「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説23巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第22巻では、大図書館プレイアデスの試験に挑んだスバル達。
三階層「タイゲタ」の試験では、スバルの星座の知識を用いて突破することができましたが、二階層「エレクトラ」では剣聖レイドが立ち塞がり、エミリア以外のメンバーが立ち往生してしまいます。
レイド攻略の大きな手掛かりを見つけたスバルでしたが、朝目覚めたスバルはそれまでの記憶を無くしており、異世界転生してきたばかりの状態に戻ってしまいます。
22巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
リゼロ原作小説23巻1章「コンビニを出ると、そこは不思議の世界でした」あらすじネタバレ
記憶喪失の状態で目覚めたスバルに、エミリア、ベアトリスが衝撃と悲しさを覚えます。
そして、一度全員が集まった場所で、他の仲間達にもスバルの記憶喪失を共有しました。
- シャウラ:馴れ馴れしく自己紹介
- メイリィ:楽しげに自己紹介
- ユリウス:唯一自分を覚えてくれていたスバルが記憶をなくし、激しく動揺
- 襟ドナ:ユリウスに時間を与えるために先に朝食にすることを提案
- ラム:朝食の準備で二人になった時、スバルに惚けている理由を問い詰める
ラムは本気でスバルに問い詰めますが、スバルが本当に記憶を失っていることが分かり、唯一ラムの妹レムのことを覚えていたスバルを失い、悲嘆にくれました。
スバルが記憶を失った原因を探りに行く
スバルとラムが皆の場所に戻ると、情報共有の続きがされます。
- ユリウスの自己紹介
- アナスタシアが今はエキドナになっている
- スバルは三階層「タイゲタ」の書庫で倒れており、エミリアとベアトリスが発見
- そこから「緑部屋」に運び込まれた
スバルの記憶喪失が塔の作用であるなら、原因を究明しないと他のメンバーにも同様の事象が起こる可能性があると考え、食事の後、全員で「死者の書」が囲う書庫に向かうことになります。
記憶喪失の原因を探る
全員で三階層のタイゲタに向かい、スバルの記憶喪失の原因を探します。
- スバルは文字が読めなくなっており、じっとしていることと強く言われる
- シャウラも文字が読めないのでスバルの隣に陣取る
- メイリィは自分は仲間ではないと言い、スバルの隣に陣取る
- 二人に、記憶を無くしてもスバルはスバルのままだと言われる
- 記憶をなくした焦燥感が少し薄れる
結局、スバルの記憶を奪った原因を見つけることはできず、捜査は打ち切られることになります。
螺旋階段を落下して権能を発動
スバル以外の仲間達は、食事会場でもある拠点に戻り、今後の方針の話し合いをします。
- スバルの記憶の復活を優先するのか
- プレアデス監視塔の攻略を優先するのか
スバルは、自分にチート能力が付与されていないか、様々な方法で探しますが見つかりません。
そして、話し合いも終わった頃だろうと道を戻ると、五階層と四階層を繋ぐ螺旋階段の場所に到着しました。
気が付くとスバルの体は逆さまになり、螺旋階段から落下して、権能を発動します。
記憶をなくしたスバルが権能を体験する
スバルは、今朝の緑部屋に戻ります。
目の前にはエミリアとベアトリスが心配そうに覗き込んでおり、今朝と同じような話をします。
スバルは、その不思議な光景を見て、「これは夢?」と感じました。
リゼロ原作小説23巻1章の考察、ネタバレ解説
スバルは「タイゲタの書庫」で何をしていた?
