「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説21巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第20巻では、水門都市プリストラでの戦いを終え、王選陣営も多大な傷を追いながらも、大罪司教を撃退することに成功しました。
「色欲」「暴食」の被害の解決方法、アナスタシアと襟ドナの分離方法を求め、スバル、エミリア、ベアトリス、アナスタシア、ユリウスがアウグリア砂丘にあるプレアデス監視塔へ、「賢者」シャウラに会いに向かいます。
20巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
リゼロ原作小説21巻プロローグ「旅の道中」ネタバレ、あらすじ
スバル達一行は、ロズワール邸に向けての最後の野営をしていました。
ユリウスが、自分はユークリウス家の嫡子ではなく、養子なのだと身の上話をします。
それぞれが就寝する準備を済ませる中、スバルは黒腫が渦巻く右足を摩りながら、ユリウスに「らしくねぇ」と呟きました。
襟ドナが、スバルにあまり抱え込みすぎるのも良くないよと助言します。
スバルはベアトリスにだけは、襟ドナとアナスタシアの入れ替わりを打ち明けており、ベアトリスと寄り添うように眠りにつきます。
リゼロ原作小説21巻1章「君を連れ出す理由」あらすじネタバレ
ロズワール邸に到着すると、ペトラとラムが元気に出迎えてくれます。
プリステラから事前に手紙を送っていたため、応接間で再会したロズワールも、すぐに事情を呑み込みんでくれ、スバル達のプレアデス監視塔行きを許可します。
スバル達は、ベアトリスを置いて東棟の座敷牢に向かいました。
応接間で二人きりとなったベアトリスとロズワールは怪しげな会話をします。
- ロズワール:スバルの中に「二つ目」が入った
- ベアトリス:候補は他にもいるはず
- ロズワール:スバル以外の候補など存在も見えない。誤魔化すべきでない
- ベアトリス:これ以上はさせない、スバルはスバルのままでいさせる
地下の座敷牢で匿われているメイリィに会いに行く
スバル達は、東棟の地下にある座敷牢に、メイリィ・ポートルートに会いに行きます。
座敷牢近くでは異様な空気が溢れ、アナスタシアやユリウスは警戒心を強めますが、扉を開くと想定外の空間が広がっていました。
- 明るい雰囲気の壁紙
- 柔らかな絨毯
- スバルお手製の縫いぐるみ
- 本や遊び道具
部屋の中ではメイリィが一人で全力おままごとをしており、その姿を見られて恥ずかしさで悶えます。
アナスタシア、ユリウスは、襲撃者であるメイリィの扱いに困惑しますが、エミリアは「罰したい理由でここに居て貰っている訳ではない」と説明します。
- メイリィは「魔操の加護」持ちで、魔獣の角の役割を担うことができ、魔獣を従えることができる
- 1年前「魔獣使い」としてエルザと共に出現したが、捕虜とされる
- メイリィの襲撃は「ママ」による命令で、命令に失敗したため、外に出て見つかればひどい結末が待っている
- そのため、エミリア達はメイリィをロズワール邸に匿うことにする
スバルは、幼いメイリィに命令をして悪いことをさせたのなら、罪は命令した奴にあると言い、メイリィを庇うことを決めています。
ユリウスとアナスタシアは、その判断を心配しますが、エミリアはそれを支持しており、メイリィはスバルとエミリアの話を聞いて、縫いぐるみで自分の顔を隠しています。
メイリィがアウグリア砂丘に同行する
スバル達が考えているアウグリア砂丘の主な問題は次の3つです。
- 迷いの砂漠
- 魔獣の巣窟
- 世界一濃い瘴気
この魔獣の巣窟を突破するため、メイリィにアドバイスを聞きます。
