「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説17巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第16巻では、水門都市プリステラに王選の全ての陣営が集結しました。
パックの依り代となる魔晶石の発見、暴食の情報の入手など良いニュースもありましたが、アストレア家の確執、ガーフィールとミミの失踪、暴走するプリシラ、レグルスの再登場と、不穏な空気が流れます。
そして、新たな大罪司教「シリウス・ロマネコンティ」が現れ、スバルも理解が追いつかない状況で権能を発動させました。
第17巻では、いよいよ魔女教「大罪司教」の襲撃が激しくなってきます。
16巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
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リゼロ原作小説17巻1章「安易さの答え合わせ」あらすじネタバレ
スバルは、権能を発動する直前の意味不明さ、悪徳を濃縮したような不快さに吐き気を催します。
それをエミリア、ベアトリス、リリアナが心配しますが、15分後には憤怒の大罪司教の襲撃が開始されることに気付き、すぐに対応方針を考えることに頭を切り替えます。
- 魔女教徒がエミリアを狙う可能性がある
- ベアトリスは万が一のために連れていけない
スバルはそう判断すると、心配されながらも刻限塔に向かって一人で走り出しました。
スバルはルスベルを救いに刻限等の中に入る
憤怒の大罪司教・シリウスが刻限等の上に登場する数分前、スバルは広間に到着し、ルスベルを救うために刻限等の中に入りました。
スバルの手には、秘密特訓施設でトレーニングをしてきた「ギルティウィップ」があります。
- ギルティラウの素材から作ったムチ
- クリンドによって指導される
スバルがギルティウィップをシリウスに向けて放ちますが、相手に届く直前で異変がおきます。
- シリウスが振り返りもせずに鞭を落とす
- 「何を怖がっているのですか」と発言する
スバルは、かろうじてルスベルの元にたどり着き、脱出しようとしますが、ルスベルはティーナを人質にされているため、これを拒否します。
すると、今度はスバル自身に異変がおきます。
- 恐怖で体が動かなくなる
- 恐怖で吐く
- 全てが怖くなる
そして、シリウスの「次はティーナに協力してもらいましょう」という声を最後に、スバルはルスベルト共に権能を発動しました。
スバルの次の作戦
プリステラでの二度目の権能発動を経験したスバルは、すぐにシリウスの権能を分析します。
- 2周目の最後、シリウスが「スバルとルスベルの恐怖の感情が高め合い続ける」と言っていた
- 1周目、嫌悪や恐怖を持っていた観衆が、最後には感動の一体感を持っていた
このことから、スバルはシリウスの権能を「感情を好きに操作できる」能力だと判断しました。
そして、今度は援軍に頼ることを決め、広場にいたラチンスに「ラインハルト」を呼んでもらう作戦を思いつきました。
ラインハルト作戦の成果
スバルは広場に到着すると、すぐにラチンスを探してラインハルトを呼ぶように頼みます。
最初は抵抗していたラチンスでしたが、スバルが「魔女教」の名前を出すと、すぐに空に向けて火の魔法を放ち、ラインハルトを呼び出しました。
残り5分の余裕があるはずが、火の魔法を見て、シリウスが刻限塔から姿を現します。
そして、シリウスの声を聞いた瞬間に、スバルも行動の自由がなくなり、次第に自分が自分でなくなっていきます。
ラインハルト vs シリウス
ラチンスが合図を上げて三十秒後、ラインハルトが広場に到着します。
ラインハルトの登場によってスバル、ラチンスも正気を取り戻しますが、ラインハルトもあまり時間をかけられないと言い、ラインハルトはすぐにシリウスとの戦闘に入ります。
- スバルが隙をみて刻限塔に侵入し、ルスベルを救出
- ルスベルが縛られている時に急に「腕に痣ができた」と話す
- スバルが外に出ると観衆が肩を組んで大合唱している
- スバルが恐怖を覚え「ラインハルト」と叫ぶが、スバル自身も観衆と同一化する
シリウスも尋常ではない戦闘能力を有していましたが、ラインハルトには敵いません。
ラインハルトが、一瞬で戦いを終えました。
しかし、ラインハルトが振り返ると、その場にいた全員がシリウスと同じように倒れており、スバルが権能を発動しました。
ベアトリス参戦
三度権能を発動して、スバルはシリウスの能力が「魂を道連れにする洗魂」のようなものだと考えます。
