「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説14巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第13巻では、サテラの「自分を愛して」という祈りが届き、スバルは自分も大切にしながら困難に立ち向かうように考え方が変わります。
また、オットーの熱い友情により、レムを喪失したトラウマを乗り越え、「仲間に頼る」決心も固めることができました。
ロズワールと最後の勝負を始めたスバルは、エミリアと本物の関係を結び、ガーフィールを本物の仲間にすることに成功します。
エミリアはスバルからの「らぶれたー」に勇気をもらって試練に挑み、エキドナの待つ過去のエリオール大森林へと向かいました。
13巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
リゼロ原作小説14巻1章「―記憶の旅路」あらすじネタバレあらすじ
エミリアは、何度も何度も繰り返し見た夢を思い出します。
氷像の中で眠っていたエミリアを、子猫の精霊が目覚めさせます。子猫の精霊は、エミリアを見つけられずに、ずっと一人にしたと涙を流していました。
エミリアは、その涙を止めたくて子猫の名前を聞くと、そこで夢が終わります。
そこから始まったパックとの「氷結の絆」よりももっと過去へ、試練はエミリアを誘いました。
お姫様部屋での再会
エミリアとエキドナは、大森林の樹木が生い茂る道を歩きながら、前回の挑戦について話し合います。
- エキドナは、侮蔑混じりにエミリアの前回の醜態を蔑む
- エミリアは、前回の挑戦について全く記憶がないことを話す
二人が歩いていくと、森が開け、一際大きい巨木が目の前に現れます。
巨木の麓には、洞を活用して作られた厳重な扉がつけられている空間がありました。
エミリアは、そこが自分の居場所だった「お姫様部屋」だと説明します。
エミリア達がお姫様部屋の中に入ると、女の子と女性がいました。
- 幼少期のエミリア
- フォルトナ母様
エミリアは、氷漬けから目覚めて以来、自分の容姿を見たことがなく、記憶の中に残る自分は、この幼少期の頃の自分であると判明します。
そして、ゆっくりとエミリアの中に眠っていた記憶が蘇ってきます。
エミリアが自分の容姿を確認してこなかったのは、無意識に避けてきた部分もあります。一方で、パックが契約した内容の一つが、影響している部分もありました。
お姫様部屋を脱出
フォルトナは時折、エミリアをお姫様部屋に閉じ込めて外に出ます。
エミリアは、フォルトナや他の大人のエルフ達が、自分に隠れて楽しいことをしているのだと考えていました。
扉の外に出たいと考えていたエミリアに、青い燐光が現れ、外に出るための隙間を教えてくれます。
外に出ることのできたエミリアは、青い燐光を「妖精さん」と名付け、フォルトナの元へ向かいます。
エルフの広場とジュース
エミリアは、エルフの広場が一望できる場所に、得意の木登りを活かして陣取ります。
広場には、集落のほとんどのエルフ50名と、黒衣の集団の20名がいて、食料や洋服、本などの物資を受け渡しているところでした。
エルフの代表はフォルトナであり、黒衣の代表者は「ジュース」と呼ばれています。
- フォルトナがジュースに感謝を伝える
- ジュースは、フォルトナ様達は本来もっと厚遇されるべき功績のある方々だと伝える
- ジュースが「封印」は大丈夫ですかときく
- フォルトナは、封印は問題ない。兄と義姉さんのためにも絶対に解かせないと返す
- 受け渡しが完了し、最後にジュースがエミリア様は元気ですかときく
- フォルトナは、自分達には勿体無いくらい良い子に育っていると話す
- けれど、ジュースに会わせる訳にはと話し、ジュースもそれに理解を示す
フォルトナはアーチに、受け取った荷物の対応を頼み、エミリアを迎えにお姫様部屋に向かいます。
エミリアは急いでお姫様部屋に戻る
エミリアは、フォルトナの動きを見てすぐにお姫様部屋に戻り、遊んでいた形跡を作り出します。
青い燐光に擦り傷を治療してもらい、扉を開けたフォルトナを出迎えました。
フォルトナは、エミリアを抱きしめて涙を浮かべながら、「愛しているわ」と伝えます。
エミリアが思い出した記憶
幼少期の自分を見ていたエミリアは、「妖精さん」と「ジュース」のことを思い出します。
エキドナは、「妖精さん」という言葉を皮肉な呼び方だと言います。
- 青い燐光は「微精霊」
- 「妖精」は邪精霊の一種
エミリアは、かつて読んだ異国の童話集の中に、妖精が良い存在だと書かれていたものがあり、だから「妖精さん」と呼んでいたのだと説明します。
ロズワール邸で、スバルが微精霊を「妖精」と呼んだときに、エミリアは「いけないんだ」と返しています。
この世界では妖精は邪精霊の一種という見解が一般的ですので、妖精を良い存在だと扱っている本は、転生してきた人物の話した内容を本にした童話集である可能性があります。
エキドナは、試練に挑む準備はできたかとエミリアに問います。
エミリアは、まだ足りていない記憶があると答え、「封印」のある森の深奥へ足を向けました。
「封印」と出会うエミリア
幼少のエミリアは、お姫様部屋を脱出しては、広場でジュースと出会うフォルトナを観察する習慣を身につけていました。
- ジュースに対するフォルトナの柔らかな笑顔をみて、自分だけのものを奪ったとジュースに嫉妬する
- 恒例の「フーイン」の確認をする二人の話を聞く
- ジュースが外の情勢が何かおかしいので警戒を強めて欲しいと依頼する
- フォルトナは、「封印」も「鍵」も守り人である自分が必ず守り抜くと伝える
- ジュースは、「エミリア様」と「二人」のためにもどうぞお願いしますと頭を下げる
封印を守ることがエミリアの両親のためになる、ということは、封印をするために両親はエミリアの前からいなくなり、封印をするのはエミリアのためだったと推測することができますね。
エミリアは、「二人」が自分の両親ではないかと考え、「フーイン」と両親の関係性を確かめようと、妖精さんの力を借りて、森の探索を始めます。
そして、ついに森の深奥にある「封印」、ただ扉だけが佇む異様な空間を見つけました。
ジュースとエミリアが出会う
エミリアは、扉に対して、好奇心の限りに様々なことをし尽くして、満足し、集落に戻ろうとします。
道の途中、妖精に誘われて草むらの奥へ進んでいくと、そこには「ジュース」がいました。
- ジュースがエミリアの姿を見て、震えて喜びの涙を流す
- 嬉しくて泣くことがあることを、あなたから、あなた達から教わったと話す
涙を流すジュースに対して、エミリアは優しく手を差し伸べて「大丈夫だよ、ジュース」と包み込みました。
パックが記憶を封じた理由
