「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」原作小説8巻を、ネタバレありであらすじ解説・考察をしていきます。
第7巻では、レムの優しく厳しい愛情に支えられ、復活したスバルが、クルシュ陣営との同盟を成立させ、アナスタシア陣営の協力を得て、白鯨討伐に成功する道にたどり着きました。
ユリウスやティビー率いる鉄の牙の援軍も合流し、いよいよ魔女教徒討伐に向けて動き出します。
スバルは魔女教徒、大罪司教「怠惰」担当ペテルギウス・ロマネコンティを撃退し、エミリアを救うことができるのでしょうか!?
第7巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
リゼロ原作小説8巻1章「怠惰一閃」あらすじネタバレ
スバルが、リーファウス平原で、魔女教討伐に向けた作戦を説明します。
作戦目標 | 大罪司教「怠惰」担当、ペテルギウス・ロマネコンティの撃退 |
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作戦概要 | 1.スバルの体質を利用して魔女教を引きつけ、スバルが指示して拠点に返す 2.魔女教徒の拠点はリカード、ユリウスが指揮する討伐隊が監視、手は出さない 3.選抜部隊、スバル、ヴィルヘルム、ミミ・ティビー、フェリスがペテルギウスを奇襲する 4.ペテルギウス討伐後、選抜隊が本体と合流し、拠点を一つ一つ潰していく |
防衛策 | ・スバルがアナスタシアとラッセルに依頼した件。リーファウス街道付近の村にいた行商人の一団がこちらに向かっている ・行商人の竜車を借りて、アーラム村やロズワール邸の中にいる人々を王都に逃す ・商人団を指揮するのは鉄の牙の団員 ・ロズワール邸には、クルシュよりスバルの親書を出してもらっており、同盟や援軍、魔女教対策などを伝達済み |
ペテルギウス戦に参加できないことに、闘志みなぎる各メンバーは不満を表しましたが、権能「見えざる手」の威力はスバルにしか見えず、人数が増えるほど被害が増えると説明しました。
一同納得したものの、フェリスは、ユリウスがメンバーから外れていることに、スバルの中にはまだ、わだかまりがあるのではと感じています。
ユリウスとのわだかまりは、和解に至っていますが、スバルの中ではまだ完全に消化できている訳ではありません。フェリスは、その点を感じ取っています。
大罪司教の脅威
リーファウス平原の中間地点、フリューゲルの大樹から大森林に向けて進む途中、ユリウス、ヴィルヘルムが、この世界における大罪司教の脅威についてスバルに説明します。
怠惰 | ・出現回数が最も多く、出現範囲も広いため神出鬼没 ・足取りを追うことが難しかったため、今回討伐できればその価値は計り知れない |
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強欲 | ・被害規模がもっとも甚大 ・かつて、ヴォラキア帝国が誇る数千人の常備兵がいる城塞都市ガークラを、たった一人で壊滅させた ・帝国の英雄、「八つ腕」のクルガンもこの時、命を落とす ・クルガンはヴィルヘルムとも昔死闘を繰り広げ、引き分けている豪傑 |
スバルは今後の大罪司教との激突も予感しますが、ユリウス・ヴィルヘルムはまず目の前の「怠惰」に集中しようと、スバルに集中力を取り戻させました。
大罪司教は2人だけではありませんが、特に有名なのが「怠惰」と「強欲」とのことでした。
選抜部隊がペテルギウスを奇襲
大森林の入り口に到着し、スバルはパトラッシュから降りて、森の奥深くへ進んでいきます。
- 目的地までの途中で、二つの魔女教のグループに遭遇
- スバルに恭しく挨拶する。スバルの指示で拠点に戻り、それを討伐隊が追跡して監視する
- 岩場の洞窟に到着。ペテルギウスがスバルを寵愛の使徒として大歓迎する
スバルの魔女からの寵愛の深さに、ペテルギウスは歓喜に狂いながら、スバルは今代の「傲慢」担当なのではないかと聞きます。
「福音書」の提示を求められますが、スバルは会話をはぐらかし、魔女教についての質問を続けます。
- 試練の邪魔をされないように、メイザース領を孤立させる目的で白鯨に霧を出させた
- 試練とは、魔女因子を取り込み、器に相応しいか試すもの
