『黒執事』劉(ラウ)のまとめページです。劉(ラウ)は、巨大上海マフィア青幇の幹部で、英国を担当している人物です。シエルとも協力関係にあり、ロンドン裏社会の管理や情報提供をする代わりに、裏の商売を黙認されています。本記事では黒執事の劉(ラウ)について解説していきます。
『黒執事』劉(ラウ)の基本プロフィール
名前 | 劉(ラウ) |
---|---|
職業 | ・表向きは中国貿易会社『崑崙』(コンロン)英国支店長 ・裏の本当の顔は上海マフィア青幇(チンパン)の幹部、英国担当、華僑 |
容姿 | ・黒髪に切れ長の目、端正な顔立ちの優男 ・中国式の服を愛用している |
特徴 | ・シエルに「面白いもの」を見せてくれることを期待している ・裏社会の商売を黙認してもらう代わりにイーストエンドの東洋人の管理や情報提供を行う ・針を使う(眠らせることができる) ・何かを知っている風で何も知らない |
『黒執事』劉(ラウ)とは?ロンドン裏社会におけるシエルの協力者
中国貿易会社『崑崙』(コンロン)英国支店長
劉(ラウ)の表向きの仕事は、中国貿易会社『崑崙』の英国支店長です。
アズーロ・ヴェネルも貿易会社の支店長を名乗っていたように、劉のこの肩書きも、本当の仕事の隠れ蓑でしかありません。
劉は華僑であり、同時に英国担当の上海マフィア青幇(チンパン)の幹部、というのが本当の顔です。優しげな見た目ですが、この若さで幹部に上り詰めており、敵に対して容赦のない冷酷な一面を持っています。
上海マフィア青幇(チンパン)幹部、英国担当
英国を担当している上海マフィア青幇の幹部として、ロンドンのイーストエンド(貧民街)で裏社会の仕事をしています。
本来であればシエルの標的となりますが、情報提供と東洋人街の管理を条件にシエルには黙認されています。
女王からの命令が出そうであれば事前に共有し、その商売から身を引かせることで関係が成り立っています。
劉(ラウ)がシエルに任されている主な仕事
劉(ラウ)はロンドンで裏社会の仕事をする「場所代」として、主にファントムハイヴに対して次の仕事を任されています。
- イーストエンドの管理
- 東洋人の出入りの把握
- 裏社会の情報提供
- その他協力を求められた時の対応
劉(ラウ)の前の英国担当の白はファントムハイヴと敵対して事業縮小となりましたが、劉(ラウ)の時代になってからは、青幇もロンドンで安泰に近い地位を得られています。
『黒執事』劉(ラウ)の性格・人物像
普段は一見とぼけたような性格をしている
劉(ラウ)は、普段はとぼけた性格をしており、一見親しみやすい好青年です。
柔らかな雰囲気を持っており、口にする言葉も冗談が多く、黒執事の和みキャラでもあります。
シエルが事件を追っていると、常に自分も全てを把握しているようにする思わせぶりをしますが、実際は何も知らないというお約束のやり取りも生まれています。
抜け目がなくやり手
劉(ラウ)は青幇の幹部に抜擢されているやり手であり、その性格は冷酷で、かつ抜け目がありません。
他人の命に対して頓着がなく、マダムレッドが命を落とした際も、劉(ラウ)は全く動揺を見せることはありませんでした。また、英国支部に来るに当たって、前任の白を蹴落としています。
ファントムハイヴに任されている仕事にもミスはなく、英国裏社会の隅々にまで情報網を張り巡らし、イーストエンドに出入りする人物の人数の把握や事件の掌握まで完璧にこなしています。
『黒執事』劉(ラウ)のセリフ・口癖
---いいね、いい目だ
まだまだ面白いものを見せてくれると期待しているよ
『黒執事』劉(ラウ)の過去は?
「租界の昇り龍」
劉(ラウ)は、上海では「租界の昇り龍」と称される人物であり、たった数年で巨大中華系マフィア青幇の幹部にまでのし上がった男だと、シエルも実際に出会うまでは警戒していました。
「租界」とは、清国(のちの中華民国)の外国人居留地のことで、阿片戦争後に締結された不平等条約(南京条約)によって上海に設置されました。清国の法が適用されない治外法権の場所であり、行政権なども諸外国に移譲されていました。
劉(ラウ)はここで「昇り竜」と称されるまでに出世しており、諸外国が利権を争って競い合う租界で立身出世していったことから、相当に頭のキレる人物であることが想定されます。
ロンドンにくる前からシエルと文通をする
上海で青幇の幹部に昇格した劉(ラウ)は、売上が落ちていた英国の担当幹部として派遣されます。
その頃の英国支部の担当幹部は「白」という人物で、「梟」として青幇の狙撃手として囲われていたメイリンもそこにいました。
劉(ラウ)は英国に渡る前にシエルと手紙のやり取りをしており、「梟」の存在をシエルに教えます。結果としてメイリンからの狙撃を免れ、またメイドとして雇い入れることに成功したシエルからの心象もよくなり、劉(ラウ)が英国担当となってからはファントムハイヴとの協力体制を構築できました。
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劉(ラウ)がシエルに味方する理由は?
