Re:ゼロから始める異世界生活

「リゼロ」小説12巻あらすじネタバレ、考察【スバルは三度目の茶会に招待される】

リゼロ原作小説12巻ネタバレ
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「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説12巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。

第11巻では、ロズワール邸でエルザ・魔獣使いに敗北し、聖域でガーフィール・多兎の前に敗北するなど、複雑に絡み合う状況を前にスバルは膝を屈してしまいます。

窮地に追い込まれたスバルは、エキドナに二度目の茶会に呼ばれ、そこで他の魔女とも出会い、自らの権能や多兎のことについて理解を深めました。

しかし、スバルが目覚め、墓所の外で見たのは、嫉妬の魔女の影が聖域を呑みこんでいる光景でした。

第11巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら

リゼロ原作小説11巻ネタバレ
「リゼロ」原作小説11巻あらすじネタバレ、考察【二度目の茶会の先で待ち受けるもの】「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説11巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。 第10巻では、ロズ...

リゼロ原作小説12巻1章「らぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶみー」あらすじネタバレ

意識が飲まれる直前、ガーフィールがスバルとサテラの間に割って入り、スバルを救出します。

ガーフィールが体験したこと
  • エミリアに嫉妬の魔女サテラが憑依する
  • 一瞬にして聖域全体に影が生まれた
  • ラムが風の魔法でガーフィールを助ける
  • ラム、オットー、リューズ、ロズワール、アーラム村の人々は全員影に呑まれた

スバルに対して、聖域に残っているのはもう自分とスバルだけだと伝えます。

嫉妬の魔女サテラはスバルを追わず、聖域の外へと向かっており、スバルはその理由に気付き驚愕しました。

  • スバルはサテラに囚われた際、自分に対する激しい妄執を感じた
  • スバルの愛が向くものを排除しようとしている
  • 嫉妬の魔女が向かう先はロズワール邸
  • 目的はレムやペトラ

ガーフィールは、嫉妬の魔女の「実体」はハーフエルフであるため、結界で弱体化するはずだと考えます。

そこで迎撃することを決めると、スバルに「先に謝っておく」と言いました。

スバルは、まだこの時点で「嫉妬の魔女」がエミリアに憑依したことは知りません。ガーフィールはそれを見ていたため、結界が作用することを確信し、先にスバルに謝罪しています。

嫉妬の魔女が呼び出されたのは、スバルが自らの権能をエキドナに口外したことが原因だと考えられますが、今回だけエミリアに憑依する形で出てきた原因はまだ謎です。

ガーフィール・リューズ複製体 VS 嫉妬の魔女サテラ

結界前に先回りしたガーフィールとスバルの前に、リューズと瓜二つの少女が21体現れます。

ガーフィールが、必要なことだけをスバルに説明しました。

  • リューズとは違う存在
  • 中身は空っぽ
  • ガーフィールの指示を聞く

そこに嫉妬の魔女サテラが現れます。獣化したガーフィールと21体のリューズの複製体が挑みますが、なす術もなく敗北しました。

サテラは、再びスバルを影の中に取り込みます。

ロズワールを凌ぐとさえ言われたガーフィールも、嫉妬の魔女を前にしては勝機がありませんでした。

スバルはエキドナの保険によって助けられる

サテラは「愛してる」と繰り返しますが、スバルはその悉くを拒絶します。

エキドナ達の方がまだ愛せるとスバルが言うと、一瞬サテラは止まり、「愛して」と繰り返す言葉を変えました。そして、スバルを影の中に呑みこみます。

影の中のスバル
  • 意識・魂が溶け、先に呑まれた者達と一つになろうとしている
  • 何とか自分の魂をかき集めようとする
  • 右手首に巻いたハンカチが光り、左手でそれに触れると意識を取り戻す

スバルは、影で溶けた先では自分は自分でなくなり、ループすらできなくなることに恐怖を覚えます。

影の中では、他の存在と混ざり合い一つになってしまいます。そして、もしスバルが溶けて意識を失ってしまった場合は、スバル自身は消えていなくなり、一つとなった存在に対して、嫉妬の魔女の愛が永遠に注がれる結果となります。

ハンカチだけが白く光り出します。右手に巻かれたハンカチがエキドナがかけた保険であることを確信し、スバルは左手で触れました。

スバルは、エキドナがこうなることを予見していたことに気付きながら、権能を発動させます。

サテラは、そこで愛以外の何かを初めて口にし、スバルを優しく抱きしめます。

この時は「嫉妬の魔女」ではなく、瞬間的にエミリアが戻ってきていたのかもしれません。

スバルは、サテラの顔を隠すローブをそっと横にすると、悲痛な顔で涙するエミリアの顔がそこにありました。

スバルは、「俺が必ず、お前を救ってみせる」と言葉にし、ループが始まります。

スバルの安堵

石畳の上で目覚めたスバルは、エミリアの姿を見て一つの疑念を感じます。

  • 自らの権能は、嫉妬の魔女から授かったもの
  • つまり、嫉妬の魔女も時間を遡る力があると考えられる
  • 目の前にいるエミリアは、エミリアではなくサテラなのでは?

手を震わせながら、エミリアを起こすと、その口から「スバル?」とエミリアの声がして、スバルは安堵します。

「嫉妬の魔女」がエミリアに憑依して顕現する条件は明らかにされていません。ペテルギウスが、魔女因子を取り込ませて器を試し、その器にサテラを降臨させると話していましたが、この時、なぜエミリアにサテラが降りてきたのかは謎です。

そして、試練で傷ついたエミリアの心を守ることも忘れ、ただ膝をついて涙しました。

エミリアは、そんなスバルを見て「大丈夫だから」と優しく抱きしめます。

これまでの周回では、エミリアは目覚めると泣き始め、スバルに抱きしめられていました。しかし、今度は目覚めるとスバルが涙を流していたため、自分のことに意識が向かず、スバルをすぐに抱きしめます。エミリアは、これまでの中で一番精神的に安定した状態のように見えています。

リゼロ原作小説12巻1章の考察、ネタバレ解説

サテラがロズワール邸にいるペトラやレムの存在を知れた理由

サテラがペトラやレムがロズワール邸にいることを知ることができたのは、スバルやエミリアの記憶を参照したからです。

スバルの権能が嫉妬の魔女の権能である以上、外側からスバルを観測していることは疑いようがありません。

そのため、スバルがリゼロ世界で経験することは、全て嫉妬の魔女は知っていると考えることが自然です。

エミリアは自分のことよりも他者を大切に思える女性

墓所の遺跡でエミリアはスバルを慰めることを優先していますが、自分自身の悲しみや混乱が消えている訳ではありません。

エミリアは最初の王都で描かれたように「自分よりも人を大切にする女性」であり、スバルが泣いていれば、自分の身に起きた出来事を忘れてスバルを心配してしまうのです。

リゼロ原作小説12巻2章「地獄なら知っている」あらすじネタバレ

エミリアに抱きかかえられながら出てきたスバルを見て、心配していたラムが、いつも以上にスバルをからかいます。

また、スバルはガーフィールの出方を心配しましたが、無事に出てこられて良かったと、ガーフィールも笑顔で二人の帰還を歓迎しました。

ガーフィールは「スバルから魔女の瘴気がする」ことを理由に、3週目の世界ではスバルを囚えるまでしていました。しかし、この時点では、魔女の残り香が強くなっているスバルに対し、朗らかな表情で、無事に戻ってきたことを喜んでいます。

この時、スバルは、自分の頭の中に、サテラの影の中で混濁して混ざり合った他者の記憶の欠片があることに気付きます。

精神的ショックの薄いエミリア

スバルは、エミリアの様子がこれまでの周回の中で、一番良さそうなことに驚きます。

  • スバルを慰める行為が、エミリアの精神的安定にも役立ったことに複雑な気持ちになる
  • エミリアは、試練後のリューズの家での話し合いにも前向きに参加する
  • 話し合いの最後に、明日の試練への挑戦の意気込みを語り、スバルが拍手する