「タイゲタの書庫」に向かう直前にラムと会話しており、スバルはレイド攻略に「状況を大きく進める一手」を見つけたと考えていました。
レイド攻略に有利な情報は、「レイドがいかに倒されたか」という弱点に関わる情報です。
「タイゲタの書庫」に向かっていることからも、スバルは「レイドの死者の書」を読んで弱点を見つけようとした可能性が高いと思われます。
メイリィが自分を「仲間ではない」と言及した理由
メイリィは元々エミリア陣営とロズワール邸で激突した存在で、匿ってもらっているお礼に、アウグリア砂丘を乗り越える手伝いをしていました。
今後のことも考えるとエミリアに強力な姿勢を見せた方が良いですが、あえてそうしないのは、「エルザ」のことで腹に一物があるからなのかもしれません。
リゼロ原作小説23巻2章「オマエハダレダ」あらすじネタバレ
緑部屋で目覚めたスバルの前で、エミリアとベアトリスの今朝と同じやりとりが始まります。
スバルは、異世界転生してきたことで得た能力を「予知夢」だと判断しました。
そして、この能力を自分に親愛の眼差しを向けてくれる人々に共有していないことを不思議に思い、記憶を失う前の「ナツキ・スバル」に不信感を感じていました。
繰り返される落下と知ることになる事実
スバルは、予知夢で見た夢と同じ時間を過ごしていきますが、行動の変化から、若干異なる情報や事実を見知りします。
- 三階層のタイゲタで、メイリィが「昨日のお兄さんは本当に迂闊だったわぁ」と言葉をかける
- スバル抜きの話し合いで、エミリア、ベアトリス以外がスバルを仲間として頼れないと判断していた
スバルは、信頼を得ることができていたと考えていましたが、それを失い、走ってドアの前から去っていきます。
気付くと螺旋階段の前に立っており、後ろから誰かに押されて、落下を始めます。
「記憶が、人を形作るんだよ」そう声が聞こえて、スバルはまた権能を発動しました。
スバルが混乱の結果抜け殻になる
スバルは絶叫と共に緑部屋で目覚めます。
エミリアがスバルの背中をさすって、混乱するスバルを落ち着かせようとしますが、直前の感触を思い出し、スバルは発狂してしまいました。
- エミリア、ベアトリスを突き飛ばして逃走
- 監視塔プレアデスを無我夢中で駆け上がる
- 剣聖レイドのいる二階層「エレクトラ」に侵入
- レイドに箸で撃退される
- 廊下を降りて戻ろうとする瞬間、嫉妬の魔女が現れ、時間を止める
- 嫉妬の魔女に心臓を握られながら「愛してる」と囁かれる
- 時間が動き出し、激痛と混乱にうずくまる
スバルは抜け殻となり、仲間達がスバルを見つけるまでその場にうずくまっていました。
リゼロ原作小説23巻2章の考察、ネタバレ解説
メィリィの「昨日のお兄さん」はどの時点でのスバルを指している?
メィリィはスバルに「昨日のお兄さんは迂闊だった」と表現していますが、タイゲタ、エレクトラの試練でスバルは「迂闊」な行動をしていません。
つまり「夜中のタイゲタの書庫」で、スバルとメイリィが遭遇した可能性が出てきます。
場所が「タイゲタの書庫」であることからも、メィリィの目的は「死者の書」以外には考えにくく、相手は「両親」か「エルザ」のものと思われます。
また、夜中に向かっていることは「見られたくない」ということを意味するため、誰にも見られたくない自分を見られてしまった、スバルがそこに現れたことに対して「迂闊」と表現したのかもしれません。
リゼロ原作小説23巻3章「残骸」あらすじネタバレ
スバルは、自分の権能の正体に気付きました。
エミリアやベアトリスが、スバルの状況を絶対にどうにかして見せると、親愛の言葉をかけてきますが、スバルはプレアデス監視塔から脱出することを決めます。
食料三日分、水、砂漠踏破のための装備を盗み、五階層の扉から外に出ます。
砂丘に一歩足を踏み出した瞬間、足裏の地面が爆発し、スバルが宙に飛ばされます。
