「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説19巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第18巻では、王選陣営が都市庁舎に集結し、4つの水門の制御塔にそれぞれ陣取る大罪司教に対して、同時攻略の作戦を練り上げました。
- 「強欲」とスバル、ラインハルト
- 「憤怒」とプリシラ、リリアナ
- 「暴食」とリカード、ユリウス
- 「色欲」とヴィルヘルム、ガーフィール
それぞれの戦いの火蓋が切って落とされます。
18巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
大罪司教との激闘を映像で楽しみたい方はリゼロアニメ3期の視聴方法もぜひご覧ください。
リゼロ原作小説19巻プロローグ「混戦都市」あらすじネタバレ
水路に四方を囲まれた水路の上で、オットーは「暴食」含む複数の人物と遭遇します。
「暴食」ライ・バテンカイトス | ・オットーが昼前に二番街の制御塔で見た人物とは別 ・ユリウスからは「ロイ・アルファルド」と聞いていた ・バテンカイトスが別人物だと肯定 ・オットーは「暴食は二人以上いる」と推測する |
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フェルト | ・ラインハルトを戦線に戻すため、避難所に行くと嘘をついた ・その後、別行動を取っていたところに「暴食」と遭遇 |
ガストン | ・フェルトの従者(トンチンカンのトン) ・武器は持たず、それらしいファイティングポーズを取る ・娘がいるようで、戦闘にビビりまくっている |
ダイナス率いる「白竜の鱗」5人 | ・「憤怒」のシリウスの襲撃の際、殿を務めた ・指揮を取っていたキリタカが連れさられる ・捜索中に「暴食」に遭遇 |
「暴食」ライ・バテンカイトスは、僕たちの英雄を探していると、スバルの人となりをオットーに伝えます。
オットーは、スバルが望みなら交渉決裂だと考えながら、商人としての戦い方を見せます。
- 自分は「英雄」と先程まで一緒だった
- ここにいる全員の命を保障してくれるなら、彼の元に案内する
しかし、バテンカイトスはオットーが商人であることを看破すると、それを理由に信用できないと怒りをぶつけます。そして、オットーに襲いかかりました。
オットーは「商人の話は最後まで聞くものですよ」と忠告し、水路から飛び出してきた水竜達がバテンカイトスに一斉に対峙します。
ヴィルヘルム、ガーフィール vs テレシア、クルガン
ヴィルヘルムとガーフィールは、一番街の制御塔に向かいながら情報共有します。
- テレシア、クルガン共に生前の力には遠く及ばない
- 「色欲」カペラによって黒竜に変えられたのは「ギャレック・トンプソン」
制御塔へと続く通りの前で、二人はテレシアとクルガン、そして蠢く黒い影を見つけます。
目を合わせ、一気に戦意を高め、二人は速攻の動きで襲いかかります。
- テレシアとヴィルヘルムは互角の剣戟を見せる
- ガーフィールは、「闘神」クルガンと対峙する
- クルガンは八ツ腕を現し、愛用していた武器「鬼包丁」を構える
- ガーフィールは全力を出すが、真正面から受け止められる
自分の全力が、全盛期にも及ばないと言われた相手に正面から止められ、ガーフィールは一瞬止まってしまいます。
そこに、通りの裏で蠢いていた影が襲いかかり、クルガンごとガーフィールを飲み込みました。
ユリウス、リカード vs 「暴食」ロイ・アルファルド
二番街の制御塔に向かう途中、リカードはユリウスの不安の相談に乗ります。
- 都市庁舎の屋上で「暴食」と対峙した
- 「暴食」の権能は記憶に関連するもの
- そして、「暴食」の態度は明らかに自分のことを知るものだった
- ユリウスは、既にアナスタシア陣営の自分に近しい者が「暴食」の犠牲になったのではと推測する