前のループで、オットーがスバルのあまりに冷静な状態を見て不安を感じていました。「落ち着いているように見えること」と「冷静である」ことには、深い溝があるという発言の件です。

過去3回のループで、エミリアは墓所で目覚めた後、涙を流しながら激しく動揺しています。今周では、自分のことに目が行く前にスバルを心配したため、表面的なダメージは薄れています。しかし、それがエミリア自身の心の傷の回復に至っているということではありません。

ラムにガーフィールの足止めを頼む

リューズの家での話し合いの後、スバルはラムに対して二つのことを頼みます。

  • ロズワールとの会談の延期
  • ガーフィールの足止め

ロズワールから「スバルに協力するように」と指示されているラムは、スバルの悪巧みに協力し、ガーフィールの足止めをすることを了承します。

そして、スバルが建物から出て行った後、指笛でガーフィールを呼び出しました。

指笛でガーフィールを呼べる、それがラムのものだと聞き分けられる、というのは凄い関係ですね。

他者の記憶を頼りに囚われていた建物へ向かう

スバルは、サテラの影の中で混濁した時に得た「他者の記憶」を頼りに森の奥へ進んでいきます。

そして、ガーフィールによって囚われていた、異臭のする白い建物を見つけ、中に入りました。

隠し部屋でスバルが見たもの
  • スバルは、自分が囚われていた部屋まで行く
  • 壁の不自然なくぼみに、フレデリカの青い輝石をはめ込む
  • 輝石が光り、目の前の壁が消失する
  • 隠されていた部屋の扉が出てくる
  • 隠し部屋に入ると、中でリューズ似の少女が眠っている魔水晶を見つける

魔水晶を見つけたタイミングで、入り口の方からリューズの声が聞こえてきます。

リューズは、建物の監視をしていた複製体に呼ばれていました。「半日で聖域の秘密をスー坊に暴かれるとは思わなかった」と話します。

そして、スバルに対して「強欲の使徒には逆らえない。それが、リューズ・メイエルの複製体であるワシらの契約」だからと告げました。

リューズ達の謎

スバルとリューズ、そして建物の見張りをしていて、スバルが「ピコ」と名付けた1体は、聖域の外れにある人気のない建物の中に入り、話を始めます。

聖域はエキドナの夢の実験場

リューズは、聖域全体が「エキドナの夢のための実験場」だったと説明を続けます。

エキドナの夢
  • エキドナの夢は「不老不死
  • 空の器を作り、そこに魔女の魂を注ぎ込む
  • しかし、リューズ・メイエルのオドの総量は、エキドナの魂を注ぎ込むのには足らなかった
  • 最初の1体は強欲の魔女の力を持った別物となり、先々代のロズワールが苦労して処理した
  • 注ぎ込む魂の総量を調節する研究を開始したところで、サテラに敗北した

スバルは、エキドナが「不老不死」を目指していたことを聞き、なぜあれ程までにスバルに好意的に接してくれていたかを理解します。

エキドナがスバルに好意的な理由
  • スバルは、ループをエキドナに打ち明けることができたとき、心から救われた
  • 恐らく、エキドナがスバルと初めて出会った時、同じ運命に抗うスバルの存在に、同類との出会いだと歓喜した

エキドナの夢の結果

リューズは、エキドナがサテラに敗北した後の話を続けます。

  • 魔水晶は自動でマナを取り込み、必要な量が貯まれば新しい個体を排出する
  • そのため、聖域にはどんどんリューズ・メイエルの複製体が増えていった
  • 今は、「聖域の目」として、聖域の安定のために動いている
  • 聖域があったことで、救われる命も多くあった
  • だから、自分達の役割に対して、リューズたちは満足している

また、リューズは最初に生み出された4体のうちの1体で、増えていく複製体を管理するために、知識以外にも人格を与えられたと説明します。

「聖域の目」の謎が明かされました。3周目のループでは、逃走するスバル・ラム・オットーを見つけたのは「聖域の目」にかかったからだと説明していました。これは、森に散らばるリューズの複製体の監視網に、スバル達の動きがかかった、ということでした。

ドナ茶で強欲の使徒になっていた

スバルは、ここまでの話を理解し、改めてリューズに「強欲の使徒」について聞きます。

リューズは、強欲の使徒とは「複製体の指揮権を持つ者」だと説明し、今もスバルからは強制力を感じると伝えます。

スバルには、エキドナの使徒となった記憶はありませんが、「ドナ茶」のことを思い出し、リューズが間違いなくそれだと肯定しました。

そして、4周目でガーフィールが複製体を指揮してサテラと戦ったことから、ガーフィールも「強欲の使徒」であり、かつエキドナとの誓約は「聖域を守ること」だと判明します。

ガーフィールがエキドナから何をもらい、対価として何を差し出したかは分かりません。しかし、茶会に呼ばれ、ドナ茶を飲んで強欲の使徒になったことは明らかになりました。

リューズのお願い

スバルは、リューズにここでの話は一切ガーフィールには話さないようにと、強欲の使徒としての命令を使ってまで、お願いをします。

また、去り際に、リューズの家名が「ビルマ」であることを聞くと、リューズは、「嫌でなければ、同じ質問をワシにしてくれんか。また明日以降に。」と儚い微笑みでスバルを見送りました。

リューズが、なぜ明日以降またビルマと呼んでほしいと伝えたかは、物語が進んでいくと明らかになります。

月夜の下でエミリアと出会う

スバルは、寝床のある大聖堂に向かう途中、エミリアと出会います。

エミリアは、昼間は明るく振舞っていましたが、試練への不安から眠れず、月夜の下で散歩をしていたところでした。

  • エミリアに対し、スバルは困難から逃げずに立ち向かうエミリアを、心から尊敬していると伝える
  • エミリアは、胸元の結晶石を触りながらも、すごく勇気がもらえたと喜ぶ

エミリアは、「本当はここにパックがいてくれたら、、」という言葉を飲み込んでいました。

エミリアの心の拠り所の一番はパックであり、この時点でもそれは変わっていません。

スバルを心配するオットー

深夜の大聖堂は、アーラム村の人々が雑魚寝で眠りについており、スバルは自分に用意された寝床のスペースに向かいます。

スバルの隣には、帰りの遅いスバルを心配していたオットーがまだ起きていて、帰ってきたスバルを見て安心したような表情をしています。

オットーは、「何かあれば話を聞きますよ」と、協力する姿勢を見せますが、スバルはオットーの優しさを感じながらも、友人を巻き込めないと、3周目のことを思いながら、自分一人で立ち向かう決心をします。

スバルは、エキドナとの二度目の茶会の際、嫉妬の魔女に授けられた権能は、自分以外の他者を考慮に入れないと説明されています。それは、誰かを犠牲にして運命を打開した場合、その犠牲は戻ることがなくなる、ということを意味しています。

そのため、スバルは「自分一人が何度でも傷ついて運命を打開する」という考え方を持つようになりました。

夜明け前、スバルは単独でロズワール邸に向けて発つ

数時間だけ仮眠をとったスバルは、夜明け前にパトラッシュに乗ります。

エミリアには手紙を残し、状況と対策方法が不明確なロズワール邸に向け、ループすることを前提に出発しました。

順調に進んでいきますが、結界まで後少しのところで、ガーフィールが目の前に現れます。

ガーフィールとの遭遇

スバルは、予定外の遭遇ではあったものの、この機会を活かそうと、ガーフィールの起爆ポイントを探ります。

  • ガーフィールの魔女の瘴気を嗅ぎ分けられる話は怪しい。なぜ墓所から出てきた時に行動しなかったか
  • 夜明け前に出た自分を見つけられるのもおかしい。常時監視する目があるみたいだ
  • リューズ似の女の子を森で見かけた

