本記事では、リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)の原作小説25巻のあらすじ・ネタバレ解説をご紹介します。
シャウラの気持ちを確かめたスバルは、「全員生存」を目標に定めて動き出します。
スバルは記憶を取り戻し、シャウラを救い、プレアデス監視塔を襲う5つの脅威を乗り越えられるでしょうか。
また、ついにレムが目覚める!?
リゼロ原作小説25巻1章「■■・■」あらすじネタバレ
「全員生存」を心に定めてスバルが動き出す
シャウラの400年間お師様を待ち焦がれた心境、5つ目の監視塔のルールを話さなかった真意を聞いたスバルは、シャウラを救ってもいいのだと安堵しながら、権能を発動しました。
戻ってきたタイゲタの書庫では、レイド・アストレアの「死者の書」を読んだと思っているベアトリスがすぐ側にいて、スバルが目覚めたことに気づくと、優しく頭を撫でてくれます。
スバルは達成すべき目標を定めることができたため、目標達成までの道のりを明らかにする作業を始めます。
スバルは力を貸してくれとお願いし、ベアトリスは「当然なのよ。ベティーは、スバルのパートナーかしら」と返しました。
1カウント.「レイド・アストレア」と『暴食』ロイ・アルファルドの一体化阻止を狙う
タイゲタの書庫で目覚めたスバルは、ベアトリス、ユリウスを連れて最速で二階層エレクトラへと向かいました。
スバルは、剣聖レイドと『暴食』が一体化するのを防ごうと考えていましたが、エレクトラに到着した時には、既にレイドと『暴食』の戦いが終わった後でした。
レイドの態度にユリウスは「剣士の誇りを貶めている」と怒りますが、レイドも怒り返し、アルファルドに自分を食べさせます。
ロイ・アルファルドは想像以上のレイドの芳醇な味わいに歓喜しますが、『暴食』の権能を逆手に魂をレイドに上書きされ、体ごと乗っ取られてしまいました。
『暴食』の体を奪ったレイド相手に、ユリウスは善戦しますが、レイドの放った一撃によってスバルは権能を発動します。
- レイドと『暴食』の接触・一体化を止めることは難しい
- 剣聖レイドに対して、ユリウスなら対抗できる可能性がある
2カウント.『暴食』ライ・バテンカイトス戦の早期決着を目論む
スバルとベアトリスは、『暴食』ライ・バテンカイトスとの早期決着を目論み、援軍として駆けつけます。
エミリアの氷の舞、ラムの風魔法がバテンカイトスを襲いますが、世界中の武芸者を厳選して食べてきた「美食家」のバテンカイトスは、「武芸百般」と呼べる達人級の身のこなしで回避していました。
スバルとベアトリスは「エル・ミーニャ」を唱え、無数の紫矢で援護しますが、「跳躍者」の能力でスバルの背後に短距離ワープしてきたバテンカイトスによって、スバルは権能を発動しました。
- エミリアとラムが遭遇する『暴食』との早期決着も難しい
- ベアトリスと『暴食』の相性はよくない
7カウント.塔を襲撃してくる魔獣を外に誘き出すことができいないか試す
スバルは、メイリィが操る砂蚯蚓の背中に乗り、「囮作戦」で魔獣達を引きつけます。
奮闘するメイリィでしたが、シャウラが大蠍となる時間が訪れると、スバルに向けて「ヘルズ・スナイプ」を放ちます。
スバルは咄嗟にメイリィを自分の胸に抱き寄せ、メイリィだけでも傷つかないようにします。
砂に落下した際、スバルは受け身が取れず、権能を発動しました。
- プレアデス監視塔を襲撃していた魔獣やシャウラ、影の狙いはスバルであると判明
- 塔の外に誘き出すことはできるが、メイリィを守ることはできない
15カウント.ユリウスを『暴食』ライ・バテンカイトス戦に当てる
今度は『暴食』ライ・バテンカイトス戦にユリウスを当てます。
これまでにない程にバテンカイトスを追い込むと、スバルは、「暴食の権能の仕組み」「これまで食べてきた人の解放」を条件に命を助けると提案し、バテンカイトスは悪い話ではないと返します。
しかし、次の瞬間「跳躍者」の異能を使い、バテンカイトスはその場から見事に逃走を決めました。
スバル達の元にアルファルドの体を奪ったレイドが現れると、スバルの正体を知ったレイドは『暴食』が抱えていた以上の激しい敵意をスバルに向けます。
スバルの前にベアトリス、ユリウス、エミリア、ラムが立ちますが、スバルは権能を発動しました。
- 暴食は状況が不利になると逃げ出すことが判明
- レイドはスバルの正体を知ると襲いかかってくる
タイゲタの書庫で『菜月・昴』の死者の書を発見する
タイゲタの書庫に戻ってきたスバルは、15回もの検証作業によって、精神に激しいダメージを負い、人を人と思えなくなるような状態になりかけていました。
ベアトリスは「スバルは元々スーパーマンなんかじゃない」と伝えます。そして、自分にできないことを認め、人に頼り、周りと一緒に解決していくのがスバル流だと教えます。
ふらついて立てなくなったスバルの様子を見て、ベアトリスは襟ドナとメイリィに指示を出し、スバルは休むようにと言って書庫を出ます。
一人になったスバルは、仲間達の様子を確認するため「コル・レオニス」を発動します。
すると、背後にこれまで感じることのなかった微弱な光の反応を感じます。
スバルがその反応の元をたどっていくと、そこに「菜月・昴」の死者の書がありました。
リゼロ25巻第一章「■■・■」ストーリーまとめ
- シャウラを含め「全員生還」を目標に掲げられることに安堵しながらスバルが権能を発動
- 最終目標に達成するための手段を得るため、スバルの権能を活用した検証作業を始める
- 1カウントで、レイドと『暴食』の接触が防げないこと、ユリウスなら対抗できる可能性があることが判明
- 2カウントで、ベアトリスと『暴食』ライ・バテンカイトスの相性が悪いことが判明
- 7カウントで、魔獣やシャウラ、影が監視塔ではなく自分を襲ってきていることが判明
- 15カウントで、『暴食』はピンチになると逃走すること、『暴食』と一体になりスバルの正体を知ったレイドがスバルに明確な敵意を抱くことが判明
- 15回の権能発動でスバルの精神は摩耗し、立てなくなる
- ベアトリスから、「スバル流」を教えられる
- ベアトリスはエミリア達と合流、襟ドナ、メイリィはシャウラと合流しに向かう
- 一人になったタイゲタの書庫でスバルが「コル・レオニス」を発動
- 書庫の中に微弱な反応を感じ「菜月・昴」の死者の書を発見する
リゼロ原作小説25巻1章の考察、ネタバレ解説
レイドがスバルに激しい敵意を向けた理由
23巻6章でロイの体を乗っ取ったレイドがスバルと出会った時は、敵意を向けておらず、むしろ外れた肩を入れ直すなど動けるようにしてくれました。
レイドがスバルに激しい敵意を向けた理由は「暴食」の記憶が要因と示唆されましたが、前回との違いがあるとすれば、それはスバルが「レイドの死者の書を開き再び魂の回廊へ行った」ことになります。
「魂の回廊」でルイとスバルは交渉決裂となり、ルイは「あとはお兄ちゃんと兄様に任せるしかない」と発言し、スバルの情報を共有したものと思われます。
レイドはロイの中にある、ルイからロイに共有された記憶を参照し、スバルの中に全てを救おうとする「英雄幻想」が芽生えたことに気付き、「目が気持ち悪い」と表現して敵対したのかもしれません。
激しい敵意の正体は、恐らく水門都市プリステラでアルがスバルに向けたものと同じで、過去の自分を見ているかのような激情だと考えられます。
リゼロ原作小説25巻2章「ナツキ・スバル」あらすじネタバレ
激しく動揺しながらもスバルは「菜月・昴」の死者の書を読む
「菜月・昴」の死者の書を見つけたスバルは、激しく動揺しながら思考を加速させます。
- スバルにしか分からない「漢字」で書かれている
- 自分が発見する「可能性」のために用意されたもの
- 誰かがこの本にスバルを導こうとしている「思惑」がある
- 自分の死者の書があるということは、世界は自分の死を検知している
- そうであるならスバルの権能とは
- 本に記載されているのは自分か、『ナツキ・スバル』か
- レイドの死者の書が、試験官として再現するために空白になっていたように、自分の死者の書も空白である可能性はないのか
巡ってゆく思考が、本来の目的とずれてきていることを自覚したスバルは、自分がビビっているのだと気づきます。
そして、書を開く以外に選択肢は存在しないのだと悟り、自らの死者の書を開きました。
『ナツキ・スバル』の死に戻りをスバルが追っていく
死者の書を開いたスバルは、『ナツキ・スバル』の最初のループ、王都の盗品蔵でのエルザとの出会いを体験しました。
タイゲタの書庫に戻ってきたスバルは、直前まで感じていた激痛と熱さがなくなっていることに気付き、慌てて自分の腹を確認します。
そこに傷がないことで、死者の書が『ナツキ・スバル』の死者の書であることを確信しました。
スバルは二つのことに気付きます。
- メイリィの死者の書を読んだ時よりも、深く『ナツキ・スバル』と存在が重なってしまっている
- 『ナツキ・スバル』が権能を自覚していなかった
スバルは、「菜月昴」が誰からも信頼される超人『ナツキ・スバル』になるきっかけを求め続けます。
そして、その答えが「死者の書を読み進めていく中で見つかる」ことに希望を託しました。
「コル・レオニス」を発動すると、新たな微弱な反応があり、そこに二冊目の『ナツキ・スバル』の死者の書がありました。
『ナツキ・スバル』になった答えを求めて死者の書を開き続ける
スバルが八冊目の本を読み終えた頃、繰り返されるループによって大量の脂汗が流れ、感覚が分からなくなり、体を支えることもできず、前に伏せる形で倒れ込みます。
「死者の書」で映し出される『ナツキ・スバル』は、スバルが思い描いていた英雄ではなく、度し難い程に愚かしい男でした。
短時間で経験する大量のループに、スバルの心は壊れる寸前に追い込まれますが、それでも、スバルが『ナツキ・スバル』になったきっかけを求め、次の本を求めます。
そして、九冊目の『ナツキ・スバル』の死者の書を開きました。
スバルが『ナツキ・スバル』と出会う
その後も繰り返されるループに、スバルの心はひび割れていきます。
『ナツキ・スバル』の諦めの悪さにスバルは尊敬の念を示しますが、それでも自分が求めているのは、決定的な変化のきっかけであり、自分と『ナツキ・スバル』の間にある違いでした。