リカードは、やるべきことは「暴食」を倒して記憶を取り戻すことだと話しますが、ユリウスの言い表せない不安は募るばかりでした。
二番街の制御塔前の広場で、「暴食」ロイ・アルファルドと遭遇します。
アルファルドは嬉しそうに話し始めます。
- 「やはり、自分のところにきてくれた」と喜ぶ
- 自分は「悪食」で、「暴飲、暴食、美食、悪食、飽食、大味、薄味、美味、珍味」その全てを喰らいつくすと叫ぶ
ユリウスは、正々堂々「暴食」の前で「精霊騎士ユリウス・ユークリウス」と名乗りをあげます。
そして、リカードと息を合わせ、全力の先制攻撃、「エル・クラウゼリア」を放ちました。
アルファルドは不敵に嗤い、「兄様は想像通りで本当に素敵」と言いました。
リゼロ原作小説19巻プロローグの考察、ネタバレ解説
ガストンの娘はイリアの可能性
ガストンがフェルト陣営に入ってから1年しか経過しておらず、ラインハルトの領地に移動してからも、てんやわんやの生活をしてきたので、家庭を持つ余裕はないはずです。
また、フェルトから「生まれてきた娘に」ではなく「娘にパパと呼ばれる前に」と発言されていることからも、娘はガストンの実の娘ではないと考えられます。
そうなるとガストンの奥さんとして有力なのは、美人の「カリファ」であり、娘はイリアである可能性が高いです。
詳しくは短編集「金獅子と剣聖」で描かれていますので読んでみてください。
リゼロ原作小説19巻1章「強欲攻略戦開幕」あらすじネタバレ
聖堂に現れたスバルとラインハルトに対して、レグルスが仕掛けます。
- 地面を叩き、石材と木材のバラバラになった塊がスバル達を襲う
- ラインハルトがスバルを連れて回避し、レグルスに近づく
- レグルスが自分の妻を人質に取る
- エミリアが氷の大結界を展開し、妻を守り、レグルスを氷漬けにする
エミリアは勝負あったと考えていましたが、レグルスは簡単に氷をほどき、今度はエミリアを人質にしました。
レグルスの要求に応じるラインハルト
レグルスは、ラインハルトに対して次の要求をします。
- 竜剣を置く
- 自分の方に来る
- 一度だけ避けず、防御せず、自分の攻撃を受ける
- そうすればエミリアを解放する
そして、レグルスがラインハルトに手を向けて、攻撃を発動させます。
次の瞬間、ラインハルトは聖堂の床に倒れ敗北します。
ラインハルトの「不死鳥の加護」と反撃
スバルは叫び、レグルスに対して反撃を仕掛けます。
- レグルスに向けて、椅子を投げつけ、ギルティウィップを放つ
- どの攻撃もレグルスには通じない
- レグルスはエミリアを解放しない
- それはおかしいと「ラインハルト」が告げる
確かに失われたはずのラインハルトが動いていることにレグルスは驚愕しますが、ラインハルトは「不死鳥の加護」と一言だけ返します。
そして、スバルが奥の「百八十四番」をギルティウィップで救出し、エミリアがラインハルトに氷剣を渡します。
エミリアからの氷剣を掴んだラインハルトは、全力の一撃をレグルスに向けて放ちました。
妻達はレグルスの勝利を信じて疑わない
スバルに既視感を感じさせる景色が聖堂に広がり、聖堂は夜の近づいてきた街と繋がります。
エミリアはラインハルトによって取り戻されましたが、レグルスはその瓦礫の上から姿を表します。
ラインハルトが時間を稼ぐ間、スバルは女性の避難と攻略法の考案を頼まれます。エミリアとスバルが、急いで女性達を避難させようとしましたが、女性たちは動きません。
- 女性達は全員無感情、無表情のまま立って何も反応しない
- エミリアが「百八十四番」に「逃げないと」と説得する
- 「百八十四番」が吐き捨てるように、誰が相手でもレグルスに敵うはずがないと言う
スバルはその言葉が、妻達の総意であることを感じ取り、避難させることは難しいと判断しました。
そして、作戦変更を伝えにラインハルトの元へ向かいます。
実験検証開始
瓦礫の向こうではラインハルトとレグルスが激闘を繰り広げていますが、「伝心の加護」でスバルの隣にいるようにラインハルトが話しかけてきます。