- 魔獣を補充しに向かったことがある
- 仮に力付くで突破しようとした場合、1週間飲まず食わず、寝ずの戦いが必要
- 多分、全員敗北
そこで、メイリィは自分もアウグリア砂丘に同行することを提案しました。
ママは怖いけれど、いつかは外に出なくてはいけないという覚悟をメィリィは口にし、スバル達はメイリィの覚悟を受け入れて同行をお願いしました。
座敷牢を出たメイリィには、ロズワール邸の一室が与えられ、帰ってくる場所も用意されます。
ペトラはお留守番
ペトラは、スバルとプリステラから戻ったらゆっくりするという約束をしており、約束を破ってまた危険な場所に行こうとしているスバルにプンスカ怒っています。
スバルは、自分が行かなければいけない理由を説明します。
- 自分より強く、賢く、清廉な人もいる
- けど、レムを目覚めさせるのなら、自分の力で目覚めさせたい
- 目覚めたレムに、「流石です」と言わせたい
スバルの力強い声に、ペトラもそれを許すしかなく、帰りの最初の挨拶を自分がするという妥協案で手を打ちます。
ラムはプレアデス監視塔に同行
スバルはレムの寝室で、離れていた日々の出来事を話していました。
そこにラムが現れ、自分もレムのお世話係としてプレアデス監視塔に同行すると話します。
また、ラムの様子から、記憶はなくともレムのことをとても大切に想っていることが分かります。
出発の朝とロズワールの頼み
出発の朝、ロズワールはエミリア、スバル、ユリウスを呼んでラムの体調について話します。
- ラムはゲートを損傷しており、常に倦怠と苦痛がある状態
- 毎晩オドを調整することで和らげていたが、自分は同行できないので対処できない
- 多属性の精霊を操ることのできるユリウスに、道中それをお願いしたい
ユリウスは、ロズワールの願い出を受けたい気持ちを出しながらも、「暴食」の権能の影響で、準精霊との契約を失ってしまっており、精霊魔法を行使することができないと話します。
ロズワールが残念そうにすると、エミリアが、自分がラムの治療を担当すると申し出ました。
ロズワールもエミリアにお願いし、ベアトリスやラムにアドバイスをしてもらいながら、エミリアが治療を担当することになります。
準備が終わり、車椅子の上のレムをラムが連れてきました。
フレデリカ、ペトラ、ロズワールが見送り、アウグリア砂丘までの2ヶ月の旅程が始まりました。
リゼロ原作小説21巻プロローグ、1章の考察、ネタバレ解説
ロズワールとベアトリスは魔女因子と賢人の関係を知っている
「2つ目」が意味するのは魔女因子「怠惰」と「強欲」だと考えられます。
また、「候補」が意味するのは「賢人」であるため、全ての魔女因子を揃えるとスバルは「賢人」となり、賢人になるとスバルはスバルでいられなくなると推測することができます。
ベアトリスはスバルが「賢人」になるのを阻止しようとしているのは明確ですが、ロズワールは「怠惰」をスバルに撃退させたことから、スバルを「賢人」にするのが望みである可能性もありそうです。
ラムのレムに対する心境の変化
聖域編では、一度はレムを置いて逃走することを提案していたラムですが、スバル達が水門都市プリステラから戻ってきた段階では、レムへの愛情が復活し始めており、ロズワールに直談判してプレアデス監視塔同行の許可を得ていました。
リゼロ原作小説21巻2章「砂時間を超えろ!」あらすじネタバレ
アウグリア砂丘までの旅程は、スバルが竜車の御者を務め、ユリウスがその隣に座って周囲を警戒する体制をとっていました。
二人は、ラインハルトについて話をします。
- ラインハルトは5歳の頃に「剣聖の加護」を継承している
- ユリウスが出会ったのは10歳の頃で、その時にはラインハルトは既に完成していて今の状態