しかし、何度死者の書を開いても、スバルが求める答えはそこにありません。
聖域の墓所の試練で両親との別れを経験した頃、スバルは、『ナツキ・スバル』の想いが痛いほどに分かるようになり、少しずつ『ナツキ・スバル』となっていきます。
悲しさに嗚咽を撒き散らしながらも、スバルは次の「死者の書」を開きました。
そこには白いだけの世界が広がっており、ナツキ・スバルの前に『ナツキ・スバル』が立っていました。
『ナツキ・スバル』にスバルが追いつく
『ナツキ・スバル』は「よう、兄弟」と声をかけます。
スバルが、なぜ『ナツキ・スバル』がここにいるのだと聞くと、死者の書を読んで追体験してきたことで、スバルが『ナツキ・スバル』に追いついたからだと答えました。
『ナツキ・スバル』は、お前は俺なのだから、俺の考えていることはお前も分かるはずだと言いました。
『ナツキ・スバル』は超人ではなく、ただ「皆が好きだから」だという理由で、絶望の道を歩いてきたのでした。
スバルは、『ナツキ・スバル』は大馬鹿でちっぽけな奴だと言い、『ナツキ・スバル』はそれを肯定します。
しかし、スバルは「でも」と言葉を続け、『ナツキ・スバル』はすごい奴だと認めました。
『スバル』がスバルを待っていた理由
スバルは、『スバル』がどうしてここにいるんだ?と聞きます。
『スバル』は、スバルと『スバル』が同時に存在したのはこの死者の書の周回だけであり、これ以降では出会えないと、自分がこの死者の書に現れた理由を伝えます。
スバルは、死者の書が複数あったことに触れ、外から観測している存在がいることに気付きます。
そして、ルイ・アルネブが権能の存在を知ってはしゃいだことから、魂の回廊では観測できないと推測しました。
『スバル』は、ルイは魂の回廊に居座っているだけであり、支配者はおそらく別にいるとスバルに話します。
二人は声を合わせ、「賢者フリューゲル」の名前を出しました。
スバルは改めて、『スバル』がここにいる理由を聞きます。
『スバル』は何も答えません。
努めて明るく、スバルは「記憶の統合ってどうなると思う?」と笑って聞きました。
『スバル』の中にスバルが統合され、ナツキ・スバルが戻ってくる
スバルと『スバル』は、統合の不安を話し合います。
対消滅して互いに消えるのではと、二人は同じような不安を感じており、お互いが同じ存在であることを改めて確信しました。
念の為、自分だけが消えた時のためにと、スバルは『スバル』に、スバルが経験してきたことを共有していきます。
ただ、次第に『スバル』が経験してきたことに話題が移り、『スバル』が権能を駆使して皆を助けてきてくれたことに対して、スバルがありがとうと伝えます。
『スバル』はきっと、俺たちなら大丈夫だと言います。
二人は手を合わせると、『スバル』の中にスバルが統合されていき、一つのナツキ・スバルとして世界に戻ってきました。
ナツキ・スバルは、スバルがいたはずの場所にうずくまっている少女に目を向けます。
そして、「見たいものは見れたかよ、ルイ・アルネブ」と言いました。
リゼロ25巻第二章「ナツキ・スバル」ストーリーまとめ
- スバルが『ナツキ・スバル』の決定的な変化を求めて死者の書を読み進めていく
- 繰り返されるループに、スバルの心が磨耗していく
- 『ナツキ・スバル』の死者の書を読み進めても、スバルが求める答えは見つからない
- 縋るように死者の書を開き続けると、白い空間にたどり着き『ナツキ・スバル』と出会う
- 『ナツキ・スバル』は、スバルが『ナツキ・スバル』に追いついたと話す
- スバルは、『ナツキ・スバル』に英雄的な力はなく、ただ「皆が好きだから」ループを繰り返してきたのだと理解する
- 二人は統合や、出来事を外から観測している「賢者フリューゲル」の存在を話し合う
- 互いに同じ不安を感じ、互いに同じ希望を抱き、手を合わせて統合する
- 『ナツキ・スバル』の中にスバルが統合されて一つになる
- スバルがいたはずの場所にルイ・アルネブが出現する
リゼロ原作小説25巻2章の考察、ネタバレ解説
「菜月・昴」の死者の書がある理由
リゼロ世界に来てからのスバルの経験や記憶は「オド・ラグナ」にも記憶されており、そのため、スバルが権能を発動する度に「死者の書」が作成されているのだと明らかになりました。
漢字で「菜月・昴」としたのはフリューゲルの工作である可能性が高く、これはスバルに記憶を思い出させ、プレアデス監視塔の試験を突破させることが目的と思われます。
「よう、兄弟」はアルがスバルに向けて言ったセリフ
「よう、兄弟」は王都でアルがスバルに向けて言ったセリフです。これは同一の魂から複製された別々の存在であることを示唆しています。
「魂の回廊」でスバルが直後に「よう、もう一人の俺」と言い直した理由は、スバルと「ナツキ・スバル」は別の存在ではなく一人の存在であり、アルとスバルの関係とは、似ているようで違うものだからです。
リゼロ原作小説25巻3章「ルイ・アルネブ」あらすじネタバレ
ルイ・アルネブの生まれと幸せの定義
ルイ・アルネブは、存在が始まった時から魂の回廊に囚われていました。
自分の人生を歩むことはできず、暴食の権能も限定的な条件でしか使うことができません。
兄二人がいて、食事を運んできてくれることで食べることには困りませんでした。
しかし、食事をするうちに、人の人生には幸せの総量に絶対的な差があり、それは「生まれ」と「環境」によって左右されると気付きます。
そして、ルイ・アルネブにとっての最高の人生とは、「全てが自分の思い通りになる人生」だと考えるようになりました。
スバルの権能の存在を知って歓喜する
魂の回廊にスバルが現れた時、ルイ・アルネブは珍しさを感じつつ、すぐに「記憶」を食べます。
この行動により、ルイ・アルネブは二つの大きな驚きを得ました。
- スバルが記憶を失わなかったこと
- スバルが経験していたループ
何度でも人生をやり直すことができれば、自分が望む「全てが自分の思い通りになる人生」を得られると考え、ルイ・アルネブは心からスバルの権能を欲します。
しかし一方で、ループは魔女因子の権能によるものと考えられ、「オド・ラグナ」の対である魔女因子は、「記憶」や「名前」とは異なり、暴食の権能では奪えないことに気付きます。
そこで、暴食の権能を用いて自分を二つに分割し、スバルの「記憶」を丁寧に完全に継承した上で、分化した自分の一人をスバルの中に入れました。
そして、元のリゼロ世界に戻し、もう一度自分の分身がが「魂の回廊」を訪れることをじっと待ち、別存在として現れたスバルを食べて自分と統合することで、スバルの権能を奪う作戦を考えていたのでした。
ルイ・アルネブはループを体感して絶叫する
スバルに声をかけられたルイ・アルネブは、自分がスバルと同化していた存在であったことを思い出します。
そして次の瞬間、全身全霊をかけた叫び声をあげました。
スバルを通じて20回以上経験した「ループ」は、想定したものとは隔絶的に悲惨であり、決して耐えられるものではありませんでした。
ルイ・アルネブは、スバルに、「これに耐えられるなんて人間じゃない、化け物だ」と罵ります。
怯えるルイ・アルネブにスバルに「名前」と「記憶」の解放を迫る
ルイ・アルネブはスバルを「恐怖の対象」として見るようになり、権能を駆使して襲われることに酷く怯えていました。
スバルは大罪司教の元となっている「七つの大罪」に近いものとして、人が人と生きていくために必要な「七元徳」についてルイ・アルネブに話します。
そして、大罪司教はそれらを侵しているため、自分は絶対に許さないと宣言しました。
さらに恐怖するルイ・アルネブに、スバルはこれまで食べた「名前」と「記憶」を解放しろと迫ります。
しかし、ルイ・アルネブはこれこそが自分たちの生命線だと言い、スバルを魂の回廊から元の世界へ飛ばします。
そして、兄二人のどちらかが、スバルを食べ尽くすことが勝利条件だと言い放ちました。
記憶の回廊でルイと『ルイ』の争いが始まって終わる
スバルがいなくなった「記憶の回廊」で、ルイはスバルの異質さに改めて怯えます。
暴食の権能は、本来生まれた時の記憶から奪えるはずですが、スバルの記憶はここ1年ちょっとのものしか奪うことができませんでした。
その原因に対して、「オド・ラグナ」が嫌っているか、「あるいは」とまで言ったところで、魂の回廊で待機していた『ルイ』がルイの前に現れます。
気軽にスバルの名前を出して希望を語る『ルイ』に対し、ルイは拒絶反応を示します。
そのルイの行動を見て、『ルイ』はルイがスバルの権能を独り占めしようとしていると察し、ルイと『ルイ』の戦いが始まり、そして終わりました。
エミリアの元に「一の騎士」が到着する
『暴食』ライ・バテンカイトスに、エミリアは既に「名前」を奪われていました。
黒髪、黒瞳の少年がエミリアの前に現れます。
エミリアは込み上げてくる感情を抑えながら、自分が味方で相手が敵、「私のこと、分からないかもしれないけど」と言います。
しかし、返ってきた言葉はエミリアには予想外で、それはスバルのものでした。
スバルは宣言します。
「俺の名前はナツキ・スバル。エミリアたんの、一の騎士!」
リゼロ25巻第三章「ルイ・アルネブ」ストーリーまとめ
- ルイ・アルネブの存在の始まりと幸せの定義が語られる
- 「完璧な人生」を得ることができるスバルの「ループ」の存在を知って歓喜する
- スバルの権能を奪うため、自らの魔女因子を二つに分け、存在を分化する
- 改めてスバルの記憶をなぶって記憶を完全に奪い、分化させた自分をスバルの中に入れる
- 再びスバルが魂の回廊に現れるのを待った
- スバルのループを経験して愕然としたルイ・アルネブの場面に移る
- スバルにこれまで食べた「記憶」と「名前」の解放を迫られる
- 「記憶」と「名前」を返したらスバルに滅ぼされると怯え、スバルを元の世界に弾き飛ばす
- 魂の回廊でもう一人の自分と言い争いになる
- スバルが「名前」を奪われたエミリアの元に駆けつける
リゼロ原作小説25巻3章の考察、ネタバレ解説
オド・ラグナと魔女因子が「対の関係」と判明
ルイの思考の中で「オド・ラグナ」と魔女因子が「対の関係」であると判明しました。
つまり、全ての魔女因子を集めれば「オド・ラグナ」と対等の存在になれる可能性があるということです。