大切な記憶の多くを思い出したエミリアは、自分が大切な人達を忘れてしまっていたことに傷つきます。
しかし、何も準備ができていない時に、記憶が蘇ったとしたら、きっと心が粉々に砕け散ってしまっていただろうと感じていました。
そして、パックが、「エミリアの記憶からエミリア自身を守る」ために、契約を理由に自分の記憶を封じたことに気付きました。
エキドナが準備の終わりを伝え、試練の訪れをエミリアに告げます。
幼少のエミリアとジュースは、手を繋ぎながら集落に戻り、そこでフォルトナに鬼のように怒られてしまいました。
試練の訪れ
三人は、これまでに持つことのできなかった、微笑ましい時間を過ごします。
- 駆け回るエミリアを過保護すぎるジュースが心配する
- フォルトナが、あるはずのない光景を胸に抱きながら涙を浮かべる
- エミリアを呼び寄せ、約束の大切さを話し、泣きそうになるエミリアを抱きしめる
- その光景を見て、今度はジュースが感動で号泣してしまう
- エミリアが「妖精さん」と呼ぶ微精霊を見せると、二人が驚く
- ジュースに、精霊術師としての天稟があると言われる
- 娘の教育方針で言い合うような二人の姿をみて、エミリアは微笑ましく思う
- フォルトナに言われて、お姫様部屋に戻ろうとする
そこに、無造作に試練が訪れます。道の先に、白い髪をした青年が現れました。
そして、青年が名乗ります。魔女教大罪司教「強欲」担当、レグルス・コルニカスと。
リゼロ原作小説14巻1章の考察、ネタバレ解説
エミリアが微精霊を「妖精さん」と呼んだ理由
エミリアが微精霊を「妖精さん」と呼んだのは、幼い頃に読んだ「別の国の童話」の中で、良い微精霊が「妖精」として描かれていたためです。
ただし、リゼロ世界では「妖精」は邪精霊のことを意味するため、童話の世界とリゼロの世界では「妖精」という言葉の意味に乖離があり、ここに「異世界転生者」の陰が見えます。
童話を作るレベルの影響力を持っていたということは、カララギ都市国家を創り上げた「荒地のホーシン」の関与があったのかもしれません。
フォルトナ達が「本来もっと厚遇されるべき功績のある方々」である理由
400年前の「嫉妬の魔女」の災厄の封印に、フォルトナ兄が関与しているのはジュース、フォルトナの発言からも明白です。
そして、ジュースの「本来もっと厚遇されるべき」発言から、フォルトナ達エルフ族も多大な貢献をした可能性が高いと考えられます。
フォルトナは兄にエミリアと「封印の扉」を任されたため、これらを守るためにエリオール大森林のエルフ族の里に身を寄せています。
「兄さんと義姉さんのためにも絶対封印は解かせない」とフォルトナが意気込む意味
嫉妬の魔女の封印には、エミリアの両親が関与していることは、ジュースの発言からほぼ確定です。
そして、二人は「嫉妬の魔女」の封印のために身を捧げた可能性が高いと考えられます。
エミリアの母がサテラの場合、サテラは「嫉妬の魔女因子」を封印するために自ら封印されたのかもしれません。
封印を守るのが「エミリアのため」になる理由
「封印の扉」の先には「嫉妬の魔女」が存在している可能性が高く、サテラの体が既に朽ちている場合には、次の依代としてエミリアを選ぶ可能性が高いと考えられます。
魔女因子に選ばれれば、サテラ同様、エミリアは「適性のない因子」の取り込みにより、エミリアも人格が破綻してしまうことになるでしょう。
リゼロ原作小説14巻2章「聖域の始まりと、崩壊の始まり」あらすじネタバレ
墓所の外では、「リューズ・シーマ」が昨晩の話の続きをしたいとスバルに声をかけます。
シーマは、10年前にガーフィールを助けに墓所に入っており、その時に「試練」で「リューズ・メイエル」の過去の記憶を見ていました。
- 「聖域」の成り立ちに関わる記憶
- ロズワール家の抱える悲願
- 聖域の目的
- 魔女の存在
- リューズ・メイエルの唯一の友人であった「魔女の娘」
リューズの話は、この場所が「聖域」と呼ばれる前にまで遡ります。
ベアトリスとリューズ・メイエルの出会い
リューズ・メイエルは、強欲の魔女の使徒として村に暮らす、平凡な村娘でした。
ある日、集落にエキドナが訪れ、エキドナについてきたベアトリスと出会います。
- ベアトリスに見惚れていると、「何かしら」と絡まれる
- エキドナがベアトリスの言葉遣いを注意する
- 「ジュース」に指導してもらおうと話す
- 今後集落を訪れる機会が増えるだろうから、娘と仲良くして欲しいと頼まれる
- 強欲の魔女の使徒であるリューズは、魔女様からのお願いに歓喜する
400年前に、既にエキドナとジュースには関わりがあったことが判明しました。
ロズワールとの出会いとベアトリスとの友情
エキドナはその後も頻繁に集落に訪れるようになり、ある日、ロズワールが村に訪れ、リューズにエキドナのいる場所を聞いてきました。
- ロズワールはこの森の集落を管理するメイザース家の現当主
- エキドナの弟子として、「先生」と慕うように呼ぶ
- 宿題で出された四属性のマナの融合に、陰陽の二属性を加えて、虹色の属性の顕現をエキドナに見せる
- リューズに、ベアトリスの態度は好意の裏返しだとアドバイスする
ユリウスの虹色の属性は、四つの属性を均等に混ぜて無属性の魔力にした上で、陰属性と陽属性の二つの魔力を加え、出来上がる超高等技術だったことが分かりました。さすが「最優の騎士」ですね。
ロズワールがエキドナと話をしている間、ベアトリスはリューズの元に近寄ってきます。
いつお通りのツンケンとした態度ですが、ロズワールのアドバイスを受け、思い切って、自分の仕事を手伝ってくださいませんか?とリューズはお願いしました。
ベアトリスは、いつもの辛口の言葉の後に、それを受け入れます。
リューズは、ベアトリスが自分に友情を持っていてくれることに感動し、胸の奥に熱いものを感じました。
在りし日の幸せな時間
リューズのいる集落には、混血の亜人の人達が集まっていました。
差別によって酷い境遇を乗り越えてきた人達を、エキドナはこの集落に集め、全員が幸せに暮らしていくことができるように、その知識を惜しみなく与えていました。
一切の見返りも求めないエキドナに、村人全員が偉大な恩人であるとエキドナに感謝しています。
エキドナには必ずベアトリスがついてきて、リューズの仕事を手伝ったり、魔法の勉強をしたりして過ごします。
時々、ロズワールが訪れて、エキドナとベアトリスにだけ年齢相応の無邪気な表情を見せます。魔法の習熟に苦労するベアトリスをからかい、兄妹喧嘩を繰り広げ、その光景を村中が微笑ましく見守っていました。
それは、ただ穏やかに過ぎていく、在りし日の幸せな時間でした。
違和感と破綻
スバルは、エキドナのあり方に強い違和感を覚えます。
- エキドナのベアトリス、ロズワール、村の人々への接し方には情がある