砂蚯蚓に襲われシャウラの攻撃で奇跡的に命を拾う
地面の爆発を引き起こしたのは、砂の下に潜んでいた体長10mほどの砂蚯蚓でした。
スバルは、判断を翻して、必死に塔に戻ろうとします。
- 塔までの20mほどの距離を砂蚯蚓を回避して帰ろうとする
- 砂蚯蚓の方が上手で、捕食寸前の状態になる
- シャウラの「ヘルズ・スナイプ」が発動して砂蚯蚓が切り裂かれる
- 砂蚯蚓の巨体が地面に落ちると、砂の地面も陥没する
- スバルも陥没に呑み込まれる
砂に呑み込まれたスバルは、プレアデス監視塔に入る前にいた、地下の空間に到着していました。
地下空間から必死で逃げようとする
スバルは、意識を取り戻すとすぐさま逃走を再開します。
- 目の前に食料と水を詰め込んだ皮袋がある
- 水は飲まれ、食料は食い荒らされていた
- 誰かがいることを感じ、危機を察知する
スバルは、地下の砂の空間を、四つん這いで這うように逃走し始めます。
スバルと鉄の扉、再び
スバルは暗闇の中、砂の上を這いつくばって数時間逃走します。
敏感になったスバルの嗅覚に激しい悪臭が立ち込め、スバルはその方角を目指して這いずります。
- 途中、鉄の扉が現れるがスバルが触れると淡く光って消える
- 一目見た瞬間に、この扉は自分のためにあると理解する
- そして、この扉の先にあるものに出会うことが自分の役割だと理解する
しかし、スバルは五枚目の鉄の扉に跳ね返されてしまい、どうして「■■■」が自分の邪魔をするのだと怒ります。
鉄の扉に頭突きをして怒りをぶつけますが、スバルの体が淡く光り、プレアデス監視塔の五階層、入り口の大扉に転移させられていました。
スバルが瘴気がもたらした感情に呑み込まれる
スバルは、逃げなくてはならないのは、自分に敵対する者がいるからだと考え、プレアデス監視塔にいる生存者を全て撃退しようと考えます。
そして、激情を持って階段を上って行きました。
四階層には激しい争いがあった後があり、仲間達の敗北が次々に見つかります。
スバルは嘔吐感を感じながらも、残るエミリアとベアトリスを探して、緑部屋を訪れます。
緑部屋にはパトラッシュがいて、スバルが部屋を去ろうとするとついてきます。
スバルは、思わずユリウスの側にあった騎士剣で斬りかかりますが、パトラッシュは静かな瞳でスバルを見つめ続け、スバルは「一人にしてくれよ」と呻きながら膝をつきました。
黒い影がプレアデス監視塔を蹂躙する
スバルが膝をついたのと同時に、プレアデス監視塔全体が揺れ、床から無数の巨大な手の影が現れます。
- パトラッシュがスバルを咥えて逃走開始
- 建物全体が倒壊していき、階下は既に影に呑まれている
- 影の攻撃から身を削ってスバルを守る
- スバルを透過する壁に投げ、バルコニーに逃す
- パトラッシュが影に呑み込まれる
スバルは、バルコニーで1羽の白い鳥が飛んできて、スバルを見つめているのに気付きます。
そして、背後に生きている人物がいることを感じ、「お前は、なんだよ」と聞きました。
スバルが振り返る前に、「次、当ててみなよ、英勇」という声と共に権能が発動しました。
記憶を無くしてから4周目のプレアデス監視塔
スバルが目覚めると、エミリア、ベアトリスが心配して覗いてくれています。
その緑部屋にはパトラッシュがいて、命を懸けて自分を守ってくれたパトラッシュに抱きつき、感謝を伝えました。
リゼロ原作小説23巻3章の考察、ネタバレ解説
「鉄の扉」が四枚目まで開いた理由
プレアデス監視塔に到着した時、スバルは鉄の扉を「三枚目」までしか開けませんでした。
シャウラの「準備」の発言から、「鉄の扉」は魔女因子に関わりがあると考えられ、「三つ」スバルの中に入っていることから三枚目まで開けたものと思われます。
今回、スバルが四枚目まで開けた理由として考えられるのは次のケースです。
- 「タイゲタの試験」を突破したことでフリューゲルに資格を一つ授けられた
