「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説6巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第5巻では、アーラム村・ロズワール邸の惨劇を、スバルは二回経験しました。
その経験の果てで、打倒するべき相手が、魔女教・大罪司教「怠惰」担当、ペテルギウス・ロマネコンティであることが判明します。
二度のループで果物屋の前に戻ってきたスバルの目には、ペテルギウスへの激しい感情が宿っています。
果たして、3周目の世界では、アーラム村やロズワール邸の人々、レムを救うことができるのでしょうか!?
第5巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
リゼロ原作小説6巻1章「幼い交渉」あらすじネタバレ
クルシュ邸に戻ったスバルは、ヴィルヘルムから目に本物の修羅が宿っていると評されます。
また、スバル自身の心情も、ペテルギウスへの強い感情に飲み込まれてしまっている状態が描かれました。
庭園で王都の財政を取り仕切る「ラッセル・フェロー」と出会い、その後、クルシュとの会談に望みます。
スバルの幼い交渉
魔女教徒を撃退する戦力を整える必要があると考えたスバルでしたが、クルシュに対して、ただ自分の要望を伝えるだけの幼い交渉をしてしまいます。
- エミリアが王選に出れば魔女教徒が襲撃するのは必定
- ゆえに話の肝は、陣営にとってのメリット
- 「純粋な人助け」や「エミリア陣営に借りを作る」という曖昧な理由をスバルは提示する
- 自分の領土を守れない者は当然王に相応しくない。手助けしても、しなくてもエミリアは脱落するという
- スバルは魔女教による被害を感情的に訴える
- クルシュは、領民を守れないのはエミリアの責任。また、魔女教徒の襲撃情報を知っているスバルも、魔女教徒ではないのかと断じる
また、そもそもスバルはエミリア陣営を代表して交渉する権利は持っておらず、話にならないといいます。
耐えかねたスバルは部屋を退出し、レムはロズワールに代わり謝罪を述べます。
この時点においてのスバルは、状況を打開しようとする意思は持っていますが、「相手の立場に立つ」という考え方は持っていません。そのため、クルシュの立場を考慮せず、クルシュが協力するだけの条件も用意せず、ただ子供のように喚き散らすだけの結果となってしまいました。
焦るスバルに残された時間
クルシュ邸を出たスバルは、まずは宿をとって、それから次のことを考えようとレムに話します。
レムは、先程の交渉にも言いたいことがありましたが、あえて口には出さず、ロズワールからの言いつけを守り、スバルの意思を尊重しています。
スバルが目覚めてから、アーラム村に魔女教徒が訪れるまでの期限は4日と半日。既に1日が過ぎようとしていました。
リゼロ原作小説6巻1章の考察、ネタバレ解説
ラッセルがクルシュ邸を訪れていた理由
クルシュはある目的で、王都の商人達と交渉をしており、ラッセルは商業組合の代表としてクルシュと会談していました。
この際、ラッセルは「過去のこともあり交渉は厳しい」と発現しており、このことから次の二つのことが読み取れます。
- 現在のクルシュは商人達にとって利益のある目的を持っている
- 過去はクルシュと商人達は対立関係にあった
王戦は「国民の総意を以て」選出されると言及されていることから、王候補はそれぞれに、国民の支持を得ることが必要となります。
そのため、クルシュは対立関係にあった商人達の支持を取り付けるために、何かしらの行動を企図していると考えられるでしょう。
またこの時、スバルと一緒にいたヴィルヘルムに対して「悲願」が成就することを願っているとも発言しており、この発言も後々のスバルの行動に影響を及ぼします。
タイトル「幼い交渉」の意味
第1章のタイトルは「幼い交渉」ですが、これは当然ながらスバルの交渉を示しています。