白鯨を出現させたのは、魔女教徒だということが明らかになりました。3周目で白鯨がスバルを襲わなかったのは、スバルのかすかな魔女の香りを感じ、味方だと感じたのかもしれません。
ただし、匂いが強まると、白鯨も正気を失ってスバルを襲うことは確定していますので、この説は微妙かもしれませんが。
「魔女因子」が何かはまだ明らかになっていません。しかし、それをエミリアに取り込ませるのが、魔女教の目的だということが分かりました。
ペテルギウスがここまで話し、福音書に目を落とすと、全ての指示が書かれているはずの福音書に、スバルのことが一切書かれていないことに気付きます。
スバルはここまでと判断し、奇襲の合図を出しました。
- 森に潜んでいたミミ・ティビーの合体魔法で洞窟の拠点を破壊して崩落させる
- 混乱するペテルギウスの背後からヴィルヘルムが登場
ペテルギウスは一瞬で、ヴィルヘルムによって撃退されます。
リゼロ原作小説8巻1章の考察、ネタバレ解説
大罪司教の脅威は「権能」によるものである可能性が高い
原作小説で初登場となった魔女教大罪司教ですが、その脅威はそれぞれの「権能」によるものが大きいと考えられます。
怠惰の大罪司教ペテルギウスの「見えざる手」も、権能の存在を理解し、その対抗策を練らなければ妥当することができない性質のものです。
このため、純粋な「強さ」だけで大罪司教を攻略することは難しく、だからこそループができるスバルの「権能」が大罪司教達にとっては脅威となることでしょう。
大罪司教には代替わりがある
ペテルギウスが「今代の大罪司教」と話していることから、大罪司教には代替わりがあることが明らかになりました。
ペテルギウスだけがずっと魔女教を見続けているということは、ペテルギウスの正体は人間ではなく、精霊など寿命の長い、もしくは寿命の概念がない存在である可能性が高そうです。
「怠惰」の大罪司教は神出鬼没で足取りを掴ませないとユリウスが発言していることから、移動する時は精霊として体をくらませているのかもしれません。
魔女教の「福音書」とは?
魔女教の持つ「福音書」とは、「叡智の書」を複製した劣化品のことです。
予言の精度も回数も本物とは比べものにならないものですが、ある日送られてきて本の中身を読んでしまうと、途端に敬虔な魔女教徒に変貌してしまうという性質を持っています。
このことから、福音書の中の記述には「オドに干渉」する力があると考えられ、魔女教徒に存在を上書きされることで、普通の人が突然魔女教徒になってしまうのではと思われます。
リゼロ原作小説8巻2章「—戦え」あらすじネタバレ
森の中に隠れていたフェリスが姿を現し、ペテルギウスの状態を確認します。
傭兵であるティビーは、抵抗なくペテルギウスの体から戦利品を探します。
すると、分厚い本を見つけますが、スバルにそれは「福音書」だと教えられると、慌てて本を放り投げ出しました。
- 達筆の平仮名のような文字で読めない
- イ文字、ロ文字、ハ文字のどれにも当てはまらない
- 最後の方は白紙となっている
- ある日突然送られてきて、受け取った人は魔女教徒となる
スバルは中をパラパラと見て、ロズワールやベアトリスに、何が書いてあるのか後で見てもらおうと考え、持ち帰ろうとします。
福音書の中を見たスバルに、ヴィルヘルムやフェリスは戦闘態勢を取っていましたが、スバルが正気であることを確認すると警戒をときました。
福音書をもらった人が魔女教徒になってしまう理由は解明されていません。今後のストーリーで明かされるかもしれません。
スバル囮作戦で指先を4グループ撃破
森の外の拠点に戻ったスバル達は、ユリウスやリカード達と合流します。
見張っていた2拠点のうち、1つの拠点は斥候と遭遇してしまったため、既に壊滅させたという報告を受けました。
ここからは、スバル囮作戦を使い、より安全に指先の拠点を壊滅させていきます。
- 森の中をスバルが一人で散策
- 近くの拠点にいる魔女教徒がスバルの前に現れて挨拶
- スバルが拠点に帰るように指示する
- 魔女教徒の後を尾行して拠点を発見する
- 戦闘チームが奇襲をかける
囮作戦は非常に効果的で、味方に一人の負傷者も出すことなく、魔女教徒の拠点を壊滅させていきます。
情報収集のため、捕虜を取ろうとしますが、魔女教徒は体内に魔鉱石を埋め込んでいるため、捕虜にはできませんでした。