- 直前の水と食料が無くなっていたことから、存在が「フリューゲル」寄りになっている
フリューゲルが400年前にオドに入れた魔女因子が「四つ」であれば、後者の理由で、四枚目まで開けたことには納得できます。
「鉄の扉」が自分のためにあるとスバルが感じた理由
この点については、スバル自身も「何かの目的のために存在している存在」だということを示唆していると思われます。
鉄の扉の先にいる存在に会うことが宿命と感じていることからも、スバルに定められた目的は「嫉妬の魔女」と出会うことです。
そして、「準備」と魔女因子が関係していることから、スバルが全ての魔女因子を取り込んで「賢人」となり、「嫉妬の魔女サテラ」と出会うことこそが、宿命であると解釈できるでしょう。
五枚目の扉でスバルを弾いた「■■■」とは
この時のスバルの意識はフリューゲルに近く、そのため「■■■」はフリューゲルに近しい存在だった者になります。
該当するのは「サテラ」または「レイド」ですが、「鉄の扉」に頭をぶつけた直後に転移、陰魔法が行使されたことから「サテラ」である可能性が高いです。
リゼロ原作小説23巻4章「生者たちの塔」あらすじネタバレ
スバルは、4周目は記憶喪失を打ち明けずに情報収集に専念することにします。
- 『ナツキ・スバル』を演じる
- 記憶喪失を知られることが、襲撃されることとセットなのかを探る
- 同時に、自分に敵対した相手を探ろうとする
朝食のために全員が拠点に集まる中、スバルを見て表情を歪めたのはユリウスだけでした。
スバルはユリウスに声をかけ、食後に「昨夜のこと」について話し合おうと求めます。
スバルはユリウスを疑うが外れ
スバルは、ユリウスこそが自分の記憶喪失に関係している人物なのではないかと疑っていました。
しかし、ユリウスが話す「昨夜のこと」はスバルとエキドナの密通の話で、書庫の話は全く出てきません。
- これ以上、君の前で私を惨めにしないで欲しい
- スバルが謝罪していたら、どうしていたか分からない
ユリウスは、これ以上このことで話すことはないと感じ、部屋を出ていきます。
予め、闘争となったときの保険としてシャウラに隣室に待機してもらっていたため、ユリウスが出て行くと、すぐにシャウラが入ってきました。
シャウラは細かいことは気にせず、ご褒美としてハグを求めてきます。
スバルの意識が飛ぶ間に惨劇が起きる
スバルがパトラッシュの元に向かおうとすると、通路でメイリィと出会います。
メイリィは、スバルに用があって来たのだと話し、艶っぽい表情で「昨日の夜の話は、どこまで真に受けていいのぉ?」と聞いてきました。
そこで、スバルの意識が途絶えます。
スバルが両腕の痛みと共に意識を取り戻すと、そこには倒れたメイリィがいました。
- メイリィに心臓マッサージと人工呼吸を繰り返すが効果なし
- スバルの両腕にメイリィからの抵抗の傷がある
スバルが、自分の左腕の内側に違和感を感じて袖を上げると、スバルの筆跡の日本語で「ナツキ・スバル参上」と書かれていました。
スバルは、いよいよ謎に混乱し、『ナツキ・スバル』とは化け物なのかと、自身への信頼も失いました。
エミリアの信頼にスバルの心が揺らぐ
スバルが部屋を出ると、エミリアが声をかけて近寄ってきます。
そして、スバルに「メイリィ」についての相談をしました。
- エミリアは、メイリィを座敷牢から出して、ロズワール邸で普通に生活させたいと考えていた
- メイリィが悪さを働くなら、これまでにいくらでも機会があった
- スバルの考えを聞かせて欲しい
スバルは、直前のメイリィとの出来事があったため、エミリアの真剣な質問に乱暴な対応をします。
しかし、エミリアはそんなスバルを心配して、一人で抱え込まないでと優しく抱きしめました。
スバルは、エミリアを疑っていた自分は間違っていたと感じ、全てを打ち明けようと考えます。