- レグルスの攻撃は砂や石で「触れてはいけない」
- ラインハルトは風を操って対抗している
- 女性達が恐怖で動けないことは理解した
- 当初予定していた作戦通り、レグルスの権能の正体を探る検証作業に移る
ラインハルトは、レグルスを吹き飛ばし、予定していた実験場に連れていきます。
エミリアも龍剣を持ってスバルと合流し、二人でラインハルトの後を追います。
ラインハルト、スバル、エミリアによる実験作業
レグルスの無敵の権能の正体を探るため、三人による実験作業が始まります。
奇襲作戦 | ・死角、意識外からの攻撃を入れる →効果なし |
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池ぽちゃ作戦 | ■物理検証 ・ラインハルトがレグルスを空高く持ち上げ、大威力で地面に向けて叩き落とす ■魔法検証 ・地面に急落してきたレグルスを、氷柱で突き破り、氷りづけにする ■自然検証 ・氷漬けにしたまま池に落とし、水攻めにする |
検証作業で綻び一つ見えず、次の手を考えるスバルでしたが、レグルスのため息がラインハルトに深手を与え、簡単な衝撃で、全く減速することなく彼方へと飛ばされてしまいます。
エミリアとスバルを襲う雨
エミリアは、エキドナの試練で見た、過去の記憶に登場したレグルスを思い出したのか、「大嫌い」といって攻撃を仕掛けます。
しかし、スバルがラインハルトと合流するため「一時撤退するべき」と説得すると、それに頷いて二人で逃走を開始しました。
スバルが振り向いても、なぜかレグルスは追いかけてきません。
- レグルスが25mプールサイズの水を持ち上げる
- 三番街の制御塔の上にジャンプして移動する
- スバル達の方角へ、雨を降らすように投げつける
触れてはいけない雨から逃れるため、スバルとエミリアは全力で逃走します。
水路を凍らせて逃走を続けるスバルとエミリア
エミリアは、自身の魔法と微精霊の精霊術で、プリステラの水路を凍らせながら逃走し続けます。
スバルの助言で氷のスケート靴を作成してスピードを上げますが、それ以上のスピードでレグルスが猛追してきました。
そこに、ラインハルトが現れ、予定していた検証作業を続けます。
K作戦 | ■急所作戦 エミリアがアイスブランドアーツでレグルスの急所を攻撃し続けた |
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K2作戦 | ■金的作戦 エミリアがアイスブランドアーツでレグルスの股間をカチあげる |
J作戦 | ■自爆作戦 レグルス自身の攻撃にレグルスを突っ込ませた |
M作戦 | ■鳩尾作戦 ラインハルトが鳩尾(みぞおち)に刺突する |
W作戦 | ■脇の下作戦 ラインハルトが脇の下を思いっきり叩く |
用意していた検証作業の全てを終え、スバルはそのどれもが効果がないことに焦ります。
エミリアがもたらした権能のヒント
ラインハルトが時間を稼いでいる間、スバルが権能の正体を考えますが、糸口がみつかりません。
そこに、エミリアが、レグルスは「小さな王」と呼ばれていたと伝えます。
その言葉で、スバルは一つの着想を得ました。
- 大罪司教の名前は、そのどれもが自分が住んでいた国の星の名前
- レグルスが、ラテン語で「小さな王」を意味する
- ペテルギウスは、アラビア語で「ジャウザーの手」を意味する
- 「シャウザーの手」から権能「見えざる手」が発想されていたとしたら
- レグルスの、ラテン語におけるもう一つの意味が権能に関わっているとしたら
スバルはそこまで考え、ラインハルトに「レグルスの心臓が動いているか確かめてくれ」と叫びました。
リゼロ原作小説19巻1章の考察、ネタバレ解説
レグルスが「龍剣」を置くように指示した理由
レグルスは権能によって「無敵」を誇るため、攻撃手段を封じる必要はありません。
それでもラインハルトに「龍剣」を置くように指示したのは、「龍剣」による攻撃が通るからだと考えられます。
