『黒執事』ヴィンセント・ファントムハイヴのまとめページです。ヴィンセントはシエル達の父親で、先代ファントムハイヴを務めていた人物です。ヴィンセントが襲撃された理由、アンダーテイカーとの関係、ウェストン校での活躍など、黒執事のヴィンセントについて解説していきます。
『黒執事』ヴィンセント・ファントムハイヴの基本プロフィール
名前 | ヴィンセント・ファントムハイヴ |
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職業 | 先代ファントムハイヴ |
容姿 | ・容姿端麗、アンが一目惚れ |
協力者 | ・ディードリヒ ・クラウス ・タナカ ・アンダーテーカー ・身持ちの硬い男(ランドル卿?) ・華やかな女性(シエルの祖母クローディアの可能性) ・若い青年(寄宿舎関係?) |
『黒執事』ヴィンセント・ファントムハイヴとは?シエル兄弟の父親
シエルの先代のファントムハイヴ伯爵
ヴィンセントは、シエルの父親であり、先代のファントムハイヴ伯爵です。
ウェストン校時代から女王の手紙が届いており、この頃からファントムハイヴ伯爵として「女王の番犬」の役割を果たしていたものと考えられます。
シエル兄弟の10歳の誕生日に命を落とす
しかし、ヴィンセントはシエル兄弟の10歳の誕生日に、ファントムハイヴ本邸が襲撃され、妻レイチェルと共に命を落としています。
命を落とした場所はヴィンセントの部屋で、レイチェルを抱きしめた状態で横たわっていました。
また、指からファントムハイヴ伯爵家当主だけが受け継ぐ指輪が取られており、これはシエル兄が取ったものと分かっています。
ウェストン校「青寮」の監督生
ヴィンセントは、ウェストン校時代は「青寮」の監督生を務めていました。
当時の「緑寮」の監督生はディーデリヒが務めており、またディーデリヒの寮弟はリジーの父親であるアレクシス・レオン・ミッドフォード侯爵でした。
ヴィンセントはクリケット大会で青寮初の優勝をもたらす「碧の奇跡」を実現し、ディーデリヒを生涯の寮弟にすることに成功しています。
『黒執事』ヴィンセント・ファントムハイヴの性格・人物像
冷静・冷酷なゲームメーカー
ヴィンセントは冷静・冷酷なゲームメーカーでもあります。常に余裕のある態度で、マイペースな状態を崩さない落ち着き払った姿勢は、伯爵家当主らしい態度と言えます。
また、タナカは「先代は使用人の命が失われたくらいで取り乱すことはなかった」と発言していたことから、冷酷な一面も持ち合わせていたものと思われます。
『黒執事』ヴィンセント・ファントムハイヴのセリフ・口癖
やっと手に入れた、ずっと欲しかったんだよね、忠実なドイツ犬
英国の伝統ある名前なんか古臭い、なんて言われる時代がそう遠くないかもしれないしね
『黒執事』ヴィンセント・ファントムハイヴの過去は?
ウェストン校で「碧の奇跡」を起こしディーデリヒを寮弟にする
上述の通り、ヴィンセントはウェストン校時代に「碧の奇跡」を実現したことで、ディーデリヒを生涯の寮弟にすることに成功しています。
元々ヴィンセントはディーデリヒを自らの協力者に組み入れたいと考えており、そのためにクリケット大会を利用していました。
見事にディーデリヒを引き入れた時には「やっと手に入れた」と話しています。
レイチェルをお嫁にもらい双子の男の子が誕生する
ウェストン校を卒業した後は、ダレス家のレイチェルをお嫁さんにもらいます。
また、レイチェルの妹であるアンジェリーナ(マダムレッド)にも惚れられており、後に切り裂きジャック事件が起きる遠因となっています。
レイチェルとの間には、双子の男の子が生まれ、長男は「シエル」と名付けられました。
ディーデリヒとの会話で自分に何かあった時はとシエル達を託す発言をする
ヴィンセント時代は、協力者達が本邸に集まることが多くあり、ディーデリヒやアンダーテイカー、ピット、クラウスといった人物がよく屋敷に訪れています。
ディーデリヒと会話している場面は多く描かれており、その中で「自分に何かあった時はこの子達を宜しく頼むよ」とお願いしている場面がありました。
シエル達に領主の仕事を教える
シエル達の10歳の誕生日の前には、二人に領主の仕事を教えるために、街を一緒に動き回ります。
教会に赴いた際には「シエル」というフランス語が由来の名前に言及されており、英国の伝統が古臭いと言われる日が遠くないうちにくるかも、と言及しています。