そこに、ラムが慌てた様子で現れ、エミリア達に火急の用件だと伝えます。
ベアトリスが三階層「タイゲタ」で本を見つける
エミリアとスバルが三階層の「タイゲタ」の書庫に向かうと、そこにはベアトリスがいました。
- ベアトリスは、朝から「タイゲタ」の書庫にいた
- スバルが倒れていた
- 禁書庫に近くて遠い仕組み
- この書庫の仕組みを解析しようとしていた
ベアトリスが「上から三段目、一番右の本」だと本の場所を指定します。
エミリアはその本のタイトルを見て、驚きの声をあげます。
「メイリィ・ポートルート」、本のタイトルにはそう書かれていました。
リゼロ原作小説23巻4章の考察、ネタバレ解説
スバルの意識が途絶えた理由
スバルが意識を途絶えている間は、フリューゲルが入れ替わっていたと考えられます。
スバルがフリューゲルの魂を複製した存在であれば、レイドが「無理やり起きた」ように、プレアデス監視塔の中では、フリューゲルもスバルの体に顕現できると思われます。
また、メィリィに昨夜のことを質問された直後に意識が切り替わったのは、メィリィの質問が「ルール違反」だったからです。
「ナツキ・スバル参上」の意味
フリューゲルの目的は、エミリアとスバルにプレアデス監視塔の全ての試験をクリアさせることと考えられます。
現在のスバルは予期せぬ事態で記憶を失っており、フリューゲルにとっては望ましくない状況です。
そのため、「ナツキ・スバル参上」と刻むことで元のスバルを意識させ、記憶を取り戻すように動かせる狙いがあったものと思われます。
「タイゲタの書庫」と「禁書庫」の違い
ベアトリスの「禁書庫」は陰魔法の粋を集めて作ったと言及されており、今回、「タイゲタの書庫」は禁書庫と「近くて遠い仕組み」と言及されました。
この点について解釈を進めていくと、「近くて」の意味は、陰魔法を使って書庫を構成していることと思われます。
そして、「タイゲタ」には次元の異なるオド・ラグナとの接続があるため、それが「遠い」という意味になると考えることができます。
リゼロ原作小説23巻幕間「メイリィ・ポートルート」あらすじネタバレ
「メイリィ・ポートルート」というタイトルの本を見つけ、エミリアとスバルは困惑します。
そこに、ラムに呼ばれて集合しにきたシャウラが現れ、メイリィの「死者の書」が見つかったと聞くと、あっさりと「しかたないっすね」と突き放しました。
そして、「死者の書」があるのなら、読めば真相が分かるとスバルに読むことを提案します。
スバルは、メイリィの真相を確かめるべく、彼女の「死者の書」を開きます。
メイリィとエルザの出会い
メイリィは魔獣に育てられ、魔獣の群れの女王としての暮らしをしていました。
そこに、「ママ」の命令で「メイリィを連れ帰るように」と言われたエルザが現れ、群れの魔獣を一掃して、無理やりメイリィを連れ帰ります。
「ママ」は、「色欲」の大罪司教、カペラのような言葉を話し、アタクシを愛するために生きろ、と話します。
ママの命令で、メイリィはエルザと共に過ごすことが多くなり、互いに欠落している者同士、奇跡的にぴったり当てはまる相性の良さを感じていました。
ロズワール邸でのメイリィの心
ロズワール邸では、絶対に死なないと思っていたエルザが灰となります。
メイリィは、ロズワール邸の座敷牢の暗闇の中で、自分の感情と向き合いました。
- 悲しいのか、憎いのか、分からない
- 魔獣、ママ、エルザ、ずっと周りを模倣して生きてきた
- 屋敷では、屋敷の人間が求める人物を演じてきた
- メイリィは、人形の人生を生きて、本物の感情を知らなかった
だからせめて、エルザを失って自分が何を感じているのか、どうしたいのかを知りたいと、ただその答えを求めました。
メイリィとスバルは「タイゲタ」の書庫で会っていた
メイリィは、「死者の書」を求めて、夜に一人でタイゲタの書庫に来ていました。