龍剣は「次元を斬る」ことができる可能性があり、その場合は「大罪司教の権能」の影響を受けず、直接レグルスにダメージを与えることができるのでしょう。
大罪司教の名前とスバルに縁がある理由
大罪司教は「魔女因子の器」でもあり、魔女因子を作ったのは「賢者フリューゲル」である可能性が高いです。
フリューゲルは異世界転生者であることがほぼ確定しており、フリューゲルの魂を複製した存在がスバルとアルである可能性が高いため、何かとスバルにとって馴染みの深い名前が出てくるのだと思われます。
リゼロ原作小説19巻2章「炎上都市賛歌」あらすじネタバレ
四倍街の制御塔、その前の広場で「憤怒」シリウス・ロマネコンティとの激闘が始まります。
- プリシラが「陽剣」を抜いて憤怒に襲いかかる
- シリウスが金の鎖で応じる
- 広場の周囲を憤怒の影響で号泣している人達が囲む
リリアナも「憤怒」の影響を受けながらも、エミリア達、キリタカ、ダイナス達と一緒に朝焼けを迎えた時に歌った詩「朝焼けを追い越す空」をまさに歌おうとしていました。
都市庁舎での牽制
リリアナとプリシラは、作戦会議後の都市庁舎でアナスタシアと話し合いをします。
- 都市庁舎が手薄になれば、いずれかの魔女教徒が襲撃にくる
- 防衛戦力には「アル」を使う
- アルを連れて行かないのには、「勝手をしすぎた」ことと「話さない秘密が多い」ことへの罰の意味もある
また、プリシラはアナスタシアに向けて、「隠し事については貴様も言えた話ではあるまい、女狐?」と意味深に牽制しました。
プリシラは戦いに相応しい衣装に着替えに、リリアナを連れて自分の宿に戻ります。
プリシラが明かす事態の裏側
プリシラは、自身の宿で真紅のドレスに着替え、四番街の制御塔に向かっていきます。
途中、リリアナの不安の胸中を見抜き、話を始めました。
- キリタカは生きている
- 大罪司教の目的の一つは「魔女の遺骨」であり、その在りかは十人会しか知らず、キリタカは最後の一人
- 既にキリタカが死んでいるなら、「魔女の遺骨」を求めた大罪司教の目的は叶わないことになるため、プリステラは既に水の底になってなければおかしい
- 十人会の他の面々のを襲ったのは他の人物で、「憤怒」は最後の一人であるキリタカを守りにきた
- そして、大正門を開けて濁流を流した者は、十人会を襲った人物と同じ
プリシラの確信を伴った口調に、リリアナは誰がそれを行ったのかを知っているのですかと聞きます。
しかし、プリシラは無言だけを返し、そのタイミングで四番街の制御塔の前の広場に到着したのでした。
リリアナが「憤怒」の権能と対峙する
静寂に包まれた広場に、「憤怒」シリウス・ロマネコンティが姿を表します。
- キリタカは無事
- しかし、特別扱いはしていない
- 広場を囲うように息を潜めていた千人の観客が現れる
- 観客達は激しい感情に支配されており、今にもプリシラとリリアナに襲いかかる寸前
プリシラが「陽剣」を抜き、「この炎は原初の炎であり、皇帝の座を最初に灯した灯火である」と宣言します。
次の瞬間、広場を囲む水路が白炎に変わり、広場に侵入しようとしていた観衆の動きが止まります。
プリシラが憤怒と決着をつける際、キリタカ含む千人の観客が巻き込まれないよう、リリアナは歌で「憤怒の権能」と対峙し、千人の心を奪って権能から解放する役目と向き合います。
シリウスがプリシラの心をえぐる
陽剣を携えたプリシラは、シリウスの金鎖の変幻自在の攻撃を難なくいなします。
リリアナが役目を果たせば、プリシラがシリウスを打ち取るのは自明の理のように見えました。
そこに、シリウスが三つの言葉を告げます。
- アイリスと茨の王
- ティレオスの薔薇騎士
- マグリッツァの断頭台
その言葉を聞いたプリシラは、シリウスへの強烈な感情だけに包まれ、千人の観客の命、リリアナの存在も忘れて陽剣をシリウスに振ります。
しかし、金鎖の攻撃を受け、吹き飛んでいったのはプリシラの方でした。
リゼロ原作小説19巻2章の考察、ネタバレ解説
