「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説4巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第3巻では、ロズワール邸での5周目を迎えたスバルが、ロズワール邸の人々からの信頼を得て、魔獣ウルガルムとの激闘を乗り越え、全員が笑顔で迎えられる5日目の朝にたどり着く姿が描かれました。
一方、ラムとの密談でロズワールの目的が語られ、いよいよ王選に関する動きが活発化してきます。
第3巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
リゼロ原作小説4巻1章「再来の王都」あらすじネタバレ
スバルとエミリアは、ウルガルム襲撃による心の傷が癒えないアーラム村の人々を励ますため、スバルの発案で毎朝ラジオ体操をしています。
エミリアも、これまで村人達とは一線を引いて関わらないようにしていましたが、スバルに同行し、ラジオ体操後に芋判を押す係を担っていました。
エミリアは、ハーフエルフの容姿であることから、これまでも様々な差別を受けてきています。そのため、積極的には人と関わらないようにしています。
アーラム村への同行も、ロズワールが作成した認識阻害ローブを着ており、アーラム村の人からは、はっきりとはエミリアのことを認識することができません。
スバルとエミリアが、アーラム村からロズワール邸に戻ると、屋敷の庭園に竜車が止まっているのを見ます。
王都からの使者
竜車の御者は、鍛え抜かれた体を持つ白髪の老紳士で、王選に関連する使者が、既に屋敷の中でロズワールに会っていると伝えます。
エミリアとスバルは、急いで屋敷の中に入ります。屋敷の中にはレムが控えており、エミリアを応接間へと案内しました。
王選の話に入れないスバルは、ラム秘蔵の一番高い紅茶を淹れて、老紳士の元に行き、話を聞き出そうとします。
- 名前はヴィルヘルム
- エミリアの認識阻害ローブが効かない
- 奥さん自慢をする
- スバルを見て、良い目をしていると評価する
- フェリスに「剣鬼」と呼ばれる
スバルは、ヴィルヘルムから王選についての話を聞き出そうとしますが、老紳士は一切口を割りません。
そこに、レムと一緒に、使者と思わしき猫耳の少女が出てきました。
- 名前はフェリス
- カルステン公爵家の使者
- 亜麻色の髪を白いリボンで飾っている
- ネコミミ
- 仕草があざとい
- エミリアからスバルについて何かを頼まれている
- スバルのマナの流れのおかしさを調べる
- エミリアと何かを取引している
スバルが「取引」について聞こうとすると、ヴィルヘルムとフェリスは話を打ち切り、竜車で屋敷の外に出ていきました。
スバルが王都同行を直談判する
使者が帰った後、スバルは応接間に行き、自分も王都に同行することを直談判します。
エミリアは、スバルがまた無理するだろうと渋りますが、ロズワールの命令で「治療目的」でスバルを王都に連れていくことにします。
- ゲートを酷使して魔法を使い損傷している
- マナの流れが滞っていて、それは命にも関わる重大なこと
- フェリスは王国一の治癒魔法の使い手
- フェリスに協力してもらうのに、エミリアが代償として何かを差し出している
エミリアもスバルを治療目的で王都に連れていく予定でしたが、スバルは自分の体の状態を考慮せずに無茶をするので、最初は渋った表情を見せていました。
スバルは王選にも絡む気満々ですが、エミリアはスバルに王選と関わりを持たないで欲しいと考えています。
竜車に乗って王都へ
二日後、スバルは屋敷の前の竜車を見て興奮します。
そして、その姿を見てレムは「可愛い」と惚けています。
ウルガルムの事件の後、レムのスバルに対する態度は一変します。ラムがロズワールに「懐いた」と表現したように、お屋敷でもスバルに笑顔を見せる機会が多くなっています。
王都へ向かうメンバーは次の通り。
- エミリア
- ロズワール
- レム
- スバル
ラム・ベアトリスはお屋敷で留守番となり、他のメンバーのお見送りに出てきます。
王都までの時間は、およそ六時間。地竜の風除けの加護があるため、移動は快適です。
- 地竜が持って生まれもつ加護
- 走り出して暫くすると、風の影響を受けなくなる
- 地竜が引く車台にも加護の影響は及ぶ
- 揺れが全くないので快適
途中、スバルが車台からレムのいる御者台に移動しようとし、レムが「はやく、はやく」と待ち切れない声でスバルを呼びます。
しかし、スバルが風除けの加護がない範囲に体を出してしまい、竜車から落ちそうになります。
危うく本当に落ちるところでしたが、レムが鎖で引き上げて、着地したスバルを抱きしめて受け止めます。
リゼロ原作小説4巻1章の考察、ネタバレ解説
認識阻害ローブを作ったのは誰?