- その出会いは、ユリウスに多大な影響を及ぼした
- 「憤怒」の連行もラインハルトなら心配ない
ロズワール邸を出発してからおよそ20日程度、スバル達はアウグリア砂丘の最寄りの宿場町「ミルーラ」に到着しました。
酒場の店主がアドバイスを送る
ミルーラには、アウグリア砂丘からの砂嵐が訪れる「砂時間」があり、スバルとエミリアはその「砂時間」の程度を確かめるため外出し、街の酒場に来ていました。
酒場の店主は、プレアデス監視塔に向かうと話す二人に、厳しい口調でアドバイスをします。
- プレアデス監視塔が建ってから400年
- 数々の挑戦者がアウグリア砂丘に挑んだが、誰も到達することができていない
- 「剣聖」でさえ失敗し、命を拾って返ってこれるだけマシ
- 砂嵐には「瘴気」が含まれ、吸い続けるといずれ倒れる
そういって、スバルとエミリアがアウグリア砂丘に向かうのを止めようとします。
しかし、エミリアが行かなければならない理由があると話し、感謝と共に多めにお金を渡すと「迷ったら鳥を追え。鳥は監視塔に向かって飛んでいた」と言いました。
アウグリア砂丘に向かう新たな地竜
翌早朝、一同はアウグリア砂丘の入り口に集合します。
竜車には砂丘の固有種、砂地に強い「ガイラス種」の地竜ヨーゼフが繋がれており、御者台にはユリウスとメイリィが乗ります。
スバルとベアトリスはパトラッシュに騎乗しました。
- プリステラで厩舎に置いて行かれたパトラッシュは、スバルが謝りに来るまで拗ねていた
- オットーが翻訳したところ、「スバルの危機に側にいれなかった自分が恥ずかしい」と考えていた
ラムはいつもの調子ではありませんが、レムのことを想い、絶対についていくという意思を見せます。
いよいよ、アウグリア砂丘の攻略が始まります。
アウグリア砂丘の脅威に対処する
スバル達は、アウグリア砂丘の脅威は主に次の3つだと考えています。
- 迷宮の砂漠
- 魔獣の巣窟
- 瘴気の脅威
瘴気を含む砂嵐が吹き荒れる「砂時間」は、朝・昼・深夜の三回あり、深夜が最も長く数時間にも及ぶ為、行軍は早朝から日没までの間に行うことにします。
夕日が沈んだ後は、エミリアが氷壁で砂嵐から逃れる空間を確保して対処します。
「魔獣」の脅威については、御者台に座るメイリィが対処しており、スバルが怪しむと、体長20mにも及ぶ巨大な「砂蚯蚓(すなみみず)」を地表に出し、驚かせました。
襟ドナが見つけた迷宮の突破方法
初日の夜、襟ドナがユリウスとスバルを呼んで、アウグリア砂丘の迷宮突破のヒントを共有します。
- 半日進んで見たが、迷宮は一向に近づかない
- 迷宮は異常な瘴気による天然の要塞だと考えられる
- プレアデス監視塔は、「嫉妬の魔女の祠」を監視するためのもので、この要塞があるからこそ、ここに建てられたと考えられる
- 「砂嵐」はプレアデス監視塔までの空間の捻れと戻りが引き起こしており、この先に本物の道に繋がる綻びがある
- ラムの「千里眼」で砂嵐の中の魔獣の視界を借りて探していけば、いずれ綻びを見つけられる
こうして明日以降の作戦が決まり、ラムも自分の能力を酷使することに同意します。
鳥が本物の道に導く
それから数日間、メイリィが魔獣の位置を教え、ラムが千里眼で綻びを探していきますが、綻びは見つからず、摩耗だけが続いています。
ふと、スバルが空を見上げると、砂時間が終わった晴天が晴れ渡り、そこに鳥が飛んでいました。
スバルとエミリアは、鳥がプレアデス監視塔にまっすぐ向かっていることを見て、酒場の店主の話を思い出し、ラムに千里眼を鳥に向けることをお願いします。
そして、鳥を追って走り出すと、スバル達は突然砂嵐を抜け、プレアデス監視塔の目の前までに近づいていました。
砂時間の次の脅威