フェリスはこの行為に対して、「命の冒涜だ」と深い憤りを見せます。
王国一の治癒魔法の使い手であるフェリスは、命を軽く考える人間に対して、敵味方問わず嫌悪を示します。
行商人団が森の外の陣地に到着
4つの指先のグループを同じ手法で壊滅させた後、行商人団が森の外の陣地に到着したという報告を受け、スバル達は説明のため、一度陣地に戻ります。
行商人団が怯えて退散しないよう、スバルは嘘を交えながら協力をお願いしました。
- スバルは2ヶ月前の出来事を説明に活用する
- 森の中は魔獣ウルガルムの群生地であり、通常は結界によって人間と魔物の住処が分かれている
- 結界が一部綻んでしまったことで、ウルガルムが人間のエリアに入ってきてしまった
- そのため、王都から討伐隊が派遣され、山狩りが行われている最中
- 行商人団には、竜車で森の中にある村の住民の避難を手伝ってもらいたい
見事なスバルの説明に対し、ユリウス・フェリスが賞賛しますが、2ヶ月前にあった事実だからとスバルが言うと、魔獣の近くに屋敷や村をおくことはあり得ないと絶句しました。
行商人達の護衛を騎士団に任せ、スバルと主力メンバー、鉄の牙は再度森の奥深くへ入っていきます。
あり得ないということは、何か理由があるということです。ロズワールがなぜ魔獣の群生地近くに屋敷を構えたのかは、屋敷の近くに何があるか、という点が重要になります。
6グループ目の指先の異変
スバル囮作戦で5つ目の拠点を壊滅させた後、6つ目の拠点の魔女教徒と遭遇した時に異変が起きます。
- スバルが遭遇した魔女教徒はこれまでの最多の4人
- アジトに戻る途中に1人と3人組の二手に分かれる
- スバルは鉄の牙の狐人ラジアンを呼んで、3人組を尾行させ、自分は1人の方を追う
- スバルが追った先はペテルギウスと遭遇した場所であり、指先はペテルギウスの体から何かを探していた
- スバルに気が付いた魔女教徒が、スバルに向けて手を伸ばす
魔女教徒の手がスバルに届く寸前、ヴィルヘルムら主力メンバーが森の中から飛び出し、指先グループを壊滅させました。
残りの指先の本数も4本となりましたが、スバル達の胸中には不安が渦巻き、急いでラジアン達の元へ向かいます。
指先は、ペテルギウスが持っているはずの何かを探していました。ティビーが戦利品を漁った時、ペテルギウスは異常な軽装で、持っていた主要なものは、福音書のみです。
2人目のペテルギウスが現れる
スバル達が待ち合わせ場所に戻ると、そこにはラジアン達が敗れた後がありました。
フェリス、リカードが状況を観察し、精鋭の鉄の牙が反撃もできずに敗れるのは異常だと言います。
早急に撤退する必要があると進言し、スバル達は森の外の陣地に向かって走り出しました。
しかし、森の奥から「見えざる手」が現れ、討伐隊にさらに被害が出ます。また、見えざる手はスバルを捕まえ、森の奥に引き摺り込みました。
- 女の容姿の魔女教徒がペテルギウス・ロマネコンティを名乗る
- スバルに対して、改めて大罪司教「傲慢」なのではと疑う
- スバルが持ち出した福音書を返せと叫ぶ
- ユリウスがスバルにつけていた精霊「イア」が光り、ペテルギウスがスバルを離す
- スバルが逃走を開始し、追ってきていたヴィルヘルムと合流する
- ヴィルヘルムが「見えないと分かっていれば戦えるものです」と言い、ペテルギウスに向かっていく
- 土煙を上空に巻き上げ、見えざる手を可視化して撃墜する
スバルは、ヴィルヘルムの超絶剣技&体技に唖然としながらも、すぐにユリウス達の元に戻ります。
ヴィルヘルムのこの戦い方は、本人は誰でもできると考えていますが、ヴィルヘルムにしかできません。
2回目のヴィルヘルムの言葉
スバルが戻ると、ユリウスが冷静に被害状況の報告をします。
- 最初の見えざる手の奇襲で5名敗北
- その後の魔女教徒の襲撃で2名敗北
- ラジアン達5名を含め、合計12名敗北
フェリスが、1人は回復したと言い、11名だと修正します。
スバルは、自分の「せい」で11名が犠牲になってしまったと、下を向いてしまいます。
しかし、ヴィルヘルムが、彼らは自分のために戦ったのだと言います。
そして、スバルに対して、クルシュ邸で投げかけた言葉と似た言葉を突きつけます。