スバルは「自分の希望を相手に押し付けるだけの願望」を提示しており、交渉になっていません。
今後、クルシュやアナスタシア、プリシラといった他の王候補達から手厳しい指導を受けることで、「相手の立場を考え、相手が欲しいものを提示する」大人の考え方を身につけていきます。
この時点では、断られたのは「相手が悪い奴」だからだと、スバルは感情的に考えています。
リゼロ原作小説6巻2章「豚の欲望」あらすじネタバレ
スバルとレムは、翌日の早朝、豪奢な飾り付けがされているプリシラの屋敷を訪れます。
門に出てきてくれたアルに依頼をすると、プリシラが会談することを許可してくれます。
レムは途中で執事の「シュルト」の案内で別室に向かいますが、アルから魔女の香りを感じ、スバルに注意を促しました。
- スバルは魔女教対策の助力を素直に求める
- プリシラは、スバルの行動を「自陣営の弱みを晒し、敵に利する愚かさ」だと蔑む
- スバルに対し、考えが足りなさすぎと罵る
- スバルの行動は忠義からではなく、依存と怠惰にまみれた、求めるだけの最も醜い豚の欲望だと怒りを露わにした。
プリシラの行動をスバルは理解できませんが、現状のスバルに対する最も率直な評価が下されています。
プリシラは「アルデバラン!!!」と怒りの表情で、部屋の前に待機していたアルを呼び、すぐにつまみ出せと言います。
スバルは、意識朦朧としたまま、アルに支えられて門前に連れていかれます。
アルの態度が急変
アルは、プリシラが本当に怒る前に早く去ったほうが良いとアドバイスします。
そして、レムに向かって「ラム」と言いますが、レムは自分がレムであること、ラムが姉様で存命であることを話すと、
どういうことだ、オイ
と焦りを見せながら、怒りを前面に出します。
急変するアルに対して、レムとスバルは警戒しますが、アルは自分も機嫌が良くないようだと話し、早く去るように言います。
そして、二人の背中を見て、
ふざけるなよ、アレが、そうだってのか…反吐がでるぜ
と、言うのでした。
アルは、自身の過去において「ラム」と直接的・間接的に関わりを持っていたことが明かされました。
それは、レムとラムが幼い頃に経験した魔女教の件なのか、また別件なのか、この点は明かされていません。
アナスタシアとの再会
スバルは、レムに、衛兵詰所に魔女教徒討伐の助力を求めるように依頼します。
王都中枢の商業区にある、待ち合わせの店に一足早く向かおうとすると、大通りで子猫の獣人「ミミ」に声をかけられます。
すると、ミミの主人である「アナスタシア」が現れ、玉座の間以来の再会をします。
- ミミはアナスタシアの私兵団「鉄の牙」の副団長
- スバルから状況を聞き、今は竜車を借りることは相当難しいことを伝える
- 大商会の会長である自分なら、竜車を手配することも可能だと話す
スバルはすぐにアナスタシアに竜車を貸してくれるよう頼みますが、アナスタシアは「良いけど、代わりに世間話に付き合って」と言い、レムとスバルが待ち合わせをしている店に足を向けます。
アナスタシア様、したたかすぎます。。。
アナスタシアの交渉術
席について、スバルはすぐに竜車を求めます。
しかし、アナスタシアに交渉の指導をされてしまいます。
- 交渉の基本は相手の懐に入ること。スバルは自分の目的ばかり優先している
- 相手に興味を持つことから始めると良い
- 情に訴えかけるのも、王候補となるような人物に対しては下策中の下策
アナスタシアのこのアドバイスが、現状のスバルにとって最も必要なことでした。プリシラが足を舐めようとしたスバルに激怒したことも、上記のアドバイスで理由が分かります。
スバルは、アナスタシアの話を聞きながら、「ウチの手の届く限り、掴めるものは全部ウチのものにする」という志を聞き、アナスタシアを大人物だと見込むようになります。
アナスタシアは、話を変え、王都が少し慌ただしくなっており、剣や槍などの鉄製品が売れていることを話し、それがクルシュによるものだと話します。