砂時間を抜けたことに一同は喜びを表しますが、目の前には不自然な花畑が広がっており、メイリィがこれは「花魁熊」という魔獣だと言います。
体長数mにも及ぶ巨大な魔獣の群れに終われ、スバル達は迎撃しながらプレアデス監視塔の入り口に向かいます。
- エミリアの氷魔法
- ユリウスの剣技
- スバル・ベアトリスの陰魔法
- メイリィの「魔操の加護」による6対の砂蚯蚓の出現
入り口まで後一歩まで迫ったところ、スバルが監視塔から光が発せられたことに違和感を感じます。
次の瞬間、スバルは権能を発動しました。
リゼロ原作小説21巻2章の考察、ネタバレ解説
プレアデス監視塔の建造も400年前と判明
プレアデス監視塔も400年前にできたことが判明し、「嫉妬の魔女」の災厄に合わせて次々に大きな出来事が起きていることが判明しました。
プレアデス監視塔の目的は、「賢者シャウラが嫉妬の魔女の祠を監視するために作った」と伝えられていることから、三英傑による嫉妬の魔女の封印が行われてから、建造されたものなのかもしれません。
ここからはネタバレ解説です。
封印してから建造したと考えるのが順番としては確かですが、実際には順番は逆です。
鳥が真っ直ぐ監視塔へ行けるのは瘴気が空に届いていないから
アウグリア砂丘の瘴気の迷路は、地下から発生し、地面まで表出しているものである可能性が高いです。
そのため、迷路の影響は空までは届いておらず、鳥や竜であれば、迷わずプレアデス監視塔へと向かうことができると考えられます。
リゼロ原作小説21巻3章「監視塔の洗礼」あらすじネタバレ
権能を発動したスバルは、メイリィが花魁熊の注意を引きつけている場面に戻ります。
しかし、先程と同じ状況が繰り返され、メイリィが砂蚯蚓を地表に出した時点で、急旋回をしました。
- 竜車を操作しているラムもスバルを追って急旋回
- 監視塔が光り、砂蚯蚓が倒れる
- 砂蚯蚓の20mの体長が倒れ、衝撃でスバルとベアトリスは分断される
- 監視塔の中腹が光ると同時に、パトラッシュがスバルを庇うが二人とも深手を負う
- 駆け寄ってきてスバルを抱きしめたベアトリスも光に敗北
スバルは薄れゆく意識の中、花魁熊に周囲を囲まれ、最後にまた光を見たような気がして、権能を発動しました。
インビジブル・プロヴィデンスで危機を回避する
死に戻りをしたスバルは、インビジブル・プロヴィデンスを使い、興奮しているヨーゼスの首筋を撫でて落ち着かせます。
アウグリア砂丘の入り口で、ガイラス種の地竜の落ち着かせ方を学んでいたことが活きました。
- スバルが「見えざる手」を発動した時の反動が和らいでいる
- プリステラでは半身を持っていかれるような痛みが発生
- 今は呼吸が荒くなる程度
- スバルは馴染んできたのかと不安になる
周囲の花魁熊に追いかけられる事態を回避し、スバルは花畑のない空間を見つけ、ハンドサインでそこへの移動をユリウスに知らせます。
花畑を抜ける方法を話し合う
スバル達は、「砂時計」のすぐ先に「花畑」を用意していた賢者の性格の悪さに文句を言いながら、対策方法を話し合います。
- メイリィが一度に操縦できる魔獣の数は「百」が限界
- 花畑には一万程度の魔獣がいるので、全てを操るのは無理
- 監視塔に行くまでの道沿いにいる魔獣だけなら可能
しかし、ここで襟ドナが疑念を抱き、ベアトリスに「花畑」も「砂時間」と同じように別の出口があるのでは、と話しました。
- 「砂時間」の時空の綻びは、ベアトリスの「扉渡り」と構造が似ている
- 恐らく、花畑にも別の出口がある
スバルも、花畑を突っ切らずに出れるなら、それが一番だと考えます。
監視塔からの光の正体が判明
スバルは、懸念事項である監視塔の中腹からの光を全員に共有します。
スバルが警戒していることで、全員の中で危険な物だという認識ができました。