後悔があろうと、悔恨に打たれようと、戦え。戦うのだと、抗うのだと、己にそう定めたのであれば全身全霊で戦え。1秒も、一瞬も、刹那も諦めず、見据えた勝利に貪欲に喰らいつけ。まだ立てるのならば、まだ指が動くのならば、まだ牙が折れていないのならば、立て、立て、立て、立て、戦え。戦え。
クルシュ邸では、ヴィルヘルムに「強くなることを諦めた者に心構えを説いても意味がなかったか」と言われてしまいました。
しかし、今回のヴィルヘルムの言葉は、その時とは意味が違うとスバルは感じます。
スバルは、ヴィルヘルムに強くなれというんですか、と聞きます。
ヴィルヘルムは、「強くあれ」と返しました。
リゼロ原作小説巻章の考察、ネタバレ解説
「青」のフェリスは技術だけでなく心から治癒魔法士
「青」の称号を持つフェリスは、大陸一の治癒魔術師であると高い評価を受けています。
一方で、マナに頼った治癒魔法だけではなく、古い技術にも精通しており「治癒術師」として高い水準にあります。
フェリスが「治癒術師」になるストーリーについては、短編集で描かれています。
師匠のガリッチも出てきますので、是非ご覧になってください。
ロズワールが魔獣の群生地近くに屋敷や村を作った理由
ロズワールが、通常あり得ないとされる魔獣の群生地の近くに屋敷を建て、アーラム村を作った理由は、「その近くに大切なものがあるから」である可能性が高そうです。
魔獣がいる場所に意味もなく入る人は少ないでしょうから、大切なものを隠すという意味では、適している場所であると考えることができます。
尚且つ近くでそれを監視することができるように屋敷を建て、生活基盤を整えるために村を作ったと考えるのが自然ではないでしょうか。
また、ロズワールにとって大切な「聖域」が近くにあることも重要なポイントですね。
「指先」が探していたもの
ペテルギウスの「指先」が探していたものは、ペテルギウスの「福音書」です。
洞窟の中で福音書は「魔女の寵愛の証」であると発言されており、それ故、ペテルギウスが別の体に移動した時点で、愛の証である福音書を探しに向かったと解釈できます。
「福音書」はスバルが回収しているため、ペテルギウスは福音書を取り返すために、スバルと何度も対峙することとなりました。
ペテルギウスが「異常な軽装」で森の洞窟にいた理由
ペテルギウスは、メイザース領の大森林に「異常な軽装」で来ていたと描かれています。
このことから「一瞬または短時間で移動できる手段がある」と考えることができます。
手段を持っているのがペテルギウスなのか、又は別の存在なのかは不明です。
いずれにせよ、人間と同じように、地竜で移動するといったことはなさそうですね。
リゼロ原作小説8巻3章「帰ってきた意味」あらすじネタバレ
フェリスが、女ペテルギウスを調査し、特殊な術式が組み込まれていることを発見しました。
「指先」とは集団ではなく、この術式が組み込まれている魔女教徒を指しているのではと指摘します。
この時点でのスバル達の認識は、特別な術式が組み込まれている魔女教徒が、大勢いる中の一人のペテルギウスだというものです。
森の陣地で今後の動きを相談
スバル達は森の外の陣地に戻り、情報共有を行います。
そして、怠惰を撃退できていないことから、ロズワール邸・アーラム村に魔女教が出現する可能性が発生したと話します。
話し合いの結果、指先の壊滅という当初のプランを変更し、全員でアーラム村へ救出に向かうことが決まります。
魔女教討伐隊の最大の危機
スバルは、フェリスから、心の中にユリウスへのわだかまりが残っていることを指摘されます。
選択肢から無意識にユリウスを外してしまっていると言われ、そのことを自覚したスバルは、アーラム村に向かう途中で、ユリウスに対して二度目の謝罪の言葉を言います。
しかし、スバルが顔をあげると、ユリウスだけではなく、討伐隊の全員の姿が突如として消えていました。
- 花の香りをかいだ直後、全員の姿が消える
- 走っても景色が動かないが、鈴虫の鳴く声は聞こえる
- 直前に花の香りを嗅いだことを思い出すと、道端の花が変貌する
- 赤く光る精霊「イア」が蔦を焼き払い、スバルが幻覚から目を覚ます
- 目を覚ましているのはスバルとユリウスのみで、後の討伐隊は全員倒れている
ユリウスがスバルから幻術を解除した方法を聞くと、「イン」と「ネス」の2色の精霊を呼び出します。
