「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説24巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第23巻では、記憶喪失となったスバルが、プレアデス監視塔での3回の権能発動を体験しました。
メイリィの「死者の書」、意識の隔絶と『ナツキ・スバル』、祠の魔女と影の手、剣聖レイドとユリウス、記憶のないスバルにあらゆる困難が降りかかります。
4周目も絶望的な状況となりながら、ベアトリスやエミリアの親愛に触れ、この世界と向き合い、『ナツキ・スバル』を取り戻し、エミリア達を守るために全力を尽くすことを決意します。
24巻は、崩壊するプレアデス監視塔の中で、エミリアと共に影に呑み込まれた場面から始まります。
23巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
リゼロ原作小説24巻1章「雪解けを待つあなた」あらすじネタバレ
スバルは、緑部屋の中で目を覚まし、エミリアとベアトリスの姿を確認すると安堵して泣き出します。
ベアトリスを強く抱きしめながら、涙を流して、エミリアとベアトリスがそれを慰めていました。
スバルは、この二人を守るため、プレアデス監視塔の危機を乗り越えるべく、新しい気持ちでループに立ち向かいます。
スバルは記憶喪失を全員に共有する
拠点に集まった仲間達の前で、スバルは記憶喪失したことを伝えます。
特に、「昨日のこと」も忘れたという話に、三人は強く反応しました。
- メイリィ
- ユリウス
- エキドナ
スバルは、ラムを誘って混乱する場から離れ、水を汲みにいきます。
ラムが話す「雪解けを待つ花」
スバルは、ラムに対して、「レムのことを忘れた」とはっきりと告げました。
スバルの言葉にラムは激情を現し、スバルの胸ぐらを掴んで怒ります。
スバルは、自分の覚悟をラムに伝えました。
- レムの記憶は必ず取り戻す
- 他の記憶も必ず取り戻す
- プレアデス監視塔にきた目的も達成する
- 絶対に、何があってもやり遂げる
- 絶対に、諦めることはしない
だから、ラムに力を貸して欲しいと頼みます。
ラムは、昨日までのスバルも周囲の力に頼りっぱなしだったと話し、スバルの覚悟を受け入れました。
また、二人で拠点に戻る際、スバルは不安な心情を吐露します。
ラムは、雪の下で眠る花のように、雪解けがくればその姿を見せるものよ、とスバルを慮る言葉を伝えました。
螺旋階段の淵に立つスバル
スバルは過去二度、螺旋階段で自分に権能を発動させた相手を捕まえるため、あえて螺旋階段の淵に立ちます。
すると、背後で小さな息遣いを感じ、その気配が背後に近づいてきました。
スバルは突き落とされる寸前にかわし、少女の体を優しく受け止めます。
スバルはメイリィを捕まえ、行動の理由を聞きたいと話しかけました。
リゼロ原作小説24巻2章「これからの話し」あらすじネタバレ
螺旋階段でスバルを突き飛ばそうとした現場を抑えられたメイリィですが、自分がスバルに敵対する理由はないとシラを切ります。
しかし、スバルはメイリィの内面に切り込んでいきます。
- 今朝の記憶喪失が、メイリィの動機になった
- メイリィを処分する気は無い
- これからも変わらず仲良くしたいし、不満があるなら教えて欲しい
- 自分は誰よりもメイリィを理解しているのかもしれない
- メイリィの動機は「エルザ・グランヒルテ」
メイリィは、秘めた内情を暴かれ、激情を表出させます。
エルザはメイリィの人生の大切な人だった
エルザは、メイリィにとって仇とも言える人物でした。
幼少の頃、魔獣の群れの女王として生きていたメイリィを、エルザはその群れを殲滅して連れ帰ります。
- メイリィはママに挨拶をした時、初めて「躾」を受ける
- ママへの絶対服従を誓って、恐怖で震えていた
- エルザは、震えるメイリィの側にいてくれた
- エルザは、メイリィと呼び、着ていたボロ服に刻まれていた名前を教えてくれた
- エルザは、話し方を、服を、生き延び方を、エルザを真似して学ぶ
メイリィにとって、エルザは憎たらしい相手であり、人生の大切で大きな部分を占めるものでした。
だから、その思いを不躾に踏み荒らされるぐらいならばと考えていたのでした。
スバル、エミリア、メイリィが未来の約束をする