『黒執事』ヴィンセント・ファントムハイヴはどうなる?残された伏線の考察と最期
英国王室に歯向かおうとしていた可能性が高い
ファントムハイヴ本邸を襲撃され、若くして命を落としたヴィンセントですが、襲われた原因は「英国王室に歯向かおうとしていた」可能性が高いと考えられます。
理由は次の通りです。
- シエルの名前
- ディーデリヒへのお願い
- 教会での英国の伝統への侮辱発言
それぞれ具体的に見ていきましょう。
シエルの名前
ヴィンセントは、自らの息子の名前を「シエル」というフランス語由来の名前にしています。
これはレイチェル発案の名前とされていますが、親族からの大反対を受けてなお通したという事実があり、暗にヴィンセントの心が英国王室から離れていたものを示唆しています。
- ファントムハイヴ家は英国の「伯爵家」
- 本来は伝統的な英国の名前をつけるのが通例
- 日本の戦国時代を見ても分かる通り、名前は忠誠を表すもの(主人の名前から一文字もらうことが多い)
- 英国式の名前ではなく、フランス語由来の名前をつけた所に、ヴィンセントの英国王室への反発が現れている
また、シエルという名前の発案は「妻のレイチェル」ということになっておりますが、旦那方の伯爵家の親戚から猛反対されれば、通常は取りやめることになるでしょう。レイチェルの性格からしても、衝突は望まないはずなので、ついうっかりで「シエル」と提案してしまった場合は、反対が出た時点でやめるものと思われます。
それでもレイチェルが「シエル」という名前を通したということは、そこに固い意志が介在しているはずであり、それはヴィンセントと共にする英国王室への反発があったのではないかと思われます。
なぜヴィンセントが英国王室に反発するに至ったかは明らかになっていませんが、恐らくヴィンセントの母である「クローディア」、また父である「Cedric.K.Ros」に関連する思惑があるものと考えられます。
ディーデリヒへのお願い
ヴィンセントは、ディーデリヒに対して「自分にもしものことがあれば、この子達のことをよろしく頼むよ」と話しています。
この話をした場面は、シエル達が10歳の誕生日を迎える少し前のことであり、ヴィンセントの中では争いになることは明らかであり、敗北したときのことを考えて、ディーデリヒに託していたものと思われます。
また、ヴィンセントの争っている相手が英国王室であれば、女王の番犬としてのファントムハイヴ伯爵を必要としているため、二人の子供達までは犠牲にならないだろうと考えていることも筋が通ります。
教会での英国の伝統への侮辱発言
最後に、シエル達を連れて領地を散策した際、ヴィンセントは教会で下記のように発言しています。
英国の伝統ある名前なんか古臭い、なんて言われる時代がそう遠くないかもしれないしね
この発言は、英国王室に反発して、世界をひっくり返そうとしていた思想の裏付けとなるでしょう。
結局、ヴィンセントは戦いに敗北してしまったため、意志を貫き通すことができませんでした。
しかし、ヴィンセントの跡を継いだシエル(弟)も順調に英国王室との距離ができています。
- ケルヴィン男爵邸を燃やす
- サリヴァンの開発した新薬を破棄する
ジョン・グレイがシエルに対して「どんどんパパに似てきているね」と発言していますが、それは容姿ややり方ではなく、英国王室との関係性に言及している可能性があります。
屋敷でレイチェルを抱きしめた状態で横たわっていた理由
ヴィンセントは、ファントムハイヴ本邸が襲撃された際、自室でレイチェルを抱きしめながら横たわっていました。
これは、犯人に襲撃されて命を落とした姿勢としては不自然であるため、下記の状況が発生していたものと思われます。
- シエル兄が先に部屋を出て父ヴィンセントの部屋へ向かう
- ヴィンセントとレイチェルが亡くなっている姿を発見する
- ヴィンセントの指から当主が受け継ぐ指輪をもらう
- 二人が抱きしめあう姿に体勢を変える
両親の姿を見たシエル兄は、屋敷に襲撃者が現れている事実を知り、フランシスに習っていた剣を手にとって突っ込んでいったのではないかと予想されます。
父親がアンダーテイカーである可能性
ヴィンセントの父親「Cedric.K.Ros」はアンダーテイカーである可能性があります。
アンダーテイカーは、下記のようにファントムハイヴに対して強い思い入れがあります。
- ヴィンセントのウェストン校時代の写真を見て涙する
- 「セルディッククロス」はタロットカードの展開法、タロットには「死神」のカードがある