ガーフィールは、三つ目の話で我慢が限界となります。

しかし、途中でスバルの目論見に気付き、スバルを投げ捨て、命をかけて試そうとするなんて狂人としか言えないと吐き捨てます。

スバルは、ガーフィール攻略の手掛かりが得られるのであれば、ここでループしても構わないと考えています。その異常性はロズワールに似ており、ガーフィールはロズワールの目とそっくりだと評しています。

力では全くスバルはガーフィールに全く及びませんが、この狂気により、ガーフィールを怖気させることになります。

ガーフィールは、聖域に悪さをしない保証を求めますが、スバルは「エミリアを裏切らない。聖域にも敵対しない」と、ただ信じろと言います。

そして、スバルが聖域を出ることを黙認したガーフィールを置いて、スバルはパトラッシュと共に聖域を出ました。

リゼロ原作小説12巻2章の考察、ネタバレ解説

ガーフィールがループしたばかりのスバルを優しく出迎えた理由

墓所の遺跡の外でガーフィールがスバルが無事に戻ってきたことに喜んだ理由は次の通りです。

  • 過去に躓いた同志として共感している
  • ガーフィール自身はスバルから魔女の瘴気を感じることができない

ガーフィールも過去に墓所の遺跡の中に入った経験があり、そこで自らの過去を前に膝を屈しています。

また、スバルから「魔女の瘴気」が溢れることでガーフィールは敵対感を強めていきますが、ガーフィール自体は魔女の瘴気を嗅ぐことができないため、スバルの違和感に気付くことができません。

リューズが「家名」を聞いてくれと言った理由

リューズがスバルに「家名」を聞いてくれと言ったのは、聖域のまとめ役として活動するリューズが自分以外にも存在するからです。

そのことをスバルに教えるため、「家名」を聞いてくれとお願いしたのでした。

リゼロ原作小説12巻3章「四百年前からの叫び」あらすじネタバレ

ロズワール邸に到着したスバルは、ペトラ・フレデリカにお出迎えをされます。

今回、スバルは考えられる限り最速のタイミングでロズワール邸に戻ってきました。そのため、多分大丈夫だろうと考えていましたが、二人の元気な姿を見て心から安堵します。

スバルがペトラにハンカチのお礼をした後、フレデリカが「なにか話があるのでしょう」とスバルに話しかけ、三人は談話室に向かいます。

フレデリカ・ペトラをアーラム村へ逃す

スバルは、談話室で「魔女教の残党が襲撃を企てている」という嘘の目的を話し、フレデリカ・ペトラにアーラム村に避難してもらうよう頼みます。

ペトラは、自分のおかげで助かったと言ったスバルが、今度は自分を置いていこうとすることに可愛らしい不満を表します。

  • ほっぺたを膨らませる
  • スバルに「デート1回」をおねだりする
  • スバルが承諾すると、気を遣ってパトラッシュの厩舎に向かう

ペトラは、スバルとフレデリカが何か話すことがあるのだろうと察して、パトラッシュを迎えに厩舎に向かいます。

フレデリカ、ラムは、共にペトラに最高評価をしています。その評価は、こういった気遣いができる点が多分に含まれていることでしょう。

ガーフィールの過去

スバルはフレデリカに、ガーフィールの過去について聞きます。

ガーフィールの過去
  • 幼少期の頃は、自分が聖域を解放して全員に外の世界を見せると息巻いていた
  • ある時、フレデリカに見守られながら墓所の試練に挑戦
  • しかし、どれだけ時間が経過しても戻らないため、フレデリカがリューズを連れてくる
  • リューズが墓所に入り、ガーフィールを連れ戻す
  • 以来、ガーフィールの口から「聖域の解放」という言葉が出てこなくなる
  • リューズに対しての接し方も尊敬と敬意を払うものに変わった

フレデリカは、ガーフィールは外に出るのが怖くなってしまったのだろうと話します。

ガーフィールは、1周目でスバルに試練に挑戦するように望んでいましたが、これはハッタリだった可能性が高いです。

また、リューズは「聖域を守る」という使命に反する「墓所に立ち入る」という行動を取っているため、ロズワールの時のように何らかの拒絶があった可能性があります。

フレデリカが聖域を出たわけ
  • フレデリカは10年前に聖域に出た
  • いつか弟が聖域を解放した時、聖域の住民の居場所を用意しておきたかった
  • 聖域の外でガーフィールと再会できる日を待っている

そして、自分は人を見る目に自信があると話し、弟を宜しく頼みますとスバルに頭を下げました。

フレデリカは本心で、ガーフィールとの再会を望んでいることが分かりました。青い輝石をエミリアに持たせた謎は、まだ謎のままです。

フレデリカはレムを背負い、ペトラとパトラッシュと共に、アーラム村に避難しました。

ベアトリスの持つ「叡智の書に最も近い本」を渡した相手

スバルがベアトリスに会うため、部屋の扉を開けると、1回目で禁書庫と繋がります。

ベアトリスは、スバルを待っていたかのように、「今度こそ解放される」と安堵の言葉を告げます。

しかし、スバルは「外に連れ出す」と告げると、ベアトリスは驚きの表情に変わりました。

  • スバルが「その本に全てが書かれているのではないのか」と、驚くベアトリスとの整合性のなさを指摘する
  • ベアトリスが慌てて「叡智の書に最も近い本」をパラパラとめくる
  • スバルが近づき、ベアトリスから本を取り上げ、本の中身に目を通す
  • 本には何も記されておらず、白紙だったことが判明

ベアトリスは、本が未来を記さなくなって何年も経つと話し始めます。

ベアトリスは、2周目の世界で、これまでスバルに親しげに接していたのも「全て叡智の書の指示」だったと、スバルを突き放しました。しかし、そうではないことがここで明らかになりました。

そして、ベアトリスの役割と本を渡した人のことを話します。

  • ベアトリスと契約し、本を渡した相手は、知識を溜めこむのが好きな人
  • ベアトリスの役割は、禁書庫の維持と管理
  • ベアトリスの目的は、いずれくる「その人」に禁書庫の知識を渡すこと

スバルは、ベアトリスが契約をしている相手が「エキドナ」であると理解しました。

ベアトリスは、これまでスバルを拒絶する度に、「お母様」に対して、ベティーはいつまで待てばいいのかと呟いてきました。ここで、ベアトリスのお母様が「エキドナ」であることが明らかになります。

「その人」を待ち続けてきた苦悩の400年

ベアトリスは、契約してから既に四百年が経過していることを話します。

その四百年の苦悩をスバルに話し始めます。

ベアトリスの四百年
  • 最初の数十年は、苦でも何でもなかった
  • 自分のことを知る初代ロズワールがなくなり、次第に自分を知るものがいなくなる
  • 新しく関係を築いても、その者もいなくなる
  • それでもベアトリスには叡智の書があったので不安はなかった
  • しかし、ある時から叡智の書が白紙に変わる
  • ベアトリスが毎日何度も確認しても、本は何も記さない
  • 誰かが扉を開く度、「その人」ではないかと期待し、その度に裏切られる
  • その四百年は孤独であり、不安であり、絶望であり、救済のない日々だった
  • ある時、ベアトリスは本が白紙であることの意味に気付く
  • ベアトリスの運命は既に終わっているのだと

スバルは、ベアトリスの結論を受け入れることができず、他の選択肢があるんじゃないかと、ベアトリスと話を続けようとします。

ベアトリスのスバルに対する望み

ベアトリスは契約を打ち破るためには、スバルが「その人」にならなければいけないと話します。

  • 「その人」は、ベアトリスを一番に考える
  • 何よりもベアトリスを優先し、大切にし、側にいて、ベアトリスを幸せにする
  • 四百年の間、ベアトリスを利用しようとする者、純粋な善意で助けようとする者も現れた
  • しかし、人間が「その人」になることはできないだろうと話す
  • スバルも、既に1番と2番はもう決まっている