これにより、「賢人」とは「新しいオド・ラグナになること」を指す可能性が生じ、元々のサテラ達の目的は、新しくできた「オド・ラグナ」に現在の世界を移行することである可能性が浮上しました。
ルイがレムの記憶を放棄
スバルを前にしてこみ上げてくる愛情を邪魔に思い、ルイが自らの魂に統合していたレムの記憶を放棄しました。
暴食の権能の被害から復活するためには、暴食のオドに統合された「名前」と「記憶」を取り戻す必要があると分かり、ルイの持つ「記憶」については、これでオドから分離することができました。
問題は「魂の回廊」で分離されたレムの「記憶」を、どのように次元の異なるリゼロ世界にいるレムのオドに戻すかという点です。
スバルが二度目で「記憶」を奪われた理由
スバルが二度目で「記憶」を奪われた理由を考えるにあたっては、「暴食の権能の仕組み」を理解することが必要です。
暴食の権能には、「名前」「記憶」を食べるという力があります。
この権能の仕組みは恐らく次のように働いているのではと思われます。
- 一つの魂は「記憶」「名前」で構成され、それぞれ「オド・ラグナ」との繋がりが形成されている
- 「記憶」を食べるとは、「繋がりの人側」を暴食に付け替える行為であり、結果としてオド・ラグナに記憶されている当該人物の記憶が、暴食のものとなる
- 「名前」を食べるとは、「繋がりのオドラグナ側」を暴食に付け替える行為であり、結果としてオド・ラグナが当該人物の存在を忘れるため、周囲の人物も当該人物を忘れる
- 「記憶」「名前」を食べるとその存在を完全に手中に収められるため、「日食」を使えるようになる
- 二つとも食べられた人物は「眠り姫」となる
上記のことを踏まえると、スバルが一度目で記憶を失わなかった理由は「オドラグナ以外にも繋がりがあるから」の可能性が高いです。
魔女因子がオド・ラグナの対となる存在なのであれば、「賢人」になることは「新しいオド・ラグナの誕生」を意味すると解釈でき、フリューゲルは中途半端ではあるが、オド・ラグナに近い権能が発揮できるようになっている可能性があります。
つまり、スバルの「記憶」の繋がりは、オド・ラグナ以外にも、フリューゲルとの間にもあると考えられ、そのため、一度目ではオドラグナとの繋がりを奪われたものの記憶の保持ができ、二度目ではフリューゲルとの繋がりを奪われたため、異世界転生後の記憶をなくしたのではと思われます。
リゼロ原作小説25巻4章「Ready Steady Go」あらすじネタバレ
スバルとエミリアが再会する
エミリアは全てを理解して喜びを噴出させます。
その隙を見てライ・バテンカイトスが襲撃をしてきますが、エミリアに返り討ちに遭い、通路の奥へ飛ばされた上に氷柱を打ち込まれました。
スバルにエミリアが抱きついて、バカバカと可愛い喜び方をします。
そして、記憶喪失だったスバルもいなくなってはおらず、スバルに一つに統合されたと話すと、安心してくれました。
バテンカイトスが逃走したと分かると、スバルは状況を打破するために人員を振り直すと話し、仲間達と合流することを優先します。
「コル・レオニス」を使ってベアトリスの場所を見つけると、エミリアと一緒にそこに向かいました。
エミリア陣営が集合する
エミリアとスバルが向かった先には、仲間達の姿がありました。
ベアトリスにスバルとエミリアが同時に抱きつき、エミリアが嬉しそうにスバルが記憶を取り戻したことを伝えます。
ラムやレム、パトラッシュも無事にいて、プレアデス監視塔にいるエミリア陣営が全員大集合することになりました。
ラムがエミリアの存在に注意を向けますが、エミリアは自分は皆の家族だ!と言い張り、本来孤独に陥って瓦解するはずだった関係を、全く感じさせないほど堂々とします。
その姿と、レムの時に感じた頭の中の違和感を根拠に、ラム達もエミリアを信じることになります。
そして、スバルによる状況説明が始まりました。
スバルが新しい権能「小さな王」に覚醒する
スバルは、三人と一頭に対して、プレアデス監視塔を襲ってくる4つの危機を共有します。
- 『暴食』ライ・バテンカイトス
- 『暴食』ロイ・アルファルド
- 塔に迫ってくるアウグリア砂丘の魔獣
- 大蠍に変貌するシャウラ
そして、この内の二つについては、ベアトリスの指示によって対応できていることを共有します。
ロイ・アルファルドの体を乗っ取ったレイドにはユリウスが対峙していること、アウグリア砂丘の魔獣に対してはメイリィが対応していることを話します。
残りの二つの危機について、『暴食』ライ・バテンカイトスの対応はラムに任せたいとスバルは話します。
ここで、スバルは強欲の魔女因子のもう一つの権能「小さな王」を覚醒させます。
その権能の力をラムに向けると、すぐに変化が現れました。
スバルの「小さな王」の能力が明らかになる
スバルの「小さな王」は、集団の王として、仲間の負担を一身に背負うというものでした。
そのため、ラムが日頃感じている心身の負担をスバルが背負い、その間はラムが本来の力を出せるようになります。
スバルは、圧倒的な倦怠感と心身の疲弊を感じ、嘔吐しそうになりながら、ラムがどんな世界で生きていたのかを知りました。
ラムはスバルに対し、手を抜かないわよと念押しします。スバルはそれでいいと答え、二人は互いの無事を祈って分かれました。
残された仲間達も、それぞれの持ち場へと向かいます。
バルコニーではシャウラ、メイリィ、エキドナが奮闘
餓馬王に代表される大量の魔獣達は、既にバルコニーにも侵入してきていました。
数えるのが馬鹿らしくなる程の数の魔獣が押し寄せていましたが、メイリィとシャウラの圧倒的な攻撃力によって、塔内への侵入は防げていました。
しかし、ここにきてシャウラの変貌が始まってしまい、エキドナ、メイリィにも焦りが見えます。
エキドナは、自分も出し惜しみができなくなると覚悟をしたところ、バルコニーへと繋がる通路から、スバル達が現れました。
魔獣、シャウラに立ち向かうはスバル、ベアトリス、メイリィ
バルコニーに到着したスバル達は、激戦があったことを察します。
スバルの姿を見たシャウラは変貌をギリギリで我慢しながら、自分に命令してくださいと、かつてのように懇願します。しかし、スバルは願いを断り「絶対に俺が救ってみせる」と啖呵を切リます。
シャウラは、スバルに「愛しているっす」と話した言葉を最後に大蠍へと変貌し、スバル達に襲いかかりますが、エミリア、ベアトリス、メイリィの連携プレーで地面へと落下させられました。
スバルは素早くエキドナに情報共有をして、エミリアとエキドナは二階層のユリウスの元に行くよう指示します。
スバル・ベアトリス・メイリィ vs 大蠍
バルコニーに大蠍が戻ってくると、今度はスバル達が外へ向かって飛び出します。
スバル達は、メイリィが操る羽土竜、餓馬王に助けられながら地面へ急降下し、スバルはメイリィの能力の応用性の高さを絶賛しました。
しかし、メイリィにもどこか疲れが見え、いかにメイリィに負担をかけずに時間を稼ぎ続けるかが大事だと気付きます。
蠍もバルコニーから迷わず落下して、地面に衝撃波と共に降り立ちました。
スバルは、勝利条件の鍵は「試験を壊すことは禁じない」という5つ目のルールだと話し、エミリアがそのために上へ向かっていると話します。
そして、エミリアが塔の試験を壊すまで、時間を稼ぐことが自分たちの勝利条件だと気合いを入れました。
ユリウス・エキドナ vs 剣聖レイド
エミリアがエキドナを抱え、大急ぎで二階層エレクトラへと向かいます。
エレクトラでは、レイドの剣戟にユリウスが押されており、そこにエミリアが参戦します。
レイドは、自分の手がエミリアに動かないことから、試験を突破されていることに気付きます。
エミリアは、レイドとの戦いをユリウスに任せ、一階層へと向かいました。
エキドナは二階層に残り、「君はアナスタシア・ホーシンの一の騎士なのだろう?」と、自分が残る意図をユリウスに伝えました。そして、記憶を取り戻したスバルからの伝言を伝えると、ユリウスから笑みが溢れます。
ユリウスの変化に対し、レイドは眼帯で隠している方の目でじっと睨みつけます。そして、対等な剣士として認めた際には名乗りをあげるという流儀に従い、「棒振り『レイド』だ」と言いました。
ユリウスもそれに応え、「アナスタシア・ホーシンの一の騎士」を名乗ります。二人の本当の戦いが、切って落とされます。
エミリアが『神龍ボルカニカ』と対峙する
エミリアが階段を駆け上るった先は、青い空が広がる屋上でした。
最上階に出たエミリアは、自分が雲の上にいることに驚きます。しかし、近くにいたその存在に気付いたことで、全ての驚きを塗り潰され、絶句します。
想像することさえ許されない程の威容を備えた存在、神龍ボルカニカがそこにいました。
エミリアは、震えた声でボルカニカに話しかけようとします。ボルカニカは、これまでの試験官と同じように、試験の口上を述べました。
汝、塔の頂へ至りし者。一層を踏む、全能の請願者
我、ボルカニカ。古の盟約により、頂へ至る者の志を問わん
ラム vs 『暴食』ライ・バテンカイトス
四階層から螺旋階段で逃げてきたバテンカイトスは、エミリアから奪ったアイスブランド・アーツを試していました。
想定よりもマナの調整が難しく、使えないと残念がるバテンカイトスの頭上から、ラムの声がします。
ラムは、レムを眠り姫にしたバテンカイトスに向けて、ラムらしい言葉で宣戦布告しました。
リゼロ25巻第四章「Ready Steady Go」ストーリーまとめ
- エミリアの元に記憶を取り戻したスバルが駆けつける
- エミリアが『暴食』ライ・バテンカイトスを弾き飛ばし逃走させる
- エミリアとスバルがベアトリス、ラム、レム、パトラッシュと再会
- スバルが「小さな王」を覚醒しラムの負担を引き受ける
- バルコニーではシャウラ、メイリィ、エキドナが奮闘するがシャウラが大蠍への変貌を始める
- スバル、エミリア、ベアトリスがバルコニーに到着、シャウラが大蠍に変化
- エミリア、エキドナが二階層エレクトラへ向かう
- スバル、ベアトリス、メイリィが地表に落ちてシャウラと対峙する
- レイドと戦うユリウスの元にエミリア、エキドナが到着
- エキドナの声援によりユリウスパワーアップ
- エミリアが一階層に到着し、神龍ボルカニカと対峙
- ラムが四階層と五階層の間の螺旋階段で『暴食』ライ・バテンカイトスと会敵
リゼロ原作小説25巻4章の考察、ネタバレ解説
