも顔馴染みでした。
「シエル」の名前の由来が明かされる
ある日、領主の仕事をシエル兄弟に教えるため、ヴィンセントは双子を連れて領地を回っていきます。
街の情報を管理している教会での牧師とヴィンセントの会話の中で、「シエル」という名前について次のことが分かりました。
- 名前はレイチェル(母親)がつけていた
- 英国にしては珍しい名前で、フランス語由来
- 親戚には大反対されていた
シエルはフランス語で「天、空」を意味する言葉であり、レイチェルは10歳の誕生日の際には「おめでとう、私の天使達!」と言って双子を抱きしめています。
オモチャ屋さんになると話す弟に拗ねる
教会では、シエル兄弟は将来のことについて話します。シエル兄は、弟は医師か牧師となって自分とずっと一緒に過ごしてほしいと願っていましたが、弟の希望は「ロンドンでオモチャ屋さんになる」ことでした。
いつか将来離れ離れになってしまうことを予感したシエル兄は拗ねて、ベッドの中に籠り、もう勉強なんてしないと言って出てこなくなります。
レイチェルとヴィンセントが優しく理由を問うと、弟がオモチャ屋さんになると言ったことを話し、自分も伯爵じゃなくてオモチャ屋になると泣いてしまいました。
悲しむシエル兄を母レイチェルは優しく慰め、ファントムハイヴ家当主だけがつけることのできる「星のきらめきを閉じ込めた深い青」の指輪をシエル兄につけてあげます。レイチェルは、伯爵はシエル兄しかなれない特別な立場であると話し、ヴィンセントは、立派な伯爵になれば弟を助けられると教えます。
二人の言葉を聞いたシエル兄は、「やっぱり僕はファントムハイヴ伯爵になるしかないんだね」と言葉をこぼし、「わかったよ」と笑顔に戻りました。
その後、伯爵になることを受け入れたシエル兄は、元のように元気に過ごしていきます。過ごした時間の中には、弟が反応することのできなかった、花柄のイースターエッグをリジーと一緒に笑い合う思い出も描かれていました。
10歳の誕生日に屋敷が襲撃され「生贄」に捧げられる
10歳の誕生日にファントムハイヴ邸が襲撃されると、シエル兄は生きたまま捕縛され、弟と一緒にある貴族に買われてしまいます。
貴族の屋敷で丁寧に体が洗われ、美味しいご馳走が与えられた後、別の建物へと移動させられ、そこで弟と共に地獄の1ヶ月を過ごすことになりました。
地獄の最中でもシエル兄は希望を捨てることがなく、弟を励まし、屋敷に戻って二人で一から始める希望を語ります。
しかし、建物に連れてこられて1ヶ月が経過した満月の夜、シエル兄は建物の中にいた人物達の生贄に捧げられ、セバスチャンが召喚されるための「渡り賃」とされてしまいました。
アンダーテイカーによって屋敷から運び出される
シエル兄は燃え盛る屋敷の中から、アンダーテイカーによって運び出されていました。
その後、アンダーテイカーの蘇生技術によって少しずつ調整され、自分で考え、動き、話せる状態にまでなります。
調整されている間もずっとシエルの側にいて、シエルのファントムハイヴ伯爵としての動きを見ていたことが明らかになります。
スフィア・ミュージックホールで治療を受け続ける
スフィア・ミュージックホールの奥の部屋で治療を受けていたシエル兄は、そこでリジーとの再会を果たします。
リジーはシエル兄との再会によって激しく動揺し、自分でもどうしていいのか分からないまま、ただもう一度シエル兄を失わないように、迫る危険に対して対処をしていました。