だから、ベアトリスは、スバルに自分を解放してくれと頼みます。

精霊は契約により、自分で契約から解放されることはできないため、その助けをスバルに望みました。

エルザが扉渡りを破り禁書庫に入ってくる

エルザが、ベアトリスの「扉渡り」を破って禁書庫の中に入ってきます。

扉渡りの破り方
  • 扉渡りは、隔絶した空間である禁書庫を、特定範囲の「閉まった扉」と接続する魔法
  • 故に、ロズワール邸の扉を全て開けっぱなしにしておけば、あたりをひく確率が高くなる
  • エルザは全ての扉を開いておき、この禁書庫にたどり着いた

エルザが扉渡りの仕組みを理解しており、その対処方法まで把握しているのは不自然です。

そして、あまり時間をかけすぎるとアーラム村に行ったメイリィが戻ってきてしまうと言います。

ベアトリスが「シャマク」を唱え、エルザが暗闇に囚われている間にロズワール邸を脱出しました。

ベアトリスは解放されることを望み、その相手がエルザでも構わないと話していました。それでもシャマクを使い、スバルに抱きかかえられて逃げるのは、スバルを助けたい気持ちがあるからです。

アーラム村から黒煙が上がる

徒歩15分程度でのアーラム村までの道のりを、スバルはベアトリスを抱えて走ります。

しかし、アーラム村の方角から黒煙が上がっているのを見て、スバルは絶望します。

道の先から、濃い青の髪をした少女が現れます。その少女は、ウルガルム襲撃の際に、アーラム村にいた女の子でした。

少女は「メイリィ・ポートルート」と名乗り、以前は髪を染めて亜麻色の髪をしていたと話します。そして、スバルに遊んでくれたことのお礼を告げました。

ベアトリス vs エルザ・メイリィ

メイリィの口から、フレデリカやペトラ、レム、パトラッシュ、アーラム村の人々が敗北したことが告げられます。

自分の判断が間違っていたことに後悔するスバルでしたが、エルザが追いつき、背後から奇襲をしかけてきました。

ベアトリスの戦い
  • 時の静止したマナの矢を出す陰魔法「ミーニャ」を使う
  • エルザの奇襲からスバルを守る
  • 無数のミーニャを放つ
  • ミーニャでエルザを撃退
  • メイリィに向き直す
  • 背後から撃退したはずのエルザが出現
  • ベアトリス敗北
  • 消滅が始まる

エルザは自分には「祝福」があり、生き汚いのだと返します。

エルザは「祝福」と表現しています。一般的には「加護」と呼ばれるので、何か違いがあるのかもしれません。

もう今回の世界もここまでかとスバルが諦め始めると、エルザはその目は気に入らないと断じます。

スバルを転移させるベアトリス

ベアトリスは、うつ伏せに倒れながら、消滅する寸前にスバルを転移魔法で転移させます。

スバルが転移された先は、聖域で囚われていた建物でした。

スバルは、この世界で何かを持ち帰らなければいけないと考え、傷を雑に処置し、集落に向かおうと建物を出ます。

そこには、一面の雪景色が広がっていました。

多兎の記憶が蘇ります。

リゼロ原作小説12巻3章の考察、ネタバレ解説

ベアトリスが「解放される」と話した理由とは?

禁書庫でベアトリスが「やっと解放される」と話した理由は、「真実」のある聖域に向かったスバルが戻ってきたためです。

ベアトリスが持つ「叡智の書に最も近い本」は白紙を記し続けており、ベアトリス自身は「持ち主の未来が既にないから」とこの事象を解釈していました。

「その人」が禁書庫に現れることがないのであれば、ベアトリスを解放する手段は限定されます。しかし、ベアトリス自身が自分で契約破棄をすることはできないため、自分を解放してくれる人物を求めているのが現状です。

そして、ベアトリスの中でせめて「この人物になら」と思えていたのがスバルであり、真実を知るロズワールのいる聖域からスバルが戻ってきたことで、スバルが自分を解放しに来てくれた、最後に運命が自分に微笑んでくれたと感じていたのでした。

だからベアトリスは、禁書庫で恍惚とした表情で「やっと解放される」とスバルを見たのでした。

ベアトリスの「叡智の書に最も近い本」の記述がなくなった理由

この点の考察はネタバレが含まれますのでご注意ください。

ベアトリスの「叡智の書に最も近い本」に白紙が記し続けられた理由は、「その人が来ることがない」からだと思われます。

「叡智の書に最も近い本」は、完全なる未来を示す本ではなく、持ち主が望む未来へ到るための道筋を示す本です。

ロズワールの本には、龍を倒し、エキドナを完全な形で復活させるための道筋が書かれており、これは「それがまだ実現可能であるから」記述されるのだと考えられます。

「その人」については、エキドナが集積してきた人類の英知を託すに値する存在と示唆されており、これだけでハードルはかなり高く、そもそも存在し得ない可能性もあります。

考えられるとしたら「その人」は「賢人」であり、「賢人候補」は今の世界ではスバルです。

白紙を記し続けることこそがスバルと出会う道」とも考えることができ、ベアトリスの本は、何も記さないことで、ベアトリスとスバルの出会いを繋いだとも考えることができます。

エキドナがベアトリスと契約をした理由は?

ベアトリスはエキドナによって作られた人工精霊であり、本来はヘクトール達と対峙するために作られたものと考えられます。

しかし、「本来の目的とは異なる形で運用することが決まった」と言及されている通り、外の世界に存在し続けるための役割として「その人に禁書庫の知識を渡すこと」と言う目的を与えられたのでした。

ただ、この辺りは「エキドナ」と「強欲の魔女」の発言が混ざり合っているのでとても推測がしづらいです。

エルザが「扉渡り」の仕組みと攻略法を知っている理由

扉渡り」は陰魔法を極めたベアトリスだからこそ使うことのできる高等魔法です。

扉渡りの仕組みと攻略方法を知っているのは、内部の人物であることは間違いなく、付き合いの長さから考えるとロズワールが極めて怪しいでしょう。

ロズワールが怪しい動きを連発していることからも、エルザとロズワールには何らかの繋がりがあると考えるのが自然です。

エルザの「祝福」とは?

エルザは自分の特殊性を「祝福」と呼んでいました。

通常リゼロ世界では生まれた時に授かったものを「加護」と呼びますが、あえて「祝福」と別の名称で呼んでいることからも、後天的に授けられたものである可能性が高そうです。

リゼロ原作小説12巻4章「死の意味」あらすじネタバレ

スバルが墓所から出ると、外では猛吹雪が発生していました。

吹雪の強さ、自分の怪我の状態を考慮すると、スバルは独力で集落にたどり着くのは難しいと考えます。フレデリカから預かった「輝石」をさすって強欲の使徒の権限を使い、建物周辺の監視を担当しているピコを呼びました。

ピコに集落までの道案内を頼むと、ピコは表情を変えずにスバルに背を向け、集落に向けて走り出します。

スバルは、この現象にエミリアが関わっていると考えています。

人気のない集落でガーフィールと遭遇

1時間以上の時間をかけ、スバルは聖域の集落にたどり着きます。

しかし、どの家も灯りが消えており、人のいる気配がしません。

スバルは、既に多兎が集落に現れた後かと不安になりましたが、そこにガーフィールが姿を現しました。

ガーフィールが話す集落の現状
  • オットーの提案で、アーラム村の村人・聖域の住民共に大聖堂に避難
  • エミリアは昨晩墓所に入ったきり戻ってこない
  • スバルが聖域を出るとき残した手紙の存在をガーフィールが知らない