プリシラがアナスタシアに「女狐」と呼んだ理由
ネタバレ解説となりますのでご注意ください。
アナスタシアは季節に関わらず狐の襟巻きをしており、プリシラが「女狐」と呼んだのは襟巻きの方です。
襟巻きの正体は「エキドナ」であり、本体のエキドナから複製された存在です。
エキドナとアナスタシアの出会いは短編小説で詳しく描かれています。
「原初の炎」とは
「陽剣」はヴォラキア帝国の帝王にしか出現させられないと言われる剣です。
この陽剣から生み出されるのが「原初の炎」であり、物理的には干渉しない代わりに、オドに対して直接ダメージを与えることができます。
ヴォラキア帝国の帝王しか出せないというのは血縁に縛られた「盟約」であり、「龍剣」と「陽剣」の関係性からも、ルグニカの「剣聖」と似た性質です。
ラインハルトは世界の外側にいる存在に愛されていることからも、「陽剣」も異なる次元に存在する何者からか与えられているものと思われます。
シリウスがプリシラに話した三つの言葉の意味
シリウスの話した三つの単語は、プリシラの過去に関わる重大なことと思われます。
シリウスがプリシラの過去を知っていたのは、権能の仕組みである「オドの繋がり」によって、プリシラの記憶をみた可能性が高いです。
リゼロ原作小説19巻3章「絶縁状にサインを」あらすじネタバレ
「心臓が動いているか確かめてくれ」スバルの叫びに、ラインハルトが答えます。
- レグルスに接近戦を挑む
- レグルスが空気に触れてラインハルトの逃げ道を囲む
- 下から突き上げ、ラインハルトを上空に飛ばしていく
- 「伝心の加護」でレグルスの心臓が動いていないことをスバルに伝える
ラインハルトの言葉を聞き、スバルはエミリアと分かれ、レグルスを挑発しながら注意を引きつけます。
そして、レグルスの権能を見破ったと言い放ちました。
- レグルスには「小さな王」以外にも「獅子の心臓」という意味がある
- レグルスの権能は「時間停止」
レグルスの表情は、怒りそのものに変わりました。
スバルは、「獅子の心臓」の発動条件についても考えを巡らせています。
- 「獅子の心臓」の発動条件が「妻」の人数か距離だと仮定
- 「小さな王」レグルスの王国から、50名程度の妻を脱出させる必要がある
- エミリアにその任務を頼んでいる
そして、レグルスを挑発し続け、この場に留まらせることに集中します。
エミリアが聖堂で妻達を説得する
聖堂に到着したエミリアは、何も変わらない光景にゾッとします。
百八十四番が、自分達の戦いについてエミリアに説明しました。
- レグルスに何もかもを奪われた
- 奪われていないのは命だけ
- なればこそ、命だけを奪わせないのが自分達の誇り
- 命がある限り、レグルスに屈したことにはならない
エミリアはその悲痛な覚悟に燃え上がるものを感じます。
そして、助けたい、代わりに助けて欲しいと、かつてのスバルと同じように妻達に言葉をかけました。
妻達のまとめ役である百八十四番が、一つだけ確認したいことがあると、「誰かレグルスのことを好きな人はいる?」と聞きます。全会一致で、大嫌い、という答えが出ました。
百八十四番は「シルフィ」と名乗り、エミリアに協力してレグルスと対峙する意思表示を行いました。
エミリア達が「小さな王」の正体を見破る
エミリアから「獅子の心臓」の発動条件が、「小さな王」を適用されている自分達にあると言われ、彼女達は必死で話し合いを続けます。
エミリアは、話し合いをシルフィ達に任せ、自分の方法で調査を続けます。
- 微精霊達に花嫁達のマナの流れを調べてもらう
- シルフィの心臓のマナの流れだけがおかしい
- シルフィの心臓の音を聞くと、心音が二つある
エミリアは、レグルスの獅子の心臓とは「花嫁達に自分の心臓を預ける」権能であることを見破りました。
エミリアが聖堂を氷の塔に変える
スバルは用意していた罠を使い切り、レグルスに次第に追い詰められていました。
- スバルが倒れそうになる
- レグルスが「小さな王」は妻に心臓を預ける権能だと説明する
