「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説11巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第10巻では、ロズワール邸に戻ったスバル達は、ラム・ロズワールが聖域から帰ってきていないことにトラブルを予感します。
ベアトリス、フレデリカに導かれ、聖域に向かったスバル達を待っていたのは、ガーフィール、エキドナ、ロズワールの狂気、試練と複雑に絡まった困難な状況でした。
アーラム村の人々を聖域から解放し、ロズワール邸に顔を出したスバルは、フレデリカやペトラがいないことを不審に思います。
レムの部屋に急いで向かった直後、王都の盗品蔵で自分達を襲撃した「エルザ」が現れ、第4章初めての権能発動に至りました。
第10巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
リゼロ原作小説11巻2章「メイド・メイド・メイド」あらすじネタバレ
スバルは、試練後の石畳の上で目を覚まします。
隣には、試練に苦しんでいるエミリアの姿があり、この試練がうまくいかないことを知っているスバルは、エミリアを起こし、エミリアの動揺と嗚咽が止まるまで、優しく抱きしめます。
スバルが代わりに試練を受けるという提案
試練を見守っていた一同が、リューズの家の一室で会議を行いました。
そこでスバルは、自分が一つ目の試練をクリアしたことを告げ、「エミリアの代わりに自分が試練を突破する」ことを提案します。
しかし、そこで思わぬ相手から反対を受けます。
ガーフィール | 絶対に反対。試練はエミリアが突破する以外認めない |
---|---|
リューズ | ロズワールに、エミリアに試練を突破させる思惑があるのならそれに従いたい |
前回スバルに試練の代打を提案してきたガーフィールに反対され、スバルは驚きます。
ガーフィールが前周でなぜスバルに試練に挑むよう促し、今週でなぜ反対したのかは、聖域を突破する上での重大な謎です。
そして、エミリアは震えながら自分の肩に爪を食い込ませ、「私に任せられないって、そういうの?」とスバルに言葉を投げかけました。
落ち着きを失ったエミリアを、ラムが香料で眠らせ、この日の会談は終了となります。
リューズ、ガーフィールの真意
会談後、スバルはガーフィールとリューズを呼び止め、反対の真意を問いました。
代表であるリューズが答えます。
- リューズは聖域の住民の代表者
- 結界が解放された後のことも考えている
- 結界解放後、住民はロズワールの庇護下で生活をしていく
- それならば、ロズワールの思惑にできるだけ従いたい
スバルはその完璧な説明に、言葉を返すことができませんでした。
完璧な説明とは、「予め用意されていた説明」と取れる可能性があります。
ラムがオットーを評価する
隠れて話を聞いていたオットー、建物から出てきたラムとの相談が続きます。
- オットーは、ロズワールの思惑も理解できると話す
- ラムは、スバルはエミリアにはできないと考えているのかと問う
- スバルは時間の問題で、解放まで長期化すれば、アーラム村の村人と聖域の住民の間で、食料不足の不満によるトラブルが発生すると話す
そして、スバルは前周と同様に、アーラム村の人々のみの解放案を二人に相談します。
オットーが即座に理解し、交渉として成立すると説明すると、ラムはスバルに良い拾い物をしたわねと、遠回しにオットーを評価しました。
オットーは、ロズワール卿との面会のために、スバル達について聖域まで来ています。しかし、隠れてスバルとリューズ達の話を聞くなど、商人以上の振る舞いをします。
ロズワールとの深夜の密談
ロズワールとの深夜の密談は二人きりで行われ、次のことが決まります。
- ロズワールがアーラム村の人々の解放をリューズに提案し、承諾をとる
- スバルが先行して聖域を立ち、アーラム村に家族が戻ってくることを伝える
- その足でロズワール邸の状況を確認しにいく
- フレデリカが敵対した場合を考え、ラムを同行させる
ラムはロズワールの元を離れるのは不満ですが、「スバルを助けるように」と指示され、それに従います。
ラムと共にペトラ、レムと再会
翌朝、スバルとラムはパトラッシュに相乗りをして、ロズワール邸を目指します。
- 出発する前にガーフィールが現れ、青い輝石をラムに渡す
- 道中、ラムにレムの話を時間の許す限りする
そして、ロズワール邸に到着すると、スバルは今後の動き方を真剣に考えていますが、扉が開き、ペトラが無事な姿で二人を出迎えてくれ、スバルは心から安堵します。
ラムは、妹だと説明されるレムと対面し、スバルにお願いをして、二人きりの時間をもらいます。
ラムもペトラのことを評価しており、ペトラの潜在能力は相当に高いものと考えられます。スバルも、「村娘としては異常なスペック」と評しています。
フレデリカから返ってくる答え
森の結界の見回りから帰ってきたフレデリカは、スバル・レムと話し合いをします。
- 転移の罠、聖域の保守派のことは全く知らない
- 青い輝石をエミリアに渡した理由は、誓約により話せない
- ラムは、フレデリカを聖域に連行すると提案し、フレデリカも承諾
- スバルは反対するが、ラムは察しが悪いといい、契約で自分から話せないので、無理矢理聞き出されたという状況を作るのだと説明する
- ラム、フレデリカの長年の関係が織りなす阿吽のコンビプレーだったことが判明
スバルは唖然としながらも、一先ず屋敷を出て、襲撃にくるエルザについては、戦力を整えて囲えば良いと考えます。
フレデリカが敵対している訳ではないことが判明します。スバルの早とちりでした。
しかし、そうなると、青い奇跡が輝き、スバルが転移した理由が不明になります。
リゼロ原作小説11巻1章の考察、ネタバレ解説
ガーフィールが2周目でスバルの試練挑戦に反対した理由
ガーフィールが2周目の会議で、スバルが試練に臨むことに反対した理由は、ガーフィールの本音が「聖域を解かれたくない」からです。
1周目の世界で、エミリアの代わりにスバルが試験を受けろといったのは、ガーフィールの誤魔化しであり、亜人の混血ではないスバルでは、墓所の中に入ることができないと知っていたからでした。
オットーはラムが評価するほどの切れ物
オットーは、ラムが評価するほど有能な人物であることが明らかになりました。
物語が進むと、幼少期のオットーの才能が描かれる場面が出てきます。
また、スバルと出会うまでのオットーの行商人としての日々を描いた短編も出ていますので、オットーファンの方は必見ですよ!