そして、範囲内のゲートを繋いで意思疎通ができるようにする魔法「ネクト」を使って、解除方法を全員に共有します。
ネクトは二つの属性を融合した高等魔法です。この時点で、ユリウスの魔法オタクっぷりが垣間見えます。
すると、スバルの上空に白いローブを着た人影が現れ、スバル一人を連れ出そうと引きずります。
目覚めたヴィルヘルム、リカードが戦闘に入りますが、この二人でさえ手玉に取られ、ユリウスも参戦し、三人がかりでようやく動きを止めます。
白いローブを被った相手は、ラムでした。
スバルが慌てて静止し、ラムに何か誤解していると言い、この集団は魔女教の討伐隊だと説明しました。
ツノを失って力を落としているとされるラムですが、それでもヴィルヘルム、リカード、ユリウスを上回るような戦闘技術があることが驚きですね。
ツノがある頃のラムは、亜人族最強の鬼族の中でも、歴代最強の能力を有していたとされていますので、想像もつかない強さだったのだと思います。
ラムが討伐隊を襲撃した理由
スバルが質問をしながら、ラムがなぜ今回の襲撃を起こすに至ったかを確認していきます。
- クルシュから「白紙」の親書が届く
- 白紙は「対話する意思が無い」ことを表し、宣戦布告と取れる
- ここ数日、森の様子がおかしい
- そこに、カルステン家の紋様を刻んだ武装集団が現れる
- エミリア陣営への攻撃と見なし、交渉材料として指揮官を拉致するため幻覚を見せる
レムとスバルは、クルシュ家に捕らえられているとラムは考えていましたが、武装集団の中にスバルの姿を見たことで、予定変更をしてスバルを連れ去ろうとしたのでした。
双方の誤解が解け、ヴィルヘルムのとりなしによって、エミリア陣営とクルシュ陣営の同盟に問題は発生しないまま、討伐が続行されます。
アーラム村で避難を説得する
アーラム村に到着後、スバルは早速、村人達に避難協力を取り付けようとします。
スバルは魔獣対策だと説明しますが、村人は魔獣ではなく魔女教だろうと叫び、ハーフエルフの半魔を王選に支援することに対して、怒りをぶつけてきます。
- 親睦を深めてきたアーラム村の村人でさえ、エミリアに対する蔑視があることに落ち込むスバル
- フェリスに顔を上げて前を向けと言われる
- ラムがスバルを後押しし、スバルの言葉はロズワールの言葉であり、万が一損害が発生した場合は保障すると約束する
村人は渋々避難することに同意し、避難準備を始めます。
スバルは、エミリア、パック、ベアトリスを避難させるために、ロズワール邸に向かう準備を始めます。
フェリスのアドバイスの効果もあり、同行者を次の人たちに指名しました。
- ユリウス
- フェリス
- ラム
また、ラムからエミリアの現在の様子も聞きます。
- 王都から帰ってきてから衰弱している
- 森の異変に気付き、アーラム村の人々を屋敷に避難させようとするが拒絶される
- ロズワールが聖域に行き、エミリア陣営のトップとして重責を担う
- そこにクルシュからの白紙の親書が届く
- 眠れない日々が続き、今日も早朝まで仕事をしていた
すぐにロズワール邸に向かおうとするスバル達に、商人団の代表であるケティが叫ぶように呼びつけます。
3人目のペテルギウス
ケティは、魔獣対策と聞いていたのに、魔女教が相手とは話が違うと怒ります。
しかし、フェリスが言い値の倍を出す案を提示し、スバルが承諾すると、ケティもすぐに引き下がります。
フェリスが荷物の目録を確認する動きを見せますが、突然ケティの体内のマナを操作し、動けないようにします。
- ケティにペテルギウスの術式が組み込まれていることを発見
- マナ操作で動けないようにし、スバルに説明する
しかし、動けないケティが、突然ペテルギウスの口調に変わります。
フェリスはすぐに「イア」を呼び、スバルを守るように指示します。次の瞬間、イアが魔法防壁をスバルの周りに展開した後、竜車が爆発してしまいました。
リゼロ原作小説巻章の考察、ネタバレ解説
ラムの驚きの強さ
ラムはヴィルヘルム、ユリウス、リカードの三人が束になってようやく動きを制圧できるほどでした。
ちなみに、この時もラムは全体の20%も力を出していないことが後々明らかになります。
ラムの圧倒的な強さについては、原作小説25巻のプレアデス監視塔で少しだけ描かれますので、是非読み進めていってください!