二人は、エミリアと猛吹雪に関係があると考え、墓所の遺跡に向かいます。

道中、ピコがスバルに付き従うのを見て、ガーフィールはスバルが強欲の使徒となっていることに気づきます。

そして、「ピコ」と名付けることをスバルに止めるよう勧告し、本物はリューズで、リューズ以外はいらないのだと言いました。

ガーフィールのリューズに対する強い思い入れが明らかになっています。フレデリカの話で、ガーフィールがかつて墓所の試練に挑んだとき、助けてくれたのはリューズでした。そこからガーフィールの態度が変わりますが、どのような思いをリューズに抱いているのかは、まだ詳しくは描写されていません。

エミリアが墓所で「病みリア」に

スバルが墓所の遺跡の奥に進むと、一番奥の石室が青白く光っており、そこにエミリアがいました。

エミリアは、すぐにスバルに気付き、近くに駆け寄ってきます。スバルは複雑な感情を持ちながらも、安堵し、倒れこみます。

倒れ込むスバルをエミリアが優しく抱きしめ、話を始めました。

  • 寂しかった
  • ずっと信じてた
  • スバルは必ずきてくれる
  • すごく怖くて不安だった
  • ずっと一緒にいてほしい
  • スバルがいれば他に何もいらない
  • スバルが大好き

エミリアは、異常な朗らかさで、スバルに愛を伝えます。

エミリアは、パックもスバルもいなくなり、住民からの重圧を浴びながら、昨晩から何度も何度も一人で試練に臨んでいました。繰り返される絶望の中、ついに精神が壊れ、スバルに極度に依存する通称「病みリア」に変貌しています。その姿を見て、スバルは愕然としていました。

また、スバルが聖域を出るときに残した手紙の存在をエミリアは知りません。ここから、誰かがエミリアを意図的に追い込んだことをスバルは理解します。

墓所の外での悲しい言い争い

スバルは、寝ずに試練に挑んでいたエミリアを寝かせ、一人で墓所の外に戻ります。

一人で戻ってきたスバルを見て、ガーフィールは怒りますが、スバルも怒ります。

  • エミリアが自分のことを好きだと言う
  • エミリアが自分を好きだなんて言うわけないだろうと怒る
  • パックがいれば、自分がエミリアの一番になる訳ないんだと怒る

そして、エミリアに置いた手紙を誰かが隠したことを共有し、この状況を作った人物がいると話します。

この状況とは
  • 手紙を隠し、エミリアを精神的に不安定する
  • 猛吹雪を降らし、住民からの懐疑の目をエミリアに向けさせる
  • ガーフィールからの疑いの目を、エミリアに向けさせる
  • エミリアが試練から逃げられないように追い込んだ

エミリア以外で聖域に猛吹雪を降らせられる魔術師は一人だけ、それはロズワールでした。

ロズワールの狂気がラム・ガーフィールを襲う

スバルとガーフィールは、ロズワールとラムのいる部屋を訪れます。

そして、スバルが質問をします。

  • 「この雪を降らせているのはロズワールか?」とスバルは聞く
  • 「それは、私から聞いたのかね?」とロズワールが返す
  • スバルが予想外の言葉に驚くと、それをみてロズワールが落胆する

ロズワールが落胆しているということは、ロズワールにとっては現状が、自分の望む状態に到達していなかったということになります。

ロズワールが雪を降らせていることを否定しなかったため、ガーフィールが臨戦態勢に入りますが、ラムがロズワールとの間に入り、ガーフィールを止めます。

しかし、ロズワールによって、ラム、ガーフィール共に敗れて倒れます。

ラムに対して「約束は違えない。私は、君にこの魂を捧ごう」と話し、ラムは陶然とした表情をして眠ります。

ロズワールとラムの契約内容に初めて触れられました。魂を捧げることが契約内容だとしたら、その発動条件はラムの敗北なのでしょうか?そうなると、死後の世界があることを前提とした契約内容になりますね。

また、ロズワールは体術にも優れており、ガーフィールは最終的にロズワールの蹴りに敗れます。

このことから、スバルがロズワールに戦いを挑んだとしても、勝てないということが分かります。

ロズワールはスバルの「ループ」を知っている

ロズワールは、ラムの犠牲とガーフィールの排斥は、スバルとゆっくり話すのに必要だったと言ってのけます。

今、スバルが掴みかかってこないのは、スバルが取り返しのつく犠牲だと割り切っているからではないかと、暗にスバルが「ループ」していることを知っていると伝えます。

スバルはエキドナとの茶会で、「自分を犠牲にして他の全員を助ける」ことを決意しています。

最終的に全員が助かる未来に到達することができるのであれば、そこに至るまでのループで発生する犠牲は許容せざるを得ないとも考えているのが今の状態です。

聖域を出発する際、ガーフィールと遭遇していますが、もし、自分が敗れれば、ロズワール邸の襲撃・多兎の出現が起こり、全員がどうなるかにも気づいているにも関わらず、即座に今周回はガーフィールの情報収集に当てることを判断し、危険を冒してガーフィールを挑発していました。

この精神性にガーフィールは怖気付き、ロズワールに似ていると表現しました。それがもう一度現れたのがこのシーンです。そして、ロズワールはこのスバルの変化を喜ばしいと感じています。

そして、枕元から「叡智の書に最も近い本」を取り出して、スバルに見せ、自分の目的を話します。

  • ロズワールは叡智の書に記されている未来を実現したい
  • その道筋から外れた場合は「修正」を実行する
  • 叡智の書によりスバルが何らかの方法でループしていることは理解している
  • そのため、スバルを追い込み、この世界を終わらせようとする

ロズワールはスバルをループさせようと、スバルへの行動を開始します。

しかし、突然手を止め、部屋の窓に対して火の魔法を放ちます。そこには部屋に飛び込もうとしていた多兎の一匹がいました。

猛吹雪を降らせたのはロズワールですが、ロズワールはなぜ多兎がここに集まったのかは理解していません。

多兎の習性については、二度目の魔女の茶会で明らかとなっています。

スバルは、ロズワールがエミリアへの手紙を取ったと考えていましたが、ロズワールも知らないような反応をしています。

エミリアは知らず、ガーフィール、ロズワールも犯人でないとしたら、残した手紙を隠した人は誰なのでしょうか。

ロズワールのアドバイス

ロズワールは対集団において右に出るものはおらず、多兎を殲滅することは可能です。

しかし、建物の外に出たロズワールは、多兎を喜んで受け入れます。

スバルに対して一つアドバイスをします。

たった一つの大事なものを決め、それ以外の全てを手放し、削ぎ落とし、大事なものだけを絶対に守り抜く

ロズワールは、全てを拾おうとするスバルに対して、エミリアを守ると決めたのなら、エミリアを守り、王にすることだけを考えろと言っています。

スバルは、全員の笑顔の未来のために自分を犠牲にすると決めており、他者の犠牲への許容を求めるロズワールの考え方とは相いれません。

似ている点は、目的のために犠牲を許容することですが、異なる点は、ロズワールが「大切なもの以外の全て」であるのに対し、スバルは「自分だけ」を犠牲にするという点です。

そして、スバルは勘違いをしていると言い、ロズワールはループしないと断言しました。

エキドナの研究で、器に魂を転写させる技術は完成しています。問題は、リューズメイエルの器が、エキドナの魂の容量に足らないことであり、その対処方法として、転写する魂の容量を調節する方法を考えていました。

ロズワールは、ここでループしないと断言していますが、過去からの記憶を引き継いでいる描写が多数描かれています。そのため、ループはしないまでも、ベアトリスが禁書庫で触れていた「最初のロズワール」の記憶を、400年以上引き継いで生きているのではないかと考えられます。

ロズワールは、多兎に無抵抗を貫きそのまま敗北します。

たどり着いた大聖堂は炎に包まれる

スバルは、避難場所となっている大聖堂を目指して走り出します。

強欲の使徒の権能を行使し、リューズの複製体に守ってもらいながら進みました。

しかし、最初に「ピコ」と名付けた一体が、自分を守って多兎の犠牲となった後は、迷うことなく複製体を切り捨てるようになり、かつてのガーフィールと同じ命令をして、ようやく大聖堂にたどり着きます。