リゼロ原作小説11巻2章「少女の福音」あらすじネタバレ
応接間で今後の動きを相談する三人でしたが、部屋の入り口にはペトラを人質に取ったエルザが立っていました。
ペトラが「逃げて!」と叫びます。
「助けて!」ではなく、「逃げて!」を選べるペトラの気高さが現れています。
三人は即座にエルザへの対処に頭を切り替えます、
- ラムが即座に先制攻撃
- フレデリカが腕だけを一部獣化し、獣の爪でエルザを抑える
- フレデリカの尻尾にペトラが捕まり、フレデリカが後方に脱出
- ラムが特大の風魔法をエルザの動きを制限
- スバルがラムの合図でシャマクを放つ
- 全員で2階から庭園に脱出する
脱出する間際、エルザの飛び道具によって、フレデリカ、スバルが負傷します。
スバルとラムが作戦で対立する
庭園に脱出した4人ですが、スバルとラムが作戦で対立してしまいます。
スバルの作戦 | レム、ベアトリスを救出して脱出 |
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ラムの作戦 | レム、ベアトリスを見捨て、現状の4人で脱出 |
フレデリカは、ラムの案が最善策だとしつつも、今後の陣営にはレムもベアトリスも必要だと言います。
スバルは、最愛の妹であるレムを置いていくと判断するラムに、レムの話をしたことを心から後悔してしまいます。
フレデリカが獣化する
フレデリカは、ガーフィールの青い奇跡の首飾りを使い、獣化してチーターのような姿となります。
そして、自分がエルザを抑えている間に、レムとベアトリスを回収するように頼みます。
ラムは、フレデリカに対してまた率先して貧乏くじを引こうとするのね、と呟きました。
フレデリカは、ラムとレムがロズワール邸のメイドになった頃からの仲であり、フレデリカの事情も知っています。過去に、フレデリカは誰か、または何かのために自分を犠牲にしたことが描かれました。
ギルティラウ、魔獣からの襲撃に遭う
ラム、スバル、ペトラは、まずレムのいる東館2階へ向かいます。
しかし、激しい咆哮が庭園の方から聞こえ、魔獣と遭遇します。
- 体長4mを超す漆黒の魔獣「ギルティラウ」がロズワール邸に侵入
- 三人はもう一度庭園に脱出
- ギルティラウに角が生えていることから、アーラム村でのウルガルムの襲撃を裏で操っていた、魔獣使いの少女が今回の襲撃に関わっていることが判明
- ラムが厩舎にパトラッシュを呼びにいく
- スバルとペトラの上から「岩豚ちゃん」が落下してきて、ペトラが敗北、スバルが気を失う
気を失ったスバルは、かろうじて意識が戻った時、ラムとパトラッシュが話をしているのを聞きます。
気を失ったスバルでしたが、直前にペトラの手を握っており、ペトラを守るためにこの手だけは離さないと決め、意識を失っている間もずっとペトラの手を握っています。
パトラッシュが身を呈してスバルの命を繋ぐ
パトラッシュは、口にスバルの腰をくわえ、庭園中に溢れる魔獣の群れから、スバルを守り続けます。
数えればキリがない程の数と種類の魔獣に満たされた庭園は、地上最速の地竜の最良種であるパトラッシュでさえも、活路を見出すことができませんでした。
そこに、ギルティラウが現れ、パトラッシュと対峙します。
- パトラッシュはスバルを上空に投げる
- ギルティラウの登場によりパトラッシュが敗北
- スバルはレムのいる東館2階に着地
愛竜の最後の献身を無駄にしないため、スバルはレムの元へ向かおうとします。
しかし、絶対に守ると決めて離さないようにしていた左手を見て、スバルは崩れ落ちてしまいます。
視覚、聴覚が少し戻ってきたスバルが認識したのは、ロズワール邸を満たす魔獣の唸り声で、既に絶望的な状況であることを理解しました。
そこにエルザが現れますが、依頼主など、重要な情報は漏らしてくれません。最後の瞬間だと覚悟を決め、スバルはレムの部屋に駆け込みます。
ベアトリスがスバルを招き入れる
そこにレムの姿はなく、スバルは禁書庫の中にいました。
- スバルは、すぐに戻せとベアトリスに怒鳴る
- ベアトリスは、戻る理由は今なくなったと、レムが敗北したことを告げる
- この現実が確定することを恐れるスバルは叫びますが、ベアトリスは聞き入れず、スバルの治療を開始する
- 動けるようになったスバルは、権能を発動しようとするが、ベアトリスに止められる
- その時、ベアトリスが「福音書」を抱える姿を見る
福音書を見られたベアトリスは、それまでの態度を一変させ、混乱したようにスバルに怒鳴りつけます。
- ベアトリスは福音書に書かれていることをそのまま実行するだけ
- これまで親しい素振りをしてきたのも全て福音書の指示
- ベアトリスにとって大切なのは、お母様との絆だけ
- スバルを「ニンゲン」と蔑み、近寄るなと話す
スバルは、ここで倒れてしまいます。すると、エルザが禁書庫の中に入ってきて、ベアトリスの方へ歩きだしました。
最後のひと絞りでエルザの靴を掴みますが、震えるベアトリスの姿を視界にとらえながら、スバルは権能を発動しました。
リゼロ原作小説11巻2章の考察、ネタバレ解説