そのため、ラインハルトによる解決では、周囲が道連れにされ、突破することができないと理解します。
スバルは、陰魔法のスペシャリストで大精霊であるベアトリスを連れて、今度は広場に向かいます。
プリシラは、二人の姿を見て「ふむ」とうなづきました。
リゼロ原作小説17巻1章の考察、ネタバレ解説
スバルはまだ味方に頼ることに躊躇がある
スバルは聖域で「仲間の力を借りること」を覚えました。
しかし、エミリア、ベアトリスは、スバルにとって「絶対に失えない大切な存在」であるため、二人を置いて単独で大罪司教と向き合おうとしました。
この行動からも、二人に頼るのはスバルにとって最終手段であり、できれば自分だけを危険に晒して事態を解決したいと考えていることが分かります。
シリウスが見ないでギルティウィップをはたき落とした理由
シリウスの権能は「オドの接続」によって起こされるものである可能性が高く、目で見なくとも、ルスベルの感情の動きによってスバルの存在に気付いていると思われます。
又、スバルがシリウスに攻撃を仕掛けた時点で、ルスベルを通じてスバルとも接続済みで動きが見えていることに加え、シリウス自体が武術の達人であるため、容易に鞭を叩き落とすことができたのでしょう。
ラインハルト登場でスバル、ラチンスが正気を取り戻した理由
ラインハルトはリゼロ世界の「不自然さの頂点」です。
本気を出そうとするだけで大気中のマナは全てラインハルトに向きますが、これはオドにも影響がありそうで、そのためにスバルとラチンスが一時的にシリウスの権能の影響から外れたのだと考えられます。
リゼロ原作小説17巻2章「氷炎の結末」あらすじネタバレ
スバルは、広場に向かいながらベアトリスに状況を説明します。
- 「憤怒」の大罪司教の襲撃がある
- 感覚を共有するような能力
ベアトリスは、相手の権能が「ネクト」に近い魔法であれば、「シャマク」で観衆を覆えば、感覚共有が遮断されて影響から逃れられると説明しました。
しかし、攻撃手段にラインハルトを使うことはできないと解説します。
- ラインハルトはこの世界の不自然さの頂点
- 存在するだけでマナがラインハルトに盲目的に従う
- 魔法使いや精霊は、ラインハルトの周辺では無力
二人が困り始めた時、後ろからエミリアの声がします。
エミリア vs シリウス
エミリアは、公園でプリシラから「いま追いかけないと後悔する」と言われ、二人を追いかけてきていました。
そして、自分が攻撃を担当すると言い、スバル・ベアトリスも納得します。
- 予定時刻に刻限塔の上にシリウスが姿を現す
- 観客が誰一人気付く前に、エミリアが先制攻撃で巨大な氷柱を打ち込む
- スバルがその威力に唖然とする
- ベアトリスが「しくったのよ」と叫ぶ
ベアトリスによると、シリウスの権能は魔法よりも呪術に近く、「魂に直接干渉する」ものであるため、シャマクでは防げないということでした。
シリウスは両腕に炎を纏って、再び姿を現し、「あの人を奪ってまだ飽き足らないのか」とエミリアに向かって叫びます。
その姿は、これまでの柔和で話ができそうなシリウスの姿とは異なり、「憤怒」そのものでした。
スバル・ベアトリスの救出作戦
シリウスの影響を受けた広場の観衆が、スバルとベアトリスに襲いかかってきます。
- 襲撃を交わして刻限塔の中に入る
- 上階にいたルスベルを救出する
- 広場の中にいた手練れの攻撃を間一髪で回避し、「シャマク」をかける
- シャマクでもやはり権能の影響下には逃れられないと判明
スバルは刻限塔の窓から、エミリアがシリウスと戦闘を繰り広げている姿を確認します。
エミリアの「アイスブランド・アーツ」の威力
エミリアも聖域解放からの1年間で鍛錬を積み、スバルが『アイスブランド・アーツ』と名付ける戦い方を身につけていました。
- エミリアの膨大なマナを活かした戦い方
- 壊れること前提で氷の武器を高速錬成して使う
- 剣、槍、ハンマーなど状況に合わせた武器を錬成する
戦闘技術も向上しており、単独で大罪司教「憤怒」シリウスを追い込んでいきます。
そして、ついにシリウスに決定的な一打を入れられる寸前までになりました。
最悪が重なる
エミリアがトドメの一撃を入れる瞬間、シリウスが自分の胸の前に幼い少女「ティーナ」を出現させました。
一瞬動きを止めたエミリアに、シリウスの極大の火魔法が襲いかかり直撃してしまいます。
石畳の上に放り出され、転がったエミリアは、意識を失ってしまいました。
- スバルはシリウスの権能の影響を受けてしまっている
- シリウスに対する恐怖が心に充満し、足が震えて動けない
エミリアに対して火魔法が放たれ、絶体絶命の瞬間を迎えますが、エミリアに届く直前で火が消えてなくなります。