スバルは、ロズワールのようにはならないと決めていましたが、ここでの複製体に対する行動はロズワールの行動指針と似ており、少しずつ近くなっていっていることが分かります。

大聖堂は燃えており、中にいた人々の決断をスバルは理解します。

スバルは、残り6体となった複製体に、墓所まで自分を守り、それが終わったら自由にしていいと命令し、エミリアのいる墓所の遺跡に向かいます。

エミリアとのファーストキス

遺跡の墓所に着いた時、スバルの周りには複製体の1体もいませんでした。スバルも、立っていられるのが不思議な程の深手を負っています。

墓所の中に入ると、奥の部屋にエミリアがいて、スバルの姿を見て可愛らしく近づいてきます。そして、スバルを膝枕で癒そうとします。

スバルが眠りにつく瞬間でさえ、エミリアはそれに気付くこともできません。

そして、スバルに対して初めての口づけをしました。

リゼロ原作小説12巻4章の考察、ネタバレ解説

ロズワールの異常性が極まる

ロズワールは、自分自身はループしないにも関わらず、撃退できるはずの「多兎」を受け入れる異常性を見せました。

それほどまでにロズワールが抱く「エキドナの完全な形での復活」にかける想いは強く、エキドナへの愛は深いこと分かりました。

スバルはロズワールのこの覚悟に対峙して、本当に乗り越えていくことができるのでしょうか。

エミリアがスバルの状態に気付かない理由

エミリアがスバルの状態に気付かないのは、「スバルが見えていない」からだと思われます。

エミリアは、一晩中墓所の中に入っており、その中で何度も何度も試練を繰り返していました。

繰り返される精神的磨耗によって崩壊してしまったエミリアは、「自分の見たいようにしか見ることができない」精神状態に陥ってしまったものと思われます。

リゼロ原作小説12巻5章「えんでぃんぐりすと」あらすじネタバレ

石畳の上で目覚めたスバルは、エミリアとのキスを思い出し、ノーカウントにすることを決めます。

そして、自分が聖域を離れると、エミリアが病みリアになると確認しました。

スバルは改めて、権能をフル活用して、自分が絶対に全員を救うことを決意し、エミリアを優しく抱き起こします。

ロズワールの考え方

スバルは、5周目の世界で明らかになったロズワールの真実について考えます。

  • ロズワールは叡智の書を持っていた
  • 叡智の書によってスバルの「ループ」に気付いている
  • 発動条件は気付いていない
  • 気付いていた場合、叡智の書の記述とズレた時点でロズワールは動く
  • ロズワールの考え方は「本当に大切な一つのもののために、他の全てを削ぎ落とす
  • その考え方に従い、全ての犠牲を許容する
  • ロズワールは、他の全てを捧げるからこそ、たった一つの大切なものを守れると考えている

そして、スバルは自分はロズワールのようにならないと考えます。

スバルの考え方

スバルの考え方は、権能を活用して、自分が守りたい全てを守ることです。

  • スバルは、大切な人全員を必ず救うと決めている
  • そのために、自らの権能をフル活用する
  • 自分の犠牲は許容する

スバルのこの考え方には、二つの欠点があります。その点を指摘するのが、これから起こる第二の試練です。

スバルの決心は固いですが、二つの場所で展開されている複雑な状況に、自分一人では解決策を見いだせないと感じ、もう一度エキドナの知恵を借りたいと考えていました。

磨耗していたスバル

スバルの心は、悲劇的なループを繰り返したことでかなり磨耗しています。

そして、ロズワールのアドバイスに従うような行動指針で動いてしまいます。

必要だから エミリアを優しく抱きおこす
必要だから エミリアが落ち着くまで、包み込むように抱きしめる
必要ないから リューズ宅での話し合いが耳に入ってこない
必要だから エミリアの傷ついた心を慰め、優しく寝かしつける
必要ないから 呼び止めるラムの声を振り切り、建物に出る
必要だから 墓所の遺跡まで全力で走る

必要/不必要」で割り切るスバルの行動には迷いがなく、迅速な動きをするスバルを止められる人はいませんでした。

墓所の遺跡に到着したスバルは、奥の部屋でエキドナに茶会への招待を求めます。

スバルは意識が朦朧とする中、「ありうべからざる今を見ろ」という声が聞こえたような気がしました。

ありうべからざる今を見ろ「クルシュ邸」

そこにはスバルの体は実在せず、ただ意識だけが投影された世界でした。

  • クルシュ邸のレムの寝台の横で権能を発動したスバル
  • その姿を見て涙を流すエミリア
  • エミリアが何度も「嘘つき」とスバルをたたく
  • ヴィルヘルムとフェリスが今までにない真剣な表情で治療を行う
  • ヴィルヘルムは無念さで激情を露わにする
  • フェリスはスバルに皮肉を言いながら深く傷つく
  • エミリアが、「好きって言ってくれたのに」とこぼす

スバルは、権能を発動をすれば、「時間が遡る」のだと無意識に考えていました。つまり、「なかったことにできる」のがスバルの権能だと考えていました。

しかし、今見た世界は、スバルが権能を発動した後の世界でした。

スバルの権能が「パラレルワールドへの移動」なのだとしたら、前提が崩れ、今までどれだけの人に悲しみを与えてきたのかと絶望します。

そして、自分にはこの試練は絶えられないと理解します。しかし、スバルの耳に声が響きます。

ありうべからざる今を見ろ

スバルは権能発動によって、時間が遡ると考えていたため、自分の権能によって傷付くのは自分だけだと考えていました。つまり、到達したい未来にたどり着くまで、権能を使い続けても、自分だけが傷付くだけで済むと考えていたのです。

権能発動後の世界を見せられたことで、その前提が瓦解します。

ありうべからざる今を見ろ「魔女教討伐戦」

横たわるスバルの体を、ユリウスとフェリスが沈痛な面持ちで見ています。

周囲には討伐隊のメンバーも来ており、スバルのために涙を流す者もいました。

エミリアは「どうしてスバルが自分のためにこんなに頑張ったのか」、返ってこない問いかけを続けながら、激闘の後が残るスバルの顔を、自分の手で拭き取ります。

ヴィルヘルムは無念さに沈み、ユリウスは「君を友と呼びたかった」と心の内を曝け出します。

聖域の遺跡の中に意識が戻ったスバルは、混乱し続けます。しかし、すぐにまた声が聞こえます。

ありうべからざる今を見ろ

ありうべからざる今を見ろ「ロズワール邸」

ロズワール邸での4周目。崖の下で横たわるスバルを見て、ラムが怒りの表情で「本当に救えない」と言い捨てます。

ベアトリスは、スバルが「その人」ではないと分かったいたけれど、と涙をこぼします。

ベアトリスのスバルに対する期待は、スバルが「その人」なのではないかと考えていたことだと分かります。

ありうべからざる今を見ろ「パック vs ラインハルト」

白鯨・魔女教徒討伐戦の3周目。永久凍土の終焉の獣と化したパックの前に、ラインハルトが立ちはだかります。

ラインハルト ・状況は概ね理解している
・自分は正しさの規範
・パックの行動を許容することはできない
パック ・エミリアとの契約により、世界を凍土の下に埋める
・ラインハルトには勝てないと分かっている
・契約のため、命が尽きあるまで足掻くと宣言する

パックはラインハルトの龍剣に敗れ、「お前は英雄だ。英雄にしか、なれない」という言葉を残して消失します。

「英雄にしかなれない」という言葉は、英雄以外の立ち位置が求められる状況においても、ラインハルトは英勇という立場の上にしか立てないという意味にも取れます。今後スバル達が、例えば世界を終わらせる立場に立ったとき、世界を維持する立場に立つラインハルトと激突するようなこともあるかもしれません。