スバルは、鞭を階段に引っ掛け、片腕でメイリィを抱きしめ、片腕で二人分の体重を支えます。
助けてくれないで欲しかったと話すメイリィに、スバルは自分の考えを伝えます。
- メイリィは、大切なエルザを失い、それで感情が整理できていなかった
- 悲しみも、憎しみも、確かに感じることができず、慣れ親しんだ手段を、行き場のない感情を解決する手段として用いた
- メイリィの抱える問題は、きっともっと時間がかかるもの
- メイリィが自分の感情に気付くことができるまで、自分も努力する
- だから、今は行き場のない感情を自分に預けて欲しい
メイリィは、昨夜からのスバルの豹変ぶりもあり、スバルを簡単に信じることはできないと話します。
そこにエミリアが現れ、「メイリィが危なくなったら、メイリィを助けるように頼まれていた」と言います。
困惑するメイリィに、エミリアは三人の約束にしようといい、優しくメイリィを抱きしめました。
- メイリィは、エルザのことを忘れたくないと話す
- スバルは、大切な人を忘れる必要なんてないと返す
二人に優しく包まれたメイリィは、沈黙の後、二人との約束を受け入れます。
スバルの事前準備にメイリィが恥ずかしがる
スバルは、全て拾いきると決めた決意に報いるため、周囲に相談して、考えうる限りの準備をしていました。
- 五階層にベアトリスとシャウラに待機してもらい、万が一メイリィが落下したら助けてもらう
- ラムやユリウス、エキドナにも相談をして意見をきく
全員に話が通っていたことを知り、メイリィは恥ずかしさに身悶えします。
スバルは、シャウラにも、メイリィを真人間にするための教育を手伝ってもらうぞと話すと、「一緒に」というキーワードに興奮したシャウラが、メイリィを持ち上げ、抱きしめて可愛がり始めました。
大部屋で今後の方針を全員で話し合う
スバルは、食事や会議をする拠点を「大部屋」と名付け、大部屋にメイリィを連れ帰ります。
メイリィは全員にバレていたことに拗ねていますが、改めて仲間として紹介されました。
一同は「今後の動きの優先順位」について話し合いを始めますが、最初にスバルが自分から提案します。
- スバルの記憶を取り戻すのは一度放置する
- 記憶喪失は、塔攻略の影響で起こった可能性が高い
- 塔の攻略を進めていけば、塔の仕組みが解明され、記憶喪失の原因と対処方法が分かるはず
また、スバルの心の中には、プレアデス監視塔を襲う災厄も浮かんでおり、時間がないと感じていました。
「スバルの記憶を取り戻す可能性を見つけたらそれを優先する」という条件付きで、一同は塔の攻略を優先することを決定します。
そして、具体的な攻略方法として、スバルは「剣聖レイド」の「死者の本」を皆で一緒に探さないか、と提案しました。
「タイゲタ」の書庫でレイドの「死者の書」を探す理由
スバルは、剣聖レイドの死者の書を見つけることで、レイドの攻略方法が見つかると説明します。
- レイドの死因や弱点が分かれば、攻略に必ず役に立つ
- このアイディアは、記憶喪失前のスバルでも必ず思いつく
- 昨晩メイリィが、スバルが「タイゲタ」で本を広げて読んでいた姿を見ていることから、レイドの「死者の書」は存在する可能性が高い
- また、短時間で目当ての本を見つけていることから、本の並びに法則性があるはず
- 法則性が分かれば、他の本、例えば「エルザ・グランヒルテ」の本も見つけることができるはず
スバルは、「タイゲタ」の書庫を全員で探すメリットを説明し、一同納得します。
スバルがユリウスにレイド・アストレアとの戦いを任せる
スバルは、自分やレイド、アナスタシアの名前が出てくる度、動揺するユリウスを気にしていました。
しかし、レイドとの戦いは、ユリウスに任せるしかないのだと、昨日までのことは一度置いておいて、騎士として立てと励まします。
ユリウスは、世界から忘却され、唯一覚えていてくれたスバルからも忘れられ、剣を預けた主人に騎士たり得ぬと思われていたと知り、自分の存在を曖昧に感じるほど、自信を失っていました。
しかし、スバルの叱咤に気力を取り戻し、レイドとの戦いに臨む気構えを見せます。
スバルが「剣聖レイド」の死者の書を読む
スバルとユリウスが「タイゲタ」の書庫に到着すると、既にレイドの死者の書が発見されていました。
メイリィが偶然発見しており、ラムがきっちり腕の中に収めて、仲間達が誤って読まないようにガードしています。
襟ドナが、誰が読むべきかを判断するための推論を展開します。