前の周回と異なる日にエルザが現れた理由
エルザとメイリィがロズワール邸に現れた日が異なるのは、二人が付近で待機していたからでした。
元々の襲撃予定日は1周目の世界でスバルが屋敷に戻ってきた日です。
二人は屋敷近くで待機しており、スバルが日程を繰り上げ屋敷に戻ろうとすると、対話鏡を通じてロズワールからの連絡があるため、フレデリカやペトラ、レムを外に逃そうとする作戦は通じないようになっています。
「青い輝石」と獣化の関係
「青い輝石」は聖域の結界に触れると転移する効果がありますが、普段は大気中のマナを取り込んでいる性質があり、フレデリカにとっては獣化に必要なマナを補給するアイテムにもなります。
青い輝石がなくても獣化を使うことはできますが、あった方が体内のマナを消費せずに獣化できるので、あれば使うといった類のものなのでしょう。
ベアトリスが「福音書」を持つ理由
この解説についてはネタバレが含まれますのでご注意ください。
ベアトリスの持つ「福音書」は、実際には福音書ではなく、世界に二冊だけの「叡智の書に最も近い本」です。
強欲の魔女エキドナの権能「叡智の書」は、持ち主の未来の道標を記すものであり、その叡智の書に最も近い本がベアトリスの持つ本となっています。
そのため、ベアトリスは魔女教徒ではありません。
リゼロ原作小説11巻3章「ユージン」あらすじネタバレ
スバルは、最初の試練後の石畳の部屋で目覚めます。
そして、苦しむエミリアを優しく抱き起こし、2周目までと同じように、エミリアが落ち着くまでぎゅっと抱きしめます。
墓所から出て、エミリアをリューズの建物の部屋に寝かせ、ラムに預けると、スバルはロズワールとの会談に向けて考えを整理していきます。
そこに、スバルのあまりに冷静な姿に不安を感じたオットーが、スバルに大丈夫かと声をかけました。
スバルは、自分が落ち着いているように見えることに自信を持ちますが、オットーは、「落ち着いて見えることと、冷静に物事を判断できることには深い溝がある」とアドバイスを送りました。
オットーは行商人として身を立てていることもあり、人に対する洞察に鋭さがあります。ただし、他の人が気付かないスバルの変化に気付き、心配して、声をかけるのは、洞察の鋭さだけではありません。
そこにガーフィールが現れ、スバルに話があると連れていきます。
リューズ、ガーフィールと草原で話し合う
ガーフィールに連れて行かれ先は、森が開けた草原で、そこにはリューズが待っていました。
スバルは、リューズとガーフィールに質問、相談をしていきます。
- フレデリカが結界を抜けることができた理由
- 自分がエミリアの代わりに試練を受ける提案
フレデリカとガーフィールは、姉弟ではありますが、父親が異なり、フレデリカはクォーターであるため、結界の誓約に囚われることなく出入りできることが判明します。
そして、エミリアの代わりに自分が墓所の試練を受けることを相談すると、リューズの判断で、ガーフィールがスバルを気絶させました。
スバルは、先程の会談と今で、リューズの服装が変わっていることに気付きますが、リューズは寝巻きだと話しています。
スバルがガーフィールに囚われる
スバルが目覚めると、身動きが制限された状態で囚われていました。そこにガーフィールが現れます。
- 墓所から出てきたスバルから、「魔女の瘴気」が色濃く漂っていた
- そこに、自分が試練を代わりに受けると提案してきた
- 静観していたが、危険人物だと判断し、動きを制限することにした
- エミリア・ロズワール達との決定的な対立を避けるため、これ以上のことはしない
- ここは集落とも離れており、叫んでも誰も助けにこない
そして、世話役だけ残すと言い残し、スバルを暗闇の中に置き去りにします。
世話役は、無機質にスバルの食事や排泄の世話などを行います。スバルが何を話しかけても、何の反応もありません。
暗闇からスバルを救出するオットー
暗闇と孤独に精神が蝕まれていったスバルは、徐々に権能を発動することだけを考えるようになります。しかし、孤独な部屋にオットーが現れました。
オットーは、スバルの拘束を外し、外の状況を説明します。
- スバルが行方不明になってから三日経過。時刻は夜
- 行方不明はすぐに発覚し、エミリアが激しく動揺。翌日は試練も行えなかった
- エミリアやラム、アーラム村の人々が森を捜索するが見つからない
- ロズワールが、大捜索隊を出すためにエミリアに結界を解いて欲しいと提案する
- エミリアは聖域の試練に挑戦するが、二日連続失敗
スバルのことで必死になったエミリアでさえ、過去のトラウマを乗り越えることができないのには理由があります。彼女が弱いからではありません。
そして、オットー自身は、ガーフィールに「身の安全」と「対価」と引き換えに、ガーフィールがスバルを連れて行ったことの口外禁止を求められますが、これを断ったがために追われていると説明しました。
スバルは、なぜ、ガーフィールの提案を断ったのかとオットーに質問します。
友人を助けようとするってのは、そんなにおかしいことですかね?
