『黒執事』ソーマのまとめページです。ソーマは、ベンガル藩王国の26王子として英国にやってきた登場人物です。ソーマとシエルの友情、ミーナとの関係、アグニとの深い絆、アグニを失ったことで一変したソーマの心境など、黒執事のソーマについて徹底解説・考察していきます。
『黒執事』ソーマの基本プロフィール
名前 | ソーマ・アスマン・カダール |
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立場 | ベンガル藩王国第26子の王子 |
特徴 | ・クリケットが得意 ・勉学にも秀でている ・王子として英才教育を受けており総じて能力が高い |
ベンガル藩 | ・インドの東の方にある、カーリー女神とガンジス川の恩恵を受ける聖なる国 ・インド皇帝であるヴィクトリア女王に内政権を認められている ・一方で実際には植民地と大差ない |
『黒執事』ソーマとは?ベンガル藩の第26王子
侍女ミーナを探しに英国に来たベンガル藩王国王子
ソーマは、ベンガル藩王国の第26王子であり、英国貴族に奪われたミーナを探して英国に渡り、ロンドンでシエルと出会いました。
王子として我がままが許されてきたソーマの性格は自由奔放であり、執事として共に英国に渡ったアグニを振り回し、出会ったばかりのシエルの町屋敷に居候するなど自由気ままな行動を見せます。
アグニと真の主従の絆を紡ぐ
カリー品評会の一件を通じて、ソーマは「自分の行動の幼稚さ」と「それでも愛情を注ぎ続けてくれたアグニの存在」に気付きます。
我儘で自分勝手な自分を愛してくれる訳がなかったと悟る一方で、それでも側にいてくれ、愛情を向け続けてくれたアグニに感謝し、真の主従の絆を紡ぎました。
また、自分の幼さを理解させてくれたシエルに感謝するようになり、友達としてロンドンに滞在することとなります。
シエルの「友達」として支えようとする
ソーマは、自らに向けられていた愛情を教えてくれたシエル自身が、愛情に気付きながらも受け取らない、復讐に生きるため孤独に生きようとするという問題を抱えていることに気付きます。
そして、シエルにとってのアグニになることを決意し、傷付くことを受け入れ、シエルが一番辛い時に側にいようと考えます。
『黒執事』ソーマの性格・人物像
インド時代は世間知らずで我が侭
ソーマはベンガル藩王国の第26王子であり、インドにいた時代は非常に我儘で自分勝手な人物でした。
第26王子であるため、ソーマは父である王には目を向けてもらえず、母は父の目をひくことだけを考え、ソーマを愛することはしませんでした。
それでも、生まれた時から側にいる侍女ミーナが常に側にいたため、ソーマはミーナに愛情を求めて接していきます。
シエルと出会い成長を誓う
ロンドンでシエルと出会った後、アグニさえも自分を裏切ったことにショックを受け、ソーマは町屋敷の一室に引きこもってしまいます。
セバスチャンに折檻されそうになりますが、それを止めたシエルから、自分が復讐に生きていること、暗闇では見えた蜘蛛の糸を掴むしかないという意志の話をされ、自らの幼稚さを悟りました。
シエルとの対比で、自分がいかに子供であることを自覚したソーマは、自らを恥じ、成長を誓います。
『黒執事』のセリフ・口癖
傷つくことも覚悟の上だ、たとえシエルがそう思っていなくとも、俺はあいつの友達だからな!
開けろアグニ!!開けてくれ!!!