親書が「白紙」に変わっていた理由
スバルがクルシュ邸から出した親書が白紙に変わってしまった理由は、「暴食」の影響によるものです。
白鯨の「消滅型の霧」に倒された人が周囲の人から忘れられ、世界から存在を消されてしまうように、「暴食の大罪司教」に倒された人の存在、残した影響は世界からなくなってしまいます。
スバルはリゼロ世界の文字はまだ「イ文字」しか書けないため、親書はスバルが話した言葉を、レムが聞いて書く形で作り上げていました。
親書が白紙になる、つまりレムの行動が世界からなかったことにされているということは、レムの身に何かが起きたと考えるのが妥当でしょう。
アーラム村の村人にもエミリアに対する偏見あがる
アーラム村にたどり着いたスバルですが、村の住民達でさえも、エミリアに対する偏見を持っていることが明らかになりました。
王戦を勝ち抜く上で、支持基盤を固めることは必須です。最も身近なアーラム村の住民の賛意なくして、エミリアが王位につくことはないでしょう。
この点はロズワールも気付いており、それゆえにある「仕掛け」をしていました。
仕掛けの謎は聖域編で語られることとなります。
行商人が到着した後「指先」の動きに変化があったのはケティのせい?
ケティが指先の一人であることが明らかになりました。
大森林の外に行商人達が到着した後、ペテルギウスの「指先」の行動が変化した理由は「ケティ」が情報を漏らしたことが原因である説が浮上しました。
洞窟の拠点の前で倒された後、すぐ次の「指先」に憑依しなかったことからも、ペテルギウスは「移動に時間がかかる」もしくは「指先の詳しい場所を知らない」可能性があります。
後者の場合は、ケティがスバル達の異常な動きを察知し、周囲の「指先」に連絡することで、指先自身にペテルギウスを捜索させた、または墓所の洞窟の前に向かわせたと考えれば辻褄が合います。
リゼロ原作小説8巻4章「悪辣なる怠惰」あらすじネタバレ
爆炎と爆風がが収まった後、スバルは「イア」にフェリスの場所を聞くと、ボロボロの家屋からフェリスが姿を現します。
フェリスの服はボロボロであるにも関わらず、体には傷一つありませんでした。
フェリスは「青」の称号を持つ、王国一の水魔法の使い手ではありますが、その能力にはまだ多くの謎があります。フェリスの発言が何を意味するのか、今後のストーリーに注目です。
魔女教徒の総攻撃からユリウスが守る
竜車の爆発の後、残りの竜車に潜んでいた魔女教徒の総攻撃が始まります。
状況は悪く、騎士たちは方陣を組んで村人を守りますが、魔女教徒が優勢の戦況となります。。
そこに、ユリウスが魔法「アル・クラウゼリア」を放ちます。
- 虹色の極光が上空に浮かび上がって瞬く
- 味方には魔法防壁が展開される
- 敵が触れると凄まじい威力で弾き飛ばされる
起死回生の魔法で村人たちを守ったユリウスの元に、フェリス・スバルが合流して互いの無事を喜びます。
そこで、ユリウスから情報共有を受けました。
- 魔女教徒の人数から、残りの指先全てでの総攻撃を受けている
- 状況はかなり不利
- 負傷者はラム・ティビーがロズワール邸に運んでいる
報告を受けた後、フェリスは回復役を担うため、ロズワール邸に移動します。
遠くで見えざる手が暴れているのを確認し、スバルとユリウスはその場所へ向かいます。
「最優の騎士」の名前は伊達じゃないですね!アル・クラウゼリアがどの程度のレベルの魔法かは明かされていませんんが、全ての属性の融合魔法なので、ユリウスの精霊術師としてのレベルは相当に高いものだと考えられます。
4人目のペテルギウス VS ヴィルヘルム
4人目のペテルギウスの出現に対し、ヴィルヘルムが単独で対峙しています。
2人目の女ペテルギウスを撃墜した時と同様に、土埃を利用して見えざる手を回避、ペテルギウスを追い込んでいきました。
ペテルギウスは追い詰められますが、「見えないのもに囚われれば、見えるものが疎かになる」という発します。
次の瞬間、ペテルギウスはヴィルヘルムを道連れに自爆し、爆炎と爆風により、ヴィルヘルムも重傷を負いました。