スバルは、オットーの意外すぎる言葉に吹きだし、笑い転げ、オットーに心からの感謝を告げます。
リゼロ原作小説11巻3章の考察、ネタバレ解説
リューズの服装が一瞬で変わっていた理由
こちらはネタバレ解説となりますのでご注意ください。
会議の場のリューズと、草原の場に現れたリューズの服装が異なるのは、これは異なるリューズであるからです。
聖域のまとめ役を務めているリューズは最初の複製体である4体であり、それぞれ名前が異なります。
会談に参加していたのは「リューズ・ビルマ」であり、草原の上に現れたのは「リューズ・シーマ」です。
また、シーマだけが他の3体と立場が異なっており、その謎が聖域の一つの大きな問題となります。
オットーがスバルを「友人」として助けてくれた理由
聖域に来てからというもの、オットーはスバルに助力することが多く、ガーフィールに連れ去られた時も、自らの危険を顧みずにスバルを助ける選択肢を選びました。
これは、オットーにとってスバルが命の恩人であるからです。
オットーは行商人として独り立ちをしていましたが、まだ成功者とは言えず、何者でもない時に魔女教徒に捕まってしまいます。
何も成すことができずに終える寂寥感に涙を流したところにリカード達が現れ、間一髪で救出してもらうことができました。
そしてリカードから、恩は大将の兄ちゃんに向ければいいと言われ、そこで出会ったのがスバルでした。
これらの一連の出来事から、オットーは自分の生きる目的をスバルを助けることと見つけ、それ以来商人として同行していると口では言いながら、スバルを助けることに全身全霊を注いでいたのでした。
スバルの「世話役」をしていたのは誰?
こちらもネタバレ解説となりますのでご注意ください。
スバルの「世話役」をしていたのはリューズの複製体の1体です。
複製体には、聖域のまとめ役をしている最初の4体以外にも、21体程度の複製体が存在します。これらはビルマやシーマ達とは異なり、人格が与えられていないため、「強欲の使徒」であるガーフィールの命令をこなすだけの空っぽの存在です。
空っぽの複製体はガーフィールの指示で聖域中に散らばっており、聖域を監視する「聖域の目」として機能しています。
スバルの身の回りの世話をしていたのは、この複製体のうち、メイエルの複製施設の周りの監視を担当している1体であると思われます。
リゼロ原作小説11巻4章「命の価値」あらすじネタバレ
スバルとオットーは、今後の動きについて相談します。
オットーは、現状の状況を説明し、一つの作戦を提案します。
- エミリアはひどく不安定になっている
- アーラム村の人々の動揺も激しい
- ここでスバルが監禁されていたと姿を現わすと、聖域側との大爆発が起こる
そこでオットーは、今晩中にスバルを結界の外へ逃がし、その後、アーラム村の人々を解放する交渉を成立させる作戦を提案しました。
スバルはオットーの提案に同意し、オットーの協力者であるラムと合流します。
ラムはロズワールの指示で動いていました。
- ロズワールから「スバルを助けるように」と指示される
- 現在の状況から、スバルを助けることは結界の外へ逃すことだと判断
- こそこそ動いていたオットーを使役し、囚われていたスバルを見つけ出す
- エミリアが試練に挑んでいる間、ガーフィールは墓所を離れられないため、この時間に逃げると提案する
スバルは、試練の間に逃走することに同意しながらも、その前にロズワールとの面談の機会を求めます。
ロズワールとの3回目の密談でベアトリスの秘密が明らかに
スバルは、ロズワールに対して、ベアトリスは魔女教徒なのかと聞きます。
- ベアトリスは魔女教徒ではない
- ベアトリスの本は、この世で二冊しか現存しない「叡智の書」に最も近い本
- 叡智の書は、本当の未来を記す魔書
- 魔女教徒の「福音書」は劣化版であり、回数も、内容も、比べるべくもない
- ベアトリスの協力が欲しいなら、「ロズワールは質問をしろと言っていた」と言いさない
- そして、「自分がその人である」と言いなさい
- その言葉を言えば、契約によりベアトリスはスバルに協力する
スバルは、ベアトリスとの契約をロズワールに問い詰めますが、ロズワールとベアトリスが契約しているのではないと誤解を解きます。
そして、ベアトリスの契約相手は、スバルがベアトリス本人に聞くべきだと話します。
ガーフィールからの逃走
ラム、オットー、パトラッシュと合流したスバルは、結界の外に向けて逃走を開始します。
しかし、その場にガーフィールが現れ、「聖域の目からは逃げられなかったということだ」と説明し、襲いかかってきます。
ガーフィールは墓所の前にいたため、この間は情報収集もできず、逃走に気付かれることはないと考えられていました。「聖域の目」によってスバル達の動きが補足されていますが、これが何を表しているかは、12巻での登場となります。
- 瞬時にラムが時間稼ぎを担当すると判断
- オットーがスバルを抱えてパトラッシュに乗り逃走開始
- オットーが指笛を吹くと、アーラム村の人々が結界を抜ける道順を光で示してくれ、スバルに温かい声をかける
- 青年団が時間稼ぎの役割を担っている
- 獣化したガーフィールが現れ、衝撃波が発生
- オットーがスバルを庇って敗北
- 青年団がスバルを庇って敗北
- パトラッシュはスバルを結界に投げ、敗北
- ガーフィールがスバルに向かう
- 結界に触れたスバルは、フレデリカの青い輝石が輝き、転移される
スバルは囚われていた建物の中で目を覚まし、外に出ると夜が朝に変わっていました。