- スバルが知るエキドナは、人の感情を理解できない魔女だった
- 好奇心を満たすためだけにベアトリスに「その人」を待つように指示した
- そして、孤独に過ごしたベアトリスの400年を「素晴らしいと思う」とだけ評した
スバルは、エキドナをまるで別人のようだと感じますが、リューズに話の続きを求めます。
語られるエキドナにも、合理的かつ客観的に物事を捉える性質は見られますが、それでも夢の城で出会ったエキドナとは存在が違うように感じられます。
サテラが適性のない魔女因子を取り込んで二重人格となったように、魔女因子は、宿主の性格に対して影響を及ぼす作用があるのかもしれません。
リューズは、ここから起こったことは「破綻」であり、「聖域が存在する本当の理由」だと話し始めます。
破綻の始まり
穏やかな時間が流れていたある日、ベアトリスが急に表情を変えます。
- 「お母様」が呼んでいるとロズワールに声をかける
- ベアトリスは扉渡りでエキドナの元に戻る
- ロズワールはリューズを連れて、エキドナの元に戻る
部屋にはエキドナ、ロズワール、リューズがいて、迫り来る脅威への対応が話し合われます。
- ロズワールは迅速に避難することを徹底的に訴える
- 「奴」の力は圧倒的で、対抗する術が今はないと話す
- エキドナは、結界の理論の構築は既に完了していると説明する
- 集落に人と亜人の混血を数年がかりで集め、結界の条件である血も十分に集まった
- しかし、結界を展開するための「核」が準備できていないと嘆息する
- リューズが、自分が「核」になることはできないかと提案する
- リューズは、ベアトリスから自分が核の適性があるために、目をかけられていると説明されていた
- エキドナは、リューズの「核」の適性を認めつつも、土壌に馴染まなければ結界を展開できないと説明する
- ただし、リューズの「オド」を「核」として展開すれば、土壌に馴染む過程を飛ばし、すぐに結界を展開できると説明した
- リューズはそれで聖域が救われるのならば、と承諾する
- エキドナは決断し、ロズワールに時間稼ぎを命じ、ベアトリスを呼び出し、すぐに準備にかかる
ロズワール・A・メイザース vs 憂鬱の魔人ヘクトール
ロズワール・A・メイザースは、人類が到達することのできる魔導の最高峰にいる存在でした。
本物の天才であり、魔女の弟子として研鑽を重ねてきた青年でさえ、憂鬱の魔人・ヘクトールの前では何一つできることがなく、魔人の攻撃を受け入れることしかできませんでした。
- 「憂鬱」という言葉を多用する
- 今のロズワールのような服装・化粧
- 今のロズワールのような喋り方
今のロズワール・L・メイザースの容姿や言葉遣いは、憂鬱の魔人ヘクトールを模したものでした。
- リューズが隠れていた小屋にも攻撃を加えるが、エキドナじゃないなら興味がないという
- エキドナが小屋の前に立ち、ヘクトールと会話を交わす
- エキドナは、決別した時から変わっていないとヘクトールを蔑む
- ヘクトールは、昔は可愛かったのにとエキドナに返す
ベアトリスがリューズの前に現れ、お母様が時間を稼いでいる間に、リューズを移動させると言います。
ベアトリスは、エキドナに3つの依頼をされていました。
- 森の奥の臭い建物の中に物を運び入れること
- リューズに「準備は整った」と伝えること
- リューズを建物に運ぶこと
ベアトリスは、その理由を知らないままに、魔水晶を運んできた建物にリューズを転移させます。
リューズとの別れ
魔水晶を前にして、リューズは、静かにベアトリスに別れを告げます。
ベアトリスは、リューズのオドを核に結界を展開する気だと気付くと、その行動を止めるための全ての理由を並べます。
- 自分がお母様に加勢してすぐにあの男を倒す
- ベアトリスの扉渡りで全員を避難させる
- そもそも聖域の目的は村人のためじゃない
その全てが、リューズの行動を止める理由には足らず、お別れの時間がやってきます。
歩き出すリューズ、その服の裾を掴んで止めるベアトリス。
「文字の読み書きを教える約束が」と震える声で口にしたベアトリスを見て、リューズは、描く未来を共にできる最愛の親友ができたことに幸せを感じて、これ以上ないほどの親愛の情で微笑んで、「ありがとう。さようなら、ベティー」とお別れの言葉を告げました。
400年後の願いの先で
シーマの話した聖域の成り立ちと目的は、シーマ以外のリューズとスバルの知るものとは全く異なっていました。
- 聖域の真の目的は「憂鬱」の魔人を撃退すること
- エキドナの「永遠の命」の目的や複製体の施設はフェイク
- エキドナが真の目的を隠した理由は「憂鬱」の存在を歴史から葬ること
- 「憂鬱」は「虚飾」と並ぶ旧大罪のうちの一つ
- 「憂鬱」がそれだけ危険な存在であるということだった
シーマは、聖域を解放することは、始祖である「リューズ・メイエル」の願いに背くことなのではないかと考え、時代が変わり、混血に対する偏見が和らいできても、聖域の解放に反対してきたのだと、これまでの行動の目的を話します。
スバルは、リューズ・メイエルの「みんなが笑顔で幸せに」という願いについて話をしました。
- エミリアは王選の場で「公平性」を志に掲げた
- エミリアが玉座につけば、世の中から差別や変換は少しずつなくなっていく
- 世界中の全てが「聖域」に変わる
400年の時間はかかったけれど、それを皆でやろうと声を上げます。そして、ガーフィールが一番乗りで提案に乗り、リューズ、シーマも賛同しました。
ロズワールの寝室へ
ラムが、疲労したリューズとシーマを小屋に案内して休ませます。
スバル、オットー、ガーフィールは、次の局面であるロズワールとの会談に向かいました。
リゼロ原作小説14巻2章の考察、ネタバレ解説
ロズワールとエキドナの出会い
ロズワールは人間の中でも魔法の素質がずば抜けている逸材です。
優れたゲートによって膨大なマナを保有できる反面、「発魔期」と呼ばれる状態に苦しんでいました。400年前はまだ人間に魔法の知識は全くなく、誰もロズワールの症状を理解できませんでした。
ある日、屋敷にエキドナが訪れ、ロズワールにチューをして体内のマナを吸い出します。すると、ロズワールの「発魔期」は収まり、同時に「誰にも理解されない孤独」も癒されます。
ロズワールはエキドナに惚れる一方で、魔術の先生として慕うようになりました。
リゼロ原作小説14巻3章「平家星の笑った日」あらすじネタバレ
再び場面は、エミリアの試練の世界に戻ります。
ジュースが、大罪司教レグルスに対してなぜここにいるのかと問い詰めます。
- エリオール大森林には自分しか近づかないという協定があったはず
- 協定に不満があるというなら、教会で話し合えばいい