スバルはその話を聞き、だから「ラッセル」がクルシュの家に来ていたのかと零し、クルシュ邸の人の出入りを話します。
アナスタシアは「聞きたいことは聞き出せた」と言い、竜車の鍵をスバルに渡しました。
アナスタシアは、最後に交渉のコツをスバルに教えます。
- 交渉の席の前にどれだけ準備できたかが大切
- 相手が欲しいものを目の前にぶら下げる
そして、アナスタシアが手を叩くと、店の中にいた全員が立ち上がり、スバルと店主を残して店を去っていきました。
大通りでスバルに話しかけたのも、偶然を装っており、スバルから情報を聞き出すことが目的でした。アナスタシア様、最高です。
レムがお店に合流
待ち合わせの店に戻ったレムは、各地から魔女教徒の情報が錯綜しており、騎士団の助力は望めないと報告します。
スバルは、戦力を整えて撃退することから、村や屋敷から人を逃がす作戦に変更します。
- 今から王都を出れば3日目までにロズワール邸に到着する
- そこから魔女教徒が現れる前に、エミリアやラム、ベアトリス、アーラム村の人々を逃す
スバルが竜車手配の問題を解決していたことで、レムは「スバルくんすごい!」と褒めてくれますが、スバルの心境は複雑でした。
自分の現状足りないところを、痛い思いをしながらスバルは学んでいきます。
リゼロ原作小説6巻2章の考察、ネタバレ解説
アルから「魔女の残り香」がした理由
プリシラの屋敷でレムがアルから「魔女の残り香」を嗅いでいますが、考えられる理由は次の二点です。
- アルは魔女教徒
- アルもスバルと同じく「嫉妬の魔女」の寵愛を授かっている
アルの行動には不思議なところがあり、スバルが王城に行こうとしていたことを把握し、それを助けるようにプリシラに懇願していました。
これは、アルが「福音書」や「叡智の書に最も近い本」を所持しており、未来を知る術を持っていることを示唆していると考えられます。
または、アルがかつてスバルとしてこの状況を過ごした周回があり、その時に自分が玉座の間に辿り着けずに困ったので、助け舟を出したのかもしれません。
ただし、アルが魔女教徒であると断定することはできず、アルと魔女の残り香の関係は、既出の情報ではまだ断定することができません。
アルがレムとラムを勘違いした理由
プリシラの屋敷からスバル達が立ち去る際、アルはレムに対して「じゃあな、ラム」と発言しています。
この時の一覧の行動を考察してみると、次のことが浮かび上がります。
- アルは「ラム」という存在を知っている
- 鬼の里の襲撃に関わり「ラムではない方の鬼」を排除したと考えていた
- レムはアルにとって「アレがそうだってのか」と表現する程に唾棄するべき存在
アルの目的、存在についてはまだ明らかになっていませんが、鬼の里の襲撃に関与していた可能性は非常に高くなりました。
レムの存在が何を意味するのか、なぜアルが排除しようとしたのかが分かるのは、ずっと先のこととなるでしょう。
リゼロ原作小説6巻3章「白鯨の顎」あらすじネタバレ
スバルとレムは、リーファウス街道で、オットーをはじめ王都に向かおうとしていた14名程度の行商人の集団と出会います。
先を急ごうとしたスバルでしたが、ある閃きからオットーに提案を持ちかけます。
- メイザース領のアーラム村の100人程度の住民を逃すために竜車を借りたい
- 王都での儲け話よりもお金を払う
大量の油の不良在庫を抱えていたオットーは喜び、10名の行商人が協力してくれることになります。
フリューゲルの大樹に到着
一団となったスバル達は、リーファウス街道の中心にある「フリューゲルの大樹」に到着します。
オットーからスバルに、フリューゲルの大樹に関する簡単な説明がされました。
- フリューゲルの大樹は、「賢者」フリューゲルによって数百年前に植えられたとされる大樹
- 樹齢数百年だが、天を衝くような巨大な大きさを誇る
- フリューゲルは功績などがあまり残っておらず、歴史が曖昧な人物
スバルはフリューゲルの大樹に思わず見とれ、気がつくと右側を並走していたバンダナ姿の行商人の姿が消えていました。