悪夢の後にレムが現れる

その後、スバルは9回「ありうべからざる今」を見せられ、これまでの権能発動後の世界を突きつけられます。

スバルは己の行いに絶望し、狂気に砕かれる間際、墓所の石室にレムが現れました。

  • レムが優しく笑いかけて優しくスバルを抱きしめる
  • レムとスバルらしい会話を繰り返す
  • スバルは一瞬にして絶望の淵から心が救われる
  • レムが、全て自分に預けて、今はゆっくり休んで寝てくださいと話す

スバルはここでレムを突き放し、「お前は誰だ」と言います。

スバルにとってのレムは、スバルの弱さを全て受け入れながらも、最後の最後でスバルに諦めることを許しはしない厳しさを持っています。

レムならば、「眠ってください」ではなく、「さあ立ってください」と言うはずだ、と返しました。

色欲の魔女「カーミラ」が現れる

レムの姿から、違う容姿の可愛らしい女の子の姿に変わり、おどおどとした表情でスバルを見つめています。

女の子は、自分を「色欲の魔女」カーミラだと名乗りました。

  • エキドナには「ただ甘やかせばいい」と言われていたのに、話が違うと言う
  • スバルはレムの姿を真似したことに激怒する
  • カーミラは、スバルが見たものは、スバルが見たかったものだと説明する

なおも収まりがつかないスバルを見て、エキドナが三度目の茶会に招待しました。

三度目の茶会へ招かれる

茶会に呼ばれたスバルは、自分が息切れしていたことに気付きます。

エキドナは、カーミラの「色欲の魔女」の権能「無貌の花嫁」は、息することも忘れさせるものだと説明しました。

落ち着いたスバルは、エキドナを睨み、レムの姿を真似するように指示したことに怒りを表しました。

リゼロ原作小説12巻5章の考察、ネタバレ解説

スバルが権能を発動した世界は続いている?

スバルが権能を発動した後の世界が続いているかは、現時点では明確には言及されていません。

下記からはネタバレ考察をしていきますのでご注意ください。

プレアデス監視塔で登場した「魂の回廊」によって、オド・ラグナは世界を外側から観測していることが分かりました。

もしも世界が複数存在しているパラレルワールド説が正しいのであれば、スバルの「死者の書」の中に、スバルの知らないスバルの「死者の書」が存在していないと整合性がつきません。

このため、スバルが権能を発動した後の世界は続いておらず、そこで世界は終了となり、オド・ラグナに記録されている少し前の世界に「ロード」し、ロードした世界のスバルの魂に、ロード前のスバルの魂を上書きしているものと思われます。

ラインハルトが自分を「正しさの規範」と定義づける意味

ラインハルトがパックに対した際、自分を「正しさの規範」と定義しました。この発言の理由は次の場合が考えられます。

  • 王国の近衛騎士としての立場
  • 「剣聖」としての立場
  • フェルトの騎士としての立場
  • ラインハルトの本来の資質

ここからはネタバレ考察となりますのでご注意ください。

ラインハルトは幼少期、ハインケルの言いなりとなって過ごしていた暗黒期がありました。

また、ユリウスが少年時代に出会ったラインハルトは既に自己が完成されていたと言及されており、何かしらの形で暗黒期を乗り越えたことが明らかとなっています。

この時の乗り換え方として、自分の在り方を「正しさの規範」と定義づけた可能性があり、それは抱えすぎた自らの圧倒的な力の取り扱い方を自らに定めたと捉えることができそうです。

ラインハルトの異常性は「剣聖」だけに留まらないため、一人で世界を揺るがしてしまう程の力を秘めていることは間違いないでしょう。

リゼロ原作小説12巻6章「魔女の茶会」あらすじネタバレ

エキドナの「夢の城」に招かれたスバルは、カーミラがレムの姿をして現れたことについて追求します。

  • エキドナが指示したことではないと言ってくれと頼む
  • エキドナは、カーミラがレムに模したのは自分の指示だと断言
  • スバルが第二の試練に取り込まれたことは予想外
  • そして、第二の試練がスバルの心をあそこまで抉ることは想定外
  • スバルが傷つき、未来を捨てる可能性さえ出てきたので、試練に介入してカーミラを送った

スバルは、カーミラがいなければ自分の心は粉々になっていたことを自覚し、エキドナに対して怒りをぶつけるのをやめます。

第二の試練の世界は虚構世界

エキドナとの茶会の席についたスバルは、第二の試練の世界について、エキドナの見解を聞きます。

第二の試練の世界
  • 第一の試練の世界と同様に、スバルの記憶から構築した虚構世界
  • 記憶から、過去・現在・未来を予測している

スバルは、パラレルワールドの存在が否定されると期待しましたが、エキドナは、死に戻りはあくまで嫉妬の魔女の権能であり、その仕組みは彼女にしか知り得ないと言います。

スバルは悲嘆に暮れますが、エキドナはスバルを必死で慰め、励まし、支えようと言葉を投げかけました。

そして、どうして自分をこんなに支えようとしてくれるのかと問うスバルに対し、エキドナは「僕と契約してくれないだろうか」と話します。

「権能」が、時間を巻き戻しているのか、パラレルワールドにいるスバルに魂を転写しているのか、その方法はまだ明らかにされていません。

二度目の茶会の際にエキドナが話していた「話したいこと」とは、この契約のことでした。

エキドナが持ちかける契約

驚くスバルに対して、エキドナは「契約」の内容とメリットについて話します。

契約の内容
  • これから起こるスバルの苦難、苦悩、あらゆる障害に対し、共に存在し、分かち合い、寄り添う
契約を結ぶメリット
  • エキドナの膨大な知識量によってほぼ全ての問題は解決可能
  • スバルの状況と望みを理解しているため説得する必要がない
  • 唯一、スバルの権能を理解している理解者として存在する

スバルは、エキドナが自分を救うために「契約を持ちかける」という譲る姿勢を見せてくれているのだと感じます。

そして、正式な契約の方法を聞き、まずは「掌を合わせる」とエキドナが言い、二人は掌を出し合います。

契約が締結する瞬間、衝撃が走り、霧散した茶会セットの場所に、憤怒の魔女ミネルヴァが現れました。

ミネルヴァが現れた理由

スバルは、エキドナと同時にミネルヴァが現れたことに驚きます。

そのことに対し、エキドナが弁明をします。

  • 依り代が必要だという説明は嘘だった
  • しかし、同時に他の魔女を顕現させることにはリスクがある
  • 夢の城は精神世界であり、自分をこの場で倒せば他の魔女に管理権限が移る
  • 例えば怠惰の魔女セクメトは、他の5人の魔女が一斉にかかっても一瞬で敗北する
  • そのため、他の魔女を同時に顕現させたくなかった

ミネルヴァは、エキドナはこういう嘘を平気でつく魔女なのだと糾弾します。そして、エキドナは契約のデメリットをスバルに話していないと説明しました。

エキドナはそれを肯定し、魔女の対価としてスバルが差し出すものを説明します。

  • 対価は、これからスバルが味わう未知の日々を、自分も傍で共に味わうこと
  • スバルの記憶を奪うのではない

スバルはその程度ならばと、やはり契約を結ぼうとしますが、「色欲の魔女」カーミラが現れ、スバルを静止します。

カーミラがスバルを止める理由

カーミラは、「エキドナちゃんが話したことは全て本当だけど、全てを話したわけではない」と指摘します。

エキドナが、なぜスバルの味方をするのかと聞くと、エキドナが自分を騙したから「絶対に許さない」と魔女の顔をします。

迷うスバルに対して、エキドナは、スバルが望む未来に必ず連れていく、自分とスバルならできると力説します。

そこに現れたのは、「怠惰の魔女」セクメトです。

「怠惰の魔女」セクメト

気だるそうな怠惰の魔女は、エキドナの今の宣言には「最後には」という枕詞がつくと話します。

エキドナに睨まれると、自分は場の公平性を保つ抑止力として来たが、「あの子への義理は果たす」と、スバルに肩入れした理由を説明しました。

「あの子」が誰なのかは明らかにされていません。ただし、セクメトが知っている人ならば、400年前に存在した誰かか、同じ魔女の誰かです。

傲慢の魔女テュフォン暴食の魔女ダフネも、この場所に集まってきます。

スバルがエキドナに「最善の道」を通って望む未来に導いてくれるのではないのかと聞くと、エキドナは「進む道のりに犠牲を許容する覚悟があったのではないのか」と、魔女の顔をしてスバルに返しました。