弟がファントム・ミュージックホールを手がけたことで、スフィアによる供給が不足状態となり、予定よりも早くシエル兄達は動き出すこととなります。
アグニ・ソーマのいる町屋敷を襲撃
スフィアを出たシエル兄は、ロンドンの町屋敷へと向かい、そこでソーマ、アグニと出会います。
ソーマがシエル兄に対して熱でもあるのかと手を当てると、「気安く触るな」といって拳銃をソーマに向けました。
アグニがソーマを助けにきますが、シエル兄の側に控えていた人物の奇襲に深手を負ってしまいます。ソーマを守りきることはできましたが、アグニはそのまま命を落とす結果となります。
ファントムハイヴ本邸に登場
その後、シエル兄はファントムハイヴ本邸に登場し、そこでフィニアン達使用人と出会います。
シエル弟が屋敷に戻ってくると、上階から姿を現して使用人達を驚かせました。タナカがシエル達は双子であることを打ち明け、リジーもシエル兄が本物であることを証明します。
シエル兄は、あくまで弟に対して友好的に接していきます。
- シエルが嘘をついていたことを叱るつもりはない
- むしろお前を嘘つきだと責める奴がいたら僕が許さない
また、シエル以外の人物に対しては極めて厳しい態度をとっています。
- セバスチャンに対して「あの日はよくもやってくれたな」と発言
- 「使用人の分際で主人の許しもなく口を開くな、耳障りだ」と発言
その後、アンダーテイカーや死神の登場もありましたが、恐らくシエル兄がタレコミをしたことで警察の突入があり、シリウスの罪を弟に擦りつけ、ファントムハイヴ伯爵として屋敷に復帰します。
シエル弟との兄弟喧嘩を始める
屋敷に復帰した夜、シエル兄はアンダーテイカーに「僕たちは兄弟喧嘩をしたことがないんだ」と話しています。
そして、弟と本気で兄弟喧嘩ができそうなことが楽しみで仕方がないと発言しています。
この時点ではシエル兄の活動時間は短く、夜になると意識が失われ、手足から血管が浮き出てしまう状態になってしまいます。シエル兄は、早く弟の元に行きたいのに歯がゆいと発言しており、シエル兄の望みは「弟と一緒にいること」だと明らかになりました。
ファントムハイヴ伯爵として活動を始める
翌日、屋敷を訪れたアレクシス、フランシスに対して状況の説明をしました。二人は完全には納得していないものの、言葉を呑み込んでその場は立ち去ります。
部屋に戻ったシエル兄の元にはタナカが現れ、領主としての仕事の書類を持ってきました。また、この際使用人がすぐにでも必要と進言されています。
- 使用人は最低でも30人以上は必要
- アンダーテイカーが「執事」の仕事をするのは無理
- 「ポラリス」や「ベガ」達はシエル兄の食事の調達しに出張中
また、シエルが創業した玩具メーカー「ファントム社」の新製品が屋敷に届くと、弟が夢を叶えていたことを知って喜びます。
- 地代の低下を補うために、先を見越して事業をスタートしていたことに気付く
- 僕の弟は本当に賢いと絶賛する
- 自分だったら鉄道か通信に投資してただろうなと話す
一瞬ぬいぐるみを愛おしむように抱きしめますが、すぐにポイ捨てし、タナカに「適当に処分しておいてくれ」と言って去っていきました。
『黒執事』シリウス様(シエル兄)はどうなる?残された考察と最期
シエル兄はファントムハイヴ本邸の襲撃に関与しているのか?