そこに立っていたのは、大罪司教「強欲」担当、レグルス・コルニカスでした。
レグルスはエミリアを抱き抱え、「七十九番目の妻にするために迎えにきた」と言い放ちました。
スバル・ベアトリスの特訓魔法
スバル・ベアトリスは1年間の秘密特訓で身につけた魔法「E・M・M」でレグルスに迫ります。
- 空間を途絶する絶対防御の魔法防壁
- スバルの身の周りに展開し、一瞬だけ無敵状態になる
E・M・Mを身に纏ったスバルには、レグルスも触れることができず、スバルの拳がレグルスに届きます。
そして、「インビジブル・プロヴィデンス」を出現させ、エミリアを取り戻そうとしますが、突然の嘔吐感に足が止められてしまいました。
エミリアがレグルスに連れ去られる
千載一遇の機会を逃したスバル達に、レグルスは「時間だ」と言ってその場を去ろうとします。
- 「インビジブル・プロヴィデンス」を見て、シリウスがスバルを「ペテルギウス」と呼ぶ
- 昼の時間を知らせる鐘の音がプリステラに鳴り響く
- レグルスがスバルに深手を与える
- エミリアを連れて去っていく
ベアトリスは、スバルに謝りながら必死に治療を続けます。
憤怒の大罪司教の権能により、スバルと同じ傷を受けた50名程度の負傷者が、二人の後ろで倒れていました。
リゼロ原作小説17巻2章の考察、ネタバレ解説
シリウスの話す「あの人」とは
シリウスの「あの人」とは、ペテルギウスのことです。
シリウスはペテルギウスを愛しており、それ故に婚姻関係がないのに「ロマネコンティ」の姓を名乗っています。
シリウスの愛の理由はまだ明らかになっていませんが、あらゆる共通点があることから、シリウスの正体は「フォルトナ」なのではないかと考えられています。
シリウスがスバルの権能を見て「ペテルギウス」と呼んだ理由
シリウスにとってのペテルギウスは、「怠惰の魔女因子」の方です。
ここからはネタバレ解説です。
水門都市プリステラでの戦いが終わった後、シリウスはスバルに、「ペテルギウスは器に負けてまだ表に出てこれない」と言及しています。
また、ロズワール邸ではベアトリスが「スバルはスバルのままでいさせる」と話していたことから、魔女因子を取り込むと、いずれ魔女人格に侵されることは明らかです。
このため、「怠惰の魔女因子」は現在スバルの中に入っているので、シリウスはいずれペテルギウスがスバルの体を乗っ取って表に出てくると考えています。
大罪司教が「鐘の音」を合図に去った理由
大罪司教は全員「福音書」の指示に従って動いています。
それぞれの福音書には「お昼の時間からの行動」が記されているため、移動を開始したのでした。
自分勝手で目的もそれぞれに異なる大罪司教が「福音書」の指示に従うのは謎に包まれています。
それが魔女因子による影響なのか、福音書に従うことで得られるメリットが大罪司教にあるのかは謎です。
リゼロ原作小説17巻3章「魔女教災害対策本部」あらすじネタバレ
スバルが目を覚ますと、目の前には見慣れない天井がありました。
- ベアトリスがスバル・50名の観客を治療して繫ぎ止める
- マナを使い切って仮死状態になって眠る
- ルスベルがアルを呼んで、アルが二人を拠点に運び込む
- フェリスが二人の傷を治療し、回復させる
- ベアトリスはマナを与えない限り目覚めない状態だと判明
スバルが感情的になるのをフェリスが抑えてくれ、すぐに次に向けて頭を切り替えます。
そこに、クルシュが現れてスバルに状況を確認しました。
- お昼の放送で、大罪司教「色欲」カペラ・エメラダ・ルグニカが現れる
- 水門都市プリステラは魔女教の手に落ちたと宣言する
- スバルが大罪司教と遭遇したのなら間違いない
王選陣営の状況
スバルが二階に上がると、アナスタシアとヴィルヘルムの姿があり、王選の各陣営の動きについて状況が共有されます。
ミューズ商会 | スバル、ベアトリス、アナスタシア、クルシュ、フェリス、ヴィルヘルム、アル |
---|---|
外を警戒中 | ユリウス、リカード、鉄の牙(連絡は「対話鏡」で行われる) |
行方不明 | エミリア、ガーフィール、オットー、ミミ、ティビー、へータロー、ヨシュア、プリシラ、フェルト、ラインハルト |
そして、ミューズ商会を拠点に選んだのは、「プリステラを取り仕切る十人会」の一人、キリタカがいたことが大きいと説明されました。
魔女教陣営の状況
アナスタシアは、続いて魔女教陣営の状況を説明します。
- 水門を管理する4つの「制御塔」が全て奪われる
- 「放送」が可能な「都市庁舎」を奪われる
- 現時点で確認できた大罪司教は「憤怒」「強欲」「色欲」
色欲の名前とフェリスの反応
続けて、スバルが、色欲が名乗った「カペラ・エメラダ・ルグニカ」について質問をします。