そこに、ラムが「スバルの胸の赤い光は何?」と問いかけます。
- スバルが「レーザーポインター」と感じる
- エミリアが即座に氷の盾を形成する
- 監視塔が光、光が氷の盾を貫通する
- 貫通した光をユリウスが騎士剣で斬る
スバルの目には、その光が「細長い白い針」に見えます。
二度目の攻撃もエミリアとユリウスによって防ぎ、その間にスバルとベアトリスがオリジナルの絶対無効化魔法「E・M・T」を展開します。
二人を中心に展開される空間は、魔法の効果が無効化されるため、「光」も勢いを無くし、難なく回避できるようになりました。
時空の綻びに吸い込まれるスバル達
ラムは「千里眼」を駆使して、監視塔の人物の視界をジャックします。
- 「賢者」の目はスバルを捉えている
- ラムの目が限界を迎える
ベアトリスが、「マズッタ」と呟くと、E・M・Tの効果が空間の結界に触れたことで、時空の綻びが生まれ、その中に全員が吸い込まれていってしまいます。
監視塔にいた人物は、「見つけた」と呟き、逸る気持ちを抑えるかのように、監視塔の螺旋階段を下りていきました。
リゼロ原作小説21巻3章の考察、ネタバレ解説
怠惰の権能がスバルに定着してきた理由
聖域で権能を発動してから、プリステラで発動するまでの期間は1年間と非常に長いです。
一方で、プリステラからアウグリア砂丘での発動までは1ヶ月程度と短期間です。
短期間であるにも関わらず、スバルの「怠惰の権能」の定着はプリステラ以降で急激に進んでおり、このきっかけは「怠惰の魔女因子とエミリアとの再会」である可能性が高いです。
ペテルギウスがエミリアとの再会で感動し、スバルの中で「覚醒」したため、そこから一気にスバルのオドへの定着が進んだものと考えられます。
リゼロ原作小説21巻4章「砂上の信頼」あらすじネタバレ
空間の歪みに完全に落ちる寸前、スバルはラムを強く抱きしめていました。
- ラムに起こされ、スバルの前に真っ暗な闇と灯りがもたらされる
- 周囲を探索していた襟ドナとパトラッシュが戻ってくる
- 他の仲間達とは分断された
ラムは、空気の冷たさからここが地下であり、瘴気の濃さからアウグリア砂丘のどこかであると判断します。
そして、防衛手段のないレム、エミリア達とすぐにでも合流するべく、一同は出口を求めて探索に出ます。
砂の地下通路の先に謎の扉を発見
ラムが微かに風を感じ、その風が外から来ていることを信じて歩いていきます。
しかし、途中で道が二方向に分かれ、左か右かの選択を迫られます。
スバルは現代知識を呼び起こし、「孔明」が右方向が良いと言っていた、と言って右の道を選び進んで行きます。
そこに、突然鉄の塊が現れました。
- 襟ドナとラムは、「鉄の塊」と認識する
- スバルはそれを自然に「鉄の扉」と認識する
- スバルが鉄の扉に触れると、淡く光り、その場から消える
目の前の事象に驚きつつも、進むか戻るかの決断を求められ、スバル達は進む決断をします。
パトラッシュだけがその場から動こうとしませんでしたが、スバルに説得されてしまいました。
最悪の仲間割れ
瘴気の影響は大きく、心は沈み、体は重くなっていきます。
特に、体調の悪いラムにはその影響が最も大きく、次第に口数も少なくなっていきました。
- 二枚目の扉を超えた後、スバルが気分を盛り上げようと軽口を叩く
- ラムが冷たい声で「黙って歩け」と突き放す
- スバルもイライラしていく
そして、四枚目の扉が開かなかったとき、最悪の仲間割れが起きてしまいます。
スバルは権能を発動しました。
権能を発動したスバルが地下空洞で目覚める
スバルは、空間の歪みに落ちていった後の、地下空洞で目を覚まします。