そんな救いはいらない
『黒執事』ソーマはどうなる?残された伏線の考察と最期
アグニが命を落としたことでソーマに起こる変化
ソーマは「太陽」のように周囲を幸せにする人物でしたが、ロンドンの町屋敷をシエル兄陣営が襲撃し、執事のアグニが命を落としてしまったことで、ソーマに大きな変化が起きてしまいます。
シエルの「友達」と名乗っていたソーマが、どのように変化してしまったのかを考察していきます。
アグニ生存時点でのソーマの状態
ソーマは、ロンドンでのカリー品評会での一件を通じて変わり、アグニの愛情に気付き、自らのこれまでの自分勝手さを恥じます。
そこからのソーマは、精神的にも成長し、周囲を幸せにし、シエルを支えようとする「優しさ」と「強さ」を持った人物になりました。
シエルを友人として支えようとする
シエルの存在によって成長したソーマは、シエル自身が抱えている問題に気付きます。
- シエルは復讐に生きると決めているため、孤独になろうとする
- 愛に気付いてはいるが、それを受け取らない
ソーマは、自分が打ち拉がれた時にアグニがいたからこそ立ち直れたと感じ、友人として、自分がシエルにとってのアグニになろうと決意しました。
受け取ってもらえない愛情に自分が傷付くことも理解しており、それでもシエルの「友達」であろうとします。
「太陽」に似た存在
執事のアグニ曰く、ソーマは「太陽」のような存在です。
- 照ることも陰ることも周囲の力ではどうにもならない
- ソーマの周りいる者は、ただ振り回されるだけ
しかし、ただそこに存在するだけで多くの人が救われるのが「ソーマ」であると話しています。
民に施しを与える
自らの欲望のままに動くだけだったソーマは、他者に対する優しさを持ち合わるようになります。
「民に施しを与えるのも高貴な者の務めである」と考え、毎週アグニの世界一のカリーを貧民街の子供達や貧しい人々に提供していました。
アグニはソーマの持つ「慈愛」に感動し、涙を流しています。
アグニを失った後のソーマの変化
ソーマは、アグニを失った後、アグニの遺灰が入った壺を持ちながら、彷徨うように貧民街を歩いていました。
そこでの出来事がソーマを変え、心優しい青年だったソーマを修羅へと変貌させます。
ソーマの言葉の二つの意味
ソーマは、態度が一変した際に次の言葉を発しています。
気まぐれに手を差し伸べてもなんの救いにもならない
束の間浮上する喜びの後に訪れるのは
再び地に堕ちる痛みだけ
ならばいっそ
そんな救いはいらない
これは一件、施しを与えた少年に対する言葉のようにも見えますが、ソーマ自身への言葉でもあります。
少年に対しての意味では、次のようにとることができます。
- 気まぐれにサファイアのネックレスを上げる
- 少年は涙を流して感謝する
- しかし、すぐに大人達に奪われ失ってしまう
- ならば施しなど必要ない
しかし、本サイトでは、この言葉の意味はソーマ自身に向けられたものとも考えています。
- 気まぐれにサファイアのネックレスを上げる
- 感謝する子供の表情にアグニが見え、過ごした思い出が蘇り、ソーマの心の中にも喜びが生まれる
- しかし、すぐにアグニが喪われたことに気付き、悲しさが蘇る
- それならば、シエルとの友情も、アグニとの日々で培った慈愛も捨て、アグニを襲撃した人物に対する復讐だけを胸に刻んで生きる
サリヴァンの館で目覚めたソーマは、襲撃者に対して「絶対に許さない」と憤っていましたが、貧民街を虚な表情で歩いており、これはシエルとの友情と復讐との間で、揺れ動いていたのではないかと考えられます。
そこで上記の出来事が描かれているため、ソーマは培った優しさや慈愛を捨て、復讐に突き進むことを決意し、「闇」に堕ちたという意味になると捉えることができます。
アグニとの日々で培った「慈愛」を捨て去る
ソーマがアグニとの日々の中で培った「慈愛」を捨てたという描写は、少年にあげた血塗れのネックレスにも現れています。
ネックレスにはサファイヤの宝石が埋め込まれており、サファイヤには「慈愛」という意味があります。
血濡れのサファイヤを少年の元に捨てたということは、「慈愛」を捨て、シエルとの友情の迷いを捨て、復讐することを決意したと取れるでしょう。
修羅となりカーリー神のように変化
また、サマーディ状態のアグニのように、ソーマは目から血の涙を流し、厳しい目つきをし、右手には包帯を巻いた状態で描かれています。
直前、地面に激突する直前の壺が描かれた場面から、三人の大人の男を一瞬で撃退し、壺を割らずに拾い上げており、人間とは思えない速さの動きをしています。