- レグルスがここにいるのは自分の指示だと「パンドラ」と名乗る絶世の美少女が現れる
- パンドラは美そのものであり、目線を送られるだけで多幸感に包まれ、話しかけられるだけで幸せで逝く人もいる
- パンドラは、ジュースに「封印」と「鍵」を求め、魔女教の本懐を遂げる時だと告げる
魔女教には拠点となる「教会」があることが判明します。教会と聞くと、北方の聖グステコ神聖国が浮かびますが、まだ何もわかりません。
また、魔女教の目的は封印を解くことだと分かりましたが、これは、ペテルギウスが話していたサテラの降臨と関連があるのかもしれません。
ジュースがこれはあまりにむごいと落胆する中、フォルトナが「兄さんに詫びろ」と叫びながら、今のエミリアがパックの力を借りても顕現できるか分からない程の、氷柱を宙に浮かべ、パンドラに放ちました。
「パンドラ」が、エミリアの父親の仇であることが判明しました。
しかし、パンドラの前に立ったレグルスの権能によって、全ての攻撃は一瞬にして無くなります。
フォルトナ・エミリアが離脱した後の世界
フォルトナは、仇であるパンドラを前にして徹底抗戦の構えを見せていましたが、ジュースがエミリアを守るために、一度集落に退き、そこで自分の仲間に救援を依頼してくださいと頼みます。
フォルトナは、エミリアを守るため、自分の意思を収めてエルフの集落に戻ります。
- エミリアとフォルトナが姿を消した後も、ジュース達の戦いが続く
- この世界はエミリアの記憶に基づいた虚構世界であるはず
- エキドナが「叡智の書」の修正力が働いている
- これから起こることは、実際に起こった事実だと説明する
ジュースの切り札
レグルスは、ジュースが魔女教の創設者の一人だろうと、大罪司教であるボクに敵うはずがないと侮辱します。
ジュースはレグルスの叫びを肯定し、切り札である黒い箱を出しました。
- レグルスが初めて動揺し、お前にそれを持つ資格はないと叫ぶ
- ジュースはそれを肯定し、だから預けられたものを持つだけだったと返す
- パンドラがうっとりとした表情で、ジュースに「ペテルギウス・ロマネコンティ司教」と呼びかけ、「良い旅を」と告げる
- ジュースは「フリューゲル」に許しを請い、黒い箱を開け、見えない何かに呑み込まれていく
スバル達を苦しめたペテルギウス・ロマネコンティが、適性のない怠惰の魔女因子を取り込んだ「ジュース」だったことが判明しました。
適性のない魔女因子を取り込んだサテラは、嫉妬の魔女の魔女人格が出現し、二重人格となっていたので、ペテルギウスも同じように、ジュースの人格と混濁していた可能性が出てきました。
ペテルギウスは、権能を使ってレグルスと対峙します。
自分を自分にしてくれた日々・絆・願いに愛を叫び、エミリアとフォルトナの元には絶対に向かわせないと、パンドラの前に立ちはだかりました。
ペテルギウスが狂ったように「愛」と叫んでいたのは、エミリアの父親や母親、またはフリューゲルに向けてのものだったと判明しました。
スバルが憑依された時、ペテルギウスの内面に渦巻く理解不能なおぞましさに触れており、あの時点では既にペテルギウスが完全に狂気に呑まれていることが分かります。
ジュースの人格は残っていなかったため、魔女教徒討伐戦の4周目で、ジュースはエミリアと再会しても、エミリアに気付けなかったのでした。
また、エミリアも、容姿が明らかに違うとはいえ、ジュースと再会していましたが、パックが記憶に蓋をしていたことで、ペテルギウスがジュースだと気付くことはできません。
ただし、氷像となったジュースに哀切を感じ、理由のわからない涙を流しています。
パンドラは、「虚飾」の魔女の名において、ペテルギウスに「怠惰」の座を与えると告げます。
ペテルギウスは、自分が望むのはフォルトナとエミリアの安寧だけだと告げ、権能で攻撃を仕掛けますが、レグルスが立ち塞がります。
ペテルギウスの攻撃はレグルスには一切通らず、エキドナが千日手だと状況の膠着をエミリアに伝えました。
そして、試練を越えるためにするべきことがあるだろうと話し、エミリアを連れて、フォルトナと幼少のエミリアの場面に世界を切り替えます。
パンドラの正体が「虚飾」の魔女だと分かりました。「憂鬱」の魔人ヘクトールと同じように、かなり危険な人物であることは間違いなさそうです。
フォルトナとの別れ
幼少のエミリアは、絶対にフォルトナに置いていかれないように、フォルトナを掴んで離しません。
絶対に約束を守る、良い子にする、何でもいうことを聞く、だから一人にしないで、置いていかないでと泣き叫びます。
フォルトナの目にも熱い涙が流れ、それをエミリアに見られないように、エミリアを強く強く抱きしめます。
そこにアーチが現れ、今後の動きについて相談します。
- エルフの集落にも襲撃があり、司教様の仲間と男衆で対応している
- しかし、状況は劣勢でよくない
- 一番の戦力であるフォルトナが戦場に出る
- 封印が解かれたら、今度こそ世界が終わってしまう
- アーチに守り人としての使命を託す
- エミリアを森の外に逃がす
「今度こそ世界が終わってしまう」という発言は、嫉妬の魔女の災厄が再び起きるという意味にも取れます。
扉は、ベアトリスの扉渡りのような魔法でサテラが封印されている洞窟に繋がっている可能性が高く、その封印を解くことが魔女教徒の目的でありそうです。このケースだと、ペテルギウスがサテラを再臨させると言った言葉にも筋が通るので、確率は高いかなと思います。
ただし、三度目の茶会で、サテラのスバルへの発言内容に対し、スバルが「俺が必ずお前を救ってみせる」と言っていることから、ストーリーの終盤で、スバル達がこの扉の封印を解いて、サテラと出会う流れになるような気がしますね。
エミリアは、フォルトナと離れ離れになってしまうことを強く拒絶します。泣いて、叫んで、絶対に離れまいとします。
フォルトナは、エミリアに母親の慈しみをもって優しくキスをして、伝えるべき言葉を伝えます。
- いつまでも一緒にいることを約束する
- リアが、この世の誰よりも、すごーく大好き
二人は号泣して抱き合います。そして、エミリアをアーチに託し、二人は別れます。
エミリアが氷像から目覚めた時、パックが「君を一人にした」と泣いていたこと、呼び名が「リア」であることから、パックの正体は「フォルトナ」もしくは、この話を聞いていた「アーチ」なのではないかという気がします。
アーチとエミリアの逃走
アーチは、エミリアを抱えてエリオール大森林を抜けようと走りますが、新しい脅威に捕まってしまいます。
- ペテルギウスの指先、ロマネコンティ一家の男が合流する
- 森に三大魔獣の一角「黒蛇」が放たれたと言われる
- 男が黒蛇の「邪舌」に触れ、一瞬で干からびて敗北
- アーチも黒蛇の邪舌に足首を触られてしまう
- エミリアにずっと前を向いて走るように伝えて別れる