原作小説13巻で「賢者」という言葉が再登場します。賢者が何を意味するのかは、まだ明らかにされていません。
白鯨との遭遇
スバルが右側に携帯の灯りを向けると、そこには白鯨の巨大な目玉があります。
リーファウス平原に霧がかかり、白鯨が出現しました。
- 白鯨の横薙ぎでレム・スバルが乗っていた竜車が粉々になる
- レムの間一髪の判断でスバルと共に左隣のオットーの竜車に移動
- 行商人の不文律で各竜車は散り散りになって逃走を開始
- 白鯨が執拗にオットー・レム・スバルの竜車を追いかける
- レムがスバルを気絶させ、「このときのために生まれてきたんですね」と微笑み、竜車を降りる
- スバルが目を覚ますと、レムが時間稼ぎのために竜車を降りて白鯨と戦い、スバルとオットーを逃していた
- オットーの記憶からレムが消える
- 白鯨にツノを発見し、魔獣であることが判明。スバルが自分の体が白鯨を呼び寄せているのかと驚く
- オットーに落とされ、竜車から落ちる
竜車から落ちたスバルは、地面に突き伏せながら、目の前で自分を品定めする白鯨に心からの恐怖を感じていました。
しかし、白鯨はスバルの目の前から消え去り、スバルは混乱しながら真夜中のリーファウス平原を走ります。
霧を抜けると、そこには魔女教徒が現れた痕跡が残っているオットーの地竜と竜車があり、スバルはその竜車に乗ってロズワール邸へ向けて走り出します。
白鯨がスバルを襲わなかったのは、魔女の残り香が関係しているものと思われます。なぜ、白鯨が魔女の香りに反応して襲撃を止めたかについては、「誰が白鯨をリーファウス平原に出現させたのか」というポイントが関わってきます。
リゼロ原作小説6巻3章の考察、ネタバレ解説
オットーがスバルを竜車から落とした理由
オットーの性格が悪いと一時期悪評が流れましたが、オットーがスバルを竜車から落とした理由については、次の二点が考えられます。
- 白鯨の霧の効果
- オットーの加護で白鯨の言葉が聞こえていた
白鯨の霧の効果についてはネタバレとなってしまいますのでご注意ください。
白鯨の霧には「拡散型」と「消滅型」の二種類があります。
拡散型は白鯨の移動範囲を広げると共に、霧を吸い込んだ相手のオドに干渉して錯乱させる効果があります。
この時、スバルやオットーがいたのは霧の中であるため、オットーは拡散型の霧の効果によって錯乱状態に陥ってしまった可能性が高いと考えられます。ちなみに、効果に対して耐性を持つ者は2割程度存在し、スバルは耐性を持っています。
また、第三章の終盤で明かされるオットーの加護は、「言霊の加護」と呼ばれるものです。
これはあらゆる動物と話すことができる加護であり、魔獣も例外ではありません。そのため、この時迫りくる白鯨の話す声がオットーだけには聞こえていた可能性があり、あまりの恐怖にスバルを差し出したという説もあります。
いずれにせよ、通常時のオットーであればスバルを突き落とすようなことはしませんので、悪評の誤解が解けるといいなと思います。
白鯨がスバルを見逃した理由
オットーに突き落とされたスバルに白鯨は迫りますが、手が届くほどの距離まで近づいた後、突然その姿を消してスバルを見逃しました。
この理由については次の二つの説が考えられます。
- スバルの身に纏う「魔女の瘴気」が原因で見逃された
- 白鯨の出没範囲外に出た
ここからの考察はネタバレも含みますのでご注意ください。
まず前提として、白鯨は「暴食」の大罪司教ライ・バテンカイトスの係累と呼べる魔獣です。
バテンカイトスは、「強欲の大罪司教」レグルス・コルニアスと共に福音書の指示に従い、リーファウス平原を分断し、ペテルギウスがエミリアに試練を課す環境を整えていました。
最後のループでヴィルヘルムが魔女教徒のグループと激突しましたが、これは「暴食」か「強欲」に従う魔女教徒であり、「怠惰」の魔女教徒ではありません。
そのため、この時点においても、おそらくフリューゲルの大樹近くに、魔女教徒達は潜伏していたと考えられます。