フレデリカの青い輝石が、またもスバルを転移させます。また、今度は墓所ではなく、監禁されていた建物への転移でした。スバルを転移させているのが誰なのかは、まだ不明です。
外は一面の雪景色
建物の外は一面の雪景色が広がる銀世界となっており、スバルは集落に向けて歩き出します。
しかし、人も魔獣も存在しないような、異様な雰囲気が世界を包んでいました。
スバルの足元に、ウサギのような動物が現れ、スバルはそのウサギに手を伸ばします。
すると、スバルは、これまでのループの中でも、最も悲惨な形で権能を発動させました。
スバルのこれまでのループの中で、最も壮絶な権能発動がこのシーンです。これは、作者の長月先生の一番の恐怖が描かれているそうです。
ループしたスバルは発狂
スバルは、試練後の石畳の部屋で目を覚ますと、その直前の出来事の影響で発狂してしまいます。
そして、頭の中が「どうして、なぜ」で埋め尽くされていきます。
そこに、エキドナの声が響き渡ります。
再び、君は資格を得た
招こう。魔女の茶会へ
リゼロ原作小説11巻4章の考察、ネタバレ解説
オットーがスバルのいた建物を見つけられた理由
オットーはスバルを捜索する際、当然ながら「言霊の加護」を使いました。
しかし、動物達でもスバルを見つけることはできず、代わりに見つけることができたのがスバルが囚われていた建物でした。
建物は動物除けの異常な匂いが立ち込められており、森の中にあって異様な存在感を発しています。
森の中のどこにもスバルを見つけることができない、それならばこの建物の中にいる以外の選択肢がないという判断をして、オットーはスバルを発見したのでした。
「叡智の書に最も近い本」と竜歴石の関係
ロズワールが言及した「叡智の書に最も近い本」は、未来の道標を示すという意味で竜歴石と似たような役割を持っています。
この点についてはネタバレ考察となりますのでご注意ください。
「叡智の書」は強欲の魔女エキドナの権能であり、これはオド・ラグナに干渉することで得ている力と思われます。
一方、「竜歴石」は神龍ボルカニカによってルグニカ王国に授けられた三つの至宝の一つですが、これも外側から世界を観測することのできる「オド・ラグナ」の力を活用したものであると予想されます。
記憶の回廊はフリューゲルが何らかの形で関与を続けており、ボルカニカとフリューゲルは400年前にはかなり近しい存在であったことから、実際に石に文字を刻んでいるのはフリューゲルである可能性もありそうです。
ベアトリスに「自分がその人である」と話すと何が起きる?
ロズワールは物語の中で、ことあるごとにベアトリスに「質問をしろ」と言うようにスバルにアドバイスを送っています。
そして今回、その続きの言葉として「自分がその人である」と言うことを教えてくれました。
この言葉を話すことで「ベアトリスがスバルに協力するようになる」と言及していたことから、ベアトリスの契約内容は「その人」を待つことであると分かります。
ベアトリスの契約相手は?
ベアトリスが契約をしている相手は「お母様」であり、これは強欲の魔女エキドナであることが判明しています。
エキドナがベアトリスに与えた役割については、聖域の真実が語られた後に描かれていますので、読み進めていきましょう。
リゼロ原作小説11巻5章「魔女たちの茶会」あらすじネタバレ
エキドナの夢の城、草原の上に立っているスバルは、直前の精神状態とは大きく変わって、気持ちに平穏が訪れていました。
エキドナが、前にスバルが飲んだドナ茶で魔女因子に働きかけ、スバルの心に安定をもたらしたと説明します。
スバルは、エキドナにお願いをしました。
- 聖域のループを解く鍵は、エキドナとの茶会を覚えていることにあるはず
- 茶会の口外を禁じるという契約を異なる内容に上書きしたい
- そのための対価なら何でも差し出す
エキドナは、スバルの強引なお願いに、乙女が恥じらうかのように「はい」と答えて、契約の上書きを約束します。
しかし、すぐに魔女の威圧を備えた雰囲気を出し、スバルにお茶を飲むことを求め、スバルはドナ茶を一気飲みしました。
エキドナの態度がコロコロと変わるのは、掴み所がない人柄という訳ではありません。これは13巻で明らかにされます。
エキドナがスバルの死に戻りの唯一の理解者になる
スバルは、エキドナが自分の権能を知っている可能性を疑います。
- エキドナにとっては、試練で別れた直後にスバルが発狂したことになる
- すぐに茶会に招いたエキドナが、発狂に驚かないのはおかしい
- 第一の試練では、「スバルの記憶」から虚構世界を構築していた
- つまり、エキドナは人の記憶を読み取る力がある
- それなら、スバルのループの経緯も知っている。だから発狂しても驚かない
スバルがここまで話すと、エキドナは「試してみればいい」と伝えます。
スバルは、怖がるように、絞り出すように、自分がループしていることを口に出しました。
スバルに訪れるはずの出来事は発生せず、エキドナにも何の変化もありません。
スバルは堰を切ったように、嗚咽をもらしながら、何度も自分の権能を口にしました。
スバルは、初めて自分以外の存在に権能を口外することができ、心から救われることになりました。エキドナの夢の世界という限定的な場所ではありますが、理解者を得ることができたのです。
- 視てきたから、分かっている
- それでも、それは視てきただけ
- スバルの口から、何を思い、何を感じ、どれほど抱えてここまで来たのか話してほしい
- ボクは、この世の全てを知りたいと望む、強欲の魔女だからね