- スバルはその唯一の打開方法が妻達の喪失だと考える
- 実行可能かはともかく、権能の正体をエミリアに伝えようとする
そして、エミリアのいる聖堂の方に目を向けると、そこに氷の塔がうち立ちました。
シルフィ、妻達の覚悟にエミリアが応える
シルフィは、レグルスの心臓が自分の中に預けられていることに驚愕し、倒れそうになります。
周りの妻達も、自分の知らない所で体に細工がされていると分かり、混乱していました。
冷静さを取り戻したシルフィが、決断を語ります。
- レグルスを倒せるのなら、自分の人生にも意味を持たせられる
- レグルスの妻への愛は平等だから、自分が心臓を止めても、他の妻達の心臓に移動するだろう
シルフィがそう話すと、妻達もシルフィと同じように覚悟を見せます。
その行動を、エミリアが氷で拘束して止め、そんな痛い方法ではなく、自分が皆の心臓の鼓動を止めると言います。
そして、強大な魔力が聖堂に集中し、氷の塔を出現させました。
リゼロ原作小説19巻4章「リリアナ・マスカレード」あらすじネタバレ
シリウスの金鎖によって吹き飛ばされたプリシラですが、陽剣を地面に突き刺すことで、吹き飛ぶ威力を落としてその場に留まります。
しかし、美しい翠色の宝石が3つ並んだ首飾りの、その一つが砕け散りました。
- シリウスが「大切なものに自分の傷を肩代わりさせる」とは傲慢だと話す
- プリシラが返礼は高くつくぞと返す
リリアナは、プリシラが自分のために時間稼ぎをしているということに気付き、制御塔の最上階に向かいました。
制御塔の炎はプリシラによって白炎に変えられており、肉体へのダメージはありませんが、魂に直接ダメージがあり、全身に激痛を感じながらリリアナは最上階に到着しました。
そして、広場を囲む千人の観客を「憤怒」の権能から救うため、歌い始めます。
リリアナ・マスカレードがプリステラの「歌姫」になる
リリアナは、生まれてから今までの旅路を思い出していました。
- 吟遊詩人の両親の元に育ち、十歳にして感受性が完成していた
- 十三歳で親の反対を押し切り、吟遊詩人として一本立ちする
- 苦難の日々を過ごし、餓えに発狂する寸前、自分が愛する英雄は自分を愛していないと当たり前のことに気付く
- 極限状態の中、世界が歌であると感じる。小川のせせらぎが、鳥や虫の声が歌に聞こえる
- リリアナは本物の吟遊詩人になった
リリアナの胸の中には、キリタカがこれまで投げかけてくれた自分への愛情の言葉が溢れていました。
そして、本物の吟遊詩人になったときと同じように、全てを歌に捧げるようにして奏でます。
リリアナの「伝心の加護」が覚醒し、広場を囲っていた千人の観客の心を、リリアナの歌が奪い取ります。
プリシラ・バーリエル vs シリウス・ロマネコンティ
リリアナの歌声がシリウスの憤怒の権能を打ち破り、プリシラはいよいよシリウスと本気で対峙します。
- シリウスがリリアナを狙い、制御塔に金鎖の一撃を入れる
- 制御塔は崩壊し始めるが、リリアナの歌声は止まらない
- リリアナの心意気を受け止め、プリシラがシリウスとの間合いを詰める
- シリウスの前に人質となっていたティーナが出現する
- プリシラがティーナごとシリウスに一撃を入れる
- プリシラの『陽剣』は、「焼きたいものを焼き、斬りたいものを斬る」ことができる
- ティーナは無事で、シリウスだけに斬撃が届く
- プリシラが横薙ぎの一撃を入れ、シリウスが吹っ飛んで水路の水面に沈む
- 太陽が沈みきり、プリシラの陽剣から光が失われる
プリシラが陽剣を空に収めると、千人の観衆が水路を超えて、広場に集まってきました。
キリタカの歌姫
リリアナは、制御塔の崩落から運よく水路に着地し、それでも限界を超えた体には力が入らず、プカプカと浮いて流されていました。
- このままだとティグラシー大河に合流し、外の世界に放流される
- けれども力が出ないので、浮いて、声をあげて救難信号を出している
- ただ体が限界で、そろそろ終わり