上記の前提から考察を進めていくと、白鯨を操る「暴食」が指示を出す際、味方である魔女教徒に危害を加えないように「魔女の瘴気を纏う者を襲うな」と命じている可能性があります。
そのため、白鯨は本能的に「嫉妬の魔女の瘴気」を纏うスバルを追いかけてしまいますが、最終的にスバルから魔女の瘴気を嗅いだ時に、命令を思い出して襲撃をやめた可能性もあると考えられます。
二つ目の仮説としては、白鯨の目的はリーファウス平原の分断であるため、中心にあるフリューゲルの大樹から、特定範囲を移動範囲として命令されている可能性が高いです。
そのため、スバルが落下した場所がギリギリ白鯨の移動範囲の外となっており、それ故に見逃されたという可能性も考えられます。
どちらの説も否定できる要素はまだ出ていませんので、見逃された理由は両方、もしくはどちらかであると考えられます。
リゼロ原作小説6巻4章「言葉にはさせない」あらすじネタバレ
スバルはアーラム村にたどり着きますが、そこで気を失って倒れてしまいます。
目を覚ましたスバルは、ロズワール邸の自室のベッドの上にいました。アーラム村の人々がロズワール邸に知らせ、ラムがスバルを抱えてロズワール邸に連れてきてくれていたのです。
目覚めたスバルの側にはラムがいて、傷ついたスバルの頭を撫でてくれます。
また、スバルの瀕死の傷はエミリアが回復魔法で治癒したことを教えてくれました。
ラムの記憶からもレムが消える
スバルは、レムが犠牲になったことを、意を決してラムに伝えます。
しかし、ラムの口からは「レムって、誰のこと?」と思いがけない言葉が出てきます。
スバルはレムの部屋に行きますが、レムの部屋だった部屋には何も残っていませんでした。
ラムは、スバルが疲れで混乱しているのだろうと話し、部屋に戻っていなさいと伝え、仕事に戻ります。
リーファウス平原では、オットーの記憶からもレムが消えていました。白鯨とレムがみんなの記憶から消えてしまうことは、関係があるのかもしれません。
エミリアが「魔女の手」に堕ちる
スバルは、レムが何のために自分をここに届けてくれたのかを思い出し、エミリアの部屋を訪れます。
- エミリアは憔悴しきった様子で、なぜ戻ってきたのとスバルに質問する
- スバルは強引にエミリアを連れ出そうとし、王都でのやり取りを繰り返してしまう
- 意を決して、自分が「ループしている」ことを叫ぼうとする
- 次の瞬間、スバルではなく、エミリアに魔女の手が向かう
スバルはエミリアを抱きしめ呆然とします。
ループを口にしようとする時に現れる黒い影は、スバルだけでなく、周囲の人にも影響を及ぼすことができると明らかになりました。
ベティーに懇願
スバルの元に、ベアトリスが訪れます。
スバルは懇願しますが、ベアトリスはこれまでにない激しい感情をスバルに向けます。
- 泣きそうな表情をして、「その願いは残酷すぎる」と話す
- 何も分かっていないと怒り、スバルを森に転移させる
涙を流しながら、「お母様。あとどれだけ、ベティーは」と口にしました。
ベアトリスは、スバルに何かを期待しています。第2巻でスバルに「待って」と声をかけた心情も、スバルに対する期待があればこそでした。
ペテルギウスに懇願
ベアトリスによって森に転移されたスバルは、なおも自分に罰を与えてくれる存在を求めて、森の奥深くへ入っていきます。
見覚えのある道を進み、魔女教徒のお出迎えの後、岩壁の洞窟の前でペテルギウスに出会います。
スバルは、ペテルギウスに懇願しますが、エミリアを侮辱されたことに怒り、「見えざる手」を躱して、戦闘となってしまいます。
ペテルギウスは、スバルを弄びながら、スバルをより深く絶望させるために、「見えざる手」をエミリアに向けました。
そこに、永久凍土の終焉の獣の姿となった、パックが現れます。
エミリアが魔女の手に堕ちた後、パックの結晶石が割れ、ベアトリスは「にーちゃは本体に戻らされた」と言っています。