スバルは、これまでの全てをエキドナに対して話します。
スバルの上手ではない話を、エキドナは、一度も口を挟まずに全てを受けとめるように聞きました。
スバルは、このやり取りによってエキドナを信頼するようになります。
エキドナによる「死に戻り」の見解
エキドナは、スバルに権能を与えた存在に「ひどいな」と呟きます。
そして、スバルの質問に答えるように、「ループ」についての見解を伝えていきます。
- スバルの権能は嫉妬の魔女サテラに与えられたもの
- 権能の源は、サテラのスバルに対する異常な妄執
- 目的は、スバルが運命に囚われることを防ぐこと
- 故に、スバルが運命を打開するまで、ループは何万回でも繰り返される。回数制限はない
- 唯一、サテラのスバルへの妄執が消えれば、権能は解除されるが、その可能性はない
- また、ループが考慮する対象はスバルのみであり、他者は関係ない
- つまり、スバルが他者を犠牲にして運命を打開した場合、犠牲を取り戻すことはできない
スバルは、そこまでエキドナの話を聞き、死に戻りをフル活用して、全員無事で、全ての運命を切り開くことを改めて決意しました。
スバルの胸の中にはレムのことがあり、同じ喪失を二度と味わないことを決意しています。
三大魔獣「多兎」の攻略方法
スバルは質問を続け、直近の脅威である「多兎」についてエキドナに質問します。
- 暴食の魔女ダフネの係累であり、三大魔獣の一角
- 一般的には「大兎」で知られるが、本当の名前は「多兎」
- 一匹の兎が、単体で無限に分裂している
- 終わらない飢餓感を抱えており、周囲の全てを喰らい尽くす
- 撃退するには一箇所に集めて全て一気に攻略することが必要
スバルは、3周目の世界で、自分だけでなく、アーラム村の人々やエミリア達も、多兎と遭遇していたことに気付き、胸が張り裂ける思いをします。
そして、聖域のループの突破条件を「多兎の撃退」と「エルザ・魔獣使いの撃退」の二つに定めます。
エキドナは、「本当におすすめしないのだけど」と前置きした上で、暴食の魔女ダフネと話す機会を与えようかとスバルに提案します。
- エキドナ以外の魔女の魂は、ボルカニカによって封印されて消滅する前に、エキドナが蒐集している
- エキドナの体を貸せば、魔女を出現させることができる
この話には一つ嘘があります。
ただし、この世界は精神世界であり、精神的な大ダメージがあると、現実世界に戻ったときに廃人になってしまうリスクがあると説明します。
スバルはそれでも、「やってくれ」とエキドナに頼みました。
「傲慢の魔女」テュフォンが出現
エキドナが体をダフネに預けようとした瞬間、スバルに会いたい一心で、傲慢の魔女テュフォンが現れます。
そして、テュフォンは、スバルに対して質問を始めます。
- テュフォンはエキドナのことを「ドナ」、スバルのことを「バル」と呼ぶ
- バルは悪人なのかと質問する
- テュフォンの権能でスバルは悪人ではないと判断する
- 一方で、罪人ではないのにスバルは自分を咎人だと感じている、可哀想だと話す
スバルに聞きたいことを聞けたテュフォンは、満足そうに交代します。
エキドナ曰く、テュフォンは話の分かる方の魔女らしいですが、それでこの訳の分からなさです。
「憤怒の魔女」ミネルヴァが出現
テュフォンの次に出て来たのは、「憤怒の魔女」ミネルヴァです。
ミネルヴァは、自らの権能を発揮し、エキドナの「夢の城」にクレーターを作った後、スバルの身体を元通りに直します。
自分の仕事に満足したミネルヴァは、空を見上げ、満足そうに交代します。
エキドナからの忠告
エキドナが現れ、ダフネに変わる直前にテュフォンに取られたことを説明します。
スバルが出会った二人を参考に、エキドナ、サテラを除く5人の魔女の危険度を説明します。
扱いを間違えれば危険 | 「色欲の魔女」カーミラ |
---|---|
安全 | 「憤怒の魔女」ミネルヴァ |
とても危険 | 「傲慢の魔女」テュフォン |
激しく危険 | 「暴食の魔女」ダフネ |
絶対に危険 | 「怠惰の魔女」セクメト |
そして、ダフネはテュフォンよりも危険であること、全く話の通じなかったテュフォンが、他の魔女、カーミラとダフネに比べれば話せることが伝えられます。
スバルは、ダフネと話す意思は変わらないと伝えると、エキドナは、ダフネと話す上での忠告をします。
- 拘束具を絶対に解いてはいけない
- 触れてもいけない
- できれば目を見てもいけない
そして、エキドナは体を依り代にダフネを出現させます。
「暴食の魔女」ダフネが出現
「暴食の魔女」ダフネは、異様としか表現できない姿で、スバルの前に現れました。
- 足の生えた棺の中にいる:魔獣「百足棺」
- 拘束衣
- 鎖
- 目隠し
ダフネは、甘ったるい声でスバルを「すばるーん」と呼び、自分に何を聞きたいのかと質問します。
- なぜ三大魔獣を作ったのか
- 多兎はどうしたら撃退できるのか
暴食の魔女ダフネは、多兎と同じように満たされない飢餓感に襲われています。
思考は「食べる」ことのみに向けられており、三大魔獣でさえ「たくさん食べられる」と言う理由で創造したのだと説明しました。
スバルが多兎の攻略方法を聞くと、ダフネは自らの流儀を説明し、多兎撃退のヒントを教えてくれます。
- 多兎は、マナから獲物を探す
- 強い魔法使いなどを囮にして、一網打尽にすればいい
- 元は一匹で一つの意識なので、その場にいる全員を一気に倒せば多兎は撃退できる
スバルは、去り際、魔獣の母親でもあるダフネに対し、俺が撃退しても文句を言うなよと言います。