発動する権能が依代によって異なる理由
魔女因子はあくまで力の源で、「オド・ラグナ」の対となる存在というだけです。
七つの大罪にはそれぞれ対となる感情があり、例えば「強欲」の反対は「救恤」で、これは「困っている人達を救うこと」を意味します。
エキドナ、スバルは「救恤」側に傾いているため、他者を救うための権能が覚醒し、レグルスは「強欲」側に傾いているため、自分のための権能が覚醒したものと解釈できそうです。
リゼロ原作小説25巻5章「精神の死」あらすじネタバレ
シャウラ相手に時間稼ぎを開始するスバル達
スバル達は餓馬王にまたがり、大蠍となったシャウラから全力で逃げていました。
近すぎれば大挟みが、遠ければ白光が容赦無く襲いかかってくるため、絶妙な距離を保ちながら、大蠍の攻撃を回避する時間が続きます。
また、スバルの「小さな王」の権能が切れてしまわぬように、プレアデス監視塔からの距離も一定程度保つ必要がありました。
多すぎる注文にメイリィは「絶対に後にひどいんだからぁ」と怒りますが、スバルはメイリィに頼る他ありません。
スバルは、一階層に向かうエミリアに「頼んだぜ」と願います。
問いを繰り返す神龍ボルカニカにエミリアが戸惑う
神龍ボルカニカの威容に震えていたエミリアでしたが、スバル達の期待に応えたい想いで自らを奮い立たせ「試験を受けにきた」とボルカニカに告げます。
ボルカニカは、「試験の口上」を繰り返します。
エミリアは、自分が名前を告げていないからダメかと思い、エミリアだと名乗りましたが、それでも反応は変わりません。
堂々と近づき、ボルカニカに触れると、そこには生きているとは思えない冷たさがありました。
長時間待ち続けたボルカニカには、精神的な死が訪れていたと考えられ、エミリアはいよいよ困り果てます。ボルカニカは同じ問いを繰り返します。
エミリアが新技「氷の兵隊さん」で神龍ボルカニカに挑む
エミリアは、今自分ができるだけのことをしようと、一階層の試験会場を見渡します。
会場は半径100m程度の円形となっており、周囲に6本の柱、真ん中に1本の大きな柱がありました。
真ん中の柱は、一本だけずっと上まで伸びており、ボルカニカもその柱にもたれかかるように存在しています。
この柱に何かがあるのだろうと、ボルカニカの裏側から柱に近づこうとした時、突然尻尾による致命的な一撃がエミリアに降り注ぎます。
野生的な勘で、間一髪攻撃を防ぐことができ、やはり真ん中の柱に何かがあることを確信します。
そして、まだスバルにも見せたことのない新技、人の形をした氷の戦士達、その名も「氷の兵隊さん」を出現させ、様々な武器を持った兵隊さん達と共に、ボルカニカに立ち向かうことを決めました。
ラムが三つ目の枷を外してバテンカイトスと対峙する
ラムは、「ツノナシ」となってから圧倒的な倦怠感と心身の疲労に襲われていました。
そのため、自分に意識に10の枷をかけて、力を抑え込んで生活をしてきました。
魔法の使用が必要な有事の際には1つ目の枷を外し、それでも足りない場合には、2つ目の枷を外す、といった具合です。
聖域でガーフィールと戦闘になった際には2つ目の枷を外しており、あれで本来の2割程度の力が発揮することができた状態だと判明します。
だからこそ、ラムはスバルの「小さな王」の権能の効果に、驚きを隠せませんでした。
本来、返ってくる体への負荷で使い物にならなくなることから、ラムは3つ目の枷を外すことができません。
しかし、その負荷をスバルが引き取ったことにより、ラムは10年ぶりに3つ目の枷を外すことができそうでした。
ラムは、スバルを心配する皮肉めいた言葉を呟き、3つ目の枷を外します。
ラムの負担がスバルに跳ね返る
スバルがギルティウィップを餓馬王の上半身に巻きつけ、ベアトリスが陰魔法ムラクで絶妙な体重調整をしていることで、かろうじて二人は落馬することなく走り続けていました。
生命線であるメイリィの加護使用の負担もスバルは「小さな王」で引き取っており、加護を使うことで返ってくる負荷を、脳でビシビシと感じています。
そこに、ラムが3つ目の枷を外した負担がスバルに襲いかかりますが、ベアトリスに支えられ、かろうじて落馬を防ぎます。
メイリィは心配しますが、スバルは大丈夫だと応え、メイリィに「うちの子にならないか?」と軽口を叩いて返しました。
「紅蠍」に変異したシャウラがメイリィを襲う
メイリィは、今の自分自身の状況を見て、端的に「どうかしているわぁ」と感じていました。
「魔獣使い」は、事前準備の仕込みと配置が肝要で、その総攻撃を外で見守るという戦い方を得意としていました。
今のように、起こりうる事態に突発的に対処する方法で戦ったことはなく、また、誰かを守るために戦ったこともありませんでした。
それでも、餓馬王や砂蚯蚓を多数操っても、そこまで負担を感じないことに、自分が調子がいいと考えていました。
しかし、だからこそなのか、大蠍の全身が「紅」に代わり、攻撃色を身に纏った「紅蠍」に変わったことに気付くのが遅くなってしまいます。
紅蠍はより獰猛になり、アウグリア砂丘を薙ぎ払うかのような白光を放ちます。
その白光は付近にいた三体の餓馬王を消滅させ、そして、メイリィを空へ飛ばしました。
ラムに圧倒されるバテンカイトスが「悪意」を向ける
三つ目の枷を外してから一分、ラムは圧倒的な戦闘能力でバテンカイトスを圧倒していました。
撃退するなら簡単にできますが、目的は眠り姫となった「レム」を取り戻すことであるため、バテンカイトスを精神的に屈服させるため、ラムは徹底的に恐怖を刻みつけていきます。
追い詰められたバテンカイトスは、切り札である「日食」を使い、短距離ワープで時間を稼ぐと、レムの記憶を参照して、ラムの動きには時間制限などのカラクリがあるはずだと当てをつけます。
そして、日食の権能を用いてラムから逃げる時間を稼ぐと、そのまま塔内に逃げ込んでいきました。
ラムが「千里眼」でバテンカイトスの視界をみると、そこにはレムを抱えたパトラッシュが疾走していました。
リゼロ25巻第五章「精神の死」ストーリーまとめ
- スバル・ベアトリス・メイリィがシャウラからの逃走を開始
- エミリアが神龍ボルカニカに精神の死が訪れていることに気付く
- 一階層の真ん中の柱に近づくと、ボルカニカの尻尾がエミリアを攻撃
- エミリアが「氷の兵隊さん」を出してボルカニカと対峙する
- ラムが3つ目の枷を外す
- スバルにラムの負担がフィードバックする
- シャウラが「紅蠍」に変異してメイリィが宙に舞う
- ラムがバテンカイトスをいたぶる
- バテンカイトスが切り札「日食」を使う
- ラムの元から逃走したバテンカイトスの視野にパトラッシュとレムが映る
リゼロ原作小説25巻5章の考察、ネタバレ解説
プレアデス監視塔のボルカニカは人工精霊か
レイド、ボルカニカはプレアデス監視塔の試験官という役割を任された存在であり、試験官の役割を担うため、二人とも「記憶を封印」され、役割だけを持たされた可能性が高いです。
ボルカニカに関しては「サテラが嫉妬の魔女となった直後まで」の記憶があることから、サテラを封印した後に、試験官の役割を与えられたと考えることができます。
この辺りについては、強欲の魔女エキドナが有していた魂の複製と転写技術が応用されたのでしょう。
リゼロ原作小説25巻6章「グッドルーザー」あらすじネタバレ
ユリウスが自分の歩む道を選ぶ
レイドは、ユリウスは本質的には自分と同じ「棒振り」であり、それにも関わらず「見栄」に拘って、行儀の良い剣を振るっているから自分に敵わないのだと指摘します。
ユリウスはレイドの指摘を肯定し、自分の過去を語ります。それはかつてスバルに語ったユリウスの生まれに関するものでした。
ユリウスの父は、貴族の家の生まれでしたが、家を出奔して平民の女性と結ばれ、その間にユリウスが生まれます。ユリウスの両親が亡くなったあと、父の兄である叔父に引き取られることになりました。
そこで出会った騎士という存在に憧れ、本来の自分の上にハリボテを飾り付けてきたのが、自分という存在であると言います。
レイドは、「その本来の自分」であるユリウスを望みますが、ユリウスは自らの「見栄」を通すことを選びます。そして、騎士道としての生き方の中にこそ、自分という存在がいたのだと、失われた立つ瀬を見つけました。
そして、忘れられたことなど何も問題はなかったのだと伝えます。
ユリウスの準精霊が開花の時を迎える
ユリウスを忘れながらも、契約と誘精の加護によって戸惑いながら側にいた準精霊達を呼びます。
ユリウスは、準精霊達に、温情に甘えていたことを謝罪し、格好悪い自分を返上すると告げ、準精霊たちとの契約を破棄しました。
ユリウスと準精霊達は、それぞれの魂に衝撃が走って深い傷を負います。
ユリウスは、その傷を感じた上で、改めて準精霊達に呼びかけ、この上でもう一度自分と契約を結んでくれないかと言いました。
準精霊達は、たった一秒逡巡し、そしてユリウスの元に集まって、新しい繋がりを生み出します。
再びユリウスと契約を結んだ準精霊達は、ついに花開く瞬間を迎え、精霊となりました。
ユリウスはレイドに、「お初にお目にかかる」と口上を述べ、自分こそが「あなたを斬る、王国の剣だ」と言いました。
虹色の精霊騎士ユリウスが誕生
レイドは思案し、それでも、自分が導いて殻を破った方が強くなれたとユリウスに告げます。
ユリウスのその道もあったのだろうと返し、どれ程の機会があったとしても、騎士に憧れた自分はこの選択をすると答えます。
そして、この役目を終えて無事に戻ることができたら、ラインハルトに挑もうと考えます。
ユリウスは、かつて練兵場でラインハルトとヴォラキア帝国の最強剣士との戦いを見ており、そこに憧れの騎士としてラインハルトの姿を見ていました。
それ以来、憧れであるラインハルトに並び立とうとすることはしませんでした。しかしそうしなかった後悔も抱えていたため、王選に参加しようとしていたのでした。
レイドが改めて名前を聞き、ユリウスが名前を名乗ります。
ユリウスの元には開花した六精霊が集いました。
これまで一度たりとも成功しなかった虹色の精霊魔法、虹の極光を放つクラウゼリア、剣へと宿らせるクラリスタ、この二つの先にある秘儀を展開します。
「アル・クランヴェル」
ユリウスがそう唱えると、虹の極光はユリウス自身に纏います。
虹色の精霊騎士となったユリウスと、剣聖レイドの戦いが始まります。