- 逃走の時間を稼ぐために黒蛇の注意を引きつけて敗北
ジュースの元にフォルトナが駆けつける
レグルスに深手を与えられ、危機を迎えていたジュースの元に、フォルトナが駆けつけます。
しかし、意外な形でレグルスはこの場から排除されることになります。
- フォルトナが奇襲で極大の氷魔法を放つがノーダメージ
- レグルスが本気になろうとするが、直前でパンドラに止められる
- 止めたパンドラに激情し、レグルスがパンドラに攻撃を仕掛ける
- 今度こそ二人に向かおうとするが、無傷のパンドラが現れ、「コルニアス司教は自分の屋敷にいる」と告げられる
- すると、レグルスが一瞬にして消え、レグルスが残した破壊の後も、ジュースの深手も「なかったこと」になる
ジュースは、二人でパンドラを打倒すればエミリアと再会できると希望を伝え、恐怖を押し込めて、パンドラに向かっていきます。
この時、フォルトナは自分なりの愛の言葉をジュースに伝えていました。
エミリアが向かった先にいる者は
エミリアは、アーチとの約束に従って、花を過ぎても振り返ることなく、真っ直ぐ走り続けます。
しかし、「フーイン」と言う言葉が頭をよぎり、あの人達がそれを求めて来ているのなら、あげてしまえばいいと考えます。
そうしたら、フォルトナやジュース、アーチや、集落のみんなと、また幸せに楽しく暮らしていけるはずだと、エミリアはそう考えて「フーイン」の元へ向かおうとします。
既にエミリアの知る森の範囲からは外れていましたが、微精霊が案内してくれ、エミリアは森の奥の「フーイン」の場所に到着します。
そこには、エミリアに「お待ちしておりました」と両手を広げて声をかける、パンドラの姿がありました。
リゼロ原作小説14巻3章の考察、ネタバレ解説
レグルスが100年以上前から存在する理由
まず、ペテルギウスがかつて「今代の魔女教徒とは全員面識がある」と言及していたことから、大罪司教も代替わりすることが明らかになっています。
また、アルの「水門都市プリステラ」での発言から、大罪司教はこれまで無敗であり、代替わりは単純に寿命によって起きたものと予測されます。
ペテルギウスは「精霊」であるため長寿ですが、レグルスが100年以上前から姿形を変えずに存在しているのは、レグルスの持つ「強欲の権能」の力と考えられます。
ジュースと共に魔女教を創設した人物は誰か
ジュースは「怠惰の魔女因子」を体内に取り込む際、フリューゲルの名前を出しています。
ここからはネタバレ考察となりますのでご注意ください。
第六章のプレアデス監視塔では、神龍ボルカニカの発言によって、フリューゲルとサテラは共に時間を過ごしていたことが明らかになりました。
サテラは適性のない「嫉妬の魔女因子」を取り込み、ボルカニカが躊躇ったことで、世界の半分が呑み込まれてしまいます。これを封印したのが神龍ボルカニカ、剣聖レイド、賢者シャウラですが、実はシャウラではなく、フリューゲルが本物の賢者です。
恐らくファルセイルによって作られたルグニカ王国の通貨には、老齢の姿のフリューゲルが描かれているため、サテラを封印した後も、三英傑はファルセイルと共にサテラを救うために動いていたものと考えられます。
サテラ自身も「いつか私を倒しに来てね」と言及していることから、三人がいずれ来てくれることを期待していたのではないでしょうか。
そうなると、サテラ救出のために組織されたものが「魔女教」である可能性が高く、創設者はジュースの他に、三英傑となる可能性がありそうです。
コントロールできない「黒蛇」が森に現れた理由
三大魔獣の「黒蛇」は暴食の権能によってもコントロールできない魔獣です。
最も危険な魔獣であり、白鯨や多兎のように、その動きの性質も全く明らかになっていません。
本来「黒蛇」を従えることはできず、エリオール大森林に現れた「黒蛇」もパンドラに従っていたわけではありません。
これは、パンドラの「事象の書き換え」の権能で出現させられた可能性が高く、恐らくエルフ達だけでなく、魔女教徒に対しても攻撃を加えていたと考えられます。
リゼロ原作小説14巻4章「エリオール大森林の永久凍土」あらすじネタバレ
フーインにたどり着いたエミリアの前にはパンドラがいて、震えるエミリアに対して話しかけます。
- フォルトナとジュースは無事
- 封印を解いてくれればすぐに帰る
- 鍵はエミリアが持っている
- 自分を鍵だと思いなさい
エミリアの手の中には大きな鍵があり、パンドラはそれを「世界で二人しか見ることができない」と表現します。
エミリアは封印の鍵を解こうとしますが、直前でフォルトナとの約束を思い出し、封印を解くことはできないとパンドラに伝えました。
フォルトナが封印の扉に到着する
困っているパンドラの前に、満身創痍のフォルトナが追いついて現れます。
- エミリアがいることに驚く
- パンドラに攻撃を与え続けるがその度に復活
- パンドラが、エミリアがフォルトナとの約束を守るために封印を解いてくれず困っていると話す
- フォルトナが、約束を守る決断をしたエミリアを優しく抱きしめる
そこに、同じく満身創痍のジュースが現れ、フォルトナとの無言の連携で、二人の連携攻撃がパンドラに向け放たれます。
見間違え
手応えがあったと確信したジュースは、まだ警戒するようにフォルトナに伝え、周囲を見渡します。
しかし、戦場にいるはずのないエミリアの姿を捉え、世界が崩壊します。
- ジュースが致命傷を与えたのは、パンドラではなくフォルトナ
- パンドラが「見間違え」たのだから仕方がないと説明する
- エミリアは、倒れたフォルトナ母様に駆け寄り、抱きしめる
ジュースは、自分の命を賭して守ると決めたものを、自分の手で傷つけ、ついに意思の抵抗が決壊して魔女因子に取り込まれます。
フォルトナは、エミリアの腕の中で「リア、すごーく大好き」と伝えて眠ります。
エミリアの変化
パンドラは、二つのことをエミリアに説明します。
- これで封印を解かないという約束がなくなった
- 微精霊に頼んでここまでエミリアを連れてきてもらった
エミリアは、膨大なマナを使った超威力の魔法をパンドラに向け続けます。
- エミリアは魔女の娘
- 膨大なマナを扱える
- それを維持できる非常に優秀なゲートがある
- そのことに気づかせないために、微精霊が多いエリオール大森林があった
しかし、幼少の体で強大な魔法を使い続けるエミリアは、徐々に自身の体も氷となっていってしまいます。
パンドラは、これ以上はエミリアの体に悪いと判断し、「封印の扉」と「ペテルギウス」を連れて、降り始めた雪の中を去っていきました。
エミリアの魔力によって降った雪により、エリオール大森林は凍土となり、エミリアは100年の眠りにつきました。
エミリアの試練の結果
エキドナは過去が終わったことを告げ、エミリアに試練に対する答えを求めます。