最強かと思われたヴィルヘルムですが、自爆という手段を使えばダメージを与えられることが判明しました。
5人目のペテルギウス VS スバル・パトラッシュ
重傷を負ったヴィルヘルムの元に、スバルとユリウスが到着します。
すぐにロズワール邸でフェリスの治療を受けさせようとしますが、5人目のペテルギウスが4人の魔女教徒を引き連れて現れます。
スバルは、ユリウスに4人の魔女教徒を任せ、ペテルギウスに相対します。
- 福音書を餌にしてペテルギウスを広場へ引き連れる
- 方向転換し、ペテルギウスに向かって突撃
- ペテルギウスの背後にいたパトラッシュが頭突きでペテルギウスを突き飛ばす
- ペテルギウスが突き飛ばされた小屋の木材を投げつける
- スバルはパトラッシュに乗って森の中へ逃げ込む
- 途中で森の中の結晶石を一つもぎ取る
- ペテルギウスに追いつかれる
- ウルガルムがペテルギウスの「魔女の瘴気」に釣られて出現し、ペテルギウスを撃退
- スバルとパトラッシュは結晶石で身を守り、村に戻る
5人目のペテルギウスを倒したスバルとパトラッシュは、村の方角から見えざる手が伸び上がったのをみて、急いでアーラム村に戻ります。
エミリアがアーラム村に到着する
6人目のペテルギウスの「見えざる手」が脅威を振るおうとした瞬間、アーラム村にエミリアの美しい銀鈴の声音が響き渡りました。
そこまでよ、悪党。
王都でスバルがトンチンカンと遭遇していた時と、同じセリフでエミリアが登場します。EMT!!!
リゼロ原作小説巻章の考察、ネタバレ解説
フェリスは不死身?
竜車の爆発に巻き添えになったフェリスですが、服だけがボロボロの状態で、自身は傷一つなく砕けた小屋の中から出てきました。
短編集では、フェリスの生家であるアーガイル家には「不死王の秘蹟」という秘術が代々伝えられており、フェリスもその突出した才能を見込まれ、父から秘術の本を渡されていました。
もしフェリスが自らの加護を使って「不死王の秘蹟」の研究を進めており、自らを実験台にしていたのであれば、この時のフェリスの不死身さにも納得ができます。
フェリスの頭の中は「クルシュを守ること」で占められており、そのためであれば秘術の研究に手を出すことも十分に考えられるでしょう。
ユリウスはかなりレベルの高い精霊騎士と判明
ユリウスは虹色の精霊魔法を使って、アーラム村に現れた魔女教徒を撃退していきました。
虹色の魔法は、全ての属性のマナを均等に融合させる高度なマナ操作が必要となり、誰でも使える訳ではありません。
六属性の準精霊を従えるユリウスが、気高い鍛錬を重ねてきたからこそ得ることのできた境地だと思われます。
魔獣ウルガルムがまだ森の中にいた理由
大森林の中にある魔獣ウルガルムについては、ロズワールがスバルに「殲滅を約束」していましたが再登場してしまいます。
しかし、ロズワールが「約束」していることから、嘘をつくとは考えられません。
上記から考察していくと、次のことがわかります。
- 「魔獣」は暴食の魔女ダフネによって生み出された存在
- ダフネが生きていたのは400年前
- 魔獣の数が一定であるなら400年の間に倒され、減少していないとおかしい
- ウルガルムが再登場したことから、魔獣は「まだ生み出され続けている」可能性が高い
- 魔獣が生み出される場所が大森林のどこかにある
- それこそがロズワールが「隠している」ものか
リゼロ原作小説8巻5章「契約の履行」あらすじネタバレ
エミリアの姿を見たペテルギウスは、歓喜し、「これ以上の器は、今後何度試練を繰り返しても出会えない」と泣き叫びます。
しかし、パックに対して強い感情を向け、パックも雰囲気を一変させ、ペテルギウスに強い感情を向け返します。
試練は、「エミリアに魔女因子を取り込ませること」だと明かされており、エミリアはその器として素晴らしい資質を持っていることが判明します。
6人目のペテルギウス vs エミリア・パック
「見えざる手」の情報を事前に聞いていたエミリアとパックは、見事な連携で6人目のペテルギウスを撃退します。