そこに、同じく「死者の書」を求めて、『ナツキ・スバル』もタイゲタの書庫の中に入り、後ろからメイリィに話しかけます。
メイリィは、想像していなかった邂逅に混乱します。
- 見られたくなかった
- 知られたくなかった
- 気づかれてはいけなかった
足早にタイゲタの書庫を去ったメイリィでしたが、プレアデス監視塔の外の「仕込み」を発動させ、全て台無しにしてしまうことも考えました。
そして、衝動と共にきた道を引き返し、書庫に隙だらけのスバルの背中を見つけます。
スバルでないスバルがメイリィに迫る
スバルは、タイゲタの書庫で数冊の本を散らばせており、目的の死者の書を見つけていたように見えます。
しかし、そのことを意識の外に追いやり、凶行に走る寸前、『ナツキ・スバル』から声をかけられます。
- 薄っぺらいな、お前
- 媚びるな、気持ち悪い。誰も望んじゃいない
- すまし顔をするな。お人形。望みを聞くこともできないのか
- 自分の望みに耳を傾けろ。そうすれば、やりたいことも見えてくる
- 「望み」が分かったら、もっと「らしく」動け
- 俺が全て覚えていてやる
呆気にとられて動けないメイリィに、『ナツキ・スバル』がその髪にキスをします。
メイリィは怖気と共に陶酔を感じました。
してはいけない答え合わせ
メイリィは、一晩、寝ることもできずに必死で自分の望みについて考えます。
翌朝、朝食の後に、変わらない調子のスバルを捕まえて「昨日の話は、どこまで真に受けていいの?」と聞きました。
スバルは場所を変えようと言い、別室に移動します。そして、メイリィを突き飛ばします。
- それを直接聞くのは「ルール違反」
- 今回は「ルール違反」で脱落
- 次はもっと大胆な活躍を期待している
そして、『ナツキ・スバル』によってメイリィは敗北しました。
本と混ざるスバルを見つめるシャウラ
スバルは「死者の書」から弾かれ、タイゲタの書庫で意識を取り戻します。
しかし、スバルだけでなくメイリィの意識も混ざり込んでしまい、ベアトリスとエミリアが落ち着かせます。
ベアトリスの指示の元、少しずつスバルを取り戻していきますが、その様子をシャウラが緑の目を細めて見ていました。
リゼロ原作小説23巻幕間の考察、ネタバレ解説
「死者の書」の仕組み
「死者の書」は魂の回廊にたどり着いたオドから剥がされた記憶をまとめたものです。
記憶は元々オドに付属する性質を持っているため、「死者の書」を読むと記憶とオドが重なろうとするのだと思われます。
このため、スバルにメイリィの意識が混ざり込んだのは、メイリィの記憶、つまり蓄積されたメィリィの記憶による人格が、スバルのオドに残ったためと解釈できます。
リゼロ原作小説23巻5章あらすじネタバレ
「死者の書」から意識が剥がれたスバルの周りには、プレアデス監視塔の中にいる仲間達が全員揃っていました。
- 「死者の書」が自分達が知っているメイリィの本だったと話す
- その日の予定を変更し、メイリィ探しが始まる
スバルの側にはベアトリスがつき、それをシャウラが静かに眺めています。
自分はお師様以外の命令は受けないと話し、お師様の命令であれば何でも受けると話しました。
- スバルは自分の中の「メイリィ」の意識と葛藤し合う
- 「メイリィのことを頼む」とシャウラに願い出る
- シャウラはメイリィの「死者の書」を胸に抱き寄せる
- スバルに本を渡し、耳元で「ちゃんと分かったっスからね」と呟く
エミリアやベアトリス、シャウラが寄せるスバルへの信頼が、スバルの知る「ナツキ・スバル」への疑問を膨らませ、「知りたい」という欲求が炎のように湧き上がります。
内なる「メイリィ」が、死者の書を通じて自分が教えてあげようか、と怪しく囁きました。
メイリィの遺体が消える
スバルは、死者の書が相手の「本当」を知るための手段だと考えます。
そして、エミリアやベアトリス、他の仲間達の「本当」にも触れることで、自分を信頼する理由を知ることができるのではないかと考えていました。