エミリアが来ている認識阻害ローブを作ったのはロズワールとパックです。
認識阻害ローブと聞くと、エルザが来ていた「一度だけ魔法を無効化するローブ」を思い出してしまいます。
辺境伯であり、徽章回収に必要であった資金を出せる立場であることからも、ますますロズワール犯人説が怪しくなってしまいますね。。
竜車とは?
竜車とは、「地竜が引く移動用の車」のことです。
地竜はリゼロ世界で最も速く走れる生き物であり、人間に従順な性格でもあるため、人間に最も親しまれている動物です。
また、全ての地竜は「風除けの加護」を授かっており、走っている間は竜車も含めて風の影響を一切受けることがありません。
そのため、竜車の中はとても快適で、揺れなどを全く感じずにすみます。
エミリアが差し出したものとは?
「青」のフェリスにスバルの治療をしてもらうため、エミリアは「ある物」をクルシュ陣営に差し出したと言及されました。
物語が進んでいくと、「一度知ったからには返せないもの」であると示唆されており、これは「情報」が該当すると考えられます。
何の情報かという点に関しては、クルシュとエミリア陣営の交渉内容、エミリアが持っている情報から考慮すると、「魔鉱石が示されたエリオール大森林の地図」の可能性が高いです。
エミリアが地図を作成している場面については、映画「氷結の絆」で描かれていますので是非ご覧になってください。
リゼロ原作小説4巻2章「加護と再会と約束と」あらすじネタバレ
王都に着くと、エミリアは迷子防止にスバルと手を繋いで歩きます。
強面の果物屋カドモンの前に来たスバルは、約束を果たしに来たとリンガを10個買いました。
袋を見ると、リンガが11個入っており、スバルはカドモンはやっぱいい人だと言います。
エミリアの抱く疑問
フェルトとロム爺のその後について聞くため、エミリアとスバルはラインハルトと連絡を取ろうとします。
「対話鏡」と呼ばれるミーティアがあり、遠隔の相手とも鏡を通して話をすることができるため、対話鏡のある衛兵の詰所に向かいます。
道中、スバルが王選の力になりたいと話すと、エミリアは「どうしてスバルがそんなにしてくれるのか分からない」と聞きます。
- スバルは、「エミリアが好きだから」という言葉を口にできない
- エミリアが、その様子を見て、話を切り上げて衛兵の詰所へ向かおうとする
スバルの心のうちに、パックが話しかけ、「あまり、ボクを。そして、リアを期待させないで欲しい」と言ってきました。
スバルがその意味をパックに問おうとした時、エミリアとスバルは衛兵の詰所に到着します。
エミリア、パックがスバルに何を期待しているのかが、第3章「再来の王都」の大切なポイントです。
衛兵の詰所でユリウスと出会う
詰所の前で近衛騎士の「ユリウス」と出会い、ユリウスがエミリアの手にキスをすると、スバルが嫉妬で睨みつけ、突っかかってしまいます。
結局、エミリアだけで詰所の中に入ることになり、スバルは外で待っているようにお願いされます。
エミリアは精霊術師であり、契約や約束を大切にしています。このスバルに対するお願いも大切なことです。
赤いドレスの少女を助けようとするスバル
詰所の前で待機していたスバルは、路地裏に少女が連れ込まれるのを見つけます。
衛兵に知らせるべきか迷ったスバルでしたが、エミリアに見直してもらうために、単独で女の子を助けようと動きます。
- 「お待たせ俺の彼女作戦」で少女を助けようとするが、逆に少女に拒否される
- チンピラがトンチンカンであると判明
- 「俺はラインハルトのマブダチだぜ作戦」でトンチンカンが一旦退散する
- 赤いドレスの少女は「この世界は妾の都合の良いようにできておる。故に不利益は起こらん。」とスバルが助けたことにも気づかない様子
- カドモンにもらったリンガを賭けで10個まで奪われる
- トンチンカンが仲間を連れて戻ってくる
- 強引に少女の手を引っ張り、トンチンカンから逃走開始
赤いドレスの少女は、今後の王選にも深く関わって来ます。「この世界は妾の都合の良いようにできておる」がこの少女を体現している言葉ですね。
逃走中にロム爺と再開
赤いドレスの少女と一緒に逃げるスバルは、逃走中にロム爺と出会い、追っ手から匿ってもらいます。
トンチンカンのトンが、スバルを追って目の前に現れますが、ロム爺の後ろに隠れているスバル達には気付きません。
ロム爺の既知であったのか、「クロムウェルのジジイか」と言い、去っていきました。
ロム爺は本名で呼ばれることを嫌がっています。「クロムウェル」という名前が何を意味するのか、今後のストーリーで明かされるかもしれません。
ロム爺とスバルは、互いに近況を報告し合います。