ソーマに訪れた状態は、アグニの使っていた精神集中(サマーディ)と似ており、アグニへの愛情、襲撃者への憎しみの純粋さから、力を得られたものと考えられます。
シエルへの友情という迷いを捨てファントムハイヴと敵対
ソーマは、シエルの「友達」としての自分ではなく、アグニ襲撃者への「復讐者」としての自分を選んでいます。
町屋敷を訪れていたのが、シエル兄弟のどちらと認識しているのかは不明ですが、シエルはサリヴァンに「自分だと思っても扉を開けるな」と話していたことから、サリヴァンであればその発言の不自然さに気付き、ソーマに襲撃者がシエル兄であることを教えられる可能性があります。
ただ、いずれの場合でもソーマとファントムハイヴの衝突は避けられず、青の復讐編では必ずその衝突が描かれるものと考えられます。
ソーマはサリヴァン、英国王室と組んでファントムハイヴと戦うと予測
ソーマの持つアグニの遺灰の壺は「高くはない」と描写されています。ウェストン校に登校した時のパレードを思い起こしても、大切なアグニの遺灰を入れる壺を、ソーマが安物で済ませることはありえません。
そうなると、ソーマが目覚めたのがサリヴァンの館であることから、遺灰にする作業や、壺を用意する対応などはサリヴァンが行った可能性があり、ソーマはサリヴァンの館を拠点として動く可能性があります。
ただし、サリヴァンに対しては英国王室が直接投資をしており、シエルがWチャールズに連絡を入れていることからも、サリヴァン保護のために、Wチャールズがサリヴァンの館に来る可能性があります。
そうなると、ソーマはWチャールズと共にシエル兄陣営と敵対する可能性が生まれてきます。
『黒執事』ソーマの主な活躍
「黄執事」編のソーマ
ミーナを探して英国に来る
ソーマは、ベンガル藩王国の第26王子として生まれ、幼少の頃より侍女ミーナが常に側にいて育ちました。父である王はソーマに関心を持たず、母は父の気を引くことだけを考えており、ソーマはミーナだけを心の支えに幼少期を過ごします。
成長したソーマは、世間知らずで我が侭な性格となり、ミーナを始め、周囲の人々を振り回していきます。処刑寸前だったアグニを自分のものとし、新しい名前を与えて自らの執事としました。
ある日、アグニと共に街へ出かけた際に、宮殿を訪れていた英国貴族にミーナが連れ去られ、ソーマはアグニを連れ立って、ミーナを探しに英国を訪れます。
シエルと出会い「本当のこと」を知るために動く
ソーマは英国でシエルと出会い、ロンドンの町屋敷を拠点にミーナを探していきます。その中で、アグニが英国貴族ウエストと繋がっており、ミーナの行方にも絡んでいたことを知ってしまいます。
アグニにさえも裏切られたと感じ、ソーマは自暴自棄になってしまいますが、シエルの過去の話を聞き、「自分が恥ずかしい」と心を新たにしました。
そして、世間知らずで我が侭な自分が愛されるはずなどなかったのだと感じ、アグニやミーナがなぜ自分から離れたのか、その「本当のこと」を知りたいとシエル達に同行することにします。
アグニと再び王子と執事の契りを交わす
品評会でファントム社が優勝した後、ウエストの妻となっていたミーナとソーマは再会し、全ての真実を知ります。
ミーナは身分階級に縛られるインドを自分の意思で出ており、ソーマに対しても愛情はなく、我が侭な王子としか認識していないことを知ります。ソーマは傷付きながらも、気持ちを理解できていなかったことを謝罪し、これまでの感謝を伝えます。
自分にこの真実を知られないよう、アグニが自分のために動いていたと知ったソーマは、改めてアグニに執事として使えてくれないかと願い出ます。アグニは涙を流してそれを受け入れ、二人は改めて王子と執事の契りを交わしました。
その後、英国に滞在することを決めたソーマは、シエルのロンドンの町屋敷の管理を任されます。
「サーカス」編のソーマ
ソーマは、シエルがロンドンの町屋敷からサーカスへ向かい、2日も連絡がなかったことを心配して警察に相談届けを出すことまで考えるほど心配していました。
帰ってきたシエルが体調を崩しているのを見て、セバスチャンに恐怖を感じながらも、シエルに優しくしろと忠告します。アグニの援護射撃もあり、セバスチャンは二人の意見を聞き入れ、シエルに1日休息を取ることを提案します。
翌日、体調を回復したシエルが、サーカスで身につけた笑顔をソーマに向け、回復したと声をかけると、ソーマは大喜びしました。しかし、それはシエルの演技であり、町屋敷に滞在させようとしていたソーマは突破されてしまいます。
その後、自分に何も言わずにシエルが本邸に戻ったと聞き、ソーマはアグニを伴って本邸へと向かいました。