パックがエミリアなき世界の後で暴れるのをベアトリスは理解していたので、屋敷を守るために、スバルとエミリアを森に転移させたのでした。
パックに3つの罪を説かれる
上空から現れたパックが、一瞬にして魔女教徒とペテルギウスを撃退します。
パックは、ペテルギウスに対して次の発言をしています。
- いつの時代でもお前たちは、ボクのもっとも悲しむことをする
- ボクを本当に倒す気があるのなら、サテラの半分、千本は手を伸ばしてみろ
- 困惑するペテルギウスに対して、一言「エキドナ」と告げる
パックはサテラのことを知っており、その強さの源が「エキドナ」であることが判明します。
また、過去にも魔女教徒と何らかの争いがあったことも示唆されました。
スバルと二人きりになったパックは、スバルの3つの罪を説きます。
- エミリアとの約束を破った
- エミリアの願いを無視してロズワール邸に戻ってきた
- エミリアを守れなかった
精霊術師であるエミリアにとって、約束やお願いは非常に重要な意味を持ちます。
それを軽々スバルに破られたことで、エミリアは酷く心を蹂躙され、憔悴していたのでした。
永久凍土の終焉の獣の姿をしたパックに、スバルは罰を与えられ、権能を発動します。
リゼロ原作小説6巻4章の考察、ネタバレ解説
ラムがレムのことを忘れてしまっていた理由
ラムがレムのことを忘れてしまった理由は、「白鯨」の影響によるものです。
オットーもレムの存在を忘れていましたが、これも同じ理由です。
白鯨による影響、ひいては「暴食」による影響については、今後の物語でもずっと描かれていきます。
「黒い影の手」がエミリアに向かった理由
「黒い影の手」は、スバルではなくエミリアに向かい、スバル以外の存在にも影響を及ぼせることを証明しました。
スバルに対しては痛みを与えることはあっても、それ以上はしない又はできないことが、エミリアに向かったことから明らかになります。
スバルに権能を与えたのは「嫉妬の魔女」であると考えられますが、嫉妬の魔女とスバルの関係が明らかになれば、スバルに対する扱いの不思議さも明らかになるでしょう。
ベアトリスが「待っている」ものと「お母様」との関係
ベアトリスは大精霊であり、契約によってロズワール邸の禁書庫の司書をしています。
ベアトリスの発言から、契約をした相手は「お母様」であると考えられますが、契約内容に関してはまだ明らかになっていません。
ベアトリスの契約内容については、第四章の聖域編で明らかになりますので、読み進めていきましょう。
パックの「本体」はどこにある?
パックの結晶石にヒビが入った際、ベアトリスはパックは「本体」に戻らされたと発言しています。
パックはエキドナによって創られた人工精霊ですが、人工精霊の仕組み自体はまだ明らかになっておらず、そのため「本体」が存在することもこの時初めて明らかになりました。
同じ人工精霊であるベアトリスは常に禁書庫に存在し、パックのように結晶石に戻る必要はありません。
このことを考慮すると、ベアトリスは本体と共に存在して周囲のマナを取り入れることで存在を維持していると考えられますが、パックの本体はリゼロ世界に持ってこれない隔絶した場所にあると考えられます。
聖域編の夢の城で「サテラ」が夢の城に登場したように、封印された隔絶した場所からでも魂(オド)だけは飛ばせるのだとしたら、パックもサテラと同じ方法で顕現し、エミリアの近くに存在しているのだと思われます。
パックと「エキドナ」の関係
パックの異常な力を見て驚くペテルギウスに対して、パックは一言「エキドナ」とだけ告げました。
パックはエキドナによって作られた人工精霊であり、エキドナによって、通常では持ち得ない程に高い能力を授かりました。
異常な力を持てる理由は恐らくロズワールが言及した「誓約」によるものであり、自分自身に縛りを課すことで能力を高めるというものと思われます。
実際、パックは守るべき唯一の存在であるエミリアに対して、契約をしてはいけないという制約を契約に組み込まれていました。
パックが「世界を滅ぼす」のは誰との契約?