- ユリウスに記憶喪失がない状況を見ると、死者の書を読むことが、必ずしも記憶喪失を引き起こすということではない
- メイリィが証言していた、昨晩スバルが複数の本を広げていた点を考慮すると、読書量が記憶喪失に繋がる可能性はある
- つまり、まだ死者の書を読んでいない人間の方が、記憶を失わない可能性が高いとは言える
- ただし、根拠が薄い推論であるため、ユリウスやスバルの方が良いと考えることもできる
スバルは、エキドナが皆に配慮していたと気付き、記憶喪失が起きたときに陣営のダメージが一番少ないのは自分だと話し、剣聖レイドの「死者の書」を手に取ります。
そして、その場で胡坐をかき、深呼吸をして、「死者の書」を開きました。
スバルが記憶を失った原因と対峙する
スバルは、レイドの人生を追体験する世界ではなく、ただ真っ白な世界に立っていました。
後ろから「また来ちゃったの?」と声がして、スバルは反射的に飛び込み前転をして距離を取ります。
スバルは、ここが何で、お前は誰だと聞きます。
- ここは「魂の回廊」魂の終着点であり、オド・ラグナの揺籠
- 自分は「魔女教大罪司教」暴食担当、ルイ・アルネブ
そう言って嗤った少女は、「また短い間だと思うけど」と前置きをして、よろしくねと言いました。
リゼロ原作小説24巻3章「立ちなさい」あらすじネタバレ
「魂の回廊」で、ルイ・アルネブはスバルに親身に接します。
- 大罪司教や魔女教について分かり易く説明する
- 話し方に違和感があるのは、ロイ、ライの2人の兄からの贈り物が多く、内在する自我が増えすぎているため
- 「私たちは」スバルのことを誰よりも理解している
スバルは、ルイの距離感の近さと本能が鳴らす警戒音に対応するため、距離をとって、一つ前の話題に話を戻しました。
大罪司教と魔女が同じ存在であることが判明する
スバルの問いかけに応え、ルイは大罪司教について詳しく説明します。
- 大罪司教はライ、ロイを含めれば全員で6人
- 二人は既に失われたから、今は4人が担っている
- 「大罪司教」と「魔女」は、時代と立場の違いから呼び方が変わっただけで同じ存在
- 共に「魔女因子に適合したろくでなし」
また、スバルの記憶を参照し、スバルの異世界転生に自分たちは関与していないことも説明しました。
「魂の回廊」と「オド・ラグナ」の役割が判明
続けて、ルイはこの場所についての詳しい説明をします。
- 「魂の回廊」は、魂から経験や記憶といった不純物を取り除く場所
- 綺麗になった魂はまた別の場所で使われる
- 「オド・ラグナ」には特定の意志はなく、ただ「世界が壊れるのを防ぐための仕組み」
- 剣聖にも、魔女にも、全てに公平で無関心
スバルは何か重要な話を聞いていると感じながら、やけに情報を公開してくれる少女に、呼吸を整え、核心に迫ります。
スバルの記憶を奪った犯人は、目の前にいる「ルイ・アルネブ」でした。
厳密に言えば、昨日の『ナツキ・スバル』と今のスバルは、ここに来る方法に若干違いがあったと話します。
「嫉妬の魔女」の影の手がプレアデス監視塔を蹂躙した理由
「権能」を知られることは禁じられていますが、ルイは、スバルの記憶を食べたため、当然スバルの権能を知っています。
スバルが「5回目」でここに戻ってきたことを話すと、ルイは凄い!と賞賛します。
そして、「魂の回廊」での出来事が外に漏れることは少ないから、ここにルイがいる限りは、嫉妬の魔女が暴れることはないのだと説明しました。
スバルが死と約束の選択を迫られる
『ナツキ・スバル』の記憶を返すことを求めるスバルに、ルイは自分を倒せばそれが叶うかもと話します。
そして、自分は記憶の相手に姿を変えないと力を出せないと話し、「魂の回廊」の前ではひ弱な女の子に過ぎないと説明しました。
ルイは、スバルに選択を迫ります。
- 『ナツキ・スバル』の記憶を取り戻したら、存在が上書きされ、今のスバルは消えてなくなる
- それは「終わり」を意味する
- 「記憶が人を形作るんだよ」
- だから、エミリア達とも一から、今のスバルが関係を始めればいい
- 『ナツキ・スバル』のために命を懸ける必要なんてない
スバルは、ルイに馬乗りになり、ラムとの約束を守るのか、自分の命を守るのか、選択を迫られました。
「魂の回廊」でレムと再会する
スバルは、自分の存在が消えてしまうことに対して「嫌だ」と答えを出します。
スバルの答えをルイは認め、肯定し、スバルと『ナツキ・スバル』は別人だと認め、終わらせてしまおうと煽ります。