「ファントムハイヴ城事変」編のソーマ
ソーマは、ファントムハイヴ本邸に滞在している間はシエルにチェスを挑みますが、一度も勝つことなく惨敗を喫します。
その後、晩餐会が開かれることとなり、客人が来るからとロンドンの町屋敷に追い返されてしまいます。
町屋敷の窓から降る雨を見て、シエルの身に何か起きないかと心配をしていました。
「豪華客船」編のソーマ
豪華客船編では、カンパニア号から戻ってきた後のファントムハイヴ本邸でのイースター祭に参加します。
リジーの作ったイースターエッグを競って探すエッグハントでは、アグニとのコンビで挑みましたが、シエルの仮病作戦によって敗北してしまいます。
しかし、ソーマはシエルが本当の喘息でないことを喜び、シエルに居心地の悪さを与えました。
「寄宿学校」編のソーマ
赤寮内でのモーリスの動きを調べる
寄宿学校編では、赤寮のモーリスの近辺を調べる目的でシエルに呼ばれ、ウェストン校に編入します。入学時には像に乗り、大量の付き人と共に登校したため、一躍有名人となりました。
夜に像に乗って散歩しようとしたところ、像が暴走して寮を破壊するなどお茶目な一面を見せますが、シエルから頼まれていたモーリスの動きの調査は無事にこなし、モーリスが寮の郵便受けに花形のカードをたくさん入れていたことを発見し、シエルに報告しました。
クリケット大会で活躍
クリケットはベンガル藩王国でも流行しており、ソーマは優れた選手でもありました。
赤寮に入ってすぐの大会で代表選手に選ばれると、初戦の青寮の1回に投手として登板し、次々に打者を討ち取っていきました。
赤寮は、シエルの下剤作戦によって棄権となりましたが、ソーマだけは無事であり、後にこれは潜入していたアグニによるパイの入れ替えが原因であったことが明らかになります。
シエルがウェストン校をやめた後は、ソーマも追うように退校し、「学校の勉強は簡単すぎる」と驚かせる発言をしました。
「青の教団」編のソーマ
ファントムファイヴの一員として活躍
ソーマがノブレス・オブリージュで子供達に食事を与えているのを見て、シエルはファントム・ミュージックホール開場のアイディアを思いつきます。
ウェストン校の監督生らと組んだ「ファントムファイヴ」にはソーマも参加し、金持ちキャラとして人気を博しました。
厳しいセバスチャンのレッスンも簡単にこなし、「精神年齢の低さに目を瞑ればかなり万能」と評されます。
シエルとの関係を心配するアグニに本心を打ち明ける
危険なことにソーマが巻き込まれたことをアグニが心配していると、ソーマはアグニに本心を打ち明けました。
自分を助けてくれたシエルが、似たような問題を抱えていることに気付いたソーマは、友達として、シエルにとってのアグニになろうと考えているのだと話します。
ソーマは、アグニがいてくれたからこそ救われ、だから自分もアグニのように、誰かを支えられる男になりたいのだと言いました。
復讐に生きるシエルが、ソーマからの愛情を受け取らないことも承知の上で、それでもいつかシエルの危機が訪れた時に、自分が側にいようと考えていたのでした。
シエル兄陣営による襲撃に遭う
アグニとの話を終えてすぐ、町屋敷に来客があります。相手はシエル兄陣営であり、親しげに接したソーマは襲撃されてしまいます。
アグニがソーマを庇い、守り切ったことでソーマは生き延びますが、アグニはこの襲撃で命を落としてしまいました。
シエル、セバスチャンが訪れた時は混乱してシエルに襲いかかってしまいますが、セバスチャンに眠らされ、サリヴァンの館で目を覚まします。
ソーマは犯人を見たと話し、シエルだと勘違いをしていました。
「青の復讐編」のソーマ
貧民街を彷徨う
アグニの遺灰の入った壺を抱えながら、虚な目でソーマは貧民街を彷徨います。
そこには、アグニの作るカリーパンを楽しみにしていた子供がいて、ソーマはサファイアのネックレスを施しに与えました。しかし、子供はすぐに大人達にネックレスを奪われてしまいます。
ソーマも絡まれ、アグニの遺灰の壺を割られそうになりますが、割れる直前でソーマが覚醒し、三人の大人を一瞬で撃退、地面に激突寸前の壺を守り抜きました。
修羅に変わる
ソーマの目からは血の涙が流れ、これまでにない厳しい目をしています。アグニの骨壷を抱えながら、「救いなどいらない」と決意を固めたソーマは、確かな意思を持って歩き出しました。
本ページの情報は2021年02月13日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。