シエル兄と10歳の誕生日の時のファントムハイヴ邸襲撃には、「関係がない」と本サイトでは考察しています。
まず、シエル兄が屋敷襲撃に関与していたと疑われた原因は次の通りです。
- 直前に「ファントムハイヴ伯爵になるしかないんだね」と発言
- セバスチャンに事前に轡をはめた人物がいる
- あの状況で父ヴィンセントの指から指輪を取っている
- 買われた貴族の屋敷で「予定と違う」とでも言いたげな怪訝な表情を見せる
上記のような関与が疑われる原因がありますが、次の二点によって、シエル兄は襲撃側ではないと考えることができます。
- タナカが病院でシエル弟を見て「坊ちゃん」と叫び、一目で弟であると見抜いている
- 屋敷襲撃の際の剣戟音
タナカの不自然な発言からのシエル兄の行動の推察
「儀式の間」での出来事の後、シエル弟がセバスチャンを連れてアン叔母さんの病院に現れた際、そこに入院していたタナカがシエル弟の姿を見て驚愕し「坊ちゃん」と叫んで、抱きしめて無事を喜んでいます。
この状況で不自然な点は「タナカが一目で『弟』だと見抜いていること」です。シエル兄弟は見た目が完全一致しており、両親ですら間違えることがあると言及されており、現にアンジェリーナもリジーも「兄」であると勘違いしていました。
タナカが「弟」であると確信していたのは、「兄が目の前で命を落とし、生きているはずがないと確信」していることが原因であると考えられます。
つまり、ファントムハイヴ本邸襲撃の際には、シエル兄は襲撃者側と敵対し、その結果タナカの前で致命傷を負っていることが推察されるのです。
剣戟音の正体とシエル兄の屋敷での動き
シエル弟は剣戟音を聞いて、音のする方向に向かっていますが、その先にいたタナカは「無手」であり、剣を持っていませんでした。
上述の通り、タナカの前で「シエル兄が致命傷を受けた」と考えられることから、剣戟音はシエル兄と襲撃者によるものである可能性が高いと考えられます。
それ故、シエル弟が近づこうとしてくるのに対し、タナカは「こちらに来てはいけません、シエル様は、貴方様には惨すぎる」と発言しているものと思われます。
これらのことから、あの日、部屋を出た後のシエル兄の行動は次のものと予測されます。
- シエル弟を置いて一人で部屋を出る
- 父ヴィンセントの部屋へ行き指輪を取る
- 屋敷襲撃に対し怒り剣を取る
- 襲撃者と敵対
- タナカの前で致命傷を負う
セバスチャンに轡をつけた人物は誰か
ファントムハイヴ邸の襲撃に関して残る謎は「誰がセバスチャンに轡をつけたのか」という点です。
まず、屋敷でのセバスチャンについて考えなくてはならない点は次の通りです。
- 誰が何の目的でセバスチャンに轡をつけたのか
- なぜセバスチャンは生かされたのか
まず、セバスチャンが轡をつけられたタイミングについて確認していきます。シエル達の10歳の誕生日の日、セバスチャンの行動は次の通りです。
- 屋敷でシエル弟を小突き、シエル兄に止められる
- シエル双子がチェスをしている姿を横でじっとみる
- シエル双子が寝てしまった時に姿を消す
- シエル弟が部屋をでた際に、轡をはめられた状態で部屋に隔離されていた
轡をはめるという行為の目的は「吠えないようにすること」です。屋敷襲撃の際、使用人達はほぼそれぞれの持ち場で倒れていたことから、襲撃の事実が屋敷中に広まる前に、全員倒されてしまったものと思われます。
つまり、セバスチャンに轡をはめたことは、「襲撃を屋敷中にばれないようにすること」が目的と言えます。そうなると、轡をはめたのは襲撃前であり、双子の兄弟がチェスを終えて、お昼寝している時にされたものと考えられます。
ここまで考えると、セバスチャンに轡をはめた人物は次の二通りにまで絞られます。
- 屋敷襲撃に関与していた内部の協力者
- 屋敷襲撃をした人物がセバスチャンが吠え始める前に最初に轡をはめた
前者の場合は、シエルが幽鬼城事件の際に「内部に人を増やして危険性を上げたくない」と話していることに関連しています。ファントムハイヴ邸に襲撃側のスパイとして侵入していた人物がいるとすれば、内部から協力してセバスチャンの轡を嵌めたことでしょう。
後者の場合は、獰猛なセバスチャンが吠える前に轡をはめることは相当大変なので、あり得るとしたら人外の関与となるでしょう。悪魔の方のセバスチャンが瞬間的に移動できることを考えれば、屋敷襲撃の際にまず犬の方のセバスチャンの背後に現れ、一瞬で轡をはめることは難しいことではなさそうです。
内部協力者の場合は「シエル兄」が疑われましたが、次のことを考えるとその可能性は低いでしょう。
- シエル兄は襲撃者と敵対した可能性が高い
- 10歳の男の子が一人でセバスチャンに轡をはめて部屋に閉じ込めることが難しい
- セバスチャンに轡がはめられた時間帯は弟と一緒にお昼寝していた
もう一点気になる点は、「なぜ最初に生かし」「なぜその後に命を奪ったのか」ということです。
この点については、轡をはめた人物は「無闇に命を奪うことはしたくないけれど、仕事の邪魔をするのであれば仕方がない」と思考したと考えると自然です。
もし動物に対して愛護精神を持っている人物が襲撃に関与していたのであれば、それは女王の馬丁であるジョン・ブラウンが怪しくなるでしょう。
シエル兄とアンダーテイカーとの関係
シエルとアンダーテイカーの関係は、「曽祖父」であると本サイトでは考察しています。詳しくはアンダーテイカーの解説記事を参考にしてください。
蘇生技術が完全になることはある?