スバルがその言葉を口にしようとした瞬間、スバルとルイを見下ろしている人影に気付きます。
- スバルは人影に、自分が出した答えに対する言い訳を話す
- ルイは、誰もいない空間にスバルが話すのを見て震える
涙で滲んだ視界が鮮明になると、そこにはレムが立っており、「どうして、どちらか一つだけを選ぼうとするんですか?」と声をかけます。
そして、スバルにとって世界一厳しい声で、微笑みながら「立ちなさい!」と叫びました。
スバルの中で「強欲」の種子が芽生えの時を迎える
レムの言葉は、何度も何度も繰り返されます。
- 「立ちなさい、レムの英雄!」という声と共にスバルの中で何かが弾ける
- 「立てたなら、行って、全てを救ってきて」とレムが伝える
- どうして自分なんかが全てを救えると思えるのかとスバルが聞き返す
- レムが「だって、スバルくんは、レムの英雄ですから」と返す
スバルは、自分さえも捨てることのできない「強欲さ」に気付きます。
そして、スバルの中で行き場をなくしていた「強欲」の種子が芽生え、スバルは「コル・レオニス」と呼びかけました。
「飽食」ルイ・アルネブの目的が明らかになる
スバルは、芽吹いた「強欲」により確固とした自我を持ち、スバルと『ナツキ・スバル』を区別しないという確たる考えを手に入れます。
その様子を見て、ルイは本気で悔しがる憎悪の表情をスバルに向けました。
- 「同じ人間を二度食べることはできない」
- だから、スバルと『ナツキ・スバル』を別人にする必要があった
- スバルを求めたのは、スバルだけがもつ「権能」の記憶がルイを満たしたから
- ルイは、食べるのに飽きた「飽食」
- 食べるのは「幸せの追求」のため
- 人生は自分で選択することのできない不公平なことばかり
- 記憶を食べていけば、そこに自分の最高の人生がきっと見つかる
そして、最大限に可愛らしい仕草をして、ルイはスバルに「食べさせて?」とおねだりしました。
大罪司教「暴食」の脅威がプレアデス監視塔を襲う
スバルが断固拒否すると、ルイは観念するように「後はお兄ちゃんと兄様に任せるしかないのかぁ」と呟きます。
- ルイは「魂の回廊」から外に出ることはできない
- スバルは今だけでなく、昨晩にも来ている
- 当然「ロイ」と「ライ」も気付いており、スバルの居場所も割れている
- スバルの「権能」の記憶に強い興味を持っている
魂の空間に亀裂が走り、そこにプレアデス監視塔に繋がる道が出来上がります。
スバルは、レムとの約束を思い出し、再会を誓って走り出しました。
プレアデス監視塔で動き出す事態
スバルは「タイゲタ」の書庫で目覚め、部屋にはベアトリス、襟ドナ、メイリィがいました。
- シャウラ:監視塔近くに気配を感知し、突然部屋を飛び出す
- ユリウス:シャウラの後を追いかける
- エミリア・ラム:レムを連れて来るために部屋を出ている
スバルは一時間ほど眠っていたと言われ、ベアトリスが安堵の表情を見せます。
スバルは「魂の回廊」での出来事を全て三人に共有しました。
- ベアトリスが「オド・ラグナ」とは、全てのマナが還る世界の中心と聞いた、と話す
- レムに支えられたと話したスバルに感涙する
タイゲタの書庫にユリウスが慌てて戻り、三人に「アウグリア砂丘の全ての魔物がプレアデス監視塔に急接近している」と危機的な状況を共有します。
現状はシャウラが対応していますが、塔の中に入り込まれるのは時間の問題だと話しました。
リゼロ原作小説24巻3章の考察、ネタバレ解説
「オド・ラグナ」の存在意義
「オド・ラグナ」は世界が壊れるのを防ぐための仕組みであり、「世界という存在そのもの」と言えます。
機能は魂の洗浄と再利用であり、この機能によって「オドを循環させて世界を保っている」と考えられます。
また、循環させる必要があるということは、「循環させないと不足する」ということです。つまり、オドの不足が「世界が壊れる」ことに繋がると予測できます。
「オドの不足が起きる要因」として考えられるものは次の通りです。
- リゼロ世界に顕現する魂の総量が増える(人口が増える)
- オドが消費されてなくなる(権能などで消費)
パックが「オドは一定」と言及していましたが、これが人だけでなく、世界にも当てはまるのであれば、リゼロ世界でオドを削る行動が増えれば増えるほど、世界の崩壊に近づいてしまうということになります。