これに対しては、ヴィルヘルムが知りうる情報を伝えました。
- 50年以上前に存在した王族の姫
- 美しく、賢かった
- 一方で残忍極まりない性格で、その喪失の際には王国中が安堵したとも言われる
その話を聞き、フェリスが「ふざけないでよ」と激情を発露させますが、すぐに気を取り直します。
「魔女の遺骨」とアルの反応
次に、ミューズ商会を拠点にした理由について詳細が説明されます。
- 「色欲」カペラの放送では魔女教側の要求があり、「魔女の遺骨」が魔女教の目的と判明
- 「魔女の遺骨」のありかはプリステラを仕切る「十人会」のみが把握
- ミューズ商会の「キリタカ」は十人会の一人
魔女の遺骨の言葉に対し、アルが「テュフォンは大水に沈められ、か」と反応します。
スバルは、アルから傲慢の魔女の名前が出たことに驚きますが、すぐ直後に起きた出来事により、問い詰めることができません。
色欲の魔女の放送とガーフィール
外回りに出ていた二つのグループから、同時に対話鏡に連絡が届きます。
- ユリウス・ティビー
- リカード・へータロー
「ティビー」と「へータロー」は、「三分の加護」によって、ミミが重大な危篤状態であることが判明したと、半泣きの状態でアナスタシアに報告しました。
そこに、都市庁舎からの放送が流れ、「色欲」のカペラが、都市庁舎に襲撃があったことを知らせます。
作戦会議場の場所に、負傷しているガーフィールの姿が現れます。
その手の中には、瀕死状態のミミがいました。
リゼロ原作小説17巻3章の考察、ネタバレ解説
「色欲の大罪司教」と王族の姫の名前
エメラダ・ルグニカは亜人戦争前、50年以上前に存在していた王族の女性です。
ヴィルヘルム曰く、若く聡明だったが残忍な性格で、深い闇を抱えていたとされており、若くして亡くなった際も「国民感情により国葬が行われなかった」という異常事態を引き起こしていました。
大罪司教がエメラダ・ルグニカの名前を名乗った理由は「エメラダを知る者への嫌がらせ」と推測されていますが、パンドラがいる以上、本人である可能性も残されているものと思われます。
フェリスが「エメラダ・ルグニカ」の話に怒った理由
フェリスはヴィルヘルムのエメラダに関する説明を聞き、激しい怒りを見せました。
クルシュの「本当なら私が感じなくてはいけないもののはず」発言に図星であるような反応をしたことから、フェリスが怒ったのはクルシュに関連することだったからと考えられます。
つまり、カルステン家とエメラダ・ルグニカには何らかの因縁があり、年齢的にエメラダはクルシュの祖母にあたる可能性も出てきました。
「魔女の遺骨」の正体と効果
水門都市にある「魔女の遺骨」は、アルの発言から「傲慢の魔女テュフォン」のものであることがほぼ確定しました。
魔女の遺骨がないと、プリステラは水の底に沈むことになると言及されたことから、聖域のメイエルの魔水晶同様、術式の発動の源となっていると考えられます。
また、水門都市プリステラは、ルグニカ王都を中心とした五芒星に位置する五大都市の一つであることも気になります。
五芒星は一般的に「魔除」に使われるもので、これが意味するのであれば、「嫉妬の魔女」の封印に何らかの役割を果たしている可能性が出てきます。
他の五大都市にも400年前の魔女の遺産が残っているようであれば、間違いなく何らかの大規模な術式に使われていることでしょう。
アルがテュフォンを知っていた理由
アルは400年前の魔女達と面識があり、短編集では「嫉妬の魔女」となったサテラに対しても百万回以上挑んで敗北していることが描かれています。
大罪司教に対して「俺の知る魔女達とは随分様子が違う」と言及していることから、テュフォン以外の魔女達とも親交があったと考えられます。
リゼロ原作小説17巻4章「ゴージャス・タイガー」あらすじネタバレ
プリステラに到着した初日、エミリア達王候補が温泉に入り、男性陣が自由時間となった頃に時間は戻ります。
ガーフィールは、「最強」ラインハルトとの圧倒的な力の差に落ち込み、プリステラの水路沿いを歩いていました。
- ガーフィールは一人で考え事をしたい
- 後ろからミミがついてきて陽気に話しかけてくる
- 水路で転覆しそうな船の上に子供達が乗っていることをミミが発見
- ガーフィールが瞬時に動いて助ける
子供達に名前を教えてとせがまれたガーフィールでしたが、名乗るほどのものではないと「ゴージャス・タイガー」と名乗り、子供達とミミがカッコイイと大騒ぎします。
ガーフィールに疾る衝撃
ガーフィールと耳は、子供達一人一人を、家まで送り届けていきます。
- 最後の少年を送り届けてにいく
- 噴水公園にリリアナの歌を聴きに行ったと判明
- 姉が現れ、少年を「フレド」と呼ぶ