エミリアは、自分の過去に戸惑いながらも、心の内にあるスバルからの想いに触れ、答えを出します。
- 封印の扉を開く選択をしなかったことは、絶対に後悔しない
- フォルトナが、約束を守った自分を偉いと優しく褒めてくれたから
- フォルトナは救えなかったけれど、雪の下には氷像となった仲間たちがいる
- 氷を溶かし、たくさん謝って、それでまた一緒に笑いたい
- フォルトナ母様は、いつか皆で森を出て、自由に生きていける日がくると話していた
- 母様が望んだ世界を作り、皆で笑い、フォルトナ母様に幸せに生きていると報告する
エミリアが答えを出すと、エキドナは納得し、その傲慢さは母親そっくりだと伝えます。
- エキドナはエミリアの実の母親を知っている
- エミリアに対する態度は、母親に起因する「妬み」や「羨望」
エキドナは、エミリアに嫌いだと話し、エミリアは、エキドナに嫌いじゃないと話しました。
世界が崩壊し、第一の試練が終了します。
試練を終えたエミリア
墓所の遺跡の石室で、エミリアは目覚めます。
そこに刻まれているスバルからのらぶれたーに感謝しながら、フォルトナ母様のことを思い出し、100年前に流すはずだった悼みの涙を流しました。
そして、形見である髪の花飾りに手を触れ、フォルトナ母様が望んだ世界を作っていこうと決意を新たにします。
ヒビ割れた結晶石にも手を触れ、パックを絶対に迎えにいくとも決心しました。
まずは試練の突破を、心配してくれているだろう皆に報告するため、墓所の遺跡の外に出ます。
しかし、そこに皆はおらず、ただ一人、ラムだけがぽつんと立って、「御帰りなさいませ、エミリア様」と出迎えてくれました。
リゼロ原作小説14巻4章の考察、ネタバレ解説
鍵を見ることのできるもう一人は?
「封印の扉の鍵」を見ることができるのは、世界でたった二人だけとパンドラが言及しました。
エミリア以外に鍵を見れる人物がいるとすれば、それは「エミリアに鍵を渡した人物」となるでしょう。これはつまり、「封印の扉」を作った人物と同一人物ということになります。
封印は「陰魔法」が応用して作られた可能性が高く、今も効力を発揮していることから「サテラ」によるものと考えられます。
サテラとエミリア以外に見ることができないのは、それが固有の世界である「オド」の中の物である可能性が高く、サテラとエミリアにオドの繋がりがある(エミリアを上書きしてサテラが聖域に出現)ことからも、確からしいと言えそうです。
パンドラが「鍵」の存在を知っている理由
パンドラが「封印の扉」や「鍵」の存在について理解があるのは、それらが生み出される場面を見たからだと考えられます。
パンドラの権能は「事象の書き換え」ですが、これは世界の記憶である「オド・ラグナ」への干渉を意味します。
オド・ラグナには世界中の記憶が保管されているため、その中にある「封印の扉」や「鍵」が生み出された場面を見つけることができれば、パンドラが突然エリオール大森林に来たことも、エミリアに「鍵」を求めたことも納得がいきます。
リゼロ原作小説14巻5章「唇には紅を引いて」あらすじネタバレ
墓所を離れたスバル、オットー、ガーフィールの三人は、新参のガーフに現状を共有しながら、黒幕であるロズワールの寝室に向かいました。
ロズワールは、「憂鬱の魔人」ヘクトールを真似たいつもの化粧をしており、これは「負けられない勝負に挑む戦支度のようなもの」だと説明します。
来訪の用件を聞いたロズワールに対し、スバルは降伏をロズワールに求めました。
状況の変化
スバルとロズワールは、起こった状況の変化を共有します。
- オットー:スバルの友人であり、スバルを復活させた者
- ガーフィール:聖域に拘っていたのにスバル側に付いている
ロズワールにとって愛は不変のものであり、心変わりをしたガーフィールに対し、君の母親への愛情はその程度のものだったのかと糾弾します。
しかし、ガーフィールは、ラムと大将の後押しで試練に挑み、過去を乗り越えた上で気持ちを変えたのだと、ロズワールにはっきりと返します。
スバルは、ロズワールに対し、ロズワール邸に放った襲撃者を止め、降伏するように改めて求めます。
しかし、ロズワールは、その相貌に隠さない怒りを宿しながら、その提案を断りました。
ロズワールの激情
ロズワールが、これまでに見せたことがない激情と荒々しい言葉で、スバルの行いを否定します。
- 屋敷の襲撃を止めることができなければ、スバルの負けになる
- そして、権能を手放した劣等のお前に、それを覆すことができる訳がない
- 人を想う気持ちは変わらない。後悔は乗り越えられない。ガーフィールの10年を、エミリアの100年を、私の400年を、劣等以下のお前が変えることなど決してあってはならない
- エミリアは、過去を乗り越えられず、挫折し、またスバルに縋って涙を流す
スバルは、ロズワールが誰かを思うことの尊さや絆を大切にしていると感じながらも、後悔を乗り越えることができないという、人を思うことの弱さに目を向けていると感じています。
そして、エミリアは必ず乗り越えてくると、自分は人を想うことの強さを信じると告げ、ロズワールの寝室を後にします。
ロズワール邸への襲撃を止めにいくスバル達
ロズワール邸の襲撃を止めることができなかったと、オットーとスバルが悩みますが、ガーフィールは今から向かえばいいと話します。
そして、自分もフレデリカと同じでクウォーターであり、聖域の結界にはかからないと告白しました。
スバルは、先に言えよ!と肩から力が抜けてしまいますが、ガーフィールを連れて屋敷に戻ることを決断します。
スバル達は、一度大聖堂に戻って状況を説明しました。
- ガーフィールは武器を取りに戻る
- オットーが竜車の準備を整える
- スバルがアーラム村の住民に多兎の脅威と結界の解放を説明する
- 村人達は既に「内政官様」から状況は聞いていると、快く見送る
- 大聖堂に戻ってきたラムに、エミリアのことを任せる
そして、パトラッシュとフルフーが繋がれた竜車に三人で乗り込み、夜明け前にロズワール邸に戻ることを目標に出発します。
リゼロ原作小説14巻5章の考察、ネタバレ解説
「叡智の書」にオットーは記載されていたのか
ロズワールが叡智の書に書かれる記述を見逃すはずがないため、オットーのことは魔書に書かれていないと考えられます。
このため、ロズワールの「次は見逃さない」発言は、聖域に現れていたオットーのことを軽視しないという意味合いに取れます。
また、「次は」という言葉は、何らかの方法で、ロズワールが他の世界のロズワールに伝達できる手段がある可能性を示唆しています。
ロズワール自身は記憶を引き継げなくとも、「叡智の書」を通じて注意事項の伝達ができるのかもしれません。
「内政官様」とは誰のこと?