瘴気による影響で起きたあり得ない仲間割れに、スバルは嘔吐と胃痙攣を起こしますが、ラムがそれを治めてくれます。
襟ドナとパトラッシュが戻ってきて、スバルは一瞬身構えますが、すぐに俺は馬鹿だと思い直し、この難局を乗り越える決意をしました。
リゼロ原作小説21巻4章の考察、ネタバレ解説
スバルが「鉄の扉」を解くことができた理由
エミリアの「封印の鍵」と同じように、スバルにも「資格」が授けられている可能性が高いです。
ここからはネタバレ解説です。
プレアデス監視塔に到着した後、スバルはもう一度この地下を訪れる機会があります。その時のスバルは「この扉は自分のためにあり、その先にあるものに会うのが自分の宿命」と感じています。
このことから、「封印の扉」がエミリアにしか開けられないように、「鉄の扉」はスバルにしか開けないことが分かります。
そして、シャウラの「三つ」「まだ準備ができていない」という発言から、鉄の扉を開くための資格は「魔女因子」である可能性が高いと思われます。
現状、スバルの中には「怠惰」「強欲」「傲慢/嫉妬」があるため三枚目まで扉が開くと考えれば、全て筋が通ります。
スバル陣営で突然仲間割れが起きた理由
白鯨の「拡散型の霧」がオドに干渉して討伐隊を発狂させたように、濃い瘴気はオドに悪い影響を及ぼすものと思われます。
「鉄の扉」を開く度に瘴気を発している存在に近づくため、瘴気はどんどん濃くなり、ラムや襟ドナ、パトラッシュを狂わせてしまったのでしょう。
鉄の扉の先にいる存在が嫉妬の魔女なのであれば、これは「私に会いにくるときは一人で来てね」というメッセージになります。
リゼロ原作小説21巻5章「監視塔の番人」あらすじネタバレ
スバルは、ラムと襟ドナを紳士に気遣いながら、今度は二又の道を左に進みます。
瘴気による不和は起こりませんでしたが、今度は道の先から焼けこげる匂いがして、スバルが一人で状況を確認しにいきます。
- スバルが進んでいくと、地面が崩壊して砂山を滑落していく
- たどり着いた空間は広々としており、ドーム状の形状をしている
- 天井までは数十メートルあり、恐らくアウグリア砂丘と繋がっている
- 天然の落とし穴として、挑戦者と魔獣を落とす
- その証拠に「花魁熊」がいる
花魁熊は、スバルを見つけると襲いかかりますが、別の魔獣の奇襲に遭い、燃え上がります。
その異様な姿をした魔獣が、スバル達が道で嗅いだ「焼け焦げた匂い」の原因でした。
スバル vs 魔獣ケンタウロス
スバルは、異形の姿の魔獣を、自分の知識になぞらえて「ケンタウロス」と名付けました。
- ケンタウロスには「視覚」と「嗅覚」がなく、「聴覚」で敵の居場所を検知している
- 水筒や小銭を投げると、その音がなる方向に向かっていく
- しかし、ケンタウロスは自らの叫び声の反響でも敵の居場所を探すことができた
- ケンタウロスに見つかり、スバルは窮地に陥り、助けに入ったパトラッシュ、ラムも重傷を負う
- スバルが「インビジブル・プロヴィデンス」を呼び出すが、頭に激痛が走る
- 自分の内側の深奥に力を求めるが、この時は何も出てこない
ケンタウロスが致命的な一撃を放つ瞬間、突然無数の白光が降り注ぎ、ケンタウロスを跡形もなく消し去りました。
スバルが意識を失う寸前、目の前に女性の姿が現れ「見つけた」と笑みを浮かべていました。
プレアデス監視塔の中で目覚めるスバル
スバルは、慣れ親しんだ竜車の寝台の上で目覚め、隣ではエミリアが手を握ってくれたまま寝ていました。
入り口から声がして振り返ると、ベアトリスが目覚めたスバルに喜びを表し、他の仲間達も全員無事だと教えてくれます。
竜車の外に異様な存在を感じ、スバルはエミリアとベアトリスを守るため外に出ます。
- 竜車を中心とした半径数百メートルの広い空間
- 壁は石造となっており、円柱型の高い塔だと確認できる