- 母親が現れ、フレドが見つかったと安堵する
母親である女性の姿を見た瞬間、ガーフィールが体を強張らせて動けなくなります。
そして、「母さん?」と呟きました。
ガーフィールの母・「リーシア・ティンゼル」という女性
ガーフィールとミミは、「リアラ・トンプソン」と名乗った母親の招待を受けて、家でお茶とお菓子を振る舞われます。
ガーフィールは、自身の母「リーシア・ティンゼル」のことを思います。
- 若い頃に亜人族の盗賊団に襲われる
- 姉フレデリカを身籠って集団から追い出される
- 別の亜人族の集団に捕まる
- フレデリカを出産し、弟ガーフィールを身籠もる
- 集団と離れ離れになり、エキドナの聖域にたどり着く
- ガーフィールの父親を迎えに聖域をでたところ、崖の崩落に巻き込まれる
ガーフィールが理解していた母の人生はここまででした。
しかし、かつての母と同じように、自分と同じように、格言を交えながら話すリアラの姿をみて、ガーフィールは心が切り裂かれていきます。
そこに、父親である「ギャレク・トンプソン」が帰ってきます。
ガーフィールは、もうその場にいることができず、ミミを連れて家を出ていきました。
フレドの母親「リアラ・トンプソン」という女性
ギャレクは、ガーフィールとミミに走って追いつき、二人にリアラとの出会いを話します。
- ギャレクは行商人
- ある日、崖の崩落に出会い、その近くで倒れている女性を発見した
- 女性は一命を取り止めたが、記憶を失っていた
- かろうじて持ち物から名前に「リ」という文字があるのを見つけ「リアラ」と呼ぶようになった
- その後、ギャレクと結婚し、二人の子供を産んで幸せに暮らしている
ギャレクは、息を飲んで、ガーフィールに「リアラとの関係」を尋ねました。
ガーフィールは、心の内を絶叫に苛まれながら、「何も関係ない」と答えます。
そこに、リアラが現れ、ガーフィールとミミに、お菓子のソワリエを手渡しました。
ガーフィールを包み込むミミ
ミミは、リアラがガーフィールの母親であることに気付いていました。
- ガーフィールとリアラの匂いはそっくり
- ガーフィールとフレド、姉の匂いが似ている
- ガーフィールの行動・言動
ガーフィールは、自分が息子であることを告げなかった意味をミミに話します。
- リーシアは、リアラとしての15年を生きてきた
- 自分が話しても、リアラを混乱させ、落ち込ませるだけ
- 自分が黙っていれば、全員が幸せになる
それでも、大好きだった母に忘れられていた寂しさに、涙がこみ上げてきます。
ミミが、そっとガーフィールを優しく包み込み、ガーフィールはミミの胸の中で号泣します。
カペラの放送で事態が急変
ガーフィールとミミはそのまま眠りにつき、翌日目を覚まして、「水の羽衣亭」に戻るため歩き出します。
時刻は既に昼時となっており、その放送が流れました。
- 大罪司教「色欲」カペラ・エメラダ・ルグニカと名乗る
- 水門を管理する4つの「制御塔」を奪ったと話す
- 「魔女の遺骨」を求める
慌ただしくなったプリステラの街でしたが、元々危機への備えは十全にあり、それぞれが最寄りの避難所に向かいます。
そこに、リアラの姿が現れ、ガーフィールとミミに声をかけました。
- フレドと娘の姿が見当たらない
- 夫ギャレックが都市庁舎に勤務している
ガーフィールの頭の中には、水の羽衣亭に向かってスバル達との合流することがありましたが、リアラの言葉を聞いて都市庁舎に向かうことを決意します。
自分が三人を探すとリアラに告げ、母は避難所に行くように伝えました。
ミミは、都市庁舎に嫌な予感を感じていましたが、ガーフィールが「偵察だけ」と言うと、それに同意します。
ガーフィール・ミミの都市庁舎での戦い
都市庁舎の広場の前で、ミミはガーフィールに二人では勝てないと告げ、すぐに逃走することを提案します。
- 無数の倒れている体
- 二人の危険な人物が建物の前に立っている
ガーフィールは、リアラの願いを叶えるためにも逃げることはできず、ミミの制止も聞かずに戦い続けます。
二人の人物の戦力は予想以上で、ガーフィールは危機を迎えますが、窮地をミミが救い、ようやく二人は都市庁舎前を脱出します。
しかし、細身の女の長剣がミミを捉えており、ミミは瀕死の状態で気を失っていました。
- ガーフィールが全力で治癒魔法をミミにかけ続ける
- ミミの傷が塞がらない
- 混乱して大将であるスバルの姿を探す
そして、昨日訪れたミューズ商会で、スバルの姿を見つけることができます。
ミューズ商会でミミの治療をしてもらう
瀕死の状態のミミの姿を見て、ガーフィールが説明するよりも早く、フェリスがミミの治療に当たります。