すると、今までの甘ったるい態度から一変させ、ダフネは「たかだか、ニンゲンが。やれるものならやってみればいい」と嗤って姿を消しました。
エキドナが求める魔女の対価
暴食の魔女ダフネが姿を消すと、代わりにエキドナが姿を現しました。
スバルは、エキドナに感謝を伝えますが、突然目眩に襲われます。
エキドナは、スバルが外で誰かに起こされようとしているのだと説明します。
時間がないことが分かり、2回目の茶会の最後の会話をエキドナとします。
- 3回目の茶会に招かれるためには、2回目よりも強く「知りたい」と願う必要がある
- 一方で、ただ会いたいのであれば「試練」でも会える
- エキドナは、魔女の対価としてペトラからの「ハンカチ」を所望する
- ハンカチに込められた、旅の無事を祈る願いの存在を確かめること、そしてちょっとした干渉が対価だと言う
- 3回目の茶会にスバルがくるようなことがあれば、エキドナからも話したいことがあると言う
スバルは試練ですぐ出会えることに希望を持ちますが、エキドナは「それはどうだろう」と返します。
ここまで話して時間いっぱいとなり、スバルは現実の世界に引き戻されました。
リゼロ原作小説11巻5章の考察、ネタバレ解説
エキドナがスバルを救う理由
エキドナがスバルを救う理由は、ネタバレ含む考察となりますのでご注意ください。
エキドナがスバルを救うのは、「スバルに必要な成長を促して聖域を解放させること」が目的と考えられます。
物語が進んでいくと、スバルに対してエキドナは「契約」を持ちかけますがこれはブラフです。
スバルが断った後に、夢の城では魔女の茶会が開催され、「わざと断られる様に仕向けた」ことが言及されています。
エキドナが聖域を出るためには、メイエルの体と魔結晶が必要でした。
そのため、ロズワールの思惑を裏で活用し、スバルを手伝って聖域の結界を解放させようとしていたものと思われます。
スバルにとってエキドナは心の拠り所になる
スバルはずっと一人で抱えてきた自分の権能の存在を共有でき、エキドナを心の拠り所のように考えます。
誰かに打ち明けることができたという事実は、リゼロ世界に転生してきてから苦労続きだったスバルの心をどれほどまでに癒したのか分かりません。
エキドナの話を聞いたスバルは「自分を犠牲にする」ことを覚悟する
エキドナによってスバルの権能に対する解説が行われました。
嫉妬の魔女に授けられた権能が「スバルしか考慮しない」ことが分かったため、レムのこともあり、スバルはこれまでにも増して、「危険は自分だけが引き受ける」というスタンスで権能と向き合っていくことになります。
そして、この考え方ではロズワールが用意した盤面には対抗できないため、スバルは苦しむことになります。
ボルカニカが魂を封印しようとした理由
神龍ボルカニカが魔女達の魂を封印する前に、強欲の魔女エキドナが蒐集して夢の城に集めたと言及された場面がありました。
この言及から読み取れることは次の通りです。
- ボルカニカは何らかの目的で魔女達の魂を必要としていた
- 「嫉妬の魔女」と神龍ボルカニカは同じ目的を有していた可能性が高い
- 強欲の魔女エキドナと神龍ボルカニカは敵対している間柄
一方、強欲の魔女エキドナは、「ボルカニカに悪戯するためにミーティアを作る」など仲が良かったことも描かれており、どこかの時点での「決裂」があったものと思われます。
エキドナが魔女達の魂を蒐集しようとした理由
エキドナが魔女達の魂を蒐集しようとした理由は、特に悪巧みとは関係ないのではと思われます。
魔女の茶会で全員集合してお茶を飲むほどに仲が良い友達でもあり、純粋に失うには寂しすぎるから、魔女達の魂を蒐集したとも考えられそうです。
エキドナ自身は「魂の転写技術」でリゼロ世界に再臨することもできるため、いずれ他の魔女達も体を得ることがあるのかもしれません。
リゼロ原作小説11巻6章「らぶらぶらぶらぶらぶらぶゆー」あらすじネタバレ
スバルは、石畳の部屋の上で目覚めると、茶会の記憶があることを確かめ、エキドナに感謝します。
また、自分の権能を相談できる相手ができたことに、心が軽くなっていました。
しかし、振り返るとエミリアの姿がそこになく、最悪の想定を済ませた上ですぐに外に出ました。
- エミリアが外で泣き崩れている
- 魔女の瘴気を濃くしたスバルに、ガーフィールが襲いかかってくる
スバルが外に出ると、聖域は「影」に呑み込まれていました。
エキドナの夢の中ではありますが、スバルはループを何度も何度も口外しています。それは、サテラを呼び寄せる結果に繋がりました。それを理解していたエキドナは、スバルがすぐに試練に来れないと最後に話したのです。
嫉妬の魔女が姿を現わす
スバルは、混乱した頭を一度落ち着かせ、集落の大聖堂に向かおうとします。
しかし、墓所の階段を降りて広場の影に触れたとき、状況が変わります。
- スバルを風が包み込む
- 影が一気に膨れ上がる
- 目の前に嫉妬の魔女サテラが現れる
- スバルに「愛してる」と告げる
嫉妬の魔女サテラは、スバルに対して愛を囁き続けます。
スバルはその愛に抗うことができず、受け入れたくなる衝動に包まれます。
そして、二人はただただ愛し合います。
嫉妬の魔女に囚われた時、スバルは堪え難い喜びに包まれ、嫉妬の魔女の愛を全身で受け入れようとしてしまいます。
スバルがそうなる理由は明かされていませんが、「ペテルギウスの憑依」「スバルの体内のマナの不思議な循環」という明かされている事実から考えると、スバルの体内には、別の人格がいるのかもしれません。