- フェルトはラインハルトの「アストレア家」に連れて行かれた
- ロム爺は衛兵詰所で治療されている所で目覚め、その後脱走
- 大通りの果物屋「カドモン」に言えばロム爺と連絡が取れる
- 赤いドレスの少女はラインハルトを「歪な人となり」と評する
そして、フェルトの情報が分かったらカドモンに伝えるという約束をして、スバルと赤いドレスの少女は大通りに向けて歩きだします。
エミリアと謎の男アル
スバルと赤いドレスの少女が大通りに向かうと、途中でエミリアと謎の男と出会います。
- エミリアが詰所から出ると、スバルがいないため捜索開始
- ゴミ箱の中を漁って人探しをているアルと出会う
- アルの奇抜な格好にも驚きつつも、高速お節介でアルの人探しを手伝う
赤いドレスの少女が、「妾の行く先で待つとは気が回る」と言い、アルの探し人の相手が赤いドレスの少女だったことが判明します。
不思議な縁もあったものだと感じながらも、スバルは赤いドレスの少女に絆のリンガだと、二つのリンガを渡し、アルと赤いドレスの少女と分かれます。
様子のおかしいエミリア
エミリアは、動揺しながら真剣な眼差しで、「どこであの子と会ったの」とスバルに問いかけます。
エミリアは、赤いドレスの少女を見た瞬間に、認識阻害ローブを深くかぶり直し、視界に入らないようにスバルの後ろ側に回っていました。
スバルが答える前に、「トン」率いるチンピラ集団がスバルとエミリアを囲います。
しかし、スバルの匂いを追いかけてきたと登場したレムに、チンピラ集団は一掃されてしまいました。
レムによって宙を飛んでいくチンピラの姿にスバルは夢中となり、エミリアの声に気付くことができませんでした。
エミリアにとって大切な質問を、スバルが軽視してしまったのは良くないですね。。ここで、エミリアのストレスゲージがちょっと上がったのかもしれません。
チンとカンの結末
アルと赤いドレスの少女の方には、チンとカンが率いるチンピラ集団が近づきます。
しかし、アルも、赤いドレスの少女も、一向に気にする素振りは見せません。
アルが赤いドレスの少女に「世界の望み」を聞くと、今は機嫌がいいと話します。
怪しくアルは笑い、チンとカン率いるチンピラ集団を壊滅させました。
リゼロ原作小説4巻2章の考察、ネタバレ解説
パックとエミリアのスバルへの期待とは?
ルグニカ王国の王都で、パックはスバルにだけ話しかけ「あまり期待させないで欲しい」と発言しました。
エミリアとパックはスバルに何かしらの「期待」をしていることが明らかとなりましたので、この時の期待の内容について考察をご紹介していきます。ネタバレも含みますのでご注意ください。
エミリアのスバルへの期待
エミリアは、嫉妬の魔女と容姿が瓜二つであることから、ずっと周囲から侮蔑的な扱いをされてきました。
エミリアが「銀髪のハーフエルフ」と打ち明けた時も、スバルは「だから可愛いのか」と反応したように、スバルはエミリアの慣れない「普通」の態度を取り続けています。
スバルの態度はエミリアにとっては「異常」なことであり、エミリアにとっては、「なぜスバルが自分に良くしてくれるのかが分からない」という不安があります。
エミリアのスバルへの期待とは、「普通の女の子のように接してくれること」であり、だから何度も「なぜ助けてくれるの?」と聞きます。
しかし、スバルは「エミリアを助ける理由」を答えないため、徐々にエミリアは「不安」を感じてしまいます。
パックのスバルへの期待
パックのスバルへの期待は、エミリアとの契約内容に関わってくるものと考えられます。
映画「氷結の絆」で描かれたように、パックは人工精霊になるにあたって「エミリアと契約してはいけない」という内容の制約を課されていました。
しかし、パックはエミリアと契約を結ぶこととなり、制約を破ったことによって「時々魔晶石から出てこれない」などの影響が出始め、「いずれは存在が消える」などの応報があるものと考えています。
そのため、パックは自分がエミリアの側にいられなくなった時に、エミリアを守ってくれる人物を求めており、その人物としてスバルに「期待」をかけていたのだと考えられます。
よって、「スバルがエミリアを助ける理由」は、パックにとってもスバルにエミリアを託せるかを決める上で重要な内容のものでした。
エミリアがスバルを衛兵詰所の中に入れなかった理由
ラインハルトに連絡を取るために衛兵詰所に向かったエミリアでしたが、スバルは外で待機するようにお願いし、ユリウスと衛兵詰所の中に入っていきます。
これは、スバルに嫌な思いをさせたくないというエミリアの配慮でした。
ユリウスはエミリアに最上の礼を尽くしましたが、玉座の間で明らかになった通り、騎士や王国中枢に近い人物でさえも、王候補のエミリアに偏見を持っている人物は少なくありません。