「青」の称号を持つ、王国一の治癒魔法の使い手に治療してもらえることで、ガーフィールもスバルも安堵しましたが、フェリスの叫び声がそれを切り裂きます。
フェリスの治癒魔法をもってしても、ミミの傷は塞がりませんでした。
リゼロ原作小説17巻5章「都市庁舎奪還作戦」あらすじネタバレ
治癒魔法でミミの傷が塞がらないため、フェリスはすぐに物理的な治療を施すことを決めます。
- 階下の野戦病院に向かう
- ヴィルヘルムがミミを抱えて階下に向かう
その間も「色欲」の大罪司教、カペラの放送は続いており、「魔女の遺骨」を強く求めていました。
スバルはその放送に耳を傾けると、背後に無数の羽音があることに気付きます、
対話鏡からユリウスの声があり、一度ミューズ商会に集まり、今後の動きの作戦会議をすることになりました。
ミミの傷は「死神の加護」による傷
ユリウス、リカード達もミューズ商会に合流し、へータローとティビーがフェリスの治療を見守ります。
スバルがヴィルヘルムに聞くと、ヴィルヘルムが見解を述べました。
- ミミの傷は間違いなく「死神の加護」による傷
- 自分の塞がっていた肩の傷も、再度開いて血が滲み始めた
- テレシアは、15年前に確かに亡くなっている
- 誰かがテレシアの魂を弄んでいる
ヴィルヘルムは、その相手に必ず罪を贖わせると口にしました。
キリタカが「魔女の遺骨」は引き渡せないと説明する
作戦会議には、十人会の一人であるキリタカも参加し、率直に「魔女の遺骨」について説明します。
- 魔女の遺骨は存在する
- ただし、引き渡すことはできない
- 魔女の遺骨は特別な力が備わっており、それがプリステラという都市を支えている
- 魔女の遺骨を取り除けば、プリステラは水の下に沈むことになる
ここで、リカードが「色欲」カペラの要求を飲むという判断はなくなったと結論を共有します。
都市庁舎奪還作戦のメンバー
リカードに問われ、ガーフィールが都市庁舎前の戦いを全員に共有しました。
そして、リカードはミミの仇である細身の女を打倒すると決意し、ガーフィールもそれに応えます。
都市庁舎奪還作戦には、次のメンバーが挑むことになりました。
都市庁舎奪還作戦 | ユリウス、リカード、ガーフィール、ヴィルヘルム、クルシュ、スバル |
---|---|
本部待機 | アナスタシア、フェリス、ミミ、へータロー、ティビー |
都市庁舎までの道の開通 | 鉄の牙 |
他の十人会の保護 | キリタカ、白竜の鱗 |
別行動 | アル |
スバルは、フェリスによって痛みを感じなくする魔法をかけられ、治療中の右足でも動けるようになります。
へータロー・ティビーはミミのために命を賭す
戦力となるへータローとティビーは、「三分の加護」を用いてミミの傷を請負います。
- ミミの傷はフェリスによって物理的な方法で塞がれる
- ただし、傷は治らないため徐々に命は蝕まれる
- 「三分の加護」でへータロー、ティビーもミミの傷を負担する
- ミミが命を終えるときは、へータロー、ティビーも命を終える
致命的な傷を分担しているため、へータローとティビーも厳しい状態となっており、奪還作戦に参加することはできません。
アルはプリシラの元に向かう
アルは気まづそうに切り出し、自分は「プリシラ」を探して合流すると話しました。
- 状況が変わった
- 大罪司教の前に自分がいても無力
そして、最後に二つのアドバイスを残します。
- 「暴食」に遭遇したら本名は言うな
- プリステラに大罪司教全員が揃っている可能性がある
そして、ミューズ商会を後にしました。
都市庁舎奪還作戦、開始
スバル達が広場を走り抜けると、見たこともないピンク色の塊が積まれていました。
その光景に驚きながらも、目の前に二人の強敵が現れ、戦闘が開始されます。
- クルシュが百人一太刀で先制攻撃を仕掛ける
- ユリウスが虹色の魔法で二人の動きを拘束する
- 細身の女にヴィルヘルム・ガーフィールが対峙するが撃退される
- 大柄の男にリカードが対峙するが、八ツ腕が現れ、状況不利とみて一時的に引く
全力の初撃で一人も倒せなかったことにスバルは焦りますが、上空から声が響き渡ります。
そこにいたのは、「黒龍」と呼ぶべき竜の姿をした大罪司教「色欲」カペラ・エメラダ・ルグニカでした。
夕方を告げる鐘の音が鳴り響く
カペラに対し、ユリウスが虹色の極光「アル・クラウゼリア」を放ちます。
ユリウスの魔法に囚われたカペラの絶叫を皮切りに、都市庁舎前での戦いが再開されます。
- ヴィルヘルム vs 細身の女(テレシア)
- ガーフィール vs 大柄の男(八ツ腕のクルガン)
カペラからは黒い炎が噴出し、虹色の光を食い破って広場にそそぎ落ちてきます。
それに対し、リカードがミミ達三姉弟の合体技である咆哮波を放ち、スバルを救いました。