スバルは、ここがプレアデス監視塔の中かと確認すると、ベアトリスがそれを肯定します。
司会の淵に、意識を失う寸前に現れた女性が姿を見せ、スバルに近づいてきました。
- スバルを舐めるように眺め「三つ」と呟く
- 「お師様」とスバルを呼び、長い間待っていたこと、スバルが変わっていないことを伝える
- 喜びを表現するためにスバルに抱きついて離れない
スバルは困惑し続けますが、ベアトリスがそれに巻き込まれ、エミリアは嫉妬してスバルをキックしました。
リゼロ原作小説21巻5章の考察、ネタバレ解説
シャウラが「三つ」と呟いた理由
ロズワールとベアトリスは「二つ」と発言しましたが、シャウラは「三つ」と発言しました。
ロズワールとベアトリスに関しては、状況の推測から数を予測しました。
一方、シャウラは実際にスバルを感じて数を発言したため、シャウラの「三つ」の方が正確と思われます。これは入っている魔女因子であると思われ、「傲慢/嫉妬」「怠惰」「強欲」と考えられます。
また、シャウラはこの後「旅の途中で会いにきてくれただけでも嬉しい」と発言していることから、フリューゲルの目的は、「全ての魔女因子を自分の中に取り込み賢人になること」だったと考察できます。
シャウラがスバルに懐く理由
シャウラの話す「お師様」は賢者フリューゲルのことですが、スバルがお師様であると信じて疑いません。
シャウラは視覚に頼っておらず、匂いなどで相手の存在を感知している為、このことも、スバルがフリューゲルの魂を複製して転写された存在であることの強い根拠になります。
リゼロ原作小説21巻幕間「ゴージャス・タイガー・リローデッド」あらすじネタバレ
プリステラの街の人々は復興作業に勤しんでおり、ガーフィールはそれを手伝っていました。
ガーフィールの胸の中には二つの悩みがありました。
- 自分の強さへの納得
- プリステラの街でするべきこと
一人で悩み込んでしまう性質のガーフィールですが、ミミが側で楽しそうに話しかけてくるため、悩みこむこともできません。
ミミがガーフィールを庇った想い
ミミは、「三分の加護」を使って命を賭けて自分を助けてくれた二人に、後で怒るのだとガーフィールに言います。
- 助けてくれたことには凄く感謝している
- でみ、ミミにとってへータローとティビーはとても大切な存在
- とても大切にしなくてはいけない命
- だから姉として二人を怒る
ガーフィールは、そんな大切に想い合う弟が二人もいて、どうして会って数日の自分の命を庇ったのかと聞きました。
- ミミはガーフィールに一目惚れ
- 夫婦になるとしたら、何十年、何百年と一緒にいる
- その関係の前借り
まだ納得しないガーフィールに対して、ミミは、命を懸けるということは、一緒に生きたいということだと話します。
その言葉は、ガーフィールの胸にストンと落ちるものでした。
ヴィルヘルムが伝える誠実な現実
ミミと一緒に昼食を取りに向かった食事処にはヴィルヘルムがいて、ガーフィールの話を聞いてくれます。
ガーフィールは、「八ツ腕のクルガン」を倒したと褒めてくれる周囲の評価と、自分の納得度に乖離があると相談をしました。
- テレシアとクルガンは、最後の瞬間は間違いなく本人に戻った
- しかし、戦闘中は操られていた存在であり、本来の実力ではない
- もし仮に、あの二人が全盛期の力を持っていたとしたら、自分達は生きていない
ハッキリと告げられたガーフィールは、反論しようとしますが、ヴィルヘルムが「驕るな、若造」と言い放ち、激しい剣気に呑まれます。
- ガーフィールには成長していく器がある
- しかし、現時点では目指す頂に指はかかっていない
- その道はそんなに容易なものではない