襟ドナが「役目」を見つける
襟ドナは、生まれること自体が目的であり、この世に生まれた時点で自身の役目が終わっていることを気付いていました。
それから数百年の空白の時を経て、アナスタシアと出会い、その熱情に触れて冷え切った体に熱を取り戻すことになります。
時の流れの残酷さを知っている襟ドナだからこそ、アナスタシアを、ユリウスを、誰も失わせたくないと考えていたのでした。
また、襟ドナは、既にアナスタシアがオドから戻ってこれない原因についても理解していました。
オドはある種の固有の世界であり、外界の影響を受けないため、オドの中にいる間は暴食の権能の影響を受けず、ユリウスのことを忘れてしまうこともありません。ユリウスを忘れたくないから、アナスタシアはオドに引きこもったままだったのです。
襟ドナは、自分の役目は、大切なアナスタシアと、その一の騎士であるユリウスを繋ぐことだと見つけます。
そして、アナスタシアに、「君の騎士の一番格好良いところを見ないなんて、君らしくない」とアナスタシアに声をかけました。
アナスタシア・ホーシンが戻ってくる
虹色の精霊騎士となったユリウスは、それでもなお、レイドをあと一歩押し切ることができませんでした。
真面目に剣を振っただけで次元が斬れるレイドの規格外さに、ユリウスはラインハルトを重ねます。
背中から、「ユリウス」と言葉がかけられ、その言葉はユリウスの胸の奥深くに届きます。
「いったれ、ウチの騎士」その一言をきっかけに、ユリウスはレイドを打倒するための最後の一押しの力を得ました。
六精霊それぞれの名前を呼んで最大限の力を発揮し、虹色の極光と白光はどこまでも膨れ上がり、そして決着を迎えました。
ユリウス・ユークリウス vs レイド・アストレア 決着
どこまでも膨れ上がった二つの光は、突然終わりを迎え、ユリウスの騎士剣がレイドに届きます。
しかし、どこか様子がおかしく、レイドは「つまンねぇ幕引きになっちまった」と言います。
レイドの体はひび割れ始めており、これはレイドの魂に『暴食』ロイ・アルファルドの身体がついてこれなかったことが原因でした。
レイドは、自分の体だったならばユリウスの剣が届くことはなかったと言い、ユリウスもレイドへ心の底からの尊敬を伝えます。
消え去る直前、レイドは「オレの勝ち逃げだぜ、ユリウス」と、ユリウスの名前を始めて呼びました。
ユリウスは、驚きを微笑みに隠し、騎士としての堂々とした立ち居振る舞いでレイドに敬意を示し、レイドの勝ちであると笑顔で返しました。
ひび割れて消え去ったレイドの後には、白目を向いた『暴食』ロイ・アルファルドが倒れていました。
アナスタシアとユリウスの間に新しい絆が結ばれる
アルファルドの左胸には、レイドと同じ傷が見られ、致命傷であることを確認したユリウスは、アナスタシアの方へと歩を進めます。
アナスタシアの足元には、ずっと襟巻きに擬態していた襟ドナが、白い狐の姿で座っていました。
ユリウスは片膝をつき、「お初にお目にかかります」と、レイドとの戦いに臨んだ時と同じ口上を述べます。
アナスタシアは自分の名前を名乗り、世界の全てが欲しい強欲さを伝え、ユリウスの名前を聞きます。
ユリウスは自分の名前を名乗り、あなたの一の騎士だと伝えます。
アナスタシアは、よく覚えていないけど、と断りを入れた後、一眼見て、ユリウスを「ウチのもんにせなあかんて思った」と強欲な可愛らしい笑顔をユリウスに向けました。
二人の主従の絆は結び直され、二階層エレクトラの試験は終わりを迎えます。
リゼロ25巻第六章「グッドルーザー」ストーリーまとめ
- レイドがユリウスに殻を破って「棒振り」となることを求める
- ユリウスは自分の生い立ちを語り、「見栄を張る」意地を通す生き方を選ぶ
- 準精霊との契約を破棄する
- 準精霊達ともう一度契約を結び直し、準精霊から精霊に昇格する
- 虹色の極大魔法「アル・クランヴェル」の発動に成功し、虹色の精霊騎士となる
- エキドナが自分の役目を自覚し、アナスタシアをオドから呼び起こす
- アナスタシアがユリウスの背中から声をかける
- ユリウスとレイドの光がぶつかり、どこまでも膨れ上がる
- 『暴食』ロイ・アルファルドの身体がレイドについていくことができず崩壊
- レイドが勝ち逃げ宣言をして消え去っていく
- 致命傷を受けた『暴食』ロイ・アルファルドが白目を剥いて気絶した状態で現れる
- ユリウスとアナスタシアが主従の絆を結び直す
リゼロ原作小説25巻6章の考察、ネタバレ解説
アナスタシアがユリウスに一目惚れしている可能性が高くなる
アナスタシアが王戦に参加したのは「望まれたからだ」と襟ドナが打ち明けており、カララギのアナスタシアにルグニカ王国の王座に就くよう求めたのはユリウスです。
この上さらに、ユリウスを忘れたくないためにオドを削ってでも閉じこもっていることが判明します。
また、ユリウスを忘れたアナスタシアがもう一度ユリウスを見て「一目見てウチのもんにせなあかんとおもった」発言をしていることからも、アナスタシアがユリウスに一目惚れしている可能性は非常に高くなったと思われます。
アナスタシアのゲートの問題はユリウスが解消できる
アナスタシアはゲートが損傷していてマナを体内に取り込むことができません。
これはラムと同じ状態で、ラムはロズワールの治療によって生き続けられています。
ロズワールがユリウスにラムの治療を頼もうとしたように、ユリウスなら白色のマナを作り出すことも可能だと考えられるので、アナスタシアの近くにユリウスがずっといれば、治療し続けられ、アナスタシアの寿命の問題は解決できます。
そして、二人は互いに想いあっている可能性が高いので、この点は話し合いが行われれば問題ないでしょう。
リゼロ原作小説25巻7章「ラム」あらすじネタバレ
角を失った夜のラムの心境
鬼族の里を魔女教徒が襲撃した夜、初撃の奇襲で半数の鬼族が失われ、二撃目でさらに半数の鬼族が失われました。
長老は、鬼神の生まれ変わりだと信じるラムさえ生き残ればいいと、ラムに逃げるように伝え、自身は魔女教徒の中に突っ込んでいきます。
ラムは、村中から向けられる「鬼神の生まれ変わり」という想いに、うんざりしていました。
魔女教徒を紙のように千切るラムの内からは、鬼神のものと思える声が囁いてきます。
ともすれば、幼少のラムの精神は、容易にその甘い誘惑に沈んでしまうところでした。しかし、ラムにはレムがおり、「レムの姉」としての人生を希求する確固たる自己を持っていたからこそ、自分を保っていることができていました。
魔女教徒を排除しながらレムの元にたどり着くと、レムに意識を向けた隙を突き、周囲を逃げ場のない程に取り囲まれてしまいます。
レムと共に逃げ延びる道を作るため、ラムは枷を外して力を解放しますが、ラムの風の刃の隙間をついて一人の魔女教徒が忍び寄り、一撃をラムの額に入れました。
激しい喪失感に襲われながら、ラムはクルクルと飛んでいく自身のツノを見ながら、「やっと折れてくれた」と感じます。
スバルの「小さな王」の力が弱まる
千里眼で捉えた視界には、バテンカイトスがレムを背負ったパトラッシュを、わざとラムに見せつけるように嬲っている姿がありました。
ラムと直接対峙して勝てないと踏んだバテンカイトスは、ラムの最愛の妹であるレムを人質に取る手段を考えています。
ラムはすぐにバテンカイトスを追おうとしますが、強烈な倦怠感と、内臓をかき回される痛みに襲われ、スバルの「小さな王」の権能が弱まったことに気付きます。
3つ目まで外した枷も、この状態であれば1つ目までが限界と悟り、これでバテンカイトスを撃退できるのかと不安になりますが、できるだけのことをするしかないとすぐに気を持ち直し、レムの元へと走り出しました。
バテンカイトスの元にラムが追いつく
バテンカイトスは、少しずつ、少しずつ、パトラッシュを追い込んでいきます。
パトラッシュは背中に乗せたレムを傷つけないよう、自分が全ての傷を背負いながら必死にプレアデス監視塔の通路を走り抜けていました。
「日食」の権能を用いたバテンカイトスは、自我が混濁しており、レムや跳躍者、拳王など、様々な人格が混ざり合っています。
跳躍者の能力でパトラッシュの前に出ると、ついにパトラッシュが動けなくなるほどのダメージを与えます。
そして、レムの自我でレムを奪いにいきました。しかし、そこにラムが現れ、バテンカイトスは吹き飛ばされます。
ラムはバテンカイトスの姿を見ると、短時間でずいぶんと不細工になったと言いました。
ラム vs 『暴食』ライ・バテンカイトス
バテンカイトスの姿は、複数の存在が混ざっている異形となっていました。
バテンカイトスはそのことに気付きもしていない様子でしたが、まともな受け答えはもう期待できないと判断したラムは、バテンカイトスを捕縛するのではなく、撃退する方針に変更します。
そして、パトラッシュとレムを自分の後ろに退避させると、バテンカイトスに向けて攻撃を始めます。
しかし、バテンカイトスの顔がレムの顔に変わり、「姉様」と妹の声で呼ばれたことで一瞬の隙間ができ、そこに一撃を入れられてしまいます。
バテンカイトスに追い込まれたラムがロズワールの思惑に気付く
日食によって自我が混濁したバテンカイトスでしたが、その強さは圧倒的なものとなっており、ラムを完封していました。
ボロボロの状態になったラムは、ふと、ロズワールがラムとレム、二人の姉妹をなぜ拾ったのかと考えます。
ラムはロズワールの計画を知っており、自分に求められる役割も把握していました。そして、その役割を果たすための方法は、「時がくれば自ずと分かる」と言われていました。
ラムは、自分の愛したロズワールならばするだろうと、思いついた推論に生き延びる術を見出します。
そして、自分の角を元に作った魔杖を叩き割り、その中から出てきた自分の角を取り出しました。
レムとの『共感覚』がラムを覚醒させる
バテンカイトスはパトラッシュを見つけると、その後ろに庇われているレムに「邪魔者」と言います。
姉様を慕うのは自分だけで良いとレムに近づいた時、壁に寄りかかるように座らされているレムの頭部が、光っているのを見ました。
バテンカイトスは、ラムの一撃に吹っ飛び、壁を二枚突き破ったところで止まります。
何が起きたのか理解できない程のダメージを負ったバテンカイトスに、ラムは、『共感覚』は悲しみや喜びだけでなく、角の活性化の恩恵と負担を分かち合えることを説明しました。