「魂の回廊」にレムが登場した理由
レムの「名前」と「記憶」は「暴食の大罪司教」に食べられており、ライを通じてルイにも渡されています。
レムが顕現した時にルイには見ることも聞くこともできなかったのは、それがスバルとレムの固有世界、つまりスバルの中の「強欲の魔女因子」が覚醒し始めたことによって構築された、レムとスバルの間の「魂の繋がり」を通じてのコミュニケーションだったことが要因と考えられます。
リゼロ原作小説24巻4章「5つの障害」あらすじネタバレ
ユリウスに対して、アウグリア砂丘の魔獣達が塔に向かっているのは、スバルが「魂の回廊」で暴食の大罪司教と出会ったことが原因と説明します。
- 昨晩も暴食の大罪司教と出会っていた
- 「暴食」は三人、兄2人に場所がバレている
- バレてから半日程度の時間なので、時間も合う
魔獣を操る手段は不明ですが、移動方法はヴォラキア帝国で確立している「飛竜操り」の技術を使っているのだろうという結論になります。
ユリウスは特にメイリィの力を頼りに考えており、一同はシャウラの元に加勢に向かいました。
プレアデス監視塔に迫る5つの障害
シャウラは、狙撃場所であるバルコニーで魔法「インフィニティッド・ヘルズ・スナイプ」を展開し、プレアデス監視塔に接近してくる無数の魔獣の群れに、白光の爆発を浴びせていました。
手数不足を補うため、メイリィが「仕込み」をしていた「砂蚯蚓」を呼び起こし、魔獣達との激戦が開始されます。
スバルは、プレアデス監視塔に迫る5つの障害を頭に描きます。
- プレアデス監視塔に迫る「大量の魔獣」
- 魔女教大罪司教「暴食」の2人
- 前回、ベアトリス、エキドナの命を奪った「巨大な蠍」
- 前回、プレアデス監視塔を破壊し尽くした「黒い影」
- 前回、自由に歩き回っていた「レイド・アストレア」
解決すべき課題を明確にしたところで、味方についても頭を回しますが、ラム達の合流が遅いことに気が付きます。
ユリウスもラム、エミリアがこの状況で合流しないのは不自然と話し、2人を残して塔の中に戻ります。
塔の通路に入ると、パトラッシュに乗り、レムを抱えたラムが現れました。
エミリアが「暴食」の権能の被害に遭う
そして、慌てた様子でスバル達に情報を共有します。
- 通路の先で大罪司教「暴食」を名乗る人物と遭遇した
- 「銀髪の知らない女」が今戦っている
エミリアの記憶がスバル以外から抜け落ちており、スバルは状況を全員に共有します。
エキドナにラムとレム、パトラッシュを預けて、スバルとベアトリス、ユリウスはエミリアの元へ急ぎました。
スバルが考える「暴食」の権能が自分に作用しない理由
エミリアの元へ向かう途中、スバルは「暴食」の権能が自分に作用しない原因を考えます。
- 世界の記憶は、「魂の回廊」を通じて「オド・ラグナ」が蒐集した記録
- 「暴食」の権能は、蒐集した記録を無理矢理奪い取るもの
- スバルがその影響外なのは、「オド・ラグナ」にスバルの魂がないから
- だから、全員が忘れてもスバルだけが覚えていることができる
- 一方で、それは「オド・ラグナ」がスバルの魂を引き受けないことも意味する
- つまり、「権能」の原因は「魂の回廊」で魂が洗われ、受け入れられることがないから
- よって、スバルはこの世界で「終わることができない」のではないか
スバルがその想像を終わらせる頃、戦うエミリアの元に到着しました。
エミリア、ユリウス vs 「暴食」ライ・バテンカイトス
エミリアは、皆に忘れられた自覚を持ちながら、「暴食」と対峙していました。
スバルがエミリアのことを覚えていると分かると、気力を漲らせ「アイスブランド・アーツ」を展開します。
- ユリウスも因縁深い「暴食」を見つけて戦いに参戦する
- 「暴食」がユリウスを食べたのは恐らく「ロイ・アルファルド」の方だと話す
- 食べたもの全てを共有してはいないので、ユリウスには見覚えがないと話す
- ライがエミリアの「アイスブランド・アーツ」を模倣し、記憶から様々な武器を錬成
- それぞれの武器の熟達者の知識・経験を用いて、状況が一気に暴食側に傾く
ライ・バテンカイトスに決定的な優勢が訪れる手前、「剣聖」レイドが現れました。
三つ巴の戦いに発展
「美食家」ライ・バテンカイトスは、レイドの姿を見てご馳走だと言い、涎を地面に垂らして襲いかかります。
しかし、レイドの圧倒的な暴力の前には無力で、一瞬にしてボロボロの状態になり、倒れて動かなくなりました。