ヴィルヘルムはそう話して、ガーフィールに正しく現実を伝えました。
家族に会いにいくミミとガーフィール
悩みが深まった様子のガーフィールを見て、ミミは、今一番ガーフにとって大事なことは、家族に会いに行くことだと言います。
リーシアの家を訪れると、弟フレドと、妹が出迎えてくれ、母も歓迎してくれました。
黒竜となったギャレクには、リーシアも既に会っており、二人で相談してエミリアに冷凍保存してもらっていました。
リーシアは、「なぜ、ガーフィールはこんなに気にかけてくれるのか?」と突然切り出します。
- ガーフィールは、突然の質問に最初は誤魔化そうとする
- 次第に、「母さん」と言葉を紡ぎ始める
- ミミが、「ガーフィール」と名前を教えて弟妹を外に連れ出す
- リーシアが「ガーフィール、おいで」といって抱きしめる
- ガーフィールがこれまでの思いの丈をぶつけながら号泣する
ガーフィールは、生まれて初めて、母の愛を実感しながら包まれました。
リアラの決断
ガーフィールの外まで聞こえる号泣が終わり、ミミが弟妹を連れて戻ってきます。
ガーフィールは、弟妹に自分が兄であると打ち明けるか戸惑います。
- リーシアが「一人で悩むのはやめたんじゃないの、ガーフィール」と声をかける
- ガーフィールがリーシアに「母さん」と返す
- 弟妹がビックリして、ゴージャス・タイガーが自分たちの母を奪いにきたと勘違いする
混乱する弟妹を、リーシアが優しく抱きしめます。
そして、「ガーフィールはお母さんと離れ離れで、自分が凄く似ていたの。だから寂しくて泣いてしまったの」と説明しました。
ガーフィールもミミも肩透かしをくらいます。
母の愛の証明
リーシア達の家を去る時、妹の名前が「ラフィール」だとわかります。
リーシアは、この名前がどうしてか良いと思って、と自分が名付けたことを話しました。
- ガーフィールとラフィール
- フレデリカとフレド
記憶を失ってなお証明された母の愛を感じ、ガーフィールは、今はこれで十分だと笑顔になります。いつか、リューズとフレデリカも連れて、また訪れようと考えました。
見送るリーシアの目には涙が流れており、心配するフレドに答えました。
- 離れていくのは寂しいけど、嬉しいことかもしれない
- 泣いているのは、忘れ物が見つかったから
そして、誰にも気付かれないように、「ごめんね。でも、ありがとう。愛しているわ、ガーフ」と呟きました。
ガーフィールが前進する
ガーフィールとミミは、オットーのいる治療院に訪れます。
ガーフィールの表情の変化を見て、オットーは良いことでもありました?と聞きます。
ミミがガーフィールの代わりに、嬉しいことがあって、ガーフがいい顔になった!と喜んでガーフィールにひっつきます。
ガーフィールも笑って、ミミとオットーに向けて笑顔を見せて、ありがとうと言いました。
リゼロ原作小説21巻幕間の考察、ネタバレ解説
リアラは記憶を取り戻した?
リアラは「忘れ物が見つかった」と発言しているので、気付いたのではなく、記憶を取り戻している可能性が高いです。
また、最後の独り言だけ、昔のように「ガーフ」と呼んでいます。
誰にも聞かれることのない独り言の時だけ、ガーフが子供の時と同じ呼び方で呼んでいることからも、リーシアの中では完全に「ガーフ=自分の息子」が紐づいており、記憶が戻った説の根拠となります。
ガーフィールは、これからも前に進んで活躍しなければならないので、足止めしないために見送ったのだと思われます。
続きの22巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
本ページの情報は2021年03月05日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。