エミリアにとっては、自分が衛兵詰所の中に入れば、自分に対して侮蔑的な目線や言葉が向けられることは想定されるものです。
そのことでスバルが嫌な思いをするだろうと心配したため、外にいて欲しいと直前でお願いをしたのでした。
もし直前にスバルが「エミリアを助ける理由」を話していれば、エミリアはスバルに同行をお願いしたことでしょう。この時はまだ二人の間に確かな信頼関係がなかったため、エミリアは気後れしてしまったのだと考えられます。
「クロムウェル」の名前で呼ばれることを嫌がる理由
ロム爺が「クロムウェル」の名前で呼ばれることを嫌うのは「正体」がバレてはいけないから、というのが主な理由です。
ロム爺の過去については短編集で描かれており、かつては亜人戦争で亜人側に立っていた大人物でした。
人間側に多大な犠牲をもたらした人物であるため、戦争が終了した後も身を隠し、本名を伏せているものと思われます。
また、名前がバレて困るのはロム爺本人もそうですが、ロム爺がいなくなるとフェルトを守る人物がいなくなります。そのため、フェルトを守り続けるために名前を伏せているという一面もあったように思えます。
ラインハルトを「歪な人となり」と評した理由
プリシラはスバルに、ラインハルトの人物評を「歪な人となり」と表現しました。
ですが、ラインハルトは今のところ好青年であり、非の打ちどころがありません。
ラインハルトの異常性、不安視される過去は「水門都市プリステラ」で描かれており、プリシラが評したのは過去のラインハルトの行動についてなのかもしれません。
リゼロ原作小説4巻3章「仲の悪すぎる面子」あらすじネタバレ
エミリアは王城に行く日、スバルに留守番をするよう約束しました。
ごねるスバルに対して、元々治療目的で王都に来たのだと話し、エミリアは、スバルに「多くは望まないから、信じさせてね」と言います。
スバルは、その言葉を軽い気持ちで力強く肯定し、エミリアは「信じてる」という言葉を残して、王城へと向かいました。
スバルが宿を脱出
スバルは、エミリアを助けるためにも、自分も王城にいる必要があると考え、レムをじーっと見ます。
そして、レムは新作料理の開発で集中力を使うから、スバルが外に出ていっても気付かないと言って、スバルのいる部屋を出ます。
- スバルは「ごめんな、ありがとう」という手紙を残して部屋を出る
- 戻って来たレムが、一緒にこいと言ってくれなかったことを残念がる
しかし、実はレムはロズワールからの言いつけで、エミリアよりも、スバルの意思を尊重するようにと言われていたのでした。
果物屋の前でアルと再会
スバルは、まずはフェルトの行方が今日分かることをロム爺に伝えるため、果物屋に行きました。
そこに、アルが現れ、王城にいきたいならついてこいと言います。
贅の限りを尽くした竜車に乗ったスバルは、昨日出会った赤いドレスの少女と再会します。
赤いドレスの少女は、この竜車の目的についてスバルに聞きます。
- 今日は王選に関連する会議がある日であり、厳重な警備がされていると予想できる
- 竜車は王城に向かう
- 王選に関する会議に参加するために
- つまり、赤いドレスの少女は王候補の一人
そこまでスバルが言うと、アルが赤いドレスの少女を「プリシラ・バーリエル様」だと紹介します。
アルも異世界転生されてきた人物と判明
会話の中で、プリシラがエミリアを侮辱すると、思わずスバルが立ち上がります。
しかし、アルが一瞬でスバルの動きを制限し、「頼むぜ、兄弟」とスバルをなだめます。
スバルは、アルが隻腕であることを指摘すると、アルの衝撃的な事実が明かされました。
- アルも日本から異世界転生して来た人物
- 転生してきたのは18年前で、年齢は今のスバルと同じ頃
- 腕は転生してきた時に無くした
スバルが現在17歳の高校三年生であるため、アルの年齢はちょうど二倍程度です。
このキリの良い数字が何を意味するのか、何も意味はないのかは、まだ分かっていません。
王城の玉座の間でエミリアと再会
プリシラ・アルと一緒に王城の王座の間に入ったスバルは、エミリア・ロズワールと再会します。
スバルの姿を見て、エミリアはスバルの元に駆け寄って来ますが、プリシラが後ろからスバルを抱きしめ、見せつけるようにスバルは妾の小間使いだと主張します。
そこにロズワールが現れ、スバルがメイザース家の使用人でる証として、制服の裏地に家紋が入っていると説明すると、プリシラはそこで「道中の退屈しのぎにはなった」とスバルを話します。
そして、アルに「従者の頼みでもあったからな」と言いました。