パックが「世界を滅ぼす」のは、創造主であるエキドナとの契約であると思われます。
この相手が「強欲の魔女」なのか、「ベアトリスのお母様」を指すのかは分かっていません。
「世界を滅ぼす」という契約を提示したのがパックなのか、エキドナなのかは明らかになっていませんが、パックの場合では次のような契約の流れになったものと想定されます。
- 何らかの目的でパックを人工精霊にすることが決定
- パックは自分を人工精霊にするのならエミリアを守れる強力な力を求める
- エキドナは力を得るための「誓約」として守るべきエミリアに近づきすぎないという条件を提示する
- パックは、そうまでしてエミリアをもし守れなければ、世界を滅ぼすと提示する
この辺りの真実が明らかになるのはずっと先になることでしょう。
リゼロ原作小説6巻5章「ゼロから」あらすじネタバレ
屈指の神回
目覚めたスバルは、果物屋のカウンター越しに聞こえるレムの声に安堵し、レムを抱きしめます。
そしてスバルは、ようやく答えを見つけたと、身も心も全ての重圧から解放され、これまでにない軽い足取りで、レムの手を握って王都の外へ向かって走り出しました。
王都から出る寸前、ようやくレムがスバルの腕を引っ張り、何をしようとしているのか理由を聞きます。
スバルは、自分には何もできないことが分かったと話し始めます。自分は救いようのない馬鹿であり、いない方が全員の幸せな未来があるのだと言います。
晴れ晴れとした表情で、二人の未来の展望を語り、レムに一緒に逃げてくれと手を差し出します。
そして、自分を選んでくれたのなら、人生をレムに捧げると言い切ります。
レムがスバルに一番厳しい
レムは、スバルとは一緒にいけないと言います。
- 逃げたいと思った時に、レムを選んでくれたことは嬉しい
- 二人の未来のことを考えると、レムもとても幸せな気分になる
- それでも、今逃げてしまうと、レムが一番大好きなスバルを置いていくことになる
- スバルには、どんな苦難の中にいても、諦める姿は似合わない
- レムはスバルを愛している、スバルがどんなに自分を卑下しても、レムはスバルの良いところを知っている
- スバルはレムにとっての英雄である
- 自分の無力さを思うのなら、ゼロから始めましょう、と話す
スバルは、レムだけは、自分がどこまでも堕落していくのを、優しく許してくれるだろうと考えていました。
しかし、レムだけは、スバルが諦めることを絶対に許してくれないのだと気付きます。
絶望から救い出されたスバルは、レムの英雄として相応しく、全員が救われる未来にたどり着こうと、降りかかる困難に挑みます。
- 魔女教・ペテルギウスによる襲撃
- レムを守る
- エミリアを守る→パックの暴走を防ぐ
スバルは、レムが弱い自分のまま受け入れ、そして諦めることを許さないレムに、今後何度も支えられます。レムがいるからこそ、スバルはこの世界での困難に立ち向かっていけるのです。
気付くスバル
復活したスバルは、状況を改めて整理します。
- 魔女教徒の出現まで四日半。王都滞在が許されるのは二日
- ロズワールは屋敷に不在。エミリア・ラム・ベアトリスのみでは戦力不十分
そして、王選開始のこの状況で、レムが無条件で自分の側にいることはおかしいと気付きます。
そして、レムがクルシュ陣営との同盟の交渉をしていたことにたどりつきます。
レムに確認すると、レムは笑顔で肯定し、ロズワールに「スバル自身が気付くまでは内密にするよう厳命されていた」と答えました。
リゼロ原作小説6巻5章の考察、ネタバレ解説
レムも「愛する人に理想を強要する」人物
レムはスバルを「英雄」と言い放ち、自らの理想をスバルに求めました。
「愛する人に理想を強要する」という態度は、聖域編でロズワールが自分とスバルの共通点だと挙げた性質であり、レムもその性質に近いものを持っていることが描かれました。
レムがスバルに、スバルがエミリアに求めたものは通りますが、これはその間に「相手を本当に想う気持ち」があればこそだと考えられます。
ロズワールの想いはエキドナへと向けられていますが、再会が描かれることがあった時に、ロズワールの愛情が伝わるかは注目したいところです。