しかし、ベアトリスが小さな手で自分を治癒魔法で治してくれ、スバルはその考えが「メイリィの考え」であると感じ、実行を却下します。
メイリィが見つかってから、全てを打ち明けようと考えたスバルでしたが、メイリィは消えてなくなっていました。
明日からは塔の攻略を優先することになる
夕食の場で、襟ドナが明日からは塔の攻略を優先することを提案します。
エミリアが反対しましたが、ユリウスが事情を説明します。
- 襟ドナは、アナスタシアのオドを削って外に顕現している
- だから1秒でも早くアナスタシアに体を返したい
- また、塔の攻略が完了すれば全知に触れることができ、そこでメイリィの居場所も分かるはず
その説明に、エミリア、ベアトリスも承諾し、明日からの方針が決定しました。
深夜に捕まるスバル
スバルは、メイリィを確認するため、深夜に緑部屋を抜け出します。
パトラッシュに頼んで、外に出ることを黙ってもらいました。
部屋に到着したスバルは、本当にメイリィがいなくなっていることに驚きます。その背後から声がしました。
- 部屋の入り口にラムが立っており、深夜の徘徊を咎める
- 同時に、スバルに対して「偽物」「ナツキスバルの出来損ない」と罵る
- ラムは千里眼でスバルを「視て」いたが、スバルはそのことが分からない
- ラムを倒して問題を解決しようと考え、メイリィの助言のもと襲いかかる
- エミリアの氷魔法によって拘束され、身動きが取れなくなる
スバルの不自然さを最初に感じたのはエミリアで、それをラムに相談していました。
しかし、ラムはスバルを「偽物」と断定していますが、エミリアはスバルに「事情」があると考えており、非道な行いをしようとするラムを止めます。
それも、スバルがついに「俺は記憶喪失だ」と打ち明けたときに均衡が崩れます。
ラムの中で感情が決壊し、エミリアを排除し、杖にマナを溜めてスバルに向け放ちました。
スバルは氷の檻の中で魔法の衝撃を受け、気を失います。
『ナツキ・スバル』が再び現れる
スバルは、意識を失う直前と同じ部屋で目覚めますが、状況が一変していました。
- エミリアとラムがいない
- 肩が脱臼している
- 氷の檻の外にいる
- 壁の壁面に無数の「ナツキ・スバル参上」という文字が刻まれている
状況に困惑するスバルに、部屋の入り口から男の声がします。
剣聖レイドが、嗤って立っていました。
リゼロ原作小説23巻5章の考察、ネタバレ解説
襟ドナの話す「全知」とは
「全知」とは、外側からリゼロ世界を観測し続ける存在「オド・ラグナ」のことを指していると思われます。
しかし、「タイゲタの書庫」でも分かった通り、全知は膨大な情報量であるため、触れただけでは役に立ちません。
知りたいこと、気付きたいことを見つけるためには「司書」が必要で、恐らく魂の回廊の支配者であるフリューゲルがその役割を果たしているものと思われます。
リゼロ原作小説23巻6章「Re:ゼロから始まる異世界生活」あらすじネタバレ
スバルの前に現れた剣聖レイドは、部屋の様子を見てエミリア達との仲間割れを予想します。
- 自分は塔を出る
- 本来は二階層「エレクトラ」から出ることはできない
- しかし、今は出れない条件が崩れ去っている
スバルの外れた肩を入れ直し、ただ心残りが一つあるといい、その方角へ歩いていきます。
スバルがレイドについていくと、螺旋階段の下で20体のケンタウロスに対して孤軍奮闘するユリウスがそこにいました。
剣聖レイドは、四階層から落下し、五階層のケンタウロスを踏み潰して着地します。そして、聞いてもいない質問をユリウスに答えました。
- 女にモテる秘訣は「顔」
- うまい酒は火酒「グランヒルテ」
- 世界一強い秘訣は「俺が俺だから」
そして、ユリウスに試験の再開を告げます。
レイドの心残りとユリウス