「剣聖」レイドに対して、ユリウスとエミリアが対峙します。
変化のあったユリウスに喜び、自分の剣戟を受け流せることに、レイドは「楽しくなってきた」と笑います。
そこに、復活したライ・バテンカイトスが再度参戦し、4人の三つ巴の戦いに発展していきました。
スバルの中で芽生える力
戦況を見守っていたスバルは、突然胸の中に痛みを感じて倒れてしまいます。
- スバルは「悪いものではない」と感じる
- 立ち上がり、目を瞑る
- 視界の暗闇の中に淡い光が現れる
- 隣に一つ、正面に二つ、後方にまとめて四つ、頭上から一つ
- 仲間の位置が光となって見える
- 頭上からの一つが迫ってくる
スバルはベアトリスを抱きしめ、そして緊急回避の行動に出ます。
頭上から現れた光の正体は「巨大蠍」で、その大きな鋏でスバルに深手を与えます。
影に呑まれるスバル
状況の変化にエミリア、ユリウス、ベアトリスが瞬時に動きます。
それを、ライ、レイド、巨大蠍がそれぞれに阻むように対峙します。
しかし、全員まとめて次に現れた黒い影の衝撃に飲み込まれました。
タイゲタの書庫でリスタート
スバルは、「魂の回廊」から目覚めた場面に戻ります。
ベアトリス、メイリィ、襟ドナが目の前にいて、スバルはベアトリスの温もりを確かめるように抱きしめます。
記憶喪失をしてから、6周目の世界が始まりました。
リゼロ原作小説24巻4章の考察、ネタバレ解説
スバルが「暴食」の権能の影響を受けない理由
フリューゲルがメィリィに対して「俺がずっと見ていてやる」と発言していることから、フリューゲルもスバルと同じように、周回をずっと記憶できることが明らかになっています。
異世界転生者は「オド・ラグナ」以外とも記憶の紐付きが存在している可能性が高く、それ故に「暴食の権能」の影響から逃れることができるものと思われます。
スバルの最期はどうなる?
フリューゲルが魂の回廊にいるように、スバルも「オド・ラグナ」に還ることはできないと考えられます。
これにより、スバルの最期について考えられるパターンは次の通りです。
- 「賢人」となり壊れる寸前の「オド・ラグナ」の代わりになる
- 人工精霊となって世界に存在し続ける
- 元の世界に還る
- 虚無に堕ちる
フリューゲルの目的はスバルを「賢人」にすることである可能性が高いですが、そうなるとスバルはスバルではいられなくなるため、周囲のエミリアやベアトリスがそれを良しとしないでしょう。
世界に求められる役割と、周囲からの愛情、この二つの間に挟まれて葛藤する場面がいつか描かれることとなりそうですね。
リゼロ原作小説24巻5章「理不尽な剣の鉄槌」あらすじネタバレ
タイゲタで目覚めたスバルは、災厄が訪れるまでの時間の少なさに焦ります。
しかし、ベアトリスが「話し合うことが自分たちの強み」だとスバルを落ち着かせました。
スバルは冷静になり、ベアトリス達に状況を共有し、災厄への対応に動き出しました。
- 三階層「タイゲタ」に向かう途中のユリウスと合流
- メイリィにシャウラの援護を頼む
- ユリウスに「レイド」との対峙を頼む
- パトラッシュ、ラム、レムと合流
- エキドナにレム、パトラッシュを預ける
スバル、ベアトリス、ラムは、大罪司教「暴食」と対峙しているエミリアの元に急ぎます。
「暴食」ライ・バテンカイトスに奇襲
エミリアに合流したスバル達は、「エミリア・ラム」のコンビで暴食と向き合います。
ライ・バテンカイトスは、これまで「暴食」の権能で食べてきた戦闘の熟達者達を引き出して戦いますが、ラムの力には通用せず、追い込まれていきます。
しかし、ラムとスバル、自分の2人の「憧れ」が一緒に会いにきてくれたと、感動を溢れ出していました。
- 自分にとって「スバルくん」は特別
- スバルは英雄
ライ・バテンカイトスの意識がラムとスバルだけに集中するのを見て、エミリアとベアトリスが背後から連携攻撃での奇襲を仕掛けます。
それが見事に決まり、ライ・バテンカイトスは白目を向いて倒れました。
スバルに定着する力がシャウラを見つける
スバルは、生かして捕縛することを提案します。
- ライ・バテンカイトスを倒して記憶が戻る確証はない
- 記憶を取り戻す方法を聞く必要がある
- 今はライだけに時間を使っている余裕がない
ラムはスバルの提案を承諾し、エミリアが氷の枷でライ・バテンカイトスの手足を封じ込めます。
突如、スバルの胸に痛みが訪れ、二つの力の定着が訪れます。