「従者の頼み」が、アルがスバルを王城に連れていきたい、という意味だとすると、この一言は大きな謎になります。
なぜ、スバルが王城に行きたがっていることを知っていたのか、なぜプリシラとの同行で王城に連れていきたいと考えたのか、この謎が解ければ、異世界転生してきたアルという人物の正体が掴めるかもしれません。
ロズワールは、スバルが入城してからプリシラに見つかったと勘違いしており、スバルが玉座の間に入ってきた手順を聞いて絶句します。
- ロズワールは、スバルが王城に来ることに気づいていた/知っていた
- そのため、レムにスバルの意思を尊重するように指示していた
- 門番の兵に、ロズワール家の家紋が入っている人物が来たら、通すように伝えていた
- スバルの服の裏にはロズワール家の家紋が入っていた
エミリアは、約束を破ってスバルがいま玉座の間にいることに、「どうして」と問い詰めます。
しかし、賢人会の歴々が中に入ってきてしまい、王選に関連する会議が始まってしまいました。
懐かしい顔ぶれと再会
スバルとアルは近衛兵の列に並び、見覚えのある面々と再会します。
- ラインハルト:剣聖
- フェリス:クルシュの騎士
- ユリウス:恋敵
騎士団長マーコスが王選の概要を説明する
会議が始まると、騎士団長のマーコスが、一から王選のあらましを説明しました。
- ルグニカは、神龍ボルカニカと当時国王の「ファルセイル・ルグニカ」の間で盟約を結び、国の危機を幾度となく竜に救われた
- しかし、半年前に王族が滅亡
- 龍との盟約が途切れれば国存亡の危機に繋がる
- 竜の予言が刻まれる竜歴石に「ルグニカの盟約途切れし時、新たな竜の担い手が国を導く」と刻まれた
- 続けて、「新たな国の導き手になり得る五人。その内より一人の巫女を選び、竜との盟約に望むべし」と刻まれる
- 王国騎士団は、賢人会の命を受け、半年間竜の巫女を探した
- この中から新しい竜の巫女を選び、竜との盟約を更新する「親竜儀」に備える
- 会議が開かれた理由は、最後の一人が見つかったこと
ラインハルトが呼ばれ、5人目の王候補を発見したことを報告します。
そこに現れたのは、美しいドレスを身にまとったフェルトでした。
リゼロ原作小説4巻3章の考察、ネタバレ解説
異世界転生者がスバル以外にもいることが判明
アルが登場したことで、スバル以外にも異世界転生者がリゼロ世界にいることが明らかになりました!
スバル、アル共に転生された理由は分かっておらず、誰の意図によるものなのかは不明です。
この辺りは物語の根幹に関わってくる謎ですので、また別記事で詳しく考察していきたいと思います。「異世界転生者は複数いる」という点を覚えておきましょう!
アルがスバルを王城に連れてきたかった理由
玉座の間に到着した際、スバルを王城に連れていきたかったのは「アルの頼み」だったことが明らかにされました。
アルの行動には「スバルの目的を知っていた」不思議さがあり、アルにも同じようにループ能力が備わっている可能性が浮上しました。
玉座の間でスバルが失言した時も、アルが身を呈して庇っているため、アルの目的は「スバルを前進させること」であることは間違いなさそうです。
ロズワールがスバルの思惑を知っていた理由
ロズワールも、スバルが玉座の間に到着できるように動いていました。
- レムにエミリアの意思よりもスバルを尊重するように指示
- 王城の衛兵にメイザースの家紋付きの服を着た少年を通すように指示
ロズワールの上記の行動は、「スバルが王城を目指すことを知っており、尚且つ招きたかった」という目的が見え隠れします。
玉座の間にスバルがプリシラと一緒に来たと聞いてロズワールは驚いていましたが、これは自分の仕組んだ埒外でスバルが辿り着いたことに衝撃を受けたからでした。
そして、ここでロズワールはスバルに対してある「確信」を持つこととなりました。
ラインハルトがフェルトを連れ帰った目的が判明
フェルトが王候補の一人として登場し、盗品蔵でラインハルトがフェルトを強引に連れ帰った意味が明らかになりました。
エミリアに徽章を返す際、フェルトは徽章の宝珠に触れていますが、その時に光ったのをみて、ラインハルトはフェルトが王候補であることに気付きます。
そして、フェルトの容姿を見てラインハルトはあることに気付いていたのでした。
リゼロ原作小説4巻4章「王の候補者と、その騎士たち」あらすじネタバレ
フェルトの「金髪の紅い双眸」を見て賢人会の歴々は驚き、十四年前に起きた事件を思い出します。
- 十四年前に王城に賊が侵入して王弟のご息女を誘拐
- ご息女はそれ以降、行方不明
- 竜歴石にも記載はなかった
- 別の事件と重なり、捜索にも全力をさくことができなかった