劉(ラウ)がシエルに対して協力的である理由は次の通りです。
- 青幇の仕事をするため
- 面白いものを見せてくれるから
上記のことから劉(ラウ)はファントムハイヴの協力者として、シエルの求めに応じる立場にあります。
しかし、シリウスとなったシエル兄に追われていた際も、シエル・セバスチャンを救う動きを見せており、本人は「恩を売るため」と言っていますが、シエル兄と敵対するリスクもあるため、この判断は微妙なところです。
青幇の仕事を考えたときに、シエル兄弟のどちらにつくのが劉(ラウ)にとってメリットがあるのかは次のように分かれます。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
シエル弟につく | ・成功すれば恩を売れる ・勝てば青幇の仕事も安泰 |
・シエル兄と敵対 ・負ければ命を落とす可能性 ・青幇の拠点を潰される可能性 |
シエル兄につく | ・兄とも協力関係が構築できれば青幇の仕事は安泰 | ・シエル弟と敵対する ・シエル弟が敗北した場合はセバスチャンに処分される |
静観する | ・すぐに拠点を潰される/命を奪われる心配がない | ・シエル弟が勝利した場合は心象が悪くなる ・シエル兄が勝利した場合は信頼できない奴と思われる |
この中で、唯一命のリスクを侵さないで済む選択肢は「静観する」だけです。恐らくシエルもそのことを理解しており、冷酷な上海マフィアである劉(ラウ)であればそう判断するだろうと予測していたものと思われます。
そのため、地下水路で劉(ラウ)が登場した時には、予想外の人物が登場したものだと驚いていたのかもしれません。
この微妙な選択肢の中で、劉(ラウ)はシエル弟につく判断を下しましたが、その理由はもう一つの「面白いものを見せてくれるから」という点にあるかもしれません。
劉(ラウ)とアンダーテイカーは「普段は飄々としている」「面白いものを見たがる」という点で共通点があります。二人とも過去が明らかになっていませんが、もしかしたら同じような動機から、同じような態度が身についたのかもしれません。
そのため、劉(ラウ)は何らかの過去の経験から「面白いもの」を重要視するようになり、その結果シエル弟の方が面白いと判断して味方についている可能性があります。
この辺りは劉(ラウ)の過去が明らかになれば分かることでしょう。
劉(ラウ)と藍猫(ランマオ)の関係
劉(ラウ)は、藍猫(ランマオ)を「血の繋がっていない小妹」とシエルに紹介しています。
一方で、ランマオは劉(ラウ)のボディーガード的な役割も担っており、ミーナとハロルドを品評会の後でお仕置きした際には、「そのために飼っている猫だ」と表現しています。
二人は上海で出会ったのか、ロンドンで出会ったのかはまだ分かっていませんが、藍猫は英語が片言であることから、恐らく上海時代に劉(ラウ)に出会ったものと思われます。
藍猫の正体、または劉(ラウ)との出会いが明らかになる際に、劉(ラウ)の過去も語られるものと予想されます。
『黒執事』劉(ラウ)の主な活躍
「あくまで執事」編の劉(ラウ)
ビリヤード会場で鼠退治について話し合う
劉(ラウ)は、マダムレッドやランドル公、アズーロ・ヴェネルが参加したファントムハイヴ家でのビリヤードで初登場します。
アズーロがいる場で、「彼は泳がせているのでは?」と事情を汲んだ発言をしました。
その後、ファールをしてしまい、絶好の機会をシエルに渡します。
「赤執事」編の劉(ラウ)
ファントムハイヴのロンドンの町屋敷で登場
「切り裂きジャック」事件を解決しにロンドンの町屋敷に移動してきたシエルの元に現れます。マダム・レッド、グレル・サトクリフと同行しており、「面白いものを見れると思ってきた」とシエルに言いました。
その後、シエルの「切り裂きジャック」の捜索に協力します。しかし、葬儀屋(アンダーテーカー)では、誰も笑いようがない一発芸を披露するなど、若干感性がずれている一面を発揮しました。
また、ドルイットの子爵の社交パーティーに潜入する際は、マダム・レッドの愛人役を務めます。エリザベスの気をひくためにセバスチャンが手品を披露した際には、お手伝いとして、周囲が引いてしまうほどの勢いで、セバスチャンの入っている手品の箱に短剣を突き刺していきました。
アンの葬儀後にシエルと話す