アーラム村の村人が発言した「内政官様」はオットーのことです。
スバルはオットーを有能かつ友人として見ており、ずっと一緒にいたいため、エミリア陣営に組み入れようとしています。
そのため、村人達に常に一緒にいるオットーのことを聞かれた時に、既成事実を作り、徐々に外堀を埋める作戦を実行していたのでした。
リゼロ原作小説14巻6章「嘘を願いに」あらすじネタバレ
墓所の遺跡から出てきたエミリアに、ラムが現状の報告をし、その後に個人的なお願いをします。
- ラムがスバルやオットーに協力したのは、エミリアにお願いを聞き入れてもらうため
- お願いをする相手を前に、まずは尽くす礼儀を果たした
- エミリアに、「ロズワール様をお救いください」と懇願する
- ロズワールは、長い時間妄執に囚われてきた
- ラムはそれでも良いと思っていたが、その妄執さえも道から外れてしまった
- ロズワールの願いは、エミリアが玉座に座ることで叶えられる
- エミリアに玉座に座ってもらい、ロズワールが道を外れた先で生きる意味を与えて欲しいと願いでる
エミリアは、ラムからの初めてのお願いを聞き届け、それが自分がやらなくてはならないことだと言いました。
その言葉を聞き届けたように、森からロズワールが姿を現し、試練を乗り越えたエミリアに祝福の賛辞を送ります。
エミリアの反論
ロズワールは、悪意を持ってエミリアに試練を乗り越えた賛辞を送ります。
- エミリアは全てお膳立てされて、逃げられない状況で試練に臨まれた
- 試練に挫折しても、理想を押し付けるスバルによって、無理に試練に臨まされた
- そして結局、試練を突破するところまで来てしまった
- そのあり様に同情する
ロズワールの賛辞に対して、エミリアは正面から反論します。
- スバルは、たくさんの酷い言葉を自分に言った。面倒臭い女で、弱くて、無責任だと
- それでも自分を好きだと、信じてくれると言った
- だから、自分の意思で試練に挑み、後悔に傷つきながらも、自分がするべきことを見つけた
ロズワールにとって、エミリアは試練に打ち勝つことのできない幼い少女でした。
それが、スバルの言葉を契機に、自らの意思を持って立った姿を見て、率直に賞賛を送ります。
世界の終わりを告げるロズワール
それでも、ロズワールは、道筋から外れたこの世界は終わりを迎えると告げ、エミリアに対して同情を向けます。
エミリアは、自分とロズワールで始めたことを、勝手に終わらせることは無責任だ、と怒ります。
そして、これ以上何も失う必要はないと、ラムの願いを叶えるためにも、エミリアは第二の試練に挑みに墓所の遺跡の中に戻っていきます。
その姿を見たロズワールは、始めたのは「自分と先生だ」と返しました。
ロズワールの信頼
エミリアが墓所の遺跡の中に入った後、ロズワールはラムを労います。
- エミリアがロズワールに攻撃を加えていれば、スバル君との賭けは早々に決着がついた
- ラムがエミリア様に跪いていたのも、それを助けるためだろう
ロズワールは、依然として魔書が示す結末に囚われており、そのために全てを犠牲にする覚悟でした。
そして、エミリア様の帰りを待つようにラムに指示し、リューズ・メイエルの複製施設に向かいます。
千里眼と信頼
ラムの千里眼は、格上の相手に対しては、相手が真に心を開いてくれていないと使えません。
- これまで、ロズワールに千里眼をかけることはできなかった
- この時になり、ロズワールの視界を借りることができた
この事実に、ラムは胸の中に乙女の高揚感を感じながら、リューズ・メイエルの複製施設にたどり着きます。
入り口に立ち、戸惑う愛しいロズワールに向け、自分のツノで作成した魔杖の先端を向けながら言います。
魔女の妄執より、あなたを奪いに参りました。
ラムとロズワールの契約
幼少の頃、鬼の集落を魔女教徒に襲撃されたラムは、ロズワールの力を借りて復讐を果たしていました。
その時に、ラムとロズワールは契約を結んでいます。
- ロズワールへの忠誠
- ロズワールの願いを滅ぼすこと
魔書が滅ぼされた場合、生死に関わらずロズワールはラムのものとなる、とロズワールは誓っていました。
ロズワールの勘違い
鬼族の集落の襲撃は、自分自身も一因となっていたため、ロズワールはラムに恨まれていると考えていました。
だからこそ、ラムが現れた理由に勘違いしてしまいます。
- スバル達に協力し、ロズワールが魔書を持ち出す機会を作った
- これから魔水晶を触媒にした天候を変える大魔法をかけるため、暫く無防備になる
- そのタイミングでラムに襲撃されていれば、間違いなく自分は敗北した
そして、ラムが来るのは少し早かったと、同情の目をラムに向けました。
ラムの奥の手
ラムは、やはりロズワール様は何も分かっていないと呟き、抜け殻となったあなたを手に入れても意味がないと言います。
ロズワールは、正面から自分に挑んで勝てると思うのか、と魔力を高めていきました。
ラムは、服の中からフレデリカの青い輝石を取り出し、それに合わせてパックが顕現します。
ロズワールは、「これならば、確かに!」と歓喜を表しました。
そして、ラム&パックとロズワールの戦いが始まります。
リゼロ原作小説14巻6章の考察、ネタバレ解説
ロズワールが鬼族襲撃の一因である理由
ロズワールは鬼族の集落を襲撃した魔女教徒を殲滅しているため、魔女教側で動いていた訳ではありません。
ただし、「襲撃の原因に関与」と言及しているため、魔女教に鬼族を襲撃させる理由となる情報を与えてしまった可能性があると考えられます。
ロズワールが漏らしてしまった情報は「鬼族の隠れ里の場所」か「ラムとレムの存在」のどちらかだと思われますが、まだこの点については詳しく明かされていません。