剣聖レイドは、二階層「エレクトラ」の時よりも今がチャンスだと話しながら、ユリウスを相手取ります。
- 五階層に群がるケンタウロスを2秒で全滅させる
- 激情の目をしたユリウスに「良い面」だと言う
- 精霊術が使えないと分かると「これ以上収穫がない」と塔から出ようとする
レイドに注意を引き付けられるユリウスのもとに、六階層から上がってきたケンタウロスの炎が襲いかかります。
スバルがその危険を叫び、ユリウスは間一髪のところで炎を回避することができました。
ユリウスは困惑しながらもスバルを見上げて、アナスタシア様を託すと叫んで激闘に身を戻します。
エキドナの話す「祠の魔女」と執行
スバルは身を翻して通路を走り抜け、ベアトリス、エキドナと再会します。
エキドナは、ラムから聞いた話によって強い猜疑心をスバルに向けていました。
- 手をスバルに向けていつでも「ジワルド」で攻撃できる準備をする
- 「祠の魔女」に目的があり、目的が達したから姿を現したのだろうと告げる
- アナスタシアの直感に従い、誰もここに連れてくるべきではなかったと後悔する
- スバルが、まだ「ナツキ・スバル」を演じている襲撃者だと考えている
三人のいる廊下の向こうから、巨大な蠍となったシャウラが姿を表し、白い光線が通路を破壊していきました。
ベアトリス、エキドナ、スバル vs シャウラ
突然のシャウラの攻撃に対し、ベアトリスは即座に対応します。
- スバルの手を握って「E・M・T」を発動
- 領域を展開し、その中に白光を入れない
- 崩落した床からエキドナが落下しそうになるが、スバルが助ける
- 「エル・ジワルド」を唱え、熱線でシャウラを焼きうつ
- シャウラが大鋏を残して退散する
命を拾った三人でしたが、四階層だけでなく、上と下も似たような混乱が起きているとベアトリスが伝えます。
ユリウスと合流しようと、通路を歩き出しましたが、シャウラが自切した大鋏を跨ごうとすると、大鋏が光り、白光を大量に撒き散らしました。
その瞬間、ベアトリスが消え去り、エキドナが敗北します。
スバルが『ナツキ・スバル』を取り戻すことを決意する
スバルは、嫉妬の魔女の手の中で、溶けそうになりながら「愛してる」と言われ続けていました。
そこにエミリアが現れ、スバルが溶けきる前に救出します。
- 記憶を失っても本質は変わっていない
- だから、ユリウスが託し、エキドナが謝罪し、エミリアやベアトリスが助けようとしている
- スバルは、『ナツキ・スバル』がエミリアに恋をしていたことを知る
- そして、彼女達には愛される資格があると感じる
スバルは、ここでようやく、苦難からエミリア達を守ることに誓いを立てます。
そして、『ナツキ・スバル』を取り戻すと決意しました。
リゼロ原作小説23巻6章の考察、ネタバレ解説
エルザの姓がレイドの好きな火酒だと判明
エルザの生まれ故郷である聖グステコ王国は極寒の地であるため、アルコール度数の高い「グランヒルテ」は重宝されたはずです。
エルザの姓は、自分でつけた偽物か、誰かに適当に付けられたものである可能性が高いでしょう。
襟ドナの言及した「祠の魔女」とは
襟ドナの言及した「祠の魔女」はサテラのことです。
プレアデス監視塔は「嫉妬の魔女の祠」を監視するために作られたもので、封印された場所は、伝承では最東の「大瀑布付近の洞窟の奥」となっています。
封印された場所を「祠」と言及してはいないので、プレアデス監視塔が最東にある祠を監視しているというのはフェイクである可能性が高く、ゼロ階層の奥に存在する祠を守るために、シャウラは監視塔の番人を務めていたのだと思われます。
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本ページの情報は2021年03月05日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。