劉(ラウ)はアンジェリーナの葬儀後、お墓の前でシエルと話をします。シエルは引き返せない泥沼に足を踏み入れてしまったとしても、誰にも助けを求める姿を見せない、「誇り高き女王の狗」だと言いました。
また、劉は裏社会の仕事をしており、シエルに情報提供をする代わりに見逃されていたことが明らかになりました。
別れ際、シエルの肩に手をかけて「まだまだ面白いものを見せてくれると期待しているよ」と囁いて、その場を離れます。
「黄執事」編の劉(ラウ)
イーストエンドの拠点にシエルが訪れる
イーストエンドの劉の拠点にシエルが訪れ、インド人の情報提供を求めたことで劉も一連の事件の捜索に関与します。劉の拠点には美しい女性が多く、劉の側で特別な扱いを受けている女性「藍猫(ランマオ)」もいました。
劉はシエルのロンドンの町屋敷にも滞在し、ウエストの屋敷の潜入調査にも協力します。ここで、初めて劉(ラウ)が針を使う場面が描かれ、見張り番の男を眠らせました。
その後、カリーの品評会にも藍猫と一緒に登場し、妹にカリーを食べさせてあげたいと言いました。
藍猫と一緒にウエスト、ミーナにお灸を据える
ファントム社が品評会で優勝した後、ウエストとミーナの元に登場します。シエルは放っておくようにと言っていましたが、イーストエンドは「我の庭」であり、庭を荒らした人間にはキツイお灸を据えなければならないと言います。
劉が藍猫に声をかけると、藍猫は重い「双錘(そうすい)」を取り出し、二人をビシビシ躾けました。
「ファントムハイヴ城事変」編の劉(ラウ)
劉(ラウ)はシエルからの連絡を受け、晩餐会に中国貿易会社「崑崙」の英国支店長として参加します。
「崑崙」の名前に反応したフェルペスに対して、薄目を開いてジッと冷たい視線を向けます。晩餐会ではシエルの味方をするでもなく、一連の事件の参加者として過ごしました。
「豪華客船」編の劉(ラウ)
豪華客船編では、ファントムハイヴ本邸に現れ、シエルから管理を任されている裏の港で「カルンスタイン病院」が国外からの違法な奴隷を大量に買いつけているという情報を知らせます。
シエルは劉(ラウ)からの情報提供を受けてセバスチャンを調査に向かわせ、カンパニア号に乗船することになります。
「寄宿学校」編の劉(ラウ)
寄宿学校編では、クリケット大会に登場して勝敗を賭けた賭場を開催します。
また、青寮と緑寮の決勝戦では藍猫や他の女の子達を使った「お色気作戦」を敢行し、青寮の守りを大いに助けました。
純情な学生が多い緑寮には効果覿面であり、エドワードやグリーンヒルも無様に凡退します。
ただし、モーリス・コールが警備員に密告したことで、割とあっけなく会場から退場させられることとなりました。
「青の追憶編」の劉(ラウ)
青の追憶編では、ロンドン警視庁から逃走して地下水路を進んでいたシエルの前に登場します。
シエルは劉(ラウ)が助けてくれることに驚きますが、劉(ラウ)は「伯爵に恩を売るチャンス」だと言い放ち、「いずれ利子つけて返してもらう」と答えました。
また、劉(ラウ)の拠点に戻って、ファントムハイヴ伯爵の名前と地位を取り戻すと決心したシエルに対して拍手し、「我が手を組もうと思った伯爵はこの伯爵だ」と言っています。
その後、セバスチャンと共に暁学会が関与している「多数の人間が動く事案」を調べることとなり、シエルの命令に対して「イエス・マイロード」のポーズを取りました。
「青の復讐編」の劉(ラウ)
メイリンの回想に登場
メイリンはファントムハイヴ邸のメイドとなる前は、青幇英国支部の幹部「白」に囲われて狙撃手をしていました。
ファントムハイヴによって裏社会での仕事がしづらくなると、上海から劉(ラウ)が担当幹部として英国に派遣されることとなります。
劉(ラウ)は、英国に到着する前にシエルと文通をしており、そこで「梟」の情報を伝えていました。南仏(マルセイユ)経由で英国に到達すると、早速シエルと面会しに行き、青幇とファントムハイヴの協力体制を構築します。
「梟」と聞いてメイリンに一瞬冷たい目線を放ちますが、すぐに元の柔和な態度に戻りました。
青の復讐編では、バルドと共に退役軍人病院へと向かっています。病院には死神のロナルドがいるため、大きく物語が動く予感がします。
最新巻までのあらすじ振り返りは下記をご確認ください。
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