- クローディアの遺髪入れを「宝物」と称して持っている
- ファントムハイヴへの肩入れが強い
- ヴィンセントの肉体は燃えてしまったと言い、蘇生しようと考えていたことが分かる
ただし、ヴィンセントの前にアンダーテイカーが公に姿を現したのはディーデリヒと出会ったウェストン校時代以降であることがクラウスの発言から明らかになっており、もし父親であった場合でも、普通の親子関係ではないだろうことが予測されます。
『黒執事』ヴィンセント・ファントムハイヴの主な活躍
「赤執事」編のヴィンセント
アンジェリーナの「走馬灯」に登場
ヴィンセント・ファントムハイヴは、シエルの父親であり、先代の「女王の番犬」です。アンがグレルの「走馬灯劇場」の影響を受けた際、アンの走馬灯の中に登場しました。
ヴィンセントはある日、レイチェル、アンジェリーナのお屋敷に訪れます。アンに一目惚れされ、アンジェリーナに赤毛が綺麗だと話すと、アンは完全にヴィンセントに恋をしてしまいました。
しかし、ヴィンセントが妻に迎えたのはレイチェルで、その後、レイチェルとの間に子供を授かり、シエルが生まれます。そして、シエルが10歳の誕生日の際に屋敷が襲撃され、レイチェルと共に命を落としてしまいました。
「サーカス」編のヴィンセント
シエルの父親ヴィンセントは、ケルヴィン男爵の回想の中で登場します。
慈善パーティーに参加していたヴィンセントは、そこでケルヴィン男爵を紹介されます。ケルヴィンは、ヴィンセントを一目見て「特別な人間」と認識し、その美しさに憧れを持ちます。
ファントムハイヴの「悪の貴族」としての一面まで突き止められますが、ヴィンセントの記憶にはケルヴィンは残っておらず、挨拶をされても社交辞令的な返事をするだけでした。それがケルヴィンに「美しい人には美しい人しか触れられない」という思い込みを与えます。
ヴィンセントには、クラウスやディードリヒなど、7人の協力者がいたことが描かれました。
「寄宿学校」編のヴィンセント
寄宿学校編では、アレクシスの回想の中でヴィンセントは登場します。
ヴィンセントはウェストン校の卒業生であり、在学中は「青寮」の監督生を務め、青寮をクリケット大会で初優勝に導いた「碧の奇跡」として語り継がれていました。
同学年の「緑寮」の監督生がディーデリヒ、その寮弟がアレクシスであり、当時のヴィンセントとディーデリヒは刺々しい関係で、ディーデリヒはヴィンセントのことを、左目の目尻の下にあるホクロから取って「ホクロ」と読んでいました。
クリケット大会の準備をすっぽかし、芝生に寝転がって本を読んでいるヴィンセントに対し、真面目なディーデリヒが怒り、二人はクリケット大会で勝利した方が、互いの言うことを聞くという条件で争います。
結果、ヴィンセントが「碧の奇跡」と呼ばれる初優勝を飾り、ディーデリヒに「俺の寮弟になれ」と要求します。期間は「卒業するまでではなく、ずっと」であり、この一件でディーデリヒがファントムハイヴの協力者となりました。
ヴィンセントは白鳥宮で「女王陛下」からの手紙を読んでおり、ディーデリヒを寮弟にすることに成功すると「やっと手に入れた、ずっと欲しかったんだよね、忠実なドイツ犬」と発言します。
「緑の魔女」編のヴィンセント
ヴィンセントは、緑の魔女編では、ドイツの死神少女であるザーシャが読んでいたシエルのファミリー・ツリーの中で、名前だけ登場します。
そこにはヴィンセントの生没が記されていました。
- 1851年6月13日生まれ
- 1885年12月14日没
また、ヴィンセントの父親の名前が「Cedric.K.Ros」であることがここで明かされています。
「青の追憶編」のヴィンセント
青の追憶編では、ヴィンセントはタナカの回想の中で登場しています。
弟がおもちゃ屋さんになりたいと話したことにショックを受けたシエル兄に領主の仕事を教えるため、ヴィンセントは二人を連れて領地をぐるりと回っていきました。
教会では「ラスボーン牧師」の元を訪ね、そこで「シエル」という名前がフランス語由来であることについて言及されています。
ヴィンセントは、子供達の名付けはレイチェルがしたものであると話す一方で、「英国の伝統ある名前なんか古臭い、なんて言われる時代がそう遠くないかもしれないしね」と冷たい目線を投げかけていました。
本ページの情報は2021年02月13日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。