リゼロ原作小説14巻7章「咆哮の再会」あらすじネタバレ
ペトラの使用人生活は幸せでした。
- お屋敷には元々憧れていた
- メイドの制服が可愛い
- 大好きなフレデリカ姉様に教えてもらえる
- ほんのり好意を寄せるスバルがいる
幸せに眠る夜中に、フレデリカが訪れ、すぐに本館1階にある食堂の勝手口から出て、そのままアーラム村に走りなさいと言われます。
ここ数ヶ月で何度か感じた危険の雰囲気を察知し、ペトラはフレデリカに一瞬抱きつき、すぐに行動を開始します。
スバルとの約束
ペトラは東館から本館の渡り廊下に差し掛かった時、スバルから頼まれていた「レム」のことを思い出します。
- フレデリカ姉様とスバルの頼みごとに板挟みになり、思考がぐちゃぐちゃになる
- 恐怖に潰れそうになりながら、階段を上り、レムの部屋の前に到着する
- 目の前にエルザが登場
エルザは、ペトラに対し、「あなたが小さい方のメイドさん?」と聞き、自分のターゲットであることを確認します。
しかし、間一髪でフレデリカが間に合いペトラを守ります。
フレデリカは、エルザのターゲットが「二人のメイドど一人の精霊」であることを聞き出し、レムがターゲットに入っていないことを、暗にペトラに伝えます。
そして、今度こそ逃げなさいとペトラを逃がしました。
懇願するペトラに手を差し伸べるもの
ペトラは、エルザがフレデリカでは相手にならないと零したのを聞いていました。
つまり、自分が逃走することは、フレデリカ姉様が敗北することを意味すると理解していました。
ペトラは、ベアトリス様なら助けてくれるはずと、屋敷中の扉を開けて探しますがみつかりません。ついに、年齢相応の不安が表に現れ、いないスバルに助けを求めました。
スバルがその声に応えて、分かった、助けるよ、と返します。
驚くペトラを優しく撫でで、フレデリカには強力な助っ人が向かっているから大丈夫だと告げました。
10年越しの再会
フレデリカは奮闘していますが、エルザとの力の差は歴然としたものでした。
- フレデリカは傷だらけで磨耗していっている
- エルザは息も乱さず余裕を見せている
- フレデリカの本気の攻撃も全く意に介さない
- エルザの動きをフレデリカは視認できず、敗北を覚悟する
そこにガーフィールが登場し、フレデリカを危機から救い出します。
- ガーフィールは格好つけて登場
- フレデリカの大きさと牙を見てびっくりする
ガーフィールは、姉であるフレデリカに10年越しに怒られながら、エルザとの激しい攻防を繰り広げます。
その姿を見て、フレデリカは弟の10年の研鑽に思いを馳せ、感動していました。
ガーフィールは、フレデリカに頼み事をします。
- 屋敷に「レム」という女がいるはず
- 機を見てレムを連れて屋敷を脱出して欲しい
- 自分とエルザが本気で戦えば、この辺一帯は崩壊するから
そして、自分が拳に武装しているのは、幼少期に二人で遊んでいた時の盾だと話します。
自分の最強は、姉ちゃんと一緒に始まったのだから、信じろと伝えました。
ベアトリスと向き合うスバル
ベアトリスは、呼んでいないのに禁書庫に入ってこれたスバルをみて、「どうして」と言葉を零します。
スバルは、ベアトリスを見て、今度こそベアトリスをこの部屋から連れ出すと言いました。
ベアトリスは、叡智の書を抱きしめ、瞳を震わせてスバルを見つめます。
リゼロ原作小説第14巻のストーリーの流れ
- エミリアが墓所の試練の世界に入る
- (試練の世界)お姫様部屋でフォルトナと再会
- (試練の世界)微精霊に導かれてお姫様部屋を脱出、ジュース、アーチ、封印と出会う
- (試練の世界)レグルス・パンドラと遭遇する
- (墓所の外)リューズ・メイエルの記憶をシーマが語る
- (墓所の外)聖域の目的が「憂鬱の魔人」ヘクトールの存在を隠すことだと判明
- (墓所の外)エミリアを王座にすれば「世界を聖域にできる」と訴え、メイエルの願いも叶うと話す
- (墓所の外)ガーフィール、リューズもスバルの意見に賛同する
- (試練の世界)ジュースが適性のない魔女因子を取り込む
- (試練の世界)フォルトナからアーチにエミリアが託される
- (試練の世界)黒蛇の邪舌に囚われアーチが敗北
- (試練の世界)パンドラがレグルスを「いなかった」ことにする
- (試練の世界)封印の扉の前でパンドラとエミリアが出会う
- (試練の世界)エミリアがフォルトナとの約束を守るため封印を解かない決断をする
- (試練の世界)ジュースがパンドラの権能に騙され、フォルトナが敗北
- (試練の世界)ジュースの心が壊れ魔女教大罪司教になる
- (試練の世界)エミリアのマナが暴走し永久凍土の土地に変える
- (試練の世界)エミリアが試練を乗り越える
- (聖域)スバル、オットー、ガーフィールでロズワールと会談するが破断
- (聖域)スバル、オットー、ガーフィールがロズワール邸に向かう
- (聖域)ラムがエミリアを迎えにいき、ロズワールもそこに現れる
- (聖域)ロズワールがメイエルの複製施設に向かう
- (聖域)ラム・パックとロズワールが対峙する
- (ロズワール邸)エルザが襲撃を開始する
- (ロズワール邸)オットーがアーラム村の人々を避難させる
- (ロズワール邸)ガーフィールがフレデリカの危機を救う
- (ロズワール邸)スバルがペトラを保護し、ベアトリスの禁書庫に入る
続きの15巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
本ページの情報は2021年03月05日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。