ラムは、ロズワールが「龍を倒す」ために自分達姉妹を拾ったことから推論を進め、スバルの権能をヒントに、レムに自身の鬼化の負担を預ける技を生み出します。
そして、ラムとレムの姉妹は、二人で一人の鬼なのだと喜びます。
かつて、ベアトリスの禁書庫で説明を受けた原理では、二つの個体のオドが繋がっていることが、共感覚の仕組みだろうということでした。ラムは、恐らくスバルの「小さな王」の権能も強制的にオドを一方通行で繋げるものだと理解します。
5つ目の枷まで外し、5割程度の力を出したラムはバテンカイトスを圧倒し続けます。
バテンカイトスの混濁が終わり、バテンカイトス自身の姿に戻った時、弟妹の話題を出され、バテンカイトスは二人には手を出すなと言いかけます。
その言葉を聞いて、ラムは話し合いに応じようとしてしまいますが、その隙を突かれ、再びバテンカイトスは「跳躍者」の異能でラムの前から逃走しました。
『暴食』ライ・バテンカイトスの最期
バテンカイトスは圧倒的なラムを前に、「本物」を知ってしまったと想いながら逃走をします。
これまで価値あるものと信じてきた美食が、意味のないものに変わり、バテンカイトスの中にあった記憶は次々と溢れ落ちていきました。
バテンカイトスは、ラムと一つになるためならどんな犠牲も厭わないと、弟妹さえも犠牲にすることを許容できると考えます。
しかし、そう考えたバテンカイトスの先に、見えざる風の刃の罠が設置されていました。
それは、螺旋階段で一度だけバテンカイトスが見せた技であり、伝説のシノビの記憶から奪い取っていたものでした。
バテンカイトスはラムの規格外さに自分が終わることを知り、それでも「あと少し待ってくれ」と、壁に張り付いて大きな文字を描きます。
それを描き終え、一歩後ろに下がって文字を眺め、ラムに愛してると言い終える前に、風の刃がバテンカイトスに敗北を告げました。
ラムがレムに愛しているわと囁く
『暴食』を撃退したラムは、すぐにパトラッシュとレムの元に戻ります。
レムを庇うように陣取っていたパトラッシュに感謝し、ラムは恩竜だと感じていました。
眠っているレムの頬に手を寄せると、レムへの愛おしい気持ちが溢れてきます。
これまでよりもっと、確かに確信したレムへの愛情をラムは感じ、「愛してるわ、レム」と伝えました。
リゼロ25巻第七章「ラム」ストーリーまとめ
- 幼少期の角が折れた時のラムの心境が語られる
- スバルの「小さな王」の権能が弱まり、ラムの負担が強まる
- バテンカイトスがパトラッシュ、レムを襲撃して追い込む
- ラムがバテンカイトスに追いつく
- 「日食」の影響で自我が混濁したバテンカイトスは、圧倒的な強さでラムを圧倒する
- ラムがロズワールの思惑に気付き、「共感覚」で角の活性化の負担をレムに任せる
- ラムがバテンカイトスを圧倒
- バテンカイトスが逃走しながら、ラムを「本物」と認識し、これまで食べてきたものを吐き出す
- ラムの超絶技巧の罠にハマり、バテンカイトスが最期を迎える
- ラムがパトラッシュに恩竜だと感謝する
- ラムがレムに「愛しているわ」と伝える
リゼロ原作小説25巻7章の考察、ネタバレ解説
ラムは「鬼神」のオドを引き継いで生まれた存在か
鬼族の長老はラムを「鬼神」の生まれ変わりだと信じて疑いません。
既に「オド・ラグナ」によって「魂」は再利用されることが言及されているため、恐らくラムが「鬼神のオドから生まれた別の存在」であることは正しいと思われます。
ラムも幼い頃から「鬼神の誘惑」を受けていましたが、そこに身を委ねなかったのは、レムという愛しい妹への愛情があったからであり、「鬼神の生まれ変わり」ではなく「レムの姉」としての生を望んだからです。
このことを踏まえると、魔女教の襲撃は、ラムが「鬼神」となるのに枷となっているレムの存在を排除しようとした存在がいた可能性(多分アル)が疑われます。
アルが鬼族の集落襲撃に関与した可能性が強まる
王都では、アルは「ラム」だけが生きていることを確信しているかのように、レムに話しかけていました。
この点については次のように考察することができます。
- 過去、アルがサテラと戦った際に「鬼神の力」が必要だった
- 「鬼神」はその妹によって力に枷がはめられ、活躍ができなかった
- 今度の周回では、枷となった妹の存在を排除するため、アルがまだ幼少の「鬼神」のいる里に現れ、妹であるレムを排除しようとした
- しかし、ロズワールの手によってラム、レムの姉妹は生きており、挙句に角を折った相手がラムだと判明したため、「どういうことだ、オイ」となった
アルの行動は一気通貫して「サテラの解放」にあるため、ラム・レムとの関わりにおいても、その目的がブレることはないでしょう。となると、上記のように解釈することができます。
リゼロ原作小説25巻8章「−志を問わん」あらすじネタバレ
エミリアは塔の最頂部を目指す
エミリアは同時に7体までの氷兵を生み出すことができ、スバル似の氷兵と共にボルカニカと対峙します。
氷兵と協力しながら、ボルカニカの尾を刺股で固定し、爪の攻撃を回避しながら、ボルカニカを超えて真ん中の柱の上部へエミリアは跳躍しました。
塔に手が届いた瞬間、エミリアの下から音が消えてしまいます。それは、ボルカニカの吐いた炎の息吹によって音の概念が消されたからでした。
全ての氷兵が一瞬にして消え失せ、ボルカニカはその両翼を広げて立ち上がります。
ボルカニカの背中に乗ったエミリアは龍の「逆鱗」に触れる
急いで上部へ登っていくエミリアの高さに、ボルカニカが飛翔しすぐに追いつきます。
ボルカニカの尻尾の攻撃を間一髪で回避したエミリアでしたが、塔から手が離れてしまい、落下してしまいました。
しかし、落下した先は地面ではなくボルカニカの背中で、ボルカニカはエミリアを振り落とそうと、急上昇して身をよじらせます。
感じたことのない劇風の中、必死に打開策を考えるエミリアは、同じように空を飛ぶことのできるパックが、首を撫でられるのが苦手であることを思い出しました。
ボルカニカの首元を見ると、青い鱗の中に一枚だけ白い鱗があります。
そして、白い鱗の周りに「氷の兵隊さん」を出現させ、その鱗を撫でるために触れました。
最上階で6人の手形が刻まれたモノリスを見つける
逆鱗に触れられたボルカニカは悶え苦しみ、エミリアはついに振り落とされてしまいます。
しかし、落下はすぐに終わり、プレアデス監視塔の最上部に着地します。
最上部の真ん中には天へと伸びていく柱が一本だけ存在し、エミリアはボルカニカが戻ってくるまでに、試験の内容のヒントを探しにいきます。
すると、柱の根元には黒いモノリスがあり、そこにはそれぞれ異なる男女6人の手形が刻まれていました。
スバルが小さな王を進化させる
紅蠍となったシャウラの白光によって、餓馬王は蒸発し、衝撃波にメイリィが重傷を負ってしまいました。
スバルは即座に「小さな王」でメイリィの負担を受け取りますが、スバル自身も倒れてしまうため、ラムから引き取っていた負担を下げました。
メイリィが気を失ったことで「魔操の加護」の効果がなくなり、スバル達を乗せていた餓馬王も攻撃を仕掛けてきます。スバルはメイリィを抱え、ベアトリスを肩車しながら全力で逃走を開始しました。
魔獣同士も戦いが発展していき、紅蠍に対して、周囲の魔獣の半分程度が向かいます。もう半分程度はスバル達を追ってきており、状況は悪くなるばかりです。
スバルは「打ち手はあるんだが」と言い淀むと、ベアトリスは一人で抱え込むなとスバルを怒ります。
スバルはベアトリスの叱咤を聞いて決断し、小さな王を進化させ、「コル・レオニス、セカンドシフト」を展開しました。
これは「負担の分配」を実現するもので、スバルが引き受けている負担を、受け取る意志のある仲間に再分配できるというものです。
この権能を用いて、ベアトリスがスバルの負担の一部を受け取りました。
逃走が継続できる状況となり、ベアトリスは負担を感じながらもメイリィの治療を続け、スバルは二人を抱えて逃走し続けます。
正気を取り戻した神龍ボルカニカがエミリアを「サテラ」と呼ぶ
黒のモノリスを確認したエミリアは、6人のうち2人の手形が小さく、女性のものだと感じます。そして、そのうちの一つが自分のものである気がして、手形に自分の手を重ねようとしました。
そこにボルカニカが戻ってきて、エミリアは身構えます。
しかし、ボルカニカからは「そこで何をしているのだ」という問いかけが投げかけられました。
ボルカニカが正気になったと感じたエミリアは、試験のことを話そうとしますが、ボルカニカは飛び跳ねるエミリアを諌め、怪我したら危ないと言います。そして、「皆、汝には頭が上がらぬ故」と伝えます。
不思議に思うエミリアに対し、ボルカニカは言葉を続けます。
それは、「フリューゲル」や「レイド」がここにいないことを問うものであり、別れ際に何もなしでは「シャウラ」が寂しがり、「ファルセイル」も騒ぐだろうというものでした、
エミリアは、6つの手形のうちの4つが今挙がった人物だろうと想像しました。そして、自分の手形であることを疑い、まだ失っている記憶があるのかと不安を見せます。
エミリアの不安そうな表情を見て、ボルカニカは悩み事があるなら自分が解決しよう、「サテラ」と声をかけます。
ボルカニカの後悔と「嫉妬の魔女」
エミリアは、思わず出た名前に反応して、「どうして『嫉妬の魔女』の名前で自分を呼ぶのか」と問いました。
ボルカニカは「嫉妬の魔女」の名前に反応し、突然エミリアに対して攻撃を仕掛けます。
ボルカニカは「あの日自分が躊躇いさえしなければ誰も」と後悔し、嫉妬の魔女となったサテラを止めなければならないと言います。
エミリアは、話が通じないことが分かり、「アイスブランドアーツ・アイシクルライン」を展開しました。
スバル達のピンチに虹色の精霊騎士が到着
紅蠍の攻撃に対し、スバル達は絶対防御魔法「E・M・M」を発動して防ぎます。
「E・M・M」はスバルとベアトリスの肉体の時間を止める魔法で、あらゆる干渉を受けなくする絶対防御の魔法ですが、同時に自分達も動けなくなるというデメリットがありました。
スバルのマナが底をつくことを懸念し、「E・M・M」を解除して再び逃走を開始します。しかし、すぐさま追撃がスバル達を襲い、今度は「E・M・T」を発動して防ぐことになります。「E・M・T」はアンチ魔法であり、接近してくるマナを全て消滅させることができるものです。