しかし、ペテルギウスを眺めていたエミリアは、理由の分からない涙をこぼしました。
パックは、涙するエミリアに何かを話しています。
エミリアの涙が何を意味するのかは、まだストーリーの中で明かされていません。パックはその理由を知っている雰囲気を出しており、パックを通じて秘密が明かされるかもしれません。
スバルに異変
エミリアの勝利後、スバルの体から「イア」が弾き飛ばされ、スバルは一人で森の奥へ姿を消します。
イアが飛ばされたことで異変を察知したユリウスがスバルを追い、さらにその後ろから、フェリスと重傷のヴィルヘルムが追います。
三人がスバルに追いつくと、スバルは口調がペテルギウスのものに変わっていました。
ペテルギウスは複数人いるのではなく、一つの精神体が、複数の人間に憑依していたものだったのです。
ペテルギウスの正体が明らかになり、スバルが憑依の対象となってしまいました。特別な術式が組み込まれていないスバルに憑依ができたのは、スバルの体質に何か特徴があるのかもしれません。
スバルの最期
ペテルギウスから一時的に正気を取り戻したスバルは、三人に自分の撃退を頼みます。
- ヴィルヘルムはマナに干渉できる攻撃方法がない
- 一番有望な虹の剣を持つユリウスだが戸惑う
- フェリスが「恨んでいいよ、私も恨むから」と言い、体内のマナを暴走させる
- ユリウスがスバルを撃退
憑依する体を全て失ったペテルギウスと共に、スバルは終わり、権能を発動させました。
フェリス、ユリウス共に悔恨の表情を浮かべながら、スバルを撃退しています。
リゼロ原作小説8巻5章の考察、ネタバレ解説
ペテルギウスはこれまで「何度も」試練を繰り返してきたと判明
ペテルギウスは、これまで試練を繰り返してきたのだと説明しました。
このことから、銀髪のハーフエルフは、エミリアの前にも何度も生まれており、その度にペテルギウスが試練を課しに向かったのだと考えられます。
また、試練の内容が「魔女因子」を取り込ませることである場合、試練の突破方法は「ペテルギウスの撃退」となります。
ペテルギウスは「魔女教の目的は嫉妬の魔女サテラの再臨」だと話しているため、「魔女因子を集めていくと嫉妬の魔女サテラが再臨される」と解釈することができます。
エミリアがペテルギウスを見て涙を流した理由
エミリアはペテルギウスを撃退した後、氷柱となった大罪司教を見て涙を流していました。
しかし、スバルの視点からも「自分でも理由の分からない涙のように見えた」とあるように、エミリア自身もなぜ自分がペテルギウスを見て泣いたのかは分かっていません。
この伏線については、聖域編の墓所の試練で明らかになります。
リゼロ原作小説第8巻のストーリーの流れ
- リーファウス平原で作戦会議
- 選抜部隊がペテルギウスを奇襲で打ち取る
- 指先を4グループ壊滅させる
- 行商人団が森の外の陣地に到着
- スバル達も一度陣地に戻って状況の説明をする
- 指先の5グループ目を撃破
- 指先の6グループ目を撃破するが、異変が発生
- 二人目のペテルギウスが現れ、11人が敗北
- ヴィルヘルムが単独で二人目の女ペテルギウスを倒す
- 森の外の陣地に戻り、作戦を変更してアーラム村に救出に向かうことを決定
- ラムが催眠で討伐隊を襲撃するが確保される
- ラムの誤解を解く
- アーラム村に到着し村人達を説得
- ケティが3人目のペテルギウスだと判明するが、竜車が爆発
- フェリスの不死身疑惑発言が飛び出す
- ユリウスが「アル・クラウゼリア」を放ち村人を守る
- ヴィルヘルムが4人目のペテルギウスを倒すが、自爆され重傷を負う
- スバル・パトラッシュで5人目のペテルギウスを森に誘い込んで撃退
- エミリア・パックがアーラム村に到着し6人目のペテルギウスを撃退
- スバルにペテルギウスが憑依
- フェリス・ユリウスによってスバルが撃退、権能発動
続きの9巻のあらすじ・ネタバレ解説はこちら
本ページの情報は2021年03月05日時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。