屋上に降り立ったカペラは、ユリウスの魔法によって、見るも無残な状態でしたが、平気な声をあげており、みるみるうちに回復します。
そして、夕方を告げる鐘の音がプリステラに響き渡ると、自分にはやるべきことがあると言って、建物の中に戻っていきました。
二部隊に分かれる
スバル達は、二部隊に分かれて奪還作戦を継続します。
広場 | ヴィルヘルム、ガーフィール、リカード |
---|---|
都市庁舎内 | ユリウス、クルシュ、スバル |
スバル達は、ユリウスの魔法で上空に向けて飛び立ち、そのまま屋上に到着します。
屋上には、一人の少年が立っており、大罪司教「暴食」、ロイ・アルファルドと名乗りました。
因縁の「暴食」と対峙するスバル・クルシュ
少年が「暴食」と名乗った瞬間、スバルとクルシュが動きます。
- スバルの渾身の鞭攻撃
- クルシュの剣戟
いずれの攻撃も暴食には届かず、虹色の光をまとった剣で、ユリウスが暴食と対峙しました。
三人は、アルの助言に従って互いを「ユーリ」「戦乙女」「幼女使い」と呼び合い、ユリウスが役割分担だとスバルとクルシュに先を急がせます。
スバルとクルシュは屋上から飛び立ち、鞭で動きを制御して、外からミーティアの置かれた一室に飛び込みました。
クルシュ vs 「色欲」カペラ
部屋の中に入ったスバルとクルシュは、二人の人物が部屋の中にいることを確認します。
- 「黒龍」の姿をした「色欲」カペラ
- 縄で縛り上げあられている幼い少女
クルシュが剣戟を黒龍に向けている間に、スバルが幼い少女を救出します。
そして、クルシュの一閃が黒龍を捉え、黒龍は建物の外に落下して地面に激突します。そして、回復することもなく、動かなくなりました。
スバルは、クルシュの戦いを見届けた後、人質となっている人々の姿を求めて、部屋の奥にある扉を開きました。
そこには人間大のサイズの蝿が蠢いており、スバルの方を全員が凝視していました。
その悍ましさに驚くスバルの背後から、クルシュの悲鳴が聞こえ、「色欲」カペラの姿が現れます。縛られていた幼い少女は「カペラ」でした。
「色欲」の大罪司教の権能、血の呪い
カペラは、自分の権能を「自分と他者を自在に変貌させる能力」だと説明します。
そして、スバルが見たものは、都市庁舎に残っていた人達だと話しました。
- 扉の奥の人間サイズの蝿
- クルシュの斬撃を受けて落下した黒竜
カペラが様々な姿形に変貌しながら、スバルとクルシュを絶命寸前まで追い込みます。
そして、自分の血をスバルとクルシュに浴びせます。
- スバルに激痛が走る
- カペラは自分の血には「竜の血」が混ざっていると話す
- そして、竜の血の呪いに負けると酷い目に遭うと説明する
絶叫するスバルの目の前で、カペラが金髪の赤い双眸の姿に戻ります。
そこに、地面に激突して動かなくなっていた黒竜が舞い戻ってきて、カペラに対して黒炎を吐き出しました。
都市庁舎の最上階は、黒い炎によって燃え尽きます。
エミリアに襲いかかるレグルスの気持ち悪さ
エミリアは、見覚えのない豪華な部屋のベッドの上で目覚めます。
シリウスとの戦いで気を失ったことを思い出しながらも、自分が一糸纏わぬ姿であることに違和感を感じます。
ベッドの上のブランケット羽織り、廊下に出ると、強欲の大罪司教、レグルス・コルニカスがいました。
レグルスが大罪司教だと知らないエミリアは、危険を感じながらも、逃亡はしません。
レグルスは、エミリアは僕の七十九番目の妻になるのだと話し、最悪の質問をしました。
リゼロ原作小説17巻5章の考察、ネタバレ解説
フェリスが物理的な治療ができる理由
フェリスの師匠は先代の「青」ガリッチで、フェリスはガリッチから「治癒術師としての心得」を教わり、魔法が使えない事態にも備えていました。
当時のフェリスは才能に胡座をかいた状態でしたが、ガリッチとの出会いによって本物の治癒術師として覚醒します。
物理的な治療方法が「古い方法」と言われたのは、亜人戦争までは人間にとって魔法は身近なものではなく、治療は物理的なものであったからです。
アルが今代の暴食の権能を知っている理由
アルは「今代の暴食の権能」を理解しており、やはり現時点での出来事を前に体験しているものと思われます。
400年前にサテラと戦った記憶がアルにはありますが、前の周回のスバルは今のアルで、サテラに敗北すると400年前に時間が遡るということなのかもしれません。
前の周回の水門都市プリステラでは、恐らく「十人会」の誰かが「魔女の遺骨」を大罪司教に渡してしまったものと思われます。
そのため、具体的に大罪司教が何名いるのかは不明ですが、「全員揃っている可能性」を指摘したのではないでしょうか?