短時間で二つ目の切り札を使ってしまったスバルは、三つ目の切り札の使用を考えますが、こちらはまだ完成しておらず、失敗したらスバルやベアトリスは丸ごと虚数空間に飛ばされるという事態になるため、躊躇していました。
そこに、紅蠍とスバル達の間に虹色の精霊騎士となったユリウス・ユークリウスが現れます。
スバルとユリウスは互いの無事を軽口交じりに祝うと、ユリウスがシャウラを、スバル・ベアトリスが魔獣を担当して時間稼ぎをすることになります。
しかし、スバルは突然なくなったラムからの負担に驚き、プレアデス監視塔を見上げます。
エミリアがボルカニカの問いかけに答える
神龍ボルカニカによる全ての存在をかき消す息吹が放出される直前、エミリアはスバルに「アブソリュート・ゼロ」と名付けられた切り札を切り出します。
精霊術師と魔法使いの素養があるエミリアは、莫大に保有するマナを大気中に出して、それをストックし、ゲートに依存しない極大魔法を放つことができました。
その極大の氷魔法は、時間さえも凍結させてしまうかと思われる程で、ボルカニカの息吹と衝突すると、音も衝撃もなく互いに対消滅してしまいます。
すぐさまボルカニカの逆鱗を狙ってエミリアは接近していきますが、それが白い鱗ではなく、白い傷跡であることにエミリアは気付きます。ボルカニカは上空に逃れ、エミリアは氷の兵隊さんの力を借りて追いますが、後一歩届きません。
そこに、最上階にラムとパトラッシュが現れ、ラムの風魔法の力でエミリアはボルカニカの近くに飛びます。ボルカニカが階下を眺め「パトラッシュ?」と呟いている隙に、エミリアはボルカニカに急接近して傷跡に一撃を入れました。
ボルカニカが悶える間に、エミリアは最上階に戻り、モノリスの自分のものと思われる手形に自分の手を押し付けます。
すると、これまでとは違う雰囲気で、ボルカニカが再び志を問う口上を述べます。
エミリアは、「みんな、仲良くして!!」と叫びました。
シャウラに異変が起きる
プレアデス監視塔の上空の雲が晴れ渡り、その余波でアウグリア砂丘に砂嵐が起きました。
砂嵐の後で、紅蠍が悶え苦しむような姿を見せています。
スバルが近づこうとすると、まだ紅蠍は攻撃を加えようとしてきますが、スバルとベアトリス、ユリウスと六精霊は、シャウラを助けるために立ち向かいます。
リゼロ25巻第八章「−志を問わん」ストーリーまとめ
- エミリアがボルカニカを回避しながらプレアデス監視塔の最上部に向かおうとする
- ボルカニカが氷の兵隊さん達を攻撃して粉々にする
- ボルカニカの攻撃でエミリアが落下し、ボルカニカの背中に着地
- ボルカニカの首元にある白い逆鱗(本当は傷跡)に触れる
- ボルカニカが悶え苦しみ、エミリアは塔の最上部に着地
- 塔の最上部に6人の手形が刻まれたモノリスを発見する
- スバルが「コル・レオニス、セカンドシフト」でメイリィの負担をベアトリスと分かち合う
- ボルカニカが正気を取り戻すが、エミリアをサテラと勘違いする
- サテラが嫉妬の魔女となったことを思い出し、エミリアと戦闘が開始される
- スバルとベアトリスが二つの切り札「E・M・M」「E・M・T」を使う
- スバルとベアトリスのピンチにユリウスが到着する
- エミリアが「アブソリュート・ゼロ」を発動し、ボルカニカの息吹を対消滅させる
- ラムとパトラッシュが最上部に到着
- ボルカニカがパトラッシュの名前を呼ぶ
- ラムがエミリアを助け、エミリアの一撃がボルカニカの傷跡に入る
- 最上部のモノリスにエミリアが手を合わせる
- ボルカニカが改めてエミリアに志を聞き、エミリアが答える
- 塔の上の雲が晴れ渡り、アウグリア砂丘に砂嵐が舞う
- シャウラの様子に異変が生じる
リゼロ原作小説25巻8章の考察、ネタバレ解説
最上階の6人の手形は誰のものか
プレアデス監視塔最上階に設置されていたモノリスに刻まれた手形は、手の大きさから男性4人、女性2人とエミリアは判断しています。
ほぼ確定している5人は次の通りです。
- フリューゲル
- レイド
- ファルセイル
- サテラ
- シャウラ
残りの男性一人の候補は次の通りです。
- ジュース
- ホーシン
- ボルカニカ(人型フォルムになれる?)
パックの元となった人物がフリューゲルでない場合には、残りの一人はその人物、つまりサテラの旦那さんであり、フォルトナの兄、エミリアの父親であるエルフだと考えられます。
サテラに皆頭が上がらない理由
「嫉妬の魔女因子」を取り込むだけでは、全員が頭が上がらない理由にはなりません。
他の魔女達も全員サテラに感謝していることから、サテラは自分の存在を引き換えに、全員を助けたという説が一番しっくりきます。
スバルの三つ目の切り札
スバルとベアトリスの三つ目の切り札は、「失敗すると虚数空間に堕ちる」と言及されていることから、「アル・シャマク」に着想を得た魔法である可能性が高いです。
一つ目、二つ目が全て防御に関連したオリジナルスペルだったため、恐らく三つ目も虚数空間を体の周囲に纏い、触れたものを全て虚数空間に送り込むことで絶対防御兼絶対攻撃を実現する魔法だと思われます。
このスペルは、触れられない「黒蛇」などに有効そうな力ですね。
ボルカニカの首の「白い傷跡」は?
ボルカニカの「白い傷跡」は、怠惰の魔女セクメトにつけられた可能性が高いです。
セクメトは、ボルカニカを大幕府の彼方へと追いやっており、この時の圧倒的な力は、ボルカニカにいまだトラウマとして残っているとされています。
エミリアが「氷の兵隊さん」で傷跡を撫でた際、ボルカニカが暴れ回ったのは、セクメトとの記憶が思い出されたからでしょう。
また、エキドナがミーティアを使ってしていた悪戯は、この傷に対するものと思われます。
ボルカニカがパトラッシュを知っていた理由
パトラッシュがスバルに懐いた理由は「フリューゲルと似ていたから」である可能性が高く、今回のボルカニカの発言によって、400年前、パトラッシュはフランダースでフリューゲルによって生み出された存在である説が色濃くなりました。
フリューゲルとスバルの名付けが「パトラッシュ」と共通していることからも、やはり二人は「同じ魂を持った別々の存在」である説は確定的です。
ボルカニカはフリューゲルと一緒にいたため、パトラッシュとも面識があったのでしょう。
リゼロ原作小説25巻9章「シャウラ」あらすじネタバレ
シャウラとの最終決戦が始まる
ユリウスが先手を取り、シャウラと立ち向かいます。
二人の力は拮抗しており、速度ではユリウスが勝りますが、持久力は紅蠍となっているシャウラが勝り、長期戦になれば破れる可能性が高いとスバルは感じていました。
スバルとベアトリスは、紅蠍の攻撃をかろうじて回避しながら、勝ち筋を見つけます。
シャウラの心境
シャウラは、400年の孤独を、フリューゲルと過ごした日々の思い出と、再会の約束の期待だけを胸に生きてきました。
全てが自分一人だけを置き去りにしていったけれど、フリューゲルが戻ってくるのなら、いつまでだって待てる、そうシャウラは考えていました。
だから、スバルが塔に戻っていた時は本当に嬉しくて、幸せを感じていて、ずっとこの時間が続くことを願いました。
そして、400年間待ったのだから、自分にもご褒美があっていいはずだと話し、自分を愛して欲しいと、今度は自分を連れていって欲しいと願います。
紅蠍シャウラとの戦い、決着
スバルの「小さな王」に、地竜ヨーゼフが反応し、負担の再分配を受け入れます。
メイリィの負担をヨーゼフに任せると、メイリィが最終戦に再参戦し、アウグリア砂丘の魔獣達を呼び寄せました。
魔獣によって動きを封じられた紅蠍は、ユリウスによって一撃を与えられ、魔獣に動きを抑え込まれます。
まだ暴れようとする紅蠍でしたが、スバルとメイリィがシャウラの前に立ちました。
そして、メイリィがシャウラに話しかけると、紅蠍に変化が生まれます。
白い空間でスバルとシャウラが会話を交わす
何もない、ただ白い空間でスバルとシャウラは言葉を交わします。
それは代わり映えのない、プレアデス監視塔で繰り返されてきたやり取りで、シャウラが愛していると言い、スバルが俺は覚えていないと返す、そんな会話でした。
ただ、スバルはシャウラの愛の意味を知っていて、だから涙が流れます。
スバルが涙を流すので、シャウラはただスバルの頬に口付けます。
シャウラは、四百年なんてあっという間、明日の明日くらいだったと話し、スバルに笑顔を向けました。
待っている間も、愛してたと。
「だから、またいつか」と、シャウラは言葉を伝えます。
シャウラが塵に変わる
シャウラの紅蠍の体は、少しずつ、少しずつ塵に変わっていきます。
ベアトリスが、シャウラは役目を終えたのだと、それを止めることはできないことを説明します。
スバルは涙を流しながら、蠍の頭部を抱きしめてシャウラの名前を呼びます。蠍の顎が、スバルの頬を流れる涙を拭き取りました。そして、蠍の全てが塵に変わり、スバルは砂の上にうずくまりました。
誰かが声をあげ、スバルが顔を上げると、シャウラの塵の後からモゾモゾと這い出るものがありました。
それは、掌ほどの大きさの小さな紅蠍で、紅蠍はスバルの地面につけている手に近寄ると、そっとその手に寄り添いました。
白い世界で、シャウラは「また、いつか、あーしと出会ってほしいッス」とスバルに声をかけていました。
追うよりも追われる女だと、今度はお師様が待つ番だと、大事な約束だと、忘れないでと、愛してると、そう伝えました。
スバルは紅蠍に向かって、「お前は馬鹿だ」とつぶやくと、自分の両手で包み込みます。
紅蠍は、その温もりを受け入れて、震えました。
リゼロ25巻第九章「シャウラ」ストーリーまとめ
- ユリウス、スバル、ベアトリスがシャウラとの戦闘を開始する
- スバルとベアトリスが勝ち筋を見つける
- 「小さな王」でメイリィの負担をヨーゼフに預ける
- メイリィが復活し、アウグリア砂丘の魔獣が味方につく
- ユリウスが紅蠍に一撃を入れる
- 魔獣が紅蠍の残る手足を抑え込む
- メイリィがシャウラを呼び起こす
- スバルとシャウラが白い世界で話をする
- シャウラが塵に変わる
- 塵の中から小さな紅蠍が現れる
リゼロ原作小説25巻9章の考察、ネタバレ解説
スバルとシャウラが話しをした「白い空間」は?