前の近衛騎士団が解体される契機となった事件でもあり、「金髪の紅い双眸」とはルグニカ王国の王族の容姿の特徴でもありました。
既に王族が滅亡した今、フェルトが王族であるかを確認する方法は失われていますが、ラインハルトは、貧民街の盗品蔵で見つけたフェルトのことを、運命だと感じていました。
ここからは、王候補が一人ずつ所信表明をしていきます。
カルステン公爵家当主「クルシュ・カルステン」
王候補 | クルシュ・カルステン |
---|---|
抱負 | ・龍との盟約により栄えた歴史を肯定 ・しかし、王になった暁には龍に盟約を忘れてもらう ・自分達の力と責任を持って王国を繁栄に導く |
一の騎士 | フェリス(フェリックス・アーガイル) |
推薦 | ・クルシュの正しさは、歴史と付き従う自分達が証明していく |
血色の花嫁「プリシラ・バーリエル」
王候補 | プリシラ・バーリエル |
---|---|
抱負 | ・この世界は自分の都合の良いことしか起こらない ・それ故、自分が王となるのが最も相応しい ・自分に従う者は勝者。欲すものを得ればいい |
一の騎士 | アル |
推薦 | ・ヴォラキア帝国の元剣奴(十数年) ・ヴォラキア製の兜の下は悲惨な古傷 ・プリシラの開催した腕自慢大会でベスト4となり、従者となる ・プリシラの意に反さない限り、その者は絶対に報われる |
若き商会王「アナスタシア・ホーシン」
王候補 | アナスタシア・ホーシン |
---|---|
抱負 | ・カララギの最下層出身 ・一代でカララギの一大勢力ホーシン商会を築き上げる ・人より欲が深く、執着心が強い、そして欲が尽きない ・自分の欲の器を満たすために、ウチの国が欲しい |
一の騎士 | 『最優の騎士』ユリウス・ユークリウス |
推薦 | ・アナスタシアは向上心と情の深さがある ・情に流されない判断もでき、為政者としての資質もある ・ルグニカ王国の財政難の際にアナスタシアに出会ったことは運命と信じる |
銀髪のハーフエルフ・氷結の魔女「エミリア」
王候補 | エミリア |
---|---|
抱負 | 「公平性」を求める |
推薦人 | ロズワール・L・メイザース |
壇上に上がったロズワールは、パックと組んで一芝居を打ちます。
- エミリアの容姿は嫉妬の魔女そのものであり、王候補にはなり得ない
- 国内の分裂の可能性を最小限にするため、エミリアを王選候補に挙げ、実質4人の王選とする
- スバルが怒り、ロズワールに向かって突進
- ロズワールの火の魔法がスバルに向け放たれる
- 次の瞬間、エミリアとパックがスバルの前に立ち、魔法を相殺する
- パックの姿を見て、賢人会の代表マイクロトフが「永久凍土の終焉の獣」と呼ぶ
- 会場中がパックの怒りに震え上がる
四大に連なる大精霊であるパックが、エミリアの契約精霊であるという事実を示し、エミリアの実力を知らしめるのが、この芝居の目的でした。
スバルがノリと勢いでエミリアの「一の騎士」を名乗る
マイクロトフがスバルとの関係を問うと、スバルは静止を振り切り、賢人会の歴々に、自分はエミリアの一の騎士であると名乗り、場の空気が凍ります。
スバルが一の騎士と名乗ったのは、王選に関わるこの場にいる人に、自分こそがエミリアを一番に思っている人間だと知って欲しいからでした。騎士というものの重みを、スバルはこの時は何も理解していません。
ユリウスが前に出て、近衛騎士団の前で騎士を名乗ったスバルを問い詰めます。
騎士というものの名誉、重圧、それにかける日々、名乗る誇り、それらをスバルに説明し、スバルに騎士を名乗る資格はないと説明します。
スバルは、それでも自分はエミリアを王にすると言います。その理由を問われ、「彼女が特別だから」と答えました。
ユリウスは、スバルが忠誠を捧げる相手を決めていることには理解を示しつつも、エミリアを見ながら、守ると決めた相手にそのような表情をさせるのは、やはり騎士ではないと告げました。
エミリアにとって「特別」という言葉は良い意味を持ちません。エミリアの表情が暗くなったのは、自分の騎士と名乗るスバルの無様さに恥じ入るだけでなく、この言葉に対する反応であったようにも思えます。
正論で何も言い返せなくなったスバルは、騎士を貶める、名誉を傷つける言葉を並べます。
そのスバルの姿を見て、エミリアがついにスバルを止め、周りに謝罪します。
そして、スバルのことを「私の従者なんかじゃありません」と、はっきりとした言葉で拒絶しました。
呆然とするスバルの前にロム爺が登場
騎士団長のマーコスに提案され、スバルは玉座の間を去り、王城の控え室に案内されます。