- 三本目の腕
- 第六感で仲間の位置と状況が分かる
淡い光は仲間の位置を分かるだけでなく、それぞれの状況についても把握できるようになりました。
その隙をついて、ライ・バテンカイトスが上空に跳躍し、スバルを食べようと襲いかかります。
- 無数の白光がライ・バテンカイトスに突き刺さる
- 徐々に存在が消失していき敗北
スバルは、第六感で自分を助けてくれたのがシャウラだと感じて声をかけます。
しかし、そこにいたのは「大サソリ」でした。
シャウラがスバルに襲い掛かる
「さそり座」を表す言葉を名前に冠する女性、シャウラは大サソリとなってスバルに襲いかかります。
- 白光がスバルに集中して向けられる
- ベアトリスが魔法を駆使して攻撃を防ぐ
- 注意を向けられないエミリアが、斬撃でシャウラに反撃する
- 倒れているラムをスバルが担ぐ
- エミリアとベアトリスの連携攻撃で、シャウラの大鋏が落ちる
スバルは落ちた鋏を見て、「自切だ」と叫びます。
瞬間、三人とも魔法で防壁を生成し、大鋏は爆発しましたが怪我はありませんでした。
しかし、爆発によって生じた煙が晴れると、そこにはシャウラの姿はなくなっていました。
スバルに根付く「権能」
スバルは「第六感」の力を使って、味方の状況をもう一度確認します。
その光景を不思議がるエミリアとラムに対して、スバルの力は「加護」の上位互換である「権能」であり、それがいま定着している最中なのだと説明しました。
スバルは、メイリィが無事に今もバルコニーで戦っている姿を確認し、「シャウラの狙いは自分一人」であることに確信を持ちました。
暴食を倒してもレムの記憶は戻らない
レムの記憶を奪った「暴食」ライ・バテンカイトスが倒れ、スバルはラムにレムの記憶を思い出したかと確認します。
しかし、ラムにはレムの記憶は戻っておらず、単純に暴食を倒しただけでは記憶が戻らないと証明されてしまいました。
「剣聖」レイドとユリウスが登場する
スバルの権能が、光が高速でこちらに飛んでくるのが見え、途端、塔に亀裂が入ってその先からユリウスが現れます。
ユリウスと対峙していた「剣聖」レイドも現れ、レイドは「塔が壊れていると思って来てみた」と、意外そうにスバルをみました。
ユリウスは、大罪司教「暴食」ロイ・アルファルドは、今目の前にいる「剣聖」レイド・アストレアであるとスバル達に共有しました。
- ユリウスが二階層「エレクトラ」に到着した時は、既にレイドとロイが対峙している
- ロイは、「暴食」の性としてレイドを食べない訳にはいかないと話す
- レイドは、「俺が俺であることは変わらない」と話し、ロイの食事を受け入れる
- 結果、ロイは食べたレイドに乗っ取られ、ロイの体にレイドの魂が上書きされた
その結果、二階層から出ることのできないレイドが、プレアデス監視塔を自由に歩き回れるようになったのだと、ユリウスが説明をしました。
vs 「剣聖」レイド・アストレア再び
エミリアは、記憶を取り戻すための助力をレイドに求めますが、レイドはそれを断ります。
前提として、まずは試験を突破し、筋を立てろと言いました。
- レイドの前に、エミリア、ベアトリス、スバル、ラムは戦闘不能状態になる
- 唯一、ユリウスが片膝を立てている状態
- 大蠍となったシャウラが現れる
- レイドが「厄介な奴が来た」と話す
- 階下から無数の影が現れ、塔全体を呑み込む
スバル自身も影に呑まれ、また終わりを迎えると考えていた時、騎士剣を持ったレイドが影を切り裂いてスバルを助けます。
スバルの視界にはラムが映り、スバルはラムを抱きしめ、レイドに「お前も絶対にぶっ倒すぜ」と宣言します。
レイドは、騎士剣を構え、スバルとラムに光る剣戟を走らせ、権能を発動させます。
バルコニーの上でスバルがシャウラに問いかける
7周目のループに戻って来たスバルは、メイリィが魔獣達を迎撃しているバルコニーで、シャウラと二人きりになります。
そして、シャウラに質問をしました。
リゼロ原作小説24巻5章の考察、ネタバレ解説
ベアトリスが「権能」の知識を有している理由
ベアトリスは魔女因子やその目的も把握しており、魔女因子に基づく権能の仕組みも、当然理解していると考えて間違いありません。
一般的に、魔女因子の知識は広がっていないため、ベアトリスが魔女因子や権能の知識があるのは、400年前の出来事と関連があるからでしょう。
リゼロ原作小説24巻6章「一途な星」あらすじネタバレ