ロズワールがレムに「秘密」にするよう命じていた理由
ロズワールがクルシュ陣営との交渉をスバルに秘密するよう、レムに命じていた理由は「叡智の書に最も近い本」に記載されていたからと思われます。
もし最初から交渉の事実をスバルが知っていた場合、これまでの周回で辛い思いをしながらも学んできたことを学ぶ機会は得られなかったことでしょう。
叡智の書がロズワールの望む未来への道筋を示すものであるのなら、スバルの成長は不可欠であり、それ故に「自分で気付く周回」にたどり着くことを求め、スバルには教えないように表記されていたものと考えられます。
ロズワールがクルシュ陣営との同盟を画策していた理由
クルシュ陣営との同盟の画策についても、上記と同じように「叡智の書に最も近い本」による記述である可能性が高いでしょう。
スバル抜きでクルシュ陣営が白鯨戦に臨んだ場合は、フェリスを除いて全滅すると明かされており、ロズワールの目的達成のためにはクルシュやヴィルヘルムの生存が必要であるのだと思われます。
また、「叡智の書」がエミリア陣営とクルシュ陣営の同盟を指示したのは、スバルを白鯨戦に関与させるためだと思われます。
リゼロ原作小説6巻6章「配られたカード」あらすじネタバレ
スバルは、アナスタシアの教えに従い、交渉前にできるだけの事前準備を整えます。
それが、二人の交渉の場の同席でした。
- ラッセル・フェロー
- アナスタシア・ホーシン:遅れてくる
レムからスバルに交渉の権限が移ったことを認めるクルシュ。
改めて、エミリア陣営から提示された「エリオール大森林の魔鉱石採掘権の分譲」について検討をします。
クルシュは、魔鉱石の価値のリスク面について言及しますが、ラッセルが魔鉱石の希少性が高まることを熱弁し、スバルの交渉を後押ししてくれます。
クルシュも、ロズワールから提示された条件は、極めて妥当で魅力的なものだと認めます。
しかし、公爵家当主としての立場から、同盟に頷くためには、もうひと押しが必要だと伝えます。
スバルは、これまでのクルシュ邸での動きから推測し、「白鯨の出現時間と場所」という情報を交渉の場に出しました。
リゼロ原作小説6巻6章の考察、ネタバレ解説
ラッセルがスバルに味方をする理由
ラッセルがクルシュとの交渉の場でスバルの味方をしている理由は、裏で味方をする交渉を済ませているからです。
スバルは白鯨戦後に「ケータイ」をラッセルに渡す約束をしており、ラッセルはそれが貴重なミーティアであることを見抜いているため、スバルの求めに応じ、交渉の場で援護射撃をしたのです。
ラッセルにとって「ケータイ」は使い方も不明な未知のミーティアではありますが、ラッセルの持つ加護によって、「ケータイ」が非常に価値の高いものであることは見抜いています。
リゼロ原作小説第6巻のストーリーの流れ
- クルシュと交渉をするが決裂
- プリシラと交渉をするが決裂
- アルがレムを「ラム」と呼ぶ
- アナスタシアに情報を盗られる
- 竜車でリーファウス平原に向かい、オットーと出会う
- フリューゲルの大樹に到着
- 白鯨が出現
- レムが白鯨に敗れる
- オットーが魔女教徒に襲われ姿を消す
- アーラム村に到着するも気を失う
- ロズワール邸で目覚める
- ラムの記憶からレムがいなくなっている
- エミリアに「ループ」を告げようとする
- エミリアが魔女の手に堕ちる
- ベアトリスに森に転移させられる
- ペテルギウスと戦闘
- パックが現れスバル権能発動
- 果物屋の前で目が覚める
- レムを連れて全て投げ出して王都から逃げようとする
- レムの思いを聞き、スバル復活
- レムがクルシュ陣営と同盟交渉していたことに気付く
- 交渉の準備としてラッセル・アナスタシアに声をかける
- クルシュ陣営との交渉の席につく
- エリオール大森林の魔鉱石採掘権の分割譲渡について検討
- 交渉の切り札として「白鯨の出没場所と時間」を出す
続きの第7巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
本ページの情報は2021年03月05日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。