そこに、王城の衛兵に捕縛され、玉座の間に連行されているロム爺が現れます。
スバルは、ロム爺の素性を説明しようと試みますが、ロム爺は演技をしてスバルを庇います。
ロム爺のその態度でさえ、スバルは「拒絶」されたと感じてしまいます。
スバルは、エミリアに拒絶され、ロム爺に拒絶され、何のために自分はここにいるんだ。誰にも必要とされていないじゃないかと、打ちひしがれます。
玉座のロム爺の演技
玉座の間に連れてこられたロム爺に対し、フェルトは「離せ」と要求します。
騎士団長のマーコスは、フェルトが王選に参加しないのであれば、命令を聞くことはできないと拒否します。
フェルトが王選に参加する意思がないことを聞き、ロム爺は一芝居を打ちました。
- 縋りつくように助けてくれと叫ぶ
- フェルトを育ててきた恩を今返せと言う
- 誇りを無くしたように、どうにかしてくれと叫ぶ
ロム爺は、こういった態度をフェルトは毛嫌いすると知っており、フェルトが自分を気にして王選に参加すると言わないようにしています。
しかし、フェルトはこれを見抜いており、王選に参加すると表明しました。
そして、ラインハルトを呼び、「やれ」と命じます。ラインハルトは手刀でロム爺の手にはめられた枷を切り外します。
ロム爺は、フェルトを良い子に育てすぎた!と絶叫しました。
ここに、龍歴石が記した五人の龍の巫女が出揃い、王選の開始が告げられます。
リゼロ原作小説4巻4章の考察、ネタバレ解説
フェルトは王族の生き残りである可能性
フェルトは年齢と王族の特徴である容貌が一致しており、かつて王城より連れ去られた王弟の御息女である可能性が高いことが示唆されました。
この可能性については、短編集で描かれたフェルトの赤ん坊の時の記憶とも一致しているため、まず間違いないでしょう。
フェルトがなぜ逃されたのか、王族とは何なのかについては、また別の記事で詳しくご紹介したいと思います。
近衛騎士団は前に一度解散している
王女誘拐事件は、前近衛騎士団が解散したきっかけとなったと明らかにされました。
前近衛騎士団の団長や発足した経緯などは、水門都市プリステラでユリウスによって語られています。
水門都市プリステラ第五章なので結構先になりますが、「騎士」関連の重要な出来事なので余すことなくチェックしておきましょう。
エミリアの容姿への偏見は根強い
玉座の間で所信表明をしようと舞台に立つエミリアに対して、「半魔」と罵る言葉が投げかけられます。
近衛騎士や貴族という立場のある人間にとっても、銀髪のハーフエルフであるエミリアの容姿に対する偏見があることが示唆されました。
このため、エミリアは「公平性を強要する」という主張をすることになります。
ただし、エミリアが王戦に参加した理由は別にもあり、それは「もっと個人的な理由」によるものでした。
パックが四大精霊の一角であると判明
リゼロ世界の魔法は六つの属性に分かれており、陰陽を除く四つの属性については、それぞれの属性の頂点に位置する精霊がいて「四大精霊」と崇められていました。
玉座の間において、マイクロトフによってパックが「火」の四大精霊だと明らかになり、その力の大きさが明らかになります。
また、パックが前の四大精霊を倒す場面が「氷結の絆」で描かれていますので、まだ見ていない方はチェックしてみてください。
スバルとエミリアの間に溝が生まれる
ユリウスとの決闘を経て、スバルとエミリアの間に大きな溝が生まれてしまいました。
この溝を埋めることこそが第三章の最終的な目標となります。
スバルがするべきことは、エミリアが「なぜ質問を繰り返すのか」を考え、エミリアに信じてもらうに足る行動を示すことです。
現状エミリアにとって、スバルの行動には納得感がなく、期待はあるが本当の信頼はできていない状態です。
リゼロ原作小説4巻5章「自称騎士、ナツキ・スバル」あらすじネタバレ
控え室に戻っていたスバルを見舞いに、ラインハルトとフェリスが訪れます。
ロム爺がフェルトによって安全に保護されたことを聞くと、スバルはほっと撫でおろしました。
ラインハルトは、フェリスは最年少で「青」の称号を与えられている、大陸随一の水魔法の使い手だと紹介します。
フェリスは、引く手数多の自分がスバルのゲートを治療するのは、エミリアとの取引であり、対価は既に支払われていると説明しました。
対価については、物理的なものではなく、知ってしまったからには返せないもののようです。
ユリウスとの決闘
控え室にユリウスが現れ、スバルに練兵場での模擬戦を持ちかけます。
ラインハルトは君らしくないとユリウスを止めますが、ユリウスは、先程の玉座の間でのスバルの言動は許せないと承諾しません。