- 果たせなかった野望もあるけれど、概ね楽しい良い人生だった
リリアナが水の底に沈もうとした時、キリタカの声と、誰かが水に飛び込んでくる音が聞こえます。
そして、気がつくとリリアナはキリタカの腕の中にいました。キリタカは、目覚めてすぐにリリアナを追ってきていたのです。
リリアナは安堵を感じて、少し眠るから宜しくね、とキリタカに体を預けます。
心の中で「あなたの歌姫で良かった」と考えていました。
リゼロ原作小説19巻4章の考察、ネタバレ解説
首飾りに傷を肩代わりさせる
プリシラが陽属性であるのは王都の「玉座の間」で判明しています。
陰属性の特徴が断絶・隔離であるのなら、反対の陽属性は接続・同化が本質である可能性が高く、首飾りに傷を肩代わりさせるのは、プリシラの魔法であることが推測されます。
「原初の炎」が魂にダメージを与える理由
エミリアの墓所の試練で、エキドナは「世界と重なりすぎている」と発言をしています。
また、「魂の回廊」や「オド・ラグナ」の存在があることから、リゼロ世界にはいくつかの次元が存在していると考えることができます。
「原初の炎」が存在するのは、魂の次元である可能性が高く、だから肉体には影響がなく、魂には影響があるものと思われます。
「陽剣」が斬りたいものを斬れる理由
これも「原初の炎」で考察した「複数次元の存在」で説明ができます。
陽剣は別次元の剣であるため、「そこにあるようでそこにはない剣」と言えます。
そのため、プリシラの意思によって「原初の炎」が影響を及ぼす範囲を選択できれば、影響を及ぼす対象を選択することも可能となります。
リゼロ原作小説19巻5章「信じてる」あらすじネタバレ
聖堂は氷の塔と変貌し、その姿を見たレグルスがこれが人間がやることなのかと、スバルに激しい憎悪の感情をぶつけます。
- エミリアが氷の塔から出てくる
- 氷槍を超高速で回転させながら何本もレグルスにぶつけて吹き飛ばす
- 53人の妻達からの絶縁状だと告げる
エミリアはスバルに合流し、今レグルスの心臓は私の中にあると話しました。
スバルの「見えざる手」
エミリアの告白を聞いて、レグルスはあざ笑うように大きな声で笑います。
- スバルやエミリアには、身内の存在を奪う覚悟などできない
- スバルはペテルギウスを倒したと嘯いたが、あれは大罪司教の中でも劣等品
- 所詮ここまで、スバルはここで終わり
- エミリアには次の嫁が見つかるまで、繋ぎで生きていてもらう
スバルは、シリウスの言葉を受けて、ほんの僅かな可能性を見出します。
そして、エミリアはスバルに全幅の信頼を寄せて、全てを任せました。
スバルは、自分の中の「見えざる手」を呼び起こします。
スバルとジュース
スバルに呼び出された見えざる手は、まるで魔女因子そのものが意思を持っているように、激しい感謝をスバルに伝えます。
権限された見えざる手に、エミリアは言葉をこぼします。
- なんだ、そこにいたのね、ジュース
- 二人のことを、信じてる
エミリアの言葉を受けて、スバルが考えを実行しました。
- 見えざる手をエミリアの体の中に入れる
- 心臓だけを掴み、レグルスの心臓だけを掴む
- 「小さな王」だけを握りつぶす
スバルは見えざる手を利用した反動で、地面に膝をつきます。
エミリアは、自分の中からレグルスの心臓がなくなったと、無事な姿をスバルに見せました。
「獅子の心臓」の権能が明らかになる
無敵状態が解除されたレグルスは、激怒しているエミリアに圧倒されていきます。
しかし、エミリアの渾身の氷魔法でも、レグルスは苦しみながらも倒されず、一時的に無敵状態を復活させたような振る舞いを見せます。
この動きを見て、スバルは「獅子の心臓」の権能のカラクリを理解しました。
- 「獅子の心臓」は心臓がレグルスの中にあっても発動する
- ただし、発動すると心臓の時間も止まるため、長時間発動することはできない
- 短時間発動して無敵状態にすることはできるが、激痛が走る
- 「獅子の心臓」は「小さな王」とセットだからこそ無敵たり得た