最後にシャウラがスバルと話していた「白い空間」は、魂が繋がった者同士が会話できる仮想空間だと思われます。
強欲の魔女因子の覚醒によって、スバルは味方とオドの繋がりを構成できるようになり、「魂の回廊」では恐らくこの力を使って、ルイに見えない形でレムと会話をしています。
スバルはフリューゲルの魂が元となっている可能性が高く、フリューゲルとシャウラは契約を結んでいたため、「魂の繋がり」が残っていたという可能性もあります。
その残っていた魂の繋がりの残滓に、スバルの「強欲」が働きかけ、この「白い空間」で直接シャウラと魂同士で話ができたというのが、この最後のシーンなのではないかと思われます。
そのため、これはスバルの勝手な妄想ではないと考えられます。
「またいつか」の意味
シャウラはフリューゲルによって作られた人工魔獣で、紅蠍のオドに上書きされた微精霊などで、精霊に進化した存在だと思われます。
精霊は契約を終えるとマナに還り、世界を循環すると考えられますので、いつかまた微精霊となり、準精霊となり、精霊となるものと考えられます。
このため、「またいつか出会ってほしい」というシャウラの言葉は、いずれ再びこの世界に生まれる自分を探し出して、契約を結んでほしいという意味だと解釈することができます。
そして、メィリィが庇護下においた紅蠍は、その時の器であると思われます。
リゼロ原作小説25巻10章「英雄」あらすじネタバレ
小紅蠍はメイリィの加護の庇護下に入る
スバルは、シャウラとの最後の言葉を思い出し、手の中にいる小紅蠍がシャウラそのものではないと確信していました。
メイリィも同様の確信を持っており、「魔操の加護」で庇護下に置き、自分の頭の上に小紅蠍を乗せます。
そこに、プレアデス監視塔の大扉を開いて、エミリア達が駆け寄ってきます。
『暴食』の権能からの解放
スバル達の元に到着したエミリアは、シャウラの顛末を聞いて哀悼の意を示します。
ユリウスやベアトリス、メイリィもエミリアのことを思い出しており、それが「ライ・バテンカイトス」がラムによって撃退されたからだと共有されました。
しかし、レムやユリウスのことはまだ思い出せていません。
ユリウスは、自分のことについては「ロイ・アルファルド」を生け捕りにしていることが原因だろうと言いました。
ロイ・アルファルドの処遇
スバル達がプレアデス監視塔の五階層に戻ると、そこにはアナスタシアと襟ドナ、ヨーゼフが待っていてくれました。
スバル達は、アナスタシアが戻ってきたことに驚きますが、記憶は戻っていないままです。
竜車には、シャマクを固めた結晶の中に白目を剥いた「ロイ・アルファルド」がいて、それは「嫉妬の魔女」を封印している方法だとユリウスが説明します。
スバルはアルファルドを倒せば、ユリウス達の記憶も戻るのではと主張しますが、そうならない可能性があること、無闇に命を奪うべきではないとの意見から、アルファルドは王都に輸送することになりました。
そこまで話が進んだところで、スバルに限界が訪れ、意識を失ってしまいます。
スバルは緑部屋に運ばれることとなり、エミリアは一階層へと皆に来てもらいたいと話しました。
緑部屋で回復するスバル達に変事が起きる
緑部屋で目覚めたスバルの前には、ラム、メイリィ、パトラッシュ、レムがいました。傷の深い順に緑部屋に入っており、他の仲間達はエミリアと共に一階層へボルカニカに会いに行っています。
スバルとラム、メイリィが緑部屋の精霊について話をしていると、突然部屋に白い極光が現れます。ラムとスバルはレムの元に駆け寄り、メイリィはスバルの後ろに移動します。
激しい光の後、そこに実態を顕現できないはずの『暴食』ルイ・アルネブの姿が出現しました。アルネブは意識を失っているようで、スバルはメイリィにエミリアを呼んでくるように頼みます。
ラムはスバルの判断を支持しますが、メイリィが部屋を出てすぐ、嫉妬の魔女の黒い影がプレアデス監視塔を襲いました。スバルはラムをパトラッシュに投げ、部屋を脱出させます。
スバル自身もレムとルイを抱えて緑部屋を出ようとしますが、入り口を影に塞がれ、そのまま黒い影に呑み込まれてしまいました。
闇の中で自分が分解されていく気分を味わいながら、スバルは「愛してる」の言葉を浴びせ続けられます。
望みを捨て、リスタートの先で最悪の状況が待ち受けていたとしても、打開する決心を固めたスバルでしたが、次の瞬間ボルカニカによる青い光が上空から降り注ぎ、闇を白い光でかき消しました。
草原の上でレムが目覚める
スバルが草原の上で目覚めると、なぜかルイ・アルネブがスバルを馬乗りにしていました。ルイは幼児化しており、言葉を話すことができず、「うー」や「あー」としか喋りません。
スバルは、ルイがいるということは、レムも近くにいるはずだと考え、周囲を捜索するとすぐに草の下にレムの姿を見つけました。
ホッとしたスバルは、エミリアやベアトリスの名前を叫びますが、ルイ以外の声が聞こえることはありません。
しかし、立ち上がろうとしたスバルの裾を引っ張る感触があり、スバルは膝が震えます。
そして、振り返ると、レムの手が自分の裾を握っており、その目がゆっくりと開き、瞳に光が宿りました。
衝撃が全身に走るスバルに対して、レムは「あなたは誰ですか?」と聞きます。
スバルは再び走る衝撃を抑え、スバルらしい笑顔を作り「俺はお前の英雄だ」と応えました。
リゼロ原作小説25巻10章の考察、ネタバレ解説
ルイが緑部屋に現れた理由
ルイが緑部屋に現れた理由は、「魂の回廊から追い出された」可能性が最も高いです。
魂の回廊の支配者は賢者フリューゲルであるため、フリューゲルによって緑部屋の精霊にルイのオドを転写し、リゼロ世界に実在できるようにしたものと思われます。
ルイは草原で幼児退行していますが、この原因は次にあると考えられます。
- 「魂の回廊」で自分同士で戦い合い、自我が消滅
- 自我の元となる食事を提供してくれていたライが消滅、ロイが封印される
よって、現在のルイは、魂に刻み付けられたスバルへの恐怖だけを持った存在で、スバルの味方であることを必死にアピールしようとして、距離感を近づけようと努力しているのだと思われます。
フリューゲルがルイを戻した目的は、スバルが「賢人」になる手助けとなるよう、レムの名前と記憶を戻すことだと考えられます。
嫉妬の魔女の影が出現した理由
プレアデス監視塔に「嫉妬の魔女」が出現してしまった理由は、スバルの権能を知っているルイが、リゼロ世界に出てきてしまったからだと思われます。
ボルカニカの青い光は「陽属性」であるためか、サテラの「陰属性」である陰と対消滅しました。
レムが目を覚ました理由
「暴食」に名前と記憶どちらも食べられると「眠り姫」になるのは既知の通りです。
ルイは既にレムの記憶を放棄しており、元々レムの「名前と記憶」を食べたライは敗北しています。
そのため、レムが「眠り姫」からついに目覚めたのは、レムとオド・ラグナの「繋がりが戻り始めている証拠」と思われます。
繋がりが確立されるまでどの程度の時間が必要なのかは不明ですが、いずれレムにも「記憶」が蘇ることでしょう。
リゼロ25巻第十章「英雄」ストーリーまとめ
- 小紅蠍がメイリィの加護の影響下に入り、メイリィの頭の上をマイポジションにする
- スバル達の元にエミリアが駆け寄ってくる
- ユリウスやベアトリスもエミリアを思い出す
- プレアデス監視塔の五階層でアナスタシア、襟ドナ、ヨーゼフと合流
- 竜車にはシャマクの結晶で封印された『暴食』ロイ・アルファルドがいる
- アルファルドは王都に輸送して権能の正体を聞き出すことで合意
- スバルが気を失う
- スバル、ラム、メイリィ、パトラッシュ、レムが緑部屋で回復
- 他の仲間達はエミリアと共に一階層のボルカニカの元へ向かう
- 緑部屋に突然光が現れ、そこからルイ・アルネブが出現
- メイリィがエミリアを呼びに緑部屋を出る
- 嫉妬の魔女の影がプレアデス監視塔を襲撃する
- パトラッシュ・ラムが緑部屋を脱出
- スバル・レム・ルイが影の中に呑まれる
- ボルカニカの青い光が降り注ぎ、影の闇が消える
- スバルが草原の上で目覚め、幼児化したルイを発見する
- 付近を捜索してレムを発見する
- 記憶を失ったレムが目覚める
- スバルがレムの英雄を名乗る
リゼロ原作小説25巻まとめ
第六章「記憶の回廊」編がついに25巻にて完結しました。
最後のシャウラとスバルのやり取りをみて、思わず涙が目に浮かんでしまったのは私だけではないでしょう。
そして、ついにレムが目覚め、スバルが英雄を名乗ります。
記憶を失ったレムは、時間経過と共に記憶を取り戻すことができるのでしょうか?
また、ルイ・アルネブが突然現れ、幼児化している原因は?
草原に転移させられたスバルを、次はどんな物語が待つのでしょうか。
26巻が今から楽しみですね!
本ページの情報は2021年03月26日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。