スバルは、シャウラに対して質問を投げかけ、シャウラがおおっ広げに答えていきます。
- スバルの命令には全て絶対服従なのか:もちろん
- 大きな蠍に変身できるか:できる
シャウラは、蠍に変身することはできるけど、カカ様とお師様にデザインしてもらった今の形態が気に入っているので、あまりしたくないとも話します。
スバルが5つ目のルールを問い詰める
スバルは、シャウラにプレアデス監視塔のルールをもう一度教えてくれと求めます。
- 「試験」を終えず去ることを禁ず
- 「試験」の決まりに反することを禁ず
- 書庫への不敬を禁ず
- 塔そのものへの破壊行為を禁ず
シャウラはこの4つと答えますが、スバルは「5つ目のルールは?」と問い詰めます。
シャウラは、引かないスバルに哀願するような激情の表情を向け、話したくないと答えました。
- シャウラは400年間、お師様との再会を待ち焦がれていた
- スバル達がプレアデス監視塔に来てからまだ4日
- スバルが目覚めてからはまだ2日しか経っていない
- 5つ目のルールを話したら、スバルはきっと「試験」の突破方法を思いつく
- だから自分は話したくない
スバルは、シャウラが敵対関係になる可能性も考慮していましたが、シャウラの口から紡がれた言葉は、一途な親愛の情以外の何物でもありませんでした。
スバルはシャウラが過ごして来た年月に思いを馳せます。
大蠍に変化しそうになるシャウラ
突然シャウラが呻き声を上げながら自分を抱き抱え、「誰かがルールを破ったっす」とスバルに告げます。
そして、スバルとの時間を少しでも長くと望んでいたシャウラが、スバル達のために自らを差し出す提案をします。
- 大蠍の姿に変わってしまえば、感情のないマシーンになってしまう
- そうなれば、真っ先にスバルを狙ってしまう
- だから、そうなる前に自分に命じて欲しい
懇願するシャウラの前で、スバルは「5つ目のルールを教えれば命じる」と話します。
シャウラは、「女たらし」とスバルに言って「試験の破壊を禁ぜず」と5つ目のルールを告げました。
スバルはシャウラを「救う」と判断する
スバルの命令を待つシャウラに対し、「命令するというのは嘘だ」とスバルはあっけらかんと話します。
シャウラが仲間であり、救うべき対象であると判断したスバルは、権能の発動を試みます。
シャウラも、変貌を続けながら、スバルを助けようと動きます。
途中で完全に大蠍に変貌を遂げましたが、シャウラがスバルに届く前に、スバルは権能を発動させました。
リゼロ原作小説24巻6章の考察、ネタバレ解説
シャウラの「カカ様」発言は重要
シャウラは自分のフォルムはフリューゲルと「カカ様」に作ってもらったと発言しました。
「カカ様」が「母様」であり、「カカ様」がサテラなら、シャウラは「サテラの娘」と言えることになります。
このことを踏まえると、エミリアはエリオール大森林でパンドラに「魔女の娘」と言及されていますが、これは本当の子供という意味ではなく、「サテラによって作られた子供」とも解釈ができるようになります。
エミリアがサテラとフリューゲルによって創造された存在なら、次のことにも説明がつきます。
- 他の魔女達がエミリアをサテラのように扱う(エキドナの「ただ君が憎い」、ミネルヴァの「合わせる顔がない」、カーミラの「借りっぱなしはイヤ」)
- エミリアが生まれるまでの空白の300年
- 封印の扉の鍵を出せる
上記を考慮すると、エミリアはサテラの魂を複製して生み出された存在である可能性が高く、それであれば、聖域でエミリアがサテラとなった理由も、プレアデス監視塔でスバルがフリューゲルとなった理由と同様に、「オドの中にいる存在による魂の上書き」だと説明ができるようになります。
エミリアがサテラの複製体なら、パックがエミリアを大切にするのは創造の父親である「フリューゲル」だからと考えられます。
今のエミリアとスバルのように、フリューゲルはサテラを、サテラはフリューゲルを大切に想っていた可能性が高く、それがエミリアの瞳の色をフリューゲルの方に合わせるなどといった行為に繋がるのかもしれません。
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本ページの情報は2021年03月05日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。