フェリスが立会人を務め、練兵場に駆けつけた騎士達の激しい敵愾心を向けられなら、スバルはユリウスとの模擬戦に挑みます。
- 圧倒的な実力差
- 一方的な展開に、王候補が話し合いをしている玉座の間に報告が入る
- 全員が練兵場に向かう
- エミリアが練兵場に到着し、スバルの名前を叫ぶ
- スバルはエミリアの声を振り切り、シャマクを使う
- 切り札のシャマクも簡単に破られ、気絶する
ユリウスは、玉座の間でのスバルの態度に対して、怒った若い近衛騎士がスバルに向かってしまわぬよう、わざと全員の目の前でスバルと模擬戦を行い、近衛騎士達の溜飲を下げたのでした。
そのことをフェリス、団長のマーカスも理解しており、ユリウスは適材適所だと答えます。
エミリアとスバルの話し合い
王城の一室で目を覚ましたスバルの部屋には、エミリアがいて、「話をしましょう」と切り出します。
スバルは、何かにつけて「エミリアのために」と言いますが、エミリアは「自分のためでしょう」とこれまでにない冷たい声で返します。
そして、ローブをスバルに投げつけ、感情が溢れ落ちそうな強い表情でスバルを睨みつけます。
エミリアは、スバルが約束を簡単に破ってきたことに、悲しみと怒りを感じていました。
- 部屋で留守番してくれるようにお願いしたのに王城にくる
- 魔法を使わないでとお願いしたのにシャマクを放つ
エミリアは、スバルを信じたいのに信じられないと言い、「なぜスバルが自分を助けてくれるのか」と、これまで何度も聞いてきた質問を繰り返します。
スバルは、「君が助けてくれたからだ」と言いますが、エミリアは理解ができないと感情的になってしまいます。
エミリアに話そうとしても、黒い靄が心臓を掴み、スバルは話すことができません。スバルは癇癪を起こしてしまい、「君は俺に返せないだけの借りがあるはずだ」と言葉が溢れてしまいます。
その言葉を聞き、エミリアは「それを全部返して終わりにしましょう。もういいよ、ナツキ・スバル。」といって部屋を去っていきました。
エミリアのこの時の本当の心境は、小説9巻で明かされます。泣けます。
リゼロ原作小説4巻5章の考察、ネタバレ解説
フェリスが「色持ち」であることが判明
ルグニカ王国はマナの各属性の頂点に対して「色」の称号を与えています。
治療を得意とする水魔法の頂点「青」はフェリスに与えられており、王国一の水魔法の使い手であることが明らかになりました。
また、四大属性のうち、「青」以外の色はロズワールが授かっており、筆頭宮廷魔術師として規格外の力を持っていることが示唆されました。
陰陽に該当する黒白は空座となっており、使い手の貴重さが描かれています。
エミリアにとって「約束」はとても大事なこと
スバルとの言い合いのシーンで、「精霊術師にとって約束・契約は大切なこと」であると描かれます。
しかし、エミリアは「大切なこと」以上に「約束」に縛られすぎている不自然さがあります。
なぜエミリアがこれほどまでに約束を大切にするのかについては、第三章の「聖域編」で明らかになります。
認識阻害ローブはスバルの手元に残る
エミリアも癇癪を起こし、認識阻害ローブを投げつけて去っていきました。
話し合いをしていたのは王城の一室であるため、王城の中から地竜に乗ってロズワール邸に戻れば、誰にも顔を合わせることなくロズワール邸に戻ることができます。
しかし、認識阻害ローブが簡単にできるものでないとしたら、エミリアは暫くアーラム村も含めて外出が難しくなってしまうかもしれません。
一方、スバルの手元にはローブが残りましたので、今後何かの役に立つかもしれませんね。
原作小説第4巻のストーリーの流れ
- アーラム村でスバルとエミリアがラジオ体操
- ロズワール邸に使者としてフェリスとヴィルヘルムが訪れる
- エミリア、ロズワール、レム、スバルが王都へ向かう
- カドモンと再会
- 衛兵詰所でユリウスと出会う
- プリシラ・アルと出会う
- エミリアに宿で待機するようお願いされる
- スバルが宿を抜け出して果物屋へ行き、アルと再会する
- プリシラ・アルの竜車に乗り、スバルも王城へ向かう
- アルも18年前に異世界転生してきたことが判明
- 玉座の間でエミリア・ロズワールと再会
- 王候補5人の所信表明が終わり、王選開始が宣言
- 王城の練兵場でスバルがユリウスと模擬戦を行う
- 目覚めたスバルがエミリアと話し合いを行う
- 二人とも癇癪を起こして決別してしまう
第5巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
本ページの情報は2021年03月03日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。