エキドナの主張

エキドナは、スバルの権能の素晴らしさについて両手を差し出して語ります。

  • スバルの権能は「同一条件で複数の検証」ができる
  • 「全ての結果」を知ることが可能
  • 自分は強欲の魔女であり、あらゆる可能性を試さずにはいられない
  • 最善とは異なる道に、スバルを好奇心で誘導することもある
  • しかし、必ず「最終的には」スバルの望む未来に導く
  • スバルとエキドナであれば、それは絶対に可能
  • あとは、スバルがどれだけ自分が犠牲になる覚悟があるのか

つまり、最終的にはスバルが望む未来に導くけれど、「同一条件における複数検証」で「エキドナの興味のある結果」を全て確認してから進んでいくことになるので、スバルはとんでもない数のループを経験する、ということになります。

また、話の中でスバルにとっての第二の試練の意義についても説明しました。

  • 第二の試練は、ループを繰り返すスバルに必要な試練だった
  • ループを繰り返すことによって、感情が希薄になり、次第に仲間の喪失にも心が動かなくなる
  • そうなると、望む未来にたどり着いた時、そこにいるスバルは既に心が壊れている状態になりかねない
  • 第二の試練によって、残された人々の悲しみを知ることができた
  • だから、スバルが今後感情を失う可能性は低くなる

エキドナの主張を聞いて、スバルは「俺を利用するのか」と聞くと、エキドナはそれを肯定します。

エキドナに対して絆を感じ、頼りにすることもあったスバルは、その肯定に涙を流します。そして、エキドナは「人の感情を理解できない魔女」なのだと言いました。

エキドナはそれを肯定し、感情の抜けた表情を、初めて魔女としての表情をスバルに見せます。

エキドナのこれまでの振る舞いは、全て理性によって「この時はこう反応するのが適切」と学んだことでした。いわゆる「サイコパス」のようなもので、後天的に学んだ反応としての感情を、その感情を表現するのに適切な振る舞いとして表現していたのです。

ベアトリスの「その人」

交渉を続けようとするエキドナに対し、スバルはベアトリスの「その人」が誰なのかを聞きます。

エキドナの答えは意外なものでした。

  • スバルは重大な勘違いをしている
  • ベアトリスは、元々ある目的のために作られた子供
  • しかし、本来の目的とは異なる目的で利用することが決まった
  • 聖域の外で生きてくための「目的」として、「禁書庫の番人」としての役割を与えた
  • 「その人」を待つよう契約したのは、「その人」に禁書庫を渡すためではない
  • ベアトリスが誰を「その人」に選ぶのか知りたいというただの好奇心

ベアトリスが400年苦しんで禁書庫でその人を待っていることについて聞くと、エキドナは「素晴らしい」と思っていると返します。

スバルはこの回答を聞き、エキドナとは契約しないことを決めます。

自分の好奇心を満たすためだけにベアトリスを400年苦しめても、「400年間その人を選ばなかった」という結果を知ることができたことに満足するのみで、ベアトリスの苦悩や涙について、エキドナは一切理解することができません。

ここまでくると、なぜベアトリスが「お母様」と親愛の情をエキドナに向けていたのかが分からないですね。

魔女の視線が一箇所に集まる

スバルが契約しない旨を話した直後、6人の魔女の視線が一つの場所に集中します。

そこには、嫉妬の魔女サテラの姿がありました。

6人がそれぞれの態度で、サテラがこちらにくるのを迎えます。

リゼロ原作小説12巻6章の考察、ネタバレ解説

カーミラがエキドナに「絶対に許さない」と怒った理由

カーミラは「究極の自己愛」を持つ魔女であり、そのため自分に敵対する者に対しては一切の容赦をしません。

カーミラに対するものは全員カーミラを愛してしまい、カーミラのために命を捧げて戦うようになってしまうので、カーミラを敵に回すということは世界を敵に回すこととほぼ同義となります。

それ故、エキドナはカーミラのことを警戒していたのでした。

400年前、カーミラが世界に存在していた時は、一人の村娘でしかなかったカーミラはいつの間にか王女となり、カーミラを愛するために世界は戦乱に突入していました。

セクメトの言及した「あの子」とは?

セクメトの言及した「あの子」とは、恐らく「サテラ」のことであると思われます。

以下、ネタバレ考察となりますのでご注意ください。

嫉妬の魔女人格とサテラは別物であり、サテラに対しては、エキドナを除く全ての魔女が好意的に感じています。

また、ミネルヴァが「顔向けできない」、神龍ボルカニカが「頭が上がらない」と発言していたことからも、サテラは全員のために自らを捧げた可能性があります。

そのため、セクメトもサテラに対して恩義を感じている可能性が高く、助けてもらった「義理を果たす」ために、サテラが大切にしているスバルの味方をしようとしているのだと思われます。

ベアトリスが元々作られた「目的」とは?

ベアトリスは人工精霊であり「作られた目的」についての言及がされました。

ネタバレ考察となりますのでご注意ください。

ベアトリスは現在「禁書庫の司書」としての役割を果たしていますが、これは「本来の目的ではない」と言及されました。

ベアトリスは聖域ができる前、エキドナによって「陰魔法」を究めるように言いつけられ、ヘクトールが出現した際には、転移の力で魔水晶やメイエルを運ぶ活躍を見せています。

ヘクトールの出現は、エキドナの予想よりも早かったことから、もしベアトリスの「本来の目的」が果たされるのだとすれば、それはヘクトール出現よりも前に完全な形で聖域の結界を展開した場合のストーリーの中にあると思われます。

聖域の結界の目的がヘクトールが属する陣営との敵対であれば、ベアトリスはこの戦いでの活躍を期待され作成されたのだと考えることができるのでしょう。

しかし、初代ロズワールがヘクトールを前に圧倒されたことにより、エキドナの予想よりも相手戦力が大きかったため、ベアトリスは本来の目的で活用されるのではなく、禁書庫の番人を言いつけられたのだと思われます。

ベアトリスが親愛の情をエキドナに向ける理由

ベアトリスは「お母様」に対して絶対的な愛情を向けますが、夢の城にいるエキドナのあり方を考えると、二人の持つ感情には大きな乖離があります。

これは、「夢の城」にいるエキドナと、本来のエキドナは別であるからです。

ここからはネタバレ考察となります。

魔女因子に特有の人格があることは、サテラが複数人格となったことや、水門都市プリステラからロズワール邸に戻ってきたベアトリスが「スバルはスバルのままよ」と発言していたことからも明らかです。

そのため、聖域にいた時のエキドナと、スバルが「夢の城」で出会ったエキドナは別の存在であると考える方が自然です。

ロズワールはミロード家のバルコニーでスバルに対して「エキドナは完全復活できる条件に当てはまる」と話していたことから、本来のエキドナの魂は、何らかの形でロズワールが管理している、又は「ボルカニカが持っている」ものと思われます。

リゼロ原作小説第12巻のストーリーの流れ

続きの13巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら

リゼロ原作小説13巻ネタバレ
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本ページの情報は2021年03月05日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。

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