リゼロ原作小説第17巻のストーリーの流れ
- スバルが一人で刻限塔の中に入る
- ルスベルと共に恐怖が増幅して権能発動
- スバルが広間でラチンスに声をかけ、ラインハルトを呼んでもらう
- シリウス・ロマネコンティが登場
- 呼び出しの三十秒後にラインハルトが登場
- ラインハルトがシリウスを討ち取るが、同時にスバルが権能発動
- 初日の夕方、ガーフィールとミミがプリステラの街を歩く
- 「フレド」含む子供達をガーフィールが助ける
- ガーフィールが記憶を無くした母親と再会
- ギャレックにリアラ(リーシア)の話を聞く
- ガーフィールがミミの胸のなかで号泣し、そのまま寝る
- スバルがベアトリスに同行を頼む
- エミリアが付いてくる
- シリウスの権能が「魂に直接干渉する」呪術に近いものと判明
- ベアトリスが「シャマク」で防ぐ作戦が頓挫
- エミリア vs シリウス・ロマネコンティ
- スバル・ベアトリスがルスベルを救出
- シリウスがティーナを人質にし、エミリアに一撃が入り気絶
- エミリアの危機にレグルス・コルニカスが現れる
- スバルが「E・M・M」「インビジブル・プロヴィデンス」を使うがエミリアを奪還できない
- レグルスによってスバル負傷
- レグルス、シリウスが鐘の音を合図に去る
- ベアトリスがスバルと観衆50人の負傷を治療し、マナを使い果たして仮死状態になる
- ルスベルがアルを呼び、アルがスバルとベアトリスをミューズ商会に運ぶ
- 色欲「カペラ」の放送があり、制御塔と都市庁舎が奪われたことが発覚
- ガーフィールとミミがリアラと再会し、都市庁舎に偵察に向かう
- スバルが目覚め、ミューズ商会で情報共有が行われる
- ガーフィールとミミが都市庁舎の前でテレシア、クルガンと激突
- ミミがテレシアに突かれ、「死神の加護」の影響で瀕死に陥る
- へータロー、ティビーが「三分の加護」の影響でミミの危機を察知し、アナスタシアに報告
- ガーフィールがミューズ商会に到着
- フェリスがミミを治療するが傷が塞がらない、死神の加護の影響と判明
- リカード、ユリウス達もミューズ商会に戻り、状況確認と作戦会議
- アルが助言を残して離脱
- 都市庁舎奪還作戦が開始
- ヴィルヘルム、リカード、ガーフィールがテレシア、クルガンと対峙
- 屋上で暴食と遭遇し、暴食にはユリウスが対峙
- 最上階の部屋で黒竜が現れ、クルシュが撃退し階下に落とす
- スバルが奥の扉を開き、人間大サイズの蝿を発見(後に都市庁舎にいた人達と判明)
- カペラがクルシュを襲い気絶させる
- カペラの攻撃によりスバル、クルシュが瀕死状態になる
- カペラの「竜の血」が注がれ激痛が走る
- 黒竜に変貌させられた人物が舞い戻り、カペラに黒炎を吐く
- 都市庁舎の最上階が燃え上がる
- エミリアが裸の状態で目覚める
- 廊下でレグルスと遭遇し、最悪の質問をされる
続きの18巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
本ページの情報は2024年08月21日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。