シエル兄は現在アンダーテイカーによる蘇生技術を受けています。オセロによってその不完全さを指摘されてはいますが、もし完成して血液供給の必要のない状態になれば、「魂の定義」が覆されるほどのものです。
しかし、下記のスフィアの歌が語っているように、現時点では蘇生技術は完全ではなく、シリウスが「永遠のきらめき」を得るためには、「我らの光」を捧げることが必要であると分かっています。
終わりなき夜照らすのは
青く輝く一等星
我らの光捧げよう
永遠のきらめき守るためにも
現時点では不完全な蘇生技術ではありますが、これに関しては「完成することはない」が本サイトでの考察になります。
理由は、スフィアの研究施設は「元科学捜査課で現在フランスにいる離脱組の死神が単独で行っている」可能性が高いからです。このように考える理由は次の通りです。
- オセロは研究施設をみて「進みすぎている」と発言、仕組みや効果は理解している
- 一方でバースの拠点の機械をバラして持ち帰るなど、「死神派遣協会」内部での技術でも実現されていないものと判明
- このことから、死神派遣協会内部にアンダーテイカーの協力者がいる説は打ち消される
- 一方で、オセロはアンダーテイカーに対して「アイツは詳しいわけじゃない」と発言しており、アンダーテイカー単独では「進みすぎている」研究施設は実現できないことが示唆されている
- ドイツの死神ルドガーによって「離脱組はたまにいる」と発言されており、アンダーテイカー以外にも離脱組の死神が世界に存在していることが分かる
- オセロが「死者蘇生なんてマッドなことするのは俺の方だと思われていた」と発言している通り、科学捜査課にはマッドな科学者が多く在籍している可能性が高い
- アンダーテイカーは寄宿学校編の後にフランスに向かい、その後にロンドンでスフィアが始まる
上記の状況証拠から、「離脱組の元科学捜査課の死神がフランスにいて、アンダーテイカーに協力して技術提供をしている」可能性が高いものと考えられます。
シエル兄の目的は英国王室の打倒か?
シエルのエピソードは「シエル弟との未来」ですが、この願いを実現するためには「王国支配」が必要となります。理由は次の通りです。
- 現状は国内に複数拠点を持ち供給源を保っている
- しかし、現実問題シエル弟側の反発や、警察の介入など不安定な面がある
- 完全に「永遠のきらめき」を維持するためには、シエル兄が支配する世界にすることが必要
- そうなると必然的に英国王室打倒の動きになる
つまり、シエル兄に従う者には「永遠のきらめき」が約束され、逆らう者は「供給源としての命」にするなど、絶対王政ならぬ絶対シエル政(シエルは永遠に生きるので代替わりしないため)が、シエル兄が目指す未来ということになるでしょう。
一方で、英国王室打倒に関しては、アンダーテイカーの目論見とも一致します。
- アンダーテイカーは英国王室と対立している
- ヴィンセントが命を落とした屋敷襲撃の黒幕も恐らく英国王室
- 首飾りの人物達が命を落とした原因も戦乱が原因である可能性が高い
スフィアの歌の「終わりなき夜」は、戦乱が続く時代のことを表しており、「照らすのは」は戦乱を終わらせ平和な世界にするという解釈ができます。
つまり、アンダーテイカーにとって大切なのはファントムハイヴであり、そのファントムハイヴと永遠に一緒の時間を過ごしていく世界を構築できるという意味でも、アンダーテイカーの狙いも「絶対シエル政」にあるのではと思われます。
黒執事の物語もいよいよ根幹に触れてきており、一気に真実への踏み込みが激しくなると予想されます。下記で最新巻までのあらすじをまとめてご紹介しておりますので参考にしてください。
本ページの情報は2021年02月13日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。