ロズワールは知っている
今にも影に沈もうとしている部屋で、ロズワールは全てを受け入れるように佇みます。
そして、誰に届くこともない独り言を呟きます。
- 墓所の試練に挑むエミリアをスバルが助けにいけば、いずれ状況は変わる
- しかし、それを見るのは自分ではないらしい
寝台の枕の下に置いていた黒い装丁の本を、愛おしい人そのものかのように抱きしめ、ロズワールは闇に沈みます。
次は、間違えないようにね。ナツキ・スバル。
叡智の書に最も近い本の二冊目は、ロズワールが持っていたことが判明しました。ロズワールは、叡智の書に書かれる記述に沿うように、状況をコントロールしていたことが示唆されます。
ただし、叡智の書そのものではないため、必ずしも記述通りにならないことも判明します。気になる点は、「自分ではない」という言葉で、これはスバルがループをした先の自分が見るだろうと取ることができます。
よって、ロズワールは、スバルがループしていることを叡智の書に最も近い本によって、知り得ているのではないかと考えられます。
リゼロ原作小説11巻6章の考察、ネタバレ解説
サテラが聖域に降臨した理由
サテラが聖域に再臨した理由については、次の二つの側面から解説することができます。
- サテラが表に出てきた理由
- エミリアがサテラに変わった理由
特に後者はネタバレ考察となりますので注意してください。
まず、スバルは「夢の城」でエキドナに自らの権能を何度も打ち明けています。そして、サテラはスバルの魂を通じてこの発言を知ることとなりました。
ただし、「夢の城」にはエキドナによる結界が何重にも貼られており、容易に嫉妬の魔女が干渉することはできません。そのため、聖域に顕現して、世界を闇に沈めようとしたと考えられます。
後者のエミリアにサテラが降臨した理由については、「オド」の上書きで説明することが可能です。
プレアデス監視塔では、襟ドナがアナスタシアのオドに存在を上書きすることで、アナスタシアが使えないはずの魔法を使うことができました。
このことから、エミリアのオドにサテラの存在が上書きされれば、嫉妬の魔女としての力を振るうことができると説明ができます。
また、エミリアのオドにサテラが干渉できるのは、ラムとレムのように「魂の繋がり」があることが考えられ、これはエミリアがサテラの娘であるか、魂を複製した存在であるか、複製された魂がエミリアの中にあるかのいずれかに該当するものと思われます。
スバルがサテラの愛を受け入れたくなった理由
この点の考察もネタバレを含みますのでご注意ください。
スバルがサテラの愛を受け入れたくなった理由は、スバルの中にある魂がサテラを愛しているからです。
この魂が「ペテルギウス」によるものか、「フリューゲル」によるものかはまだ分かりません。
リゼロ原作小説第11巻のストーリーの流れ
- 石畳の上で目覚める
- スバルが代わりに試練を受けることを提案
- ガーフィール・リューズ・エミリアに反対され却下
- リューズ・ガーフィールに反対の真意を質問するが躱される
- ロズワールと密談
- ラムが同行してロズワール邸に戻る
- ペトラ、レムと再会
- フレデリカが味方と判明
- ペトラを人質に取ったエルザが現れる
- ラムがレムを置いていこうとする
- フレデリカが獣化でエルザと対峙
- 魔獣使いによるギルティラウ、魔獣の襲撃が始まる
- ペトラ敗北
- パトラッシュ敗北
- フレデリカ敗北
- ベアトリスがスバルを助けて禁書庫に招き入れる
- ベアトリスが福音書を持っている姿を見る
- エルザが扉渡りを破って禁書庫に入ってくる
- エルザの手によってスバルが権能発動
- 石畳の上で目覚める
- エミリアを優しく慰め、ラムに預ける
- リューズ・ガーフィールと草原の上で密談
- 三日間建物に閉じ込められる
- オットーがスバルを助け「友人だから」と話す
- 協力者であるラムと合流
- ロズワールと会談し、ベアトリスが魔女教徒ではないと確かめる
- ラム、オットー、パトラッシュと合流して逃走開始
- すぐにガーフィールが現れ、追いかけられる
- ガーフィールが獣化する
- ラムの防衛を突破される
- オットーがスバルを庇って敗北
- アーラム村の青年団がスバルを庇って敗北
- パトラッシュがスバルを庇って敗北
- スバルが結界に触れ、監禁されていた建物に転移される
- 夜から朝に時間が経過しており、一面雪のは銀世界に変貌
- 足元にウサギが現れる
- ウサギの大軍に囲まれスバルが権能発動
- 石畳の上で目覚めて発狂
- 二度目の茶会に招待される
- エキドナと契約内容の上書きを約束する
- エキドナに自分の権能を告げる
- エキドナのスバルの権能についての見解を教えられる
- エキドナから「多兎」の攻略方法を教えてもらう
- 傲慢の魔女テュフォンと出会う
- 憤怒の魔女ミネルヴァと出会う
- 暴食の魔女ダフネと出会う
- エキドナが魔女の対価としてハンカチを所望する
- ハンカチに対してエキドナが何かの干渉を行う
- 目を覚ますと墓所の外が「影」に呑まれている
- 嫉妬の魔女が目の前に現れ、抗えない愛に包まれる
- ロズワールが叡智の書に最も近い本を所持していると判明
続きの12巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
本ページの情報は2021年03月05日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。