そして、無限に上に向けて飛ばされていたはずのラインハルトが、「月から戻ってきた」発言をして地面に着地します。
そして、騎士としての作法をした後、レグルスを天高くに打ち上げました。
リゼロ原作小説19巻5章の考察、ネタバレ解説
エミリアの中にレグルスの心臓がある理由
「小さな王」の発動条件は不明ですが、すぐにエミリア以外の花嫁をレグルスが探しに行かなかったことからも、一定条件があるものと考えられます。
想定される一定条件は「結婚式を開くこと」である可能性が高く、これであればフォルトナがレグルスの嫁にならなかった理由も納得できます。
エミリアがジュースを思い起こした理由
エミリアはスバルの「インヴィジブル・プロヴィデンス」を見ることはできませんが、一方でスバルの中にジュースの存在を感じていると考えられます。
エミリアが魔女因子の存在を感じられるのは、恐らくエミリアの中のサテラの存在が影響しているのでしょう。
一方、ジュースはエミリアとの再会を与えてくれたことをスバルに感謝しています。
ラインハルトの「月から戻ってきた」発言
ラインハルトが「月から戻ってきた」発言をしましたが、多分これは本当です。
そもそもラインハルトはあまり冗談を言わないのと、スバルによってレグルスの「小さな王」が解除されたので、ラインハルトの無限突き上げも終わっています。
そこに月があったので蹴って返ってきたのでしょう。
リゼロ原作小説19巻6章「レグルス・コルニアス」あらすじネタバレ
ラインハルトによって空高く打ち上げられたレグルスは、衝撃の瞬間に「獅子の心臓」を発動し、打撃のダメージを無効化していました。
代わりに、重力や空気抵抗も無効化となり、上空に向けて高々と打ち上がっていきます。
そのレグルスの上に再びラインハルトが現れ、今度は地面に向けて叩き落とします。
- ハイスピードで地面に激突する瞬間、レグルスが「獅子の心臓」を発動
- 「獅子の心臓」の限界、5秒後に解除する
- 衝撃が身体を襲う
- レグルス自身の身体も地中深くにめり込む
- 「獅子の心臓」の発動と解除、無痛と激痛を繰り返しながら地表を目指す
- プリステラの水路の水が押し寄せ、レグルスを地中深くまで押し戻す
- 「獅子の心臓」の発動と解除を繰り返す
- そして、最後の時を迎える
レグルスは、最後の時を一人、地中深くで迎えました。
エミリアが聖堂で眠る53人の妻たちを起こす
エミリアは、氷の塔となった聖堂に向かい、そこで氷の中で仮死状態となって眠る53人の妻たちを起こしました。
エリオール大森林で自分も仮死状態で100年眠っていたことから、エミリアはこの手段を思いつき、そして見事に成功させて見せました。
スバルは、自分では思いつかなかったと、エミリアを大絶賛して褒め称えます。
53人の妻達は、一人も欠けることなくその場におり、喜びの涙を流しました。
強欲の魔女因子がスバルを選ぶ
力を使い果たしたスバルとエミリアを置いて、ラインハルトは別の戦いに助力に向かいます。
二人は、もう何もできないと、他の制御塔で戦う仲間たちの勝利を、寄り添いながら願いました。
レグルスから放たれた強欲の魔女因子は、スバルを選びます。
スバルは、ペテルギウスを倒した時と同じ感触を確かに感じ、それをエミリアには告げず、一人受け入れます。
都市庁舎防衛戦
都市庁舎での作戦会議を終え、4つの制御塔にそれぞれが出発し、大罪司教達と接敵した頃、「色欲」のカペラが都市庁舎を襲撃しに来ました。
- 三階のクルシュが眠る部屋に「色欲」カペラが現れる
- フェリスが対峙する
- クルシュのふりをして寝台に寝ていたアナスタシアが、カペラを罠に嵌めて地下まで落下させる
地下の区画の闇にはアルがいて、「色欲」カペラと対峙します。
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本